PENTAX FORUMSがリコーイメージングのコンパクトデジタルカメラ「GR III」のレビューを掲載しています。
- フィルム時代から連綿と続くRICOH GRシリーズの最新モデルだ。GR・GRIIと同じ設計思想で28mm F2.8のレンズに2420万画素 APS-Cセンサーを備えている。
- RICOHがUSB-C端子を採用し、充電に対応したことは嬉しい。
- 外装はマグネシウム合金にマットなゴムラバーが施されている。
- 底部には三脚ネジ穴が備わっているものの、レンズ光軸上には配置されていない。また、プレートを装着するとSDカードとバッテリースロットのカバーが開かなくなってしまう。ただし、USB経由で充電やデータ転送が可能だ。
- レンズ外周部のデコレーションリングが簡単に脱落したと散見するが、我々がテスト期間中にリングを紛失することは無かった。
- カメラサイズは一般的なスマートフォンよりも小さく、全高はクレジットカードよりも少し高い程度だ。このような小型