このページでは一眼カメラ用交換レンズ「NIKKOR Z 85mm f/1.8 S」の情報を収集しています。
最新情報
- 2020-03-15:Lenstipがレビューを掲載しています。
- 2019-09-25:ePHOTOzineがレビューを掲載しています。
- 2019-09-10:レビュー・作例リンクを追加しました。
- 2019-08-02:予約販売が開始されました。(カメラのキタムラで「¥94,770(税込)」を確認済)
- 2019-07-31:ニコンが正式発表しました。予約開始は8月2日10時より、発売は9月5日とのこと。希望小売価格は35mm F1.8 Sより1万円安くなっているようです。
レンズデータ
レビュー
- Alikgriffin
- CAMERA LABS
(抄訳記事) - DC.World
(抄訳記事) - Mobile01
(抄訳記事) - Richard Wong
(抄訳記事) - Photographylife
(抄訳記事) - The Phoblographer
(抄訳記事) - フジヤカメラブログ
- 価格コム
レビュー/口コミ
参考サイト
購入早見表
レンズデータ
レンズ仕様
型式 | ニコン Zマウント |
---|---|
焦点距離 | 85mm |
最大口径比 | 1:1.8 |
レンズ構成 | 8群12枚(EDレンズ2 枚、ナノクリスタルコートあり) |
画角 | 28° 30′(撮像範囲FX) 18° 50′(撮像範囲DX) |
ピント合わせ | マルチフォーカス方式、IF(インターナルフォーカス)方式 |
最短撮影距離 | 撮像面から0.8m |
最大撮影倍率 | 約 0.12倍 |
絞り羽根枚数 | 9枚(円形絞り) |
絞り方式 | 電磁絞りによる自動絞り |
最大絞り | f/1.8 |
最小絞り | f/16 |
アタッチメントサイズ(フィルターサイズ) | 67mm(P=0.75mm) |
寸法 | 約75mm(最大径)× 99mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで) |
質量 | 約470g |
付属品 | • レンズキャップ67mm LC-67B(スプリング式) • 裏ぶた LF-N1 • バヨネットフード HB-91 • レンズケース CL-C1 |
MTFチャート
レンズ構成図
関連レンズ
一眼レフ用
- AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G
- AF-S NIKKOR 85mm f/1.4G
- AI AF Nikkor 85mm f/1.8D
- 85mm F1.4 DG HSM
- SP 85mm F/1.8 Di VC USD (Model F016)
- Otus 1.4/85
- Milvus 1.4/85
- 85mm F1.4 Aspherical IF
- SPEEDMASTER 85mm F1.2
レンズサイズ比較
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- ニコンNIKKOR Z 85mm f/1.8 S 唯一の欠点はフォーカスシフト【海外の評価】
- ニコン NIKKOR Z 85mm f/1.8 S はOtus 1.4/85に匹敵するシャープネスと色収差補正【海外の評価】
- ニコンNIKKOR Z 85mm f/1.8 Sはシステムを乗り換える価値がある素晴らしいレンズ【海外の評価】
- ニコンNIKKOR Z 85mm f/1.8 Sは平凡な開放F値だが拍手喝采の光学性能【海外の評価】
- ニコンNIKKOR Z 85mm f/1.8 Sはやや高価だがそれだけの価値があるレンズ【海外の評価】
- ニコンNIKKOR Z 85mm f/1.8 Sは実に見事な解像性能のレンズ【海外の評価】
- NIKKOR Z 85mm f/1.8 Sはずば抜けた解像性能と綺麗なボケを両立したレンズ【海外の評価】
海外の評価
Lenstip
Nikon Nikkor Z 85 mm f/1.8 S
- このレンズはテストのためにニコンが貸し出してくれたものだ。
- 複雑なレンズ構成で一眼レフ用F1.8Gより重くなっている。
- 36mmと非常に大きな後玉は鏡筒内に少し隠れている。
- 製造国は中国だ。
