OLYMPUSレンズ レンズ 機材レビュー 管理人レビュー 解像力チャート

M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0 レンズレビューVol.2 解像チャート編

「M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0」のレビュー第二弾 解像チャート編を公開。光学設計の古いマイクロフォーサーズレンズと言うこともあるのか、最近のレンズと比べるとパッとしない結果となりました。

簡易的なまとめ

中央であればF2の絞り開放から快適な結果を得ることができます。ただし、周辺から隅にかけてソフトな画質となるため、パンフォーカスでシャープな結果を期待する場合、しっかり絞ることをおススメします。出来るのであれば、F8まで。

If you are in the center of the image, you can get good results from F2 with the aperture wide open. However, because the image quality becomes soft from the edges to the corners, if you want to get sharp results with pan focus, we recommend that you stop down the aperture. If you can, stop down to F8.

解像力チャート

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:OM SYSTEM OM-1
  • 交換レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0
  • パール光学工業株式会社
    【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • RAW出力
  • ISO 200 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
    ・レンズプロファイルオフ
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

テスト結果

正直に言うと、あまり良くないです。絞り開放からシャープなレンズが多いM.ZUIKOレンズの中ではずいぶんとソフトな画質。2つの個体で同様の傾向であることを確認しているので、初期不良の可能性は低い。マイクロフォーサーズ初期の1200万画素センサーであれば許容範囲内だったかもしれませんが、2000万画素・2400万画素センサーでは周辺・隅の解像性能が厳しい。

絞ると徐々に改善しますが、それでも中央との性能差は歴然。広角レンズと定型チャートの相性が悪いとはいえ、最新のM.ZUIKOズームレンズのほうが良好な結果を期待できます。

中央はハイレゾショットで伸びるものの、周辺や隅はソフトな画質で測定不能の絞り値が多い。F4-5.6付近で安定し始めますが、中央との画質差は大きい。

中央

中央に関してはF2の絞り開放から非常にシャープ。さらにF2.8まで絞ると改善を期待できます。ハイレゾショットによる伸びしろもある優れた解像性能。回折の影響を受けるF8までは全ての絞り値で実用的な画質です。

周辺

中央とは異なり、F2の絞り開放付近は像がぼやけるソフトな画質。絞ると徐々に改善しますが、良像と呼べるくらいまで改善するのはF5.6前後。

四隅

周辺から大幅な落ち込みはなく、傾向はほぼ同じ。良好な結果を得たい場合はF5.6-8まで絞る必要があります。

数値確認

20MP 通常撮影

中央 周辺部 四隅
F2.0 3115 1549 1866
F2.8 3560 2008 2089
F4.0 3595 2194 2206
F5.6 3544 2278 2353
F8.0 3468 2386 2441
F11 2812 2222 2142
F16 2357 2085 1892
F22 1651 1565 1473

80MP ハイレゾショット

中央 周辺部 四隅
F2.0 3523 測定不能 測定不能
F2.8 4375 測定不能 測定不能
F4.0 4554 3907 測定不能
F5.6 4491 3005 3736
F8.0 4037 3236 3210

実写確認

競合製品との比較

F4の絞り開放から全体にピークの解像性能を発揮する「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」と比べて解像性能の強みはありません。携帯性を極めた小型12mmレンズと考えたほうが良いでしょう。

まとめ

中央であればF2の絞り開放から快適な結果を得ることができます。ただし、周辺から隅にかけてソフトな画質となるため、パンフォーカスでシャープな結果を期待する場合、しっかり絞ることをおススメします。出来るのであれば、F8まで。

サイズを気にしないのであれば、12-100mm F4 PROのようなズームレンズを使っても同様の結果を期待できます。もちろん、F2やF2.8を使うことは出来ませんが、F4以降の解像性能で12mm F2の優位性はありません。

購入早見表

このような記事を書くのは時間がかかるし、お金もかかります。もしこの記事が役に立ち、レンズの購入を決めたのであれば、アフィリエイトリンクの使用をご検討ください。これは今後のコンテンツ制作の助けになります。

作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

関連レンズ

関連記事

-OLYMPUSレンズ, レンズ, 機材レビュー, 管理人レビュー, 解像力チャート
-, ,