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OM SYSTEM OM-1 Mark IIは重要な分野で有意義な進化を遂げている

DPReviewがOMデジタル「OM SYSTEM OM-1 II Mark II」のファーストインプレッションを公開。改良されたAF、強化されたバッファ、ライブGNDの追加や操作性の改善などについて紹介。OMDSの強みとなる分野で有意義な進化を遂げていると言及。

DPReview:OM System OM-1 Mark II initial review: AI AF improvements to Stacked CMOS flagship

何が新しいのか?

  • 初代モデルから2年を経て登場。
  • スペックの抜本的な変更ではなく、一連の改良が施されている。
  • オリジナルと同じTruePic Xプロセッサーを使用しており、その主要な機能は基本的に同じ。
  • 新バージョンではより多くのRAMを搭載。同社は、それが多くの改善点を支えていると述べている。

改善されたAF

  • 最大の変更点はカメラのオートフォーカスが改善されたこと。
  • 人物検出モードが追加されたことで、被写体認識が顔検出だけにとどまらず、カメラのすべての認識モードがインターフェースの同じセクションに統合されたことになる(OM-1では顔検出は別のモードだった)。
  • AFシステムのリフレッシュレートが改善され、(非認識ベースの)C-AF+トラッキングモードやAIで学習した被写体認識モードの性能が向上したという。
  • 従来通り、認識した被写体がAFエリアからはみ出した場合の動作を指定できる。これは静止画と動画で別々に設定可能。
  • また、C-AFの追従性(被写体認識なし)も向上しているとのことで、テストするのが楽しみだ。

改善された手振れ補正

  • もう一つの大きな進化は、ボディ内手ブレ補正の改善。
  • アルゴリズムを刷新したこのシステムは、業界標準のテストを実施したところ、8.5EVという驚異的な補正効果を発揮すると評価された。

より多くのブラックアウトフリーモード

  • 従来のOM-1では、高速連写の撮影設定でブラックアウトフリーの撮影が可能だった。
  • Mark IIでは、より低速の連写速度でもブラックアウトフリー撮影が可能。

より大きなバッファ

  • ハードウェアが変更されたことを示す最も明らかな点は大容量のバッファである。
  • Mark IIは50fpsで256枚のRAW撮影が可能で、120fpsモードでは213アイを撮影できる。
  • これらの数値は、オリジナルモデルが達成できた数値の約2倍であり、高速機能の価値を高めるのに役立つ。
  • 多くの場合、5秒間シャッターを切り続けられるというメリットよりも、50コマ/秒の高速連写が必要になった瞬間にバッファがいっぱいになっている可能性を減らせるというメリットの方が大きいだろう。

ライブGND

  • ライブNDをベースに、段階的なGNDフィルターをシミュレートする機能を追加。
  • グラデーションのエッジをハード、ミディアム、ソフトに設定可能。
  • ND 2、4、8 に設定可能。
  • 十字キーまたはタッチパネルを使ってグラデーションの中点を操作。
  • ダイヤルを使って角度を回転させることが可能。
  • フロントダイヤルはグラデーション効果を15度回転させ、リアダイヤルは1度単位で調整する。
  • ライブND機能も拡張され、7ストップのND128フィルターをシミュレートできるようになった。

14bit RAW ハイレゾショット

  • ハイレゾショットを14bit Rawで保存することが可能。
  • 三脚を使用する必要がある80MPモードと手持ち撮影用に設計された50MPモードの両方で、より広いダイナミックレンジを持つRAWを保存できるようになった。
  • マルチショットRAWのファイルサイズは単一画像の2.4倍から4倍である。