- 39mm幅の金属製フォーカスリングは回転速度に応じて移動量が変化する。素早く操作すると90度未満となり、ゆっくり操作すると180°以上必要となる。MF操作時にピント距離指標が表示されないので、ゆっくり操作してもMFを把握し辛い。
- 金属製フォーカスリングは傷つきやすい。同じようなレンズを2枚並べて収納すると、簡単に傷ついてしまうだろう。
- 解像度
・Nikon Z 7のRAWに基づいて測定している。
・良像の基準値は42~44lpmmだ。
・優れた単焦点レンズで80~85lpmmに達する可能性がある。
・中央領域は素晴らしい結果だ。絞り開放から55~58lpmmの良好な数値となり、F2.8で75lpmmに、そしてF4でほぼ83lpmmを達成する。Z 50mm F1.8 Sより少し劣るが、それでも見事なパフォーマンスだ。
・AF-S 85mm F1.8Gも絞ると非常にシャープなレンズだったが、絞り開放は良像の基準値をやっと超える程度だ。ソニーFE85mm F1.8はピークの性能がF5.6とやや遅い。最大のライバルはタムロンSP85mm F1.8 Di VC USDだ。
・APS-C領域はF1.8Gより僅かに優れている。そしてソニーFE85mm F1.8より遥かに優れている。これ以上の性能はタムロンSP85mm F1.8くらいだろう。
・フルサイズ四隅はAPS-C領域と遜色無い画質だ。何より絞り開放から良像の基準値を超えているのが素晴らしい。絞っても解像力に問題があったソニーFE85mm F1.8と比べると遥かに優れている。
・四隅で同じパフォーマンスを得るには、F1.8GでF2.2まで絞る必要がある。互角のパフォーマンスはタムロンだけだ。
・中央と周辺、四隅のパフォーマンスに差があるのは残念だが、ポートレートレンズとしては大きな問題とならなだろう。 - EDレンズを2枚採用しており、軸上色収差を効果的に補正している。F1.8Gの補正状態より遥かにに良好で、ソニーFE85mmと比べても少し良好だ。やはりタムロンが最も手ごわいライバルとなる。
- 倍率色収差は0.01~0.03%、絞っても0.04%と非常に低い数値だ。優れた結果であり、僅かな問題も発生しないだろう。他のレンズも問題無いが、このレンズほどの補正状態ではない。
- 球面収差の影響は全く見られない。この補正状態が高い解像力に繋がっているのだろう。
- 歪曲収差はほとんど目立たず問題無い。85mmのレンズとしては一般的な糸巻き型だ「+0.47%」。一眼レフ用よりも僅かに良くなっている。
- コマ収差は極僅かに影響を及ぼしているが、中程度であり非難するほどでは無い。
- 非点収差の平均値は7.1%と低い数値だ。F1.8Gやタムロンよりも悪いが、ソニーよりも優れている。
- ボケの見た目はとても良好だ。玉ボケは均質で縁取りは強くない。口径食の影響はあるが、F2まで絞ると解消する。
- 周辺減光は-1.61EVだ。一眼レフ用と同じ結果だがソニーやタムロンよりも明らかに優れている。このためケチを付けることは出来ない。
- 逆光耐性はきちんとしている。絞り開放付近ではフレーム四隅に太陽を配置してもフレアやゴーストの問題はほとんど無い。ただし絞るとコントラスト低下の原因となるフレアが発生する可能性がある。とは言えF1.8Gよるは遥かに改善している。ソニーやタムロンと見比べても非常にきちんとした逆光耐性だ。
- オートフォーカスは静かだが無音では無い。幸いにも僅かな駆動音のみで欠点とは言えないだろう。フォーカス速度は中程度だ。ピント距離全域を0.7~0.8秒で移動する。
- フォーカス精度に問題なく、瞳AFの性能にも満足している。
長所:頑丈な鏡筒・優れた中央画質・良好なAPS-C画質・良好なフルサイズ四隅画質・軸上色収差が穏やか・倍率色収差が実質ゼロ・球面収差が小さい・歪曲収差は無視できる・APS-C領域の周辺減光が穏やか・非点収差の問題が無い・AFが静かで正確・心地よいボケ
短所:フルサイズで周辺減光が目立つ
Z 50mm F1.8 Sと同じように、長所が非常に多く、短所はとても少ない。50mmと比べるとピークの性能が少し劣るものの、他の85mm F1.8と比べると優れた性能を発揮する。
不満を挙げるとしたら価格設定だろう。一眼レフ用は450ドル未満、このレンズはほぼ800ドルだ。発売直後と言うことはあるが、それでも高すぎる。
しかし、光学性能が優れているのは疑う余地が無い。タムロンやツアイスと非常によく似た性能を発揮する。「エディターズチョイス」に相応しいレンズだ。
CAMERA LABS
Nikon Z 85mm f1.8 S review
