NIKKOR Z 85mm f/1.8 S 高価だが最高の選択肢

Phillipreeveがニコン「NIKKOR Z 85mm f/1.8 S」のレビューを公開。サイズが大きく高価な85mm F1.8としつつ、優れた解像性能と滑らかなボケを併せ持つ最高の選択肢と評価しています。

Phillipreeve：Review: Nikon Nikkor Z 85mm f/1.8 S

外観：とてもしっかりとした作り。レンズフードが付属。

構造：外装はプラスチック製と思われる。フォーカスリングは金属製。

携帯性：85mmとしてはやや大きいが軽量。

操作性：コントロールリングはないがMFリングをカスタマイズ可能。

AF：高速かつ正確でほぼ無音。

MF：フォーカスブリージングが目立つ。

手ぶれ補正：非搭載。

解像性能：素晴らしい性能。中央や広い範囲で優れた結果、隅は非常に良好。近距離でも非常に優れている。

像面湾曲：記載なし。

ボケ：全体的に滑らかで満足のいくもの。玉ねぎボケはなく、見事なボケ。口径食の影響は小さな問題。長距離は苦戦するレンズが多いものの、このレンズは

軸上色収差：僅かな色づき。悪くない結果。

倍率色収差：とても良好な補正状態。

球面収差：作例のみ。

歪曲収差：ほとんどない。

周辺減光：とても良好。F2.8以降はごく僅か。

コマ収差：ほとんどない。

逆光耐性：絞った際の特定の状況で光源がフレーム端にあるとフレアが発生する。また、光源を中央に配置した場合もフレアが発生する。

光条：9枚絞りながら美しい描写。

作例集：リサイズのみ。

総評：見事なシャープネスと滑らかなボケ。この2点だけでポートレートに最高のレンズ。さらに良好なビルドクオリティと収差補正を実現している。価格とサイズには改善の余地があるものの、Zカメラ用のポートレートレンズを探しているのであれば信頼できる選択肢。

競合について：
・AF-S：ビルドクオリティは同等だが光学性能はZレンズが良好。
・VILTROX：ボケ重視の場合は要検討だがシャープではない。
・YOGNUO：中央は優れているが隅はそれほどでもない。
・7Artisan：最も手頃。中央解像とボケが良いのでいい選択肢かもしれない。
・TTArtisan：85mmではないが低価格で小型軽量。

備考：

NIKKOR Z レンズの中では比較的早い時期に登場したS-Line単焦点レンズ。先立って登場した「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」「NIKKOR Z 50mm f/1.8 S」に加わる新しいF1.8 S-Lineで、単焦点レンズとしては定番の焦点距離となる「三種の神器」が完成。販売価格はF1.8としてはやや高めながら「S-Line」らしい高い光学性能と堅牢さを特徴としています。

多くのレビューサイトで非常に高い評価を得ているレンズであり、Phillipreeveでも同様の結果となった模様。全体的に解像性能が絞り開放からとても高く、後ボケも綺麗で使いやすいポートレートレンズのようです。他のレビューサイトでは歪曲収差や周辺減光を指摘していますが、Phillipreeveでは自動補正込みの評価となっているためか、無視できる程度に抑えられているようです。

私も2024年晩夏に入手し、Z 8と組み合わせて撮影しています。
Phillipreeveのレビューと同じく、解像性能・ボケ質ともに良好であることを確認しました。撮影距離が長くなるとボケ質が低下するレンズも多いなか、本レンズは良好な水準を維持。S-Lineらしいパフォーマンスを発揮していると感じました。価格は高いですが、高性能な85mmを探しているのであれば、価値のある買い物になると思います。

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レンズの仕様

発売日	2019年 9月 5日
初値	¥92,846
レンズマウント	ニコン Zマウント
対応センサー	フルサイズ
焦点距離	85mm
レンズ構成	8群12枚 EDレンズ2 枚
開放絞り	f/1.8
最小絞り	f/16
絞り羽根	9枚（円形絞り）
最短撮影距離	0.8m
最大撮影倍率	約 0.12倍
フィルター径	67mm（P=0.75mm）
手振れ補正	-
テレコン	-
コーティング	ナノクリスタルコート
サイズ	φ 75mm × 99mm
重量	約470g
防塵防滴	対応
AF	STM
絞りリング	-
その他のコントロール	コントロールリング
付属品	レンズキャップ67mm LC-67B 裏ぶた LF-N1 バヨネットフード HB-91 レンズケース CL-C1