NIKKOR Z 35mm f/1.4 はZ 50mm F1.4よりも妥協点が多い

Lenstipが「NIKKOR Z 35mm f/1.4」のレビューを公開。コマ収差や周辺減光が強く、非点収差や倍率色収差の影響も強いと指摘。小型軽量で低価格ながら、光学性能は数十年前の古いレンズと同程度と評価。

Lenstip：Nikon Nikkor Z 35 mm f/1.4

外観：シンプルな鏡筒。中国製と記載。

構造：金属製マウント。後玉は固定されている。外装はプラスチック製。防塵防滴。

携帯性：F1.8 Sとほぼ同じサイズと重量。競合製品よりも明らかに小型軽量でフィルター径が最も小さい。

操作性：Fnボタンをはじめ、A/Mスイッチもない。コントロールリングはクリックレスで回転する。

AF：ミスショットはほとんど無い。速度は中程度。

MF：フォーカスリングは滑らかで適度な抵抗。ノンリニアレスポンスでストロークは180-190度と長い。正確な操作が可能。

手ぶれ補正：記載なし。

解像性能：
・中央：F1.4からまずまずの結果。絞ることで急速に改善するが、ピーク値の72lpmmは驚くほどの数値ではない。
・APS-C：F1.4-F2.0でソフトな結果。良像を得るにはF2.5近くまで絞る必要がある。
・隅：F1.4-F2.0でソフトな結果。良像を得るにはF4近くまで絞る必要がある。
・最新の単焦点レンズに期待する結果からは程遠い。

像面湾曲：記載なし。

ボケ：玉ねぎボケは見当たらない。若干の縁取りがあるものの、2段絞ると解消する。

軸上色収差：EDレンズを多用しなくとも、きちんと補正されている。無視できる程度。

倍率色収差：低い数値ではなく、有名なメーカーの最新モデルとしては相応しくない。

球面収差：完璧な補正状態ではなく、僅かなフォーカスシフトが発生する。ただし、強く非難するほどではない。

歪曲収差：未補正では-5.31％の樽型。明らかに光学的な補正は諦めている。無限遠でも-4.56％と大きい。

周辺減光：-2.77EVと深刻。

コマ収差：非常に目立つ。Z 50mm F1.4よりも強い。酷い。

逆光耐性：コントラストの低下が無く、問題はほとんど無い。

光条：記載なし。

作例集：

総評：50mm F1.4よりも低コストの代償が大きい。数十年前の古いレンズの性能と変わらない。600ドルという価格設定が僅かな救い。

競合について：差額を支払ってもF1.8 Sを購入したほうが良い。

備考：

2024年7月発売のNIKKOR Z初となるF1.4 単焦点レンズ。ロードマップのS-Lineレンズかと思いきや、非S-Lineの低価格な35mm F1.4として登場したため、多くのニコンユーザーを驚かせました。手頃な価格に加え、レンズサイズや重量は35mm F1.8 Sとほぼ同じ。携帯性の良い大口径レンズとして面白い選択肢となっています。今後は非S-LineのF1.4レンズシリーズとして拡充するのか気になるところ。

Lenstipのレビューによると小型軽量で低価格ですが、諸収差や周辺減光が強いと指摘。差額やF値を考慮しても「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」を選択したほうが良いようです。価格や携帯性を重視する場合は要検討ですが、それ以外では注意が必要かもしれません。

私も発売日に入手してZ 8と組み合わせて使用中。
携帯性はF1.8 S-Lineとほぼ同じで、ここ最近の35mm F1.4としては小型軽量なレンズです。良好な中央解像で、周辺や隅は2段ほど絞らないと諸収差の影響が目立つ。抜群とは言えませんが、完璧を求めなければ十分な35mm F1.4と言えるかもしれません。ただし、ボケは撮影距離によっては騒がしくなるので、状況に応じて絞るのがおススメ。

Lenstipが言及しているように、Z 50mm F1.4のほうが使い勝手が良いのはその通り。50mm F1.4が良かったから35mmも検討しているのであれば、購入前に試用することをおススメします。

ニコン NIKKOR Z 35mm f/1.4 最新情報まとめ

発売日：2024年7月19日
予約開始日：6月28日10時
希望小売価格：オープン
ニコンダイレクト：104,500円（税込）
市場推定価格：10万4,500円

NIKKOR Z 35mm f/1.4
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