- 一眼レフ用の85mm F1.8とレンズサイズを比べると、マウントアダプター込みでサイズの違いは大きく無い。同じく重量もアダプターを含めるとZレンズがより軽量だ。
- レンズ構成に非球面レンズは使用していない。
- 最短撮影距離は短く無いが、他の85mmと同等の撮影倍率だ。
- フィルター径は85mm F1.8Gと同じだが、Z 50mm F1.8 S(62mm)と比べると大きい。
- マニュアルフォーカスは回転速度に応じて移動距離が変化する。残念ながらリニアな動作に変更することは出来ない。
- レンズフードは逆さ付け可能だ。付属のポーチは安っぽく保護性は無い。
- フォーカス精度の再現性98.5%と問題無しだ(F1.8Gは93.7%)。
- フォーカスブリージングは13%と目立つ。
- オートフォーカスは無限遠から近距離まで0.7秒で移動する、とても高速なフォーカス駆動だ。駆動音は僅かに聞こえ、24-70mm F4Sほど静かではない。
- Z7と組み合わせた時の手ぶれ補正は3段まで安定しているが、4段分でとても不安定となる。
- 軸上色収差の影響はとても僅かだ。これは非常に優れたパフォーマンスである「Otus 1.4/85」に匹敵するものだ。
- 絞ったときにフォーカスシフトが目立つ。ただし、ライブビューは実絞りとなっているので心配する必要は無いだろう。
- 近距離シャープネス
・絞り開放F1.8は全体的に「AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G」より良好だ。
・「Otus 1.4/85」と比較してもDX・FX四隅のコントラストが良好だ。
・「85mm F1.4 DG HSM」はより良好なFX四隅の画質を備えている。
・像面湾曲の影響は見られない。
・F4まで絞るとさらにシャープとなる。 - 遠距離シャープネス
・Otusとよく似たパフォーマンスだ。
・四隅が明らかに甘い。F8まで絞らないと甘さが解消しなかった。 - コマ収差の傾向はF1.8GやシグマArtと似ている。OtusやF1.4Gはさらに大きな収差量だ。
- 玉ボケはとても良好に見える。縁取りは僅かで非球面レンズの影響は見られない。
- 前後のボケはシグマArtが最も良好、ニコンZとOtusが二番手だ。F1.8Gは色収差により騒がしい領域がある。
- 逆光耐性はとても良好だ。
- 「AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G」との比較
・無限遠の四隅はとてもシャープだ。
・ただしそれ以外は新しいZレンズに分がある。
・半値で小型軽量だが、ミラーレス用に購入するのはおススメしない。 - AF-S NIKKOR 50mm f/1.4Gとの比較
・2010年発売の古いレンズであり、ほぼ全ての点で他のレンズに見劣りする。
・価格だけ高い。
・すでに保有している場合はアダプター経由で利用できる。しかし、Z 7やD850のような高画素カメラ向けでは無い。 - 「85mm F1.4 DG HSM」との比較
・最高のシャープネスとボケ描写のレンズだ。
・ただし、Otusのように巨大な怪物だ。さらにアダプターを加えるとZレンズより800gも重くなる。
・逆光耐性はあまり良く無い。
・サイズと重量を気にしない場合は面白い選択肢だ。 - 「Otus 1.4/85」との比較
・際立った光学性能とビルドクオリティの中望遠レンズだ。
・非常に高価なレンズである。
・マニュアルフォーカス限定である。
・魅力的なレンズだが、ZカメラにはZレンズが適している。
無限遠の四隅を除いてほぼ全ての面で非常に優れた性能を発揮するレンズだ。特に色収差とパープルフリンジの補正状態が良好で、綺麗な画質に繋がっている。さらに素敵なボケ描写だ。
レンズが少し長いが、とても軽量で頑丈な鏡筒だ。オートフォーカスは高速で信頼感がある。ボディ側で3段分の安定した手ぶれ補正を見込めるのはメリットとなるだろう。
全体的なパフォーマンスは価格設定を正当化するものであり、強くおススメできる。
長所:とても良好な解像性能とコントラスト・軸上色収差がほとんどない・逆光耐性・良好ボケ・最小限の歪曲収差・防塵防滴・高速で信頼性の高いAF・ボディ側の手ぶれ補正・コントロールリング
短所:無限遠の四隅が少しソフト・全長が比較的長い・薄っぺらなレンズポーチ
Photographylife
A superb, professional-grade portrait lens for Nikon Z cameras