ボディとハンドリング

  • 最も明白な変更点は、OM Systemのロゴに変更されたこと。
  • ロゴ変更以外はほぼ同じだ。
  • コマンドダイヤルをラバーコーティングされたものに変更した。これにより、触感が改善され、手袋を使用する際にも操作しやすくなっている。
  • 小さなカメラでありながらダイレクトな操作が可能で、しかもこの2つの要素が矛盾することのないレイアウトになっている(よほど手が大きくない限り)。
  • 我々はカメラの操作性に感銘を受け続けている。
  • それ以外のハンドリングと操作性は変わっていない。
  • スーパーコントロールパネルのクイックメニューも引き続き採用されており、カメラの主要な設定を簡単に確認・調整できる。
  • カメラの目まぐるしいほどのカスタマイズ性も健在。

ビューファインダーとモニタ

  • 前モデルと同じ576万ドットのOLEDファインダーを採用。
  • ファインダー光学系は、倍率0.83倍。従来通り、最大120Hzで動作。
  • OMDSはリフレッシュタイムラグを5msとしている。大きくて反応の良いファインダーだ。
  • 小型フラッシュFL LM3が付属する。これはカメラのホットシューに取り付けられ、横方向と上方向に回転させることができ、バウンスさせることができる。それほど強力なものではないが、一般的な内蔵フラッシュよりもはるかに柔軟性があるだけでなく、「RC」赤外線システムを使用して外部フラッシュユニットにフラッシュ情報を伝達するために使用することもできる。
    訳注:国内の仕様表には記載されていません。

バッテリー

  • 前モデルと同じBLX-1バッテリーを使用。
  • このバッテリーは16.4Whで、1回の充電でCIPA規格の500枚の撮影が可能。
  • OM-1 Mark IIは、既存のバッテリーグリップHLD-10と互換性があり、カメラにセカンドバッテリーを追加できる。

第一印象

  • 多くのOMシステムおよびオリンパスユーザーが感じるであろう最初の点は、OMDSが他のラインナップを拡張したり刷新したりするのではなく、最も新しいモデルの1つをアップデートすることを選んだということだ。
  • このカメラに関するプレゼンテーションでは、初代OM-1の素晴らしい機能を大幅に拡張するのではなく、「完璧にする」という言葉で語られている。
  • より多くのオンボードメモリが搭載されており、これにより新機能のいくつかが可能になったと聞いている。
  • 連続撮影時のより深いバッファは最も明白な成果だ。さらに多くのフレームを保持する必要がある仮想 GND 機能のような機能を支えている可能性もある。
  • 被写体検出とは分離していた顔/瞳検出が人物検出モードに移行。動作の一貫性を向上させるのに役立っている。
  • しかし、このカメラが白紙の状態から開発されたのではなく、年々追加されてきたカメラであることを示す明確な兆候(2ウェイスイッチで制御できる機能が限られていることなど)はまだ残っている。
  • 大型フォーマットよりもはるかに小型軽量なカメラとレンズの組み合わせによるプロレベルのスピードが強みとなる。そのためにはトレードオフが必要だが、手持ちハイレゾショットなどの機能はその違いを克服するのに役立つ。
  • OMDSは大型フォーマットとの違いを明確に認識しており、AF性能の向上により野生動物の撮影により効果的なカメラになれば、このニッチ分野でのOMDSの地位強化につながるだろう。
  • まだOM-1 IIをテストして日が浅いが、より効果的なオートフォーカスは、OM-1のスピード、耐候性、および軽量な望遠レンズの可能性と組み合わせることで、同社のハイエンドモデルへの注力を正当化するのに役立つだろう。
  • 我々は、小型でクラシックな外観のPENシリーズの継続を望んでいる。しかし、オリンパスとOMDSが開発した機能は、風景や野生動物の撮影のために望遠レンズと一緒に荒野に持ち込むための頑丈なカメラの方が理にかなっている。
  • おそらく、これらの機能の一部は、どこにでも持ち運べる旅行用カメラにも転用できるだろうが、今のところ、努力はOM-1とOM-5のラインに集中している。

E-M1 IIからIIIへの移行と同様、ファームウェアのアップデートで変更できたのではないかと考える人もいるだろう。OM-1 Mark IIにおける改良のいくつかが、OM-1ユーザーにも提供されるかどうかは気になるところだ。我々の第一印象として、OM-1 IIは重要な分野で有意義な進歩を遂げている。OM-1ユーザーにアップグレードを促すのに十分なものであるかどうかは、今後数週間で明らかになるだろう。

