PetaPixelが「OM SYSTEM OM-5 Mark II」のレビューを公開。前モデルからの価格据え置きを評価しつつ、停滞する技術革新はニッチ市場(アウトドア)における地位を失う原因となるかもしれないと言及。
PetaPixel:OM System OM-5 Mark II Review: I Think I’ve Reviewed This Camera Before
- 外観:OM-5 Mark IIには新たにサンドカラーの限定モデルが追加された。このカラーはアウトドア向けの雰囲気を強く持ち、冒険好きなユーザーに向けたOMシステムの戦略を象徴している。他の部分のデザインは従来機種と大差なく、初代OM-5やさらに以前のOM-D E-M5 Mark IIIに酷似している。
- 構造:多くのメーカーが「防塵防滴仕様」として曖昧に表現する中、OMシステムは明確な等級でその耐候性能を示し、信頼性が高い。OMシステムのボディに共通する特徴の一つ。滝に数回浸すという過酷な使用を試みたが、動作に一切問題はなかった。屋外での撮影や悪天候下での運用にも安心して使える堅牢性を備えている。
- バッテリー:BL-50バッテリーを採用し、1回の充電でCIPA基準318枚の撮影が可能。容量としては平均的だが、コンパクトで携帯性には優れる。
- インターフェース:マイクロUSBポートが廃止され、USB-Cに対応した点は大きな進化である。マイク入力端子はあるが、ヘッドホン端子は非搭載。全体としてしっかり密閉されている構造である。
- 携帯性:本体は非常にコンパクトで、重量も約418グラムと軽量。持ち運びに適している。
- グリップ:グリップはわずかに大型化されたが、実用面で明確な改善とは感じなかった。
- 操作性:ツインダイヤルは高品質なローレット加工が施され、操作感に優れる。カスタムボタンも豊富で、AF-ONボタンの位置にも満足している。一方で、AFポイント用のジョイスティックは非搭載で、操作スペースの制限もあるため採用されなかった可能性が高い。
- 手ぶれ補正:従来通りの5軸手ブレ補正機構を内蔵しており、補正効果は6.5段から最大7.5段に及ぶ。信頼性は高く、さらなる改善の必要性はほとんど感じられない。
- ファインダー:236万ドットのEVFを搭載。仕様は前モデルと同じで、既存のOMシステムユーザーには馴染みやすい。
- モニター:100万ドット超のフル可動式液晶パネルを搭載。新たにナイトビジョンモードが加わり、暗所でのフォーカス作業がしやすくなっている。
- メニュー:露出補正ボタンが「CPボタン」に置き換えられ、コンピュテーショナルフォトモードに素早くアクセスできるようになった。ボタンの機能はカスタマイズ可能。OM-3から継承された新メニューシステムは、従来よりはるかに使いやすい。また「マイメニュー」機能により、頻繁に使う機能の独自メニューを作成できる。
- CP:独自の撮影モードを非常に気に入っており、OM-5 IIでもこれらの機能は従来と変わらず利用できる。CPボタンで素早くアクセスできるようになった。
- フォーカス:AF性能の大きな向上は見られず、顔・瞳検出は若干の改善に留まる。動物・車両の検出機能は非搭載であり、トラッキングAFの実用性も低い。構図変更のための中央一点AFや広いゾーンAFでの運用が依然主流である。他社が低価格帯でも被写体認識を導入していることを踏まえると、この点の遅れは明確である。
- 連写性能:記載なし。
- 解像性能:従来と同様に2000万画素のマイクロフォーサーズセンサーを搭載している。
- 高感度ISO:記載なし。
- ダイナミックレンジ:記載なし。
- ホワイトバランス:記載なし。
- JPEG:記載なし。
- 動画:8ビット記録の画質は平凡で、4Kモードでも細部の描写力にやや欠ける。OM-Logによってダイナミックレンジは向上するものの、10ビット記録には非対応。結果として、一般ユーザーには十分だが、動画重視のユーザーには物足りない内容。
- 作例集:リサイズのみ。
- 総評:マイクロフォーサーズシステムの長年の支持者として、現在の技術革新の停滞には懸念がある。特にセンサー解像度やAF性能の進化は鈍化しており、OM SYSTEMは特にその傾向が強い。価格据え置きは称賛するが、消費者が僅かに改良されただけの古いカメラに満足することはないだろう。