- 価格設定に失望した人も多いだろうが、Zマウントレンズを見続けてきた人たちにとって驚くべき価格設定では無いはずだ。これまでのZレンズはどれも驚異的な光学性能であり、このレンズも例外では無い。
- 85mm F1.4~F1.8の中では比較的軽いレンズだ。F1.4のレンズはF1.8より2/3段明るいが、それ以上に重量を覚悟しなければならない。
- ツアイスOtusやシグマArtは確かに素晴らしいレンズだが重すぎる、大きすぎる。
- デザインは従来通りミニマルだ。コントロールはフォーカスリングとA/Mスイッチしかない。
- レンズマウントは4つのネジで固定されている。ぐらつきは全くない。
- フォーカスリングは電子制御式であり、Fマウントとは勝手が異なる。加速度などマニュアルフォーカスの設定値を調整できれば良いのにと思う。
- ステッピングモーター駆動のため電源オフ時はフォーカスリングを操作しても意味が無い。オートフォーカスはとても静かで高速だ。SWMより遥かに優れている。
- 低照度ではボディ内AF補助光が役に立つ。残念ながら外付けフラッシュのAF補助光は像面位相差AFのミラーレスとは相性が悪い。
- シャープネス
・絞り開放から明らかに優れたパフォーマンスだ。これほどの性能は大口径レンズで滅多に見られない。
・F2で少し改善し、F2.8で大きく向上する。
・中央解像のスウィートスポットはF2.8~F4の間だ。さらに絞る必要があるとすれば被写界深度くらいだろう。
・四隅はF5.6でピークとなる。 - このレンズは顕著なフォーカスシフトが発生する。
- 他のZ単焦点と同じく、開放からとても高いコントラストだ。色はプログレードのニコンレンズと同じくらい良好だ。風景撮影用では無いと思うが、風景でも心地よい使い勝手である。
- ボケは「AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G」と非常によく似ている。しかし、軸上色収差の補正状態で大きな差が生まれている。
- 玉ボケには口径食の影響が見られる。9枚絞りのためF2やF2.8まで絞っても非常に心地よいボケとなる。
- 周辺減光は大口径らしくかなり目立つ。F2まで絞ると近距離で少し改善するが遠距離では悪化する。
- 逆光耐性はとても優れている。
- 歪曲は0.15%と僅かな糸巻き型だ。
- 倍率色収差はとても良好に補正されている。本当に信じられないほどの補正状態だ。
- 軸上色収差も単焦点レンズとしては驚くほど良好な補正状態だ。僅かに色づきが見られるものの、他の85mmと比べて決して悪く無い性能だ。
- コマ収差は良い面と悪い面がある。
- AF-S NIKKOR 85mm f/1.8Gとの比較
・Zレンズとは比べ物にならない。F1.8GはF4まで絞ると非常に良好なシャープネスとなるが、それでもZレンズには及ばない。 - AF-S NIKKOR 85mm f/1.4Gとの比較
・Zレンズが比較して非常にシャープだ。F5.6まで絞ると似たようなシャープネスとなる。 - AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E EDとの比較
・Zレンズとは僅差だ。F1.8~F2でZレンズより優れているが、F2.8では中央シャープネスが僅かに優れる程度である。
・F5.6まで絞るとF1.4Eはとても優れた四隅のシャープネスを発揮する。
ZマウントはFマウントの同等品より優れたレンズを投入し続けており、このレンズも例外では無い。特に絞り開放での撮影で違いがすぐに分かる。F1.8Gより遥かに良好なボケとコントラスト、発色を備えている。周辺減光はレンズ補正で自動的に処理され、逆光耐性は上手く抑えられている。歪曲に関する心配は無く、倍率・軸上色収差の補正状態はどちらも良好だ。
レンズサイズは比較的小さくて軽量、そして防塵防滴仕様だ。オートフォーカスは高速かつ静か、そして非常に正確だ。
唯一のマイナスポイントはフォーカスシフトだ。この現象はF1.8からF5.6にかけて顕著に現れる。ただし、実際には大きな問題とはならないだろう。絞ってからピントを合わせると覚えておけば心配する必要は無い。
全体的にこのレンズにはとても満足している。
Photographylife:A superb, professional-grade portrait lens for Nikon Z cameras
The Phoblographer
ボディが良ければシステム移行の可能性あり
