DPReviewがリコーイメージング「PENTAX K-3 Mark III」のレビュー動画を公開。AF性能はD500に及ばないものの、従来機よりも大幅に進化しており、アップグレードの際の注目ポイントになるとのこと。
DPReview:DPReview TV: Pentax K-3 Mark III review
- 重量は820gで、一眼レフカメラとしては軽量だ。個人的にはもう少し重量が欲しい。
- しっかりと握ることが出来るグリップと、小さいが素敵なサムレストを備えている。
- ボタン配置は良好だ。そして驚くほど多くのダイヤルを搭載している。そして窮屈な感じはしない。
- 2つのコマンドダイヤルは本当に良い位置だ。
- ファンクションダイヤルは初めこそコマンドダイヤルと間違えしまうが、慣れると素早く設定を変更することが出来る。
- タッチパネルを搭載しており、AFポイントを指定したり、メニュー画面で利用することが出来る。
- AFジョイスティックを搭載しているが、奇妙なことにメニュー画面で使うことは出来ない。
- ユーザーモードが5つと多すぎるのはPENTAXらしい。
- 基本的に全てのボタンはカスタマイズ可能だ。
- K-1はフレキシブルチルトモニタだったが、このカメラは固定されている。ローアングルの撮影が難しいのは本当に残念だ。
- 倍率1.05倍のファインダーは本当に素晴らしい。
- ニコンD500は10コマ秒まで連写可能だが、このカメラはAF-Cで11コマ秒の連写が可能だ。AF-S時はさらに高速連写が可能である。
- AFの追従性は他のPENTAXカメラよりも大幅に改善され、成功率はとても良好だ。PENTAXでスポーツや野鳥撮影をしたいのであれば、K-3 Mark IIIは最善の選択肢となる。
- オートフォーカスは非常に満足しているが、バッファが物足りない。高速連写時は速度低下までに25枚しか撮影することが出来ない。
- メモリーカードはスロット1のみUHS-II対応である。
- バッテリーは従来通りだ。既存バッテリーを共有できるのは良いことだが、残念ながら最高のバッテリーライフとは言えない。
- バッテリーはボディ内からUSB-C経由で充電可能だ。
- ボディ内手ぶれ補正はアストロトレーサーや水平調整、ローパスセレクタ、リアルレゾリューションシステムなどに対応している。
- センサーシフトによるマルチショットは他社でも実装している。PENTAXは他社のようにイメージサイズを4倍にする撮影方式には対応していないが、豊富な色情報とノイズリダクション効果でより良い画質となるだろう。
- 全く新しいメニューシステムはとても使いやすい。とても直感的で操作しやすく、新しいフォントが好みだ。古いフォントはファミコンのRPGゲームのようだった(訳注:英語表示の話です)
- メニューシステムで不満があるとすれば、利用できないカメラ機能が何によって干渉しているのか説明がないことだ。
- 動画についてレビューするが、本当に動画撮影機材を探しているのであれば他の選択肢は数多く存在する。富士フイルム「X-T4」、パナソニック「LUMIX S5」などなど。とは言え、PENTAXとしては最初の4Kカメラであり、大きなアップグレードだ。そして実写ではとても鮮明な画質を得ることが出来る。
- 4K動画時は大きなクロップが発生する。フルサイズから1.5倍クロップに加え、1.4倍クロップにより、焦点距離で2倍以上のクロップが発生する。センサー使用領域がマイクロフォーサーズよりも狭いということは、間違いなく低照度性能が低下している。
- 動画用のログプロファイルは存在しないが、「Flat」はとても評価できるプロファイルだ。動画撮影なら最良の選択肢となるだろう。ただし、内部記録は8Bitであり、10Bitの撮影は出来ない。
- HDMI出力は4Kに対応していない。また、4K 60pにも対応していない。
- ボディ内テレブレ補正は動画撮影でも役に立つ。
- 2600万画素のAPS-Cセンサーの解像性能には満足している。DNGファイルで出力できるので、対応ソフトが多い点にも満足している。ダイナミックレンジも優れている。
- PENTAX K-3 Mark IIIとFUJIFILM X-T3のディテールはとても似ている。
- 高感度ISOはとても綺麗だが、RAWに焼き付きでノイズリダクションが適用されているためだ。このため完全な「RAW」とは言えない。
市場さ最高のAPS-Cカメラを得たいと思った場合、本当にAFが必要であればニコンD500だ。PENTAXもかなり良かったがときどきピントを合わせるのに苦労する場面があった。しかし、画質はより良好で、リアルレゾリューションシステムも利用可能だ。
旧モデルからのアップグレードであれば、多くの点で改善され、本当に良好な新型イメージセンサーを搭載している。動画の画質は間違いなく改善し、お馴染みの優れた操作性は健在だ。新しいメニューシステムは素晴らしく、オートフォーカスは目玉の一つとなるだろう。
価値のあるアップグレードになると思うが、唯一の欠点は価格が高いことだ。PENTAX K-1 Mark IIよりも高く、アップグレードを正当化するのは難しいかもしれない。
とのこと。
DPReviewTVにして細かいレビューとなっていますね。レビュワーの一人はPENTAX K-01などを使っていたりするので、APS-C PENTAXには馴染みがあるのでしょうか。
オートフォーカスはニコンD500には及ばないものの、とても良好なパフォーマンスを発揮している模様。バッファやバッファクリアも考慮すると連写メインで使うのは難しいかもいしれませんが、たまにAF-Cを使うのであれば満足のいく結果を得られるかもしれませんね。
高感度ISO画質は定評のある2600万画素センサーに加え、アクセラレータユニットによる独自のノイズリダクションで個性的な結果を得られるようです。DPReviewは「生の魚を調理したいのに、既に少し焼けている」と指摘しています。これを手動でオン・オフすることは出来ません。Photons to Photosが指摘している通りだとすると、アクセラレータユニットの動作を回避するならベースISO感度を使うしかないようです。天体撮影など、ノイズと点光源が入り混じる環境で、どのような使い勝手となるのか気になるところですね。
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