- 懸念:パナソニックが動画性能で健闘しているのに対し、OM SYSTEMはアウトドア志向のユーザーに特化した方向性を取っている。この戦略は、コンパクトさや高い防塵防滴性能といったOMシステムの強みを活かす形で、一定の妥当性があると評価できる。しかし、技術革新の停滞はアウトドアのニッチ市場における地位を失うことになるかもしれない。
2025年7月発売のOM SYSTEM製ミラーレスカメラ。前モデル「OM-5」と同じセンサー・プロセッサ・コントロールレイアウトを継承しつつ、グリップの改良や新メニュー・ボタン機能などを導入しています。一見するとマイナーチェンジモデルですが、価格がほぼ据え置きのため、これから新規で購入するならOM-5 Mark IIのほうが良さそうですね。(OM-5が値下がりしそうですが)
DPReviewのファーストインプレッションで「3年遅れ」と手厳しく評価していましたが、PetaPixelでも同様の評価となったようです。前モデル登場時ですら疑問であったマイクロUSBポートをようやく更新したものの、他社では普及が進む被写体検出AFに非対応だったり、タッチパネルの操作性だったり、従来通りの部分が多い模様。
LUMIXが独自の進化を遂げている一方、OM SYSTEMの停滞が目立つようです。ここ数年はオリンパスからOMデジタルへの移管で大変だったかもしれませんが、そろそろ勢いをつけてほしいところですねえ。
とは言え、前モデルから価格上昇(146,076円 → 156,420円)が穏やかで、IP53の防塵防滴や強力な手振れ補正、30fpsの高速連写の総合的な性能はアドバンテージとして残っているようです。これ以上が必要な場合はOM-3やOM-1 Mark II を要検討と言ったところでしょうか。
OM SYSTEM OM-5 Mark II 最新情報まとめ
- 発売日:2025年7月下旬
- 予約開始日:2025.6.17
- OM SYSTEMストア:
・ボディ:156,420円
・12-45mmキット:176,220円
・14-150mmキット:176,220円
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主な仕様
イメージセンサー | タイプ:4/3 LiveMOS 有効画素:2040万画素 |
画像処理 | TruePic IX |
センサー除塵 | 超音波 |
手振れ補正 | 5軸センサーシフト式 ボディ 中央6.5段、四隅5.5段 シンクロ 中央7.5段、四隅6.5段 5軸シンクロIS利用可能 |
ISO | 200 ~ 25600 拡張 64/100 |
ストレージ | SD UHS-II |
AF | 検出方式:ハイスピードイメージャAF 測距点:121点クロスタイプ 測距輝度範囲:~ -3.5 EV ~ 20 EV |
被写体検出 | - |
シャッター | メカニカル:1/8000~60秒 電子先幕:1/320~60秒 電子:1/32000~60秒 |
フラッシュ同調速度 | 1/250秒 |
連続撮影速度 | メカ:約6 fps 電子:15/20/30 fps |
連続撮影枚数 | カード容量一杯まで (対応速度不明) |
ファインダー | 解像度:約236万ドット 倍率:1.23倍~1.37倍 |
モニター | サイズ:3.0型 解像度:約104万ドット 可動方式:バリアングル |
動画フレームレート | C4K 24p IIPB 240Mbps |
動画出力 | MOV(MPEG-4AVC/H.264) |
USB | USB Type-C USB-PD非対応 UVC(USB Video Class) UAC(USB Audio Class) |
マイク/ヘッドホン | マイク:φ3.5 ヘッドホン: |
HDMI | Type-D |
Wi-Fi | IEEE 802.11b/g/n |
Bluetooth | Ver.5.2 |
その他ポート類 | φ2.5 レリーズ |
バッテリー | タイプ:BLS-50 撮影可能枚数:310枚 |
サイズ | 約125.3mm× 85.2mm× 52.0mm |
重量 | 本体のみ:418g バッテリー含:370g |
防塵防滴 | IP53 |
同梱品 | USBケーブル(Type A to C) ショルダーストラップ 取扱説明書 保証書 リチウムイオン充電池BLS-50 |
備考 | 日本語のみ (日本版) |
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