- このレンズは大きくも重くも無い。ソニー「FE 85mm F1.8」やツアイス「Batis 1.8/85」と似ている。
- フォーカスリングは大きく良い感じの動作である。
- 防塵防滴仕様と言うことで、何回か雨の中で撮影した。頑丈に信頼性が高いことが分かった。ビルドクオリティで大きな問題点はない。
- Zシステムはコンパクトなレンズが多く、複数のレンズをカメラバックに収めることが出来る。
- 現状で、Z 7と組み合わせた際の動体撮影は期待できない。
- 9枚の絞り羽根を備えたこのレンズのボケは素晴らしい。クリーミーで美しく、これほど描写が気に入ったのは「AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED」以来だ。F4付近まで絞りこんでもボケはまだまだゴージャスである。
- 我々のテストで色収差に関する問題は見当たらなかった。
- より短い焦点距離のレンズと比べて発色は落ち着いているが、ポートレートレンズとしては期待通りである。
好き:ゴージャスな画質・耐候性・軽量・小型・悪く無い価格設定
嫌い:第一世代のZボディが足を引っ張っている
NIKKOR Z 85mm F1.8 Sは称賛に値する多くのポイントがある。正直に言うと、このレンズを喜んで使いたいと思っている。もしニコンの適切なボディが登場したらシステムの移行を検討する。
指摘する悪いポイントは一つもなく、小型で携帯性に優れ、並外れた画質と適切な価格設定のレンズである。
The Phoblographer:Review: Nikon Z 85mm F1.8 (A Beautiful Lens in So Many Ways)
Lesnumeriques
見事な光学性能
- 魅力的なデザインでは無いが、他のZレンズと統一感のある外観だ。
- フォーカスリングの抵抗量は少し足りない。
- 鏡筒はハイクオリティな防塵防滴仕様で安心感のある作りだ。
- レンズサイズは一眼レフ用「NIKKOR 85mm F1.8G」や「EF85mm F1.8 USM」より大きく、ミラーレス用「FE85mm F1.8」や競合と比べても大きなレンズだ。
- 歪曲収差は僅かな糸巻き型だ。
- 最短撮影距離は良くも悪くもない。
- 周辺減光は絞り開放でも強く無いが、1段絞ると解消する。
- ボケは綺麗で玉ねぎボケの兆候は無い。四隅は口径食の影響で変形が見られる。
- 逆光耐性は良好だ。絞ると18本の光条が発生する。
- オートフォーカスは高速で非常に静かだ。滑らかな動作で動画撮影にも適している。
- 光学手ぶれ補正は搭載していないが、Z7やZ6のボディ内手ぶれ補正を利用できる。ただし、ボディ内手ぶれ補正を搭載していないZ 50での使用は注意が必要である。
- 中央解像は絞り開放から非常に良好だ。35mmや50mmと違い非球面レンズを用いていないが問題は無い。
- 周辺部や四隅の解像性能は中央よりやや悪いが、2~3段ほど絞るだけで均質性が増す。実写のテストショットでは息をのむほど見事な結果だ。
長所:防塵防滴・滑らかで静かなAF・柔らかく滑らかなボケ・良好な収差補正・歪曲や色収差は無し・全ての絞り値で高解像
短所:抵抗感の無いフォーカスリング・光学手ぶれ補正無し・F1.8の割に大きなサイズ
開放F値は「F1.8」と平凡だが、テスト結果は「ブラボー!」の一言だ。Z7・Z 6用の完璧でハイクオリティなレンズで間違いない。ただし、Z 50で使用する場合は光学手ぶれ補正を搭載していない点に注意したい。
Lesnumeriques:Objectif Nikon Nikkor Z 85mm f/1.8 S : excellentes qualités optiques
PhotographyBlog
高価だがおススメレンズ
- レビュー時点で最も焦点距離の長いニコンZマウントレンズだ。
- 799ポンドで販売中であり、これはソニーEマウントやニコンFマウントなど競合他社と比べてやや高価である。
- 重量は470g、サイズは75mm×99mmであり「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」とレンズサイズはよく似ている。興味深いことにFマウント用レンズ「AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G」よりも100gほど重い。
- このシリーズらしくビルドクオリティは高い。一部の単焦点レンズよりも大きいが、Z 7やZ 6と組み合わせた際のバランスは良好だ。おそらくZ 50との相性も良いはずだ。