とのこと。
2022年に登場したOM-1をベースとして、バッファを強化しつつAFの改善や機能を追加した新型モデル。主な特徴は「人物検出の対応」「2倍のバッファ」「ライブGND」と言ったところですが、その他にも細かい点でブラッシュアップが施されているようです。

ただし、大部分はソフトウェアの変更であり、ハード的な変更点はダイヤルの触感とバッファの大容量化のみとなっています。将来的にOM-1にもファームウェアアップデートで対応できるのか、有償アップデートとなるのか、それともハード的に難しいのかどうか。また、OM-1の時に問題となっていた前景に引っ張られる検出AFなどが改善しているのかも気になるところ。

DPReviewのファーストインプレッションではOMDSの強みとなる風景や野生動物と言ったジャンル向けの強化が施されていると言及。強化された手振れ補正やライブGNDなどは大型センサーとの差を埋めるのに役立つかもしれないとのこと(主に風景向けですが)。
個人的にはダイナミックレンジの狭さを補うことができるライブGNDに期待。もともと「ダイナミックレンジ(というかラティチュード)を拡張するならセンサーサイズよりGNDフィルター使った方がよい」と考えており、以前から最も欲しかった機能。同じように14bit RAWに対応したハイレゾショットも期待しています。ちなみに既にOM-1 Mark IIは予約済み。

OM SYSTEM OM-1 II Mark II 最新情報まとめ

  • 発売予定日:2024年2月23日
  • 初値
    ・ボディ:275,220 円
    ・12-40PROキット:339,570 円
    ・12-45PROキット:304,920 円

主な仕様

赤字はOM-1との主な違いを示しています。

  • イメージセンサー
    ・タイプ:積層型・裏面照射型
    ・有効画素数:2040万画素
    ・除塵ユニット:SSWF
    ・手振れ補正:8.5段分
  • プロセッサ:TruePic X
  • AFシステム:
    ・測距点:1053点
    ・測距輝度範囲:‐5.5EV~19EV
    ・被写体認識:車両・鉄道・鳥・犬・猫・人物
    ・その他:オールクロスセンサー
    AFシステムのリフレッシュレートが改善
  • 連写性能:
    ・メカニカルシャッター:60-1/8,000秒
    ・メカ最大10コマ秒
    ・電子シャッター:60-1/32,000秒
    SH2 12.5/16.7/25コマ秒 追加
    ・電子AF/AE追従 50コマ秒
    ・最大120コマ秒
    ・フラッシュ同調速度:1/250秒以下
    ・連続撮影枚数:20fps 405枚 RAW・120fps 213枚 RAW
  • ライブND / ライブGND (ND2/4/8/16/32/64/128
  • ハイレゾショット 14bit RAW
  • ファインダー:OLED 576万ドット 0.82倍
  • モニター:3.0型 162万ドット バリアングルモニタ
  • 動画:
    ・4K:60p LGOP 202Mbps
    ・FHD:60p ALL-I 162Mbps
    ・出力:MOV
    ・電子IS:対応
    ・連続撮影時間:
  • インターフェース:
    ・USB:USB 3.0 C端子 UVC/UAC
    ・ヘッドホン:φ3.5mm
    ・マイク:φ3.5mm
    ・リモート:φ2.5mm
    ・HDMI:D
    ・LAN:‐
    ・シンクロ:あり
    ・Wi-Fi:802.11a/n/ac/b/g/n
    ・Bluetooth:LE 4.2
    ・その他:φ2.5mm
  • バッテリー
    ・タイプ:BLX-1
    ・撮影可能枚数:500
    ・充電方法:USB-PD対応
  • サイズ:134.8×91.6×72.7mm
  • 重量:511g
  • 防塵防滴:対応 IP53
  • ボディ材質:マグネシウム合金

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