- とてもシンプルで操作するパーツはフォーカスリングとAF/MF切替スイッチのみである。
- マニュアルフォーカスリングは程よい抵抗量で正確に操作できるが、ピント両端にハードストップは無い。
- レンズフードは逆さ付け可能だ。
- オートフォーカスは高速かつ正確で静かに動作する。
- 色収差は良好に補正され、色ずれを見つけるのは等倍でも難しい。
- 周辺減光は絞り開放で少し目に付く。実写で大きく目立つほどでは無く、F2.8まで絞れば解消する。
- ボケの評価には個人差があると思うが、このレンズの描写は期待を裏切らない非常に良好なものだ。
- シャープネス:
・中央は絞り開放から良好(Good)だ。F2まで絞ると優れた性能(Excellent)となり、F2.8~F8で最もシャープな結果となる。F11で回折の影響を受け始めるが、それでも非常に良好な結果だ。
・全体的に絞り値全域で見事な結果だ。
・フレーム端はF8-F16で最もシャープとなる。
35mm F1.8 Sや50mm F1.8 Sは良いレンズだったが、それはこのレンズにも当てはまる。ポートレートやイベントでは使いやすい焦点距離なので50mmより人気が出るかもしれない。
一眼レフ用85mm F1.8Gと比べると遥かに高価なレンズだが、最新の光学設計で最高のシャープネスを望むのであれば価格分の価値はあると感じる。強くおススメできるレンズだ。
ePHOTOzine
際立った解像性能
- 控えめなデザインだが良好な作りのレンズだ。
- 重量は470gと控えめだが、防塵防滴仕様である。
- フォーカスリングは非常に幅広く、優れたグリップと感じる。
- シャープネスは注目に値する。
・中央・フレーム端どちらもF1.8からF8まで際立った(outstanding)シャープネスを達成。
・F11~F16も隅から隅まで優れた結果だ。
・絞り値全域で全体がシャープなレンズである。 - 色収差はソフトウェア補正をオフにしてもゼロに近い。
- 歪曲収差は0.27%と非常に小さな糸巻き型だ。
- シャープなレンズはボケが騒がしくなる傾向があるものだが、このレンズはボケが非常に滑らかで美しいグラデーションを実現している。
- 逆光耐性は優れている。光源を直接撮影しても僅かなコントラスト低下しか発生しない。
- 周辺減光はF1.8で-1.7EVと優れた結果だ。
NIKKOR Z 85mm F1.8 Sはなんと素晴らしいレンズだろう。傑出したパフォーマンス、傑出した操作性、そして小ぶりなレンズサイズと好ましいポイントが多い。85mm F1.8としては非常に高価だが、小型軽量と高画質を両立するためには避けて通れなかったのかもしれない。このレンズは価格に見合う価値を持っている。
長所:傑出したシャープネス・実質ゼロの色収差・優れた逆光耐性・防塵防滴・優れた操作性・ビルドクオリティ・カスタマイズ可能なフォーカスリング・小型軽量
短所:85mm F1.8としては非常に高価
Digitaal Camera World
実に見事な解像性能
- 丈夫でしっかりと作られたレンズだ。コンパクトとは言えないが、満足のいくサイズであり、特に扱い辛いとは感じない。
- レンズの1/3を占めるフォーカスリングはしっかりとした作りだ。面白いことに露出補正や絞り制御を割り当てることが出来る。無段階調整となるので動画撮影に最適だ。
- F1.4では無いことにがっかりするかもしれないが、Nikon Zボディとのバランスを取るためにはF1.8が良い選択だと思う。
- 一眼レフ用より明らかに高価なレンズだが、画質は素晴らしく使って楽しいレンズに仕上がっている。シャープな描写、高速AF、上質なビルドクオリティだ。
- 中央シャープネスは絞り値全体で優れている上、F2.8からF8では驚異的なパフォーマンスだ。
- 四隅のシャープネスは中央ほど高くないが、それでも非常に見事な性能だ。
- この焦点距離の単焦点レンズらしく色収差は最小限まで抑えられている。
- 歪曲収差は見られない。
Nikon Zユーザーでポートレート、ウェディング、イベントの撮影をするなら真剣に検討することをおススメする。欠点が唯一あるとすれば、重量が軽く無いことくらいだろう。中央シャープネスはパーフェクトで、四隅も実に見事な性能だ。Zレンズのヒット商品となることだろう。
Mobile01
バランスの良いポートレートレンズ
- 重量470gと特に軽いレンズでは無いが、Z 7との組み合わせでバランスは良好だ。350gの85mm F1.8Gと比べると少し重い。
- オートフォーカスはとても良好だ。70-200mm F2.8ほど高速では無いが、ポートレートには十分速い。
- 絞り開放のシャープネスはF1.4GをF2.8まで絞った時のように良好だ。流石の最新レンズである。
- F1.4Gとボケ描写を見比べると、見分けるのは難しい。口径食はF1.4Gのほうが少なく良好だ。
- F1.4Gでパープルフリンジが発生するシーンでもF1.8 Sは全く発生しない。
- 逆光耐性はとても良好だ。
- 透過率はF1.4Gと比べて僅かに低いように見える。
- 周辺減光は絞り開放で目に付く。
- 光条は鋭く収束するF1.4Gと比べると、分散している。
- F1.4とF1.8の違いはわずか2/3段だ。低照度における2/3段の違いが大きいと感じるシーンは天体撮影など極端に暗い環境だけだろう。
高画素機に耐えうる高い光学性能とビルドクオリティ、そして携帯性のバランスが良い単焦点だ。巨大な85mm F1.4や105mm F1.4、135mm F1.8より良い選択肢のように思える。高価な85mm F1.8だが、それだけの価値を持つレンズである。
Richard Wong
ニコンポートレートの新基準
- 他のSシリーズと非常によく似た外観だ。とてもしっかりとした作りである。
- ニコン製85mmの中では最も全長の長いレンズだ。ただし、一眼レフ用を装着する際にはFTZアダプターを装着する必要がある。FTZを装着すると85mm F1.8Gは85mm F1.8 Sとほぼ同じ全長となる。
- どのニコン製85mmにしても光学手ぶれ補正は組み込まれていない。ボディ内手ぶれ補正を搭載するニコンZカメラに装着すると、Fマウントレンズは3軸、ネイティブZレンズは5軸手ぶれ補正を利用可能だ。
- 85mm F1.8 Sはステッピングモーターを利用している。オートフォーカスは滑らかだが、85mm F1.4GやF1.8Gより高速だとは感じない。精度の問題は無く、常に正確だ。
- C-AFで動画撮影をすると一眼レフ用より滑らかなフォーカシングとなる。
- どのレンズもフォーカスブリージングはかなり大きい。驚いたことに最もブリージングが目立たないのはF1.4Gだ。この点はF1.8 Sに期待していたのだが…。
- シャープネスはF1.8GやF1.4Gより遥かにシャープだ。
- 玉ボケへの口径食の影響はF1.4Gが最も小さい。これは前玉が大きいためだろう。それ以外の描写はどのレンズも非常に心地よい。よく確認するとF1.8GとF1.4Gにはボケに色づきがあるものの、F1.8Sは問題無い。口径食が気にならなければF1.8Sのボケが最も綺麗に見えるだろう。
- 逆光耐性はF1.8Gが最も悪く、F1.8Sが最も優れている。
- F1.8GやF1.4Gでは色収差が発生するシーンでもF1.8Sは発生しない。これは見事だ!
- 周辺減光はF1.8Sが最も良好だが差は極僅かだ。
- 歪曲収差はどのレンズも最小限だ。
ニコンはNIKKOR Z 85mm F1.8 Sでポートレートレンズの水準を引き上げたようだ。画質はF1.4GやF1.8Gと比較して驚くほど素晴らしいものだ。シャープネス(中央も四隅も)、逆光耐性、色収差、周辺減光、ボケ、歪曲、全てが優れている。
ニコンZユーザーでポートレート撮影をするのであれば、このレンズは真っ先に購入すべきレンズである。ニコン一眼レフユーザーでポートレート撮影をするのだれば、このレンズがZシステムへ乗り換える動機となるだろう。
サイト案内情報
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キャンペーン | 特典 | 対象期間 (開始日は要確認) | 応募締切 |
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Z 50 | 最大2万円 | ~2021-1-11 | 2021-1-29 |
EOS R/RP | 最大1.8万円 | ~2021-1-12 | 2021-1-29 |
EOS M | 最大2.5万円 | ~2021-1-12 | 2021-1-29 |
X-T4&XF | 最大3万円 | ~2021-1-11 | 2021-1-25 |
Sony α | 最大7万円 | ~2021-1-11 | 2021-1-25 |
LUMIX S・G | 最大12万円 | ~2021-2-14 | 2021-2-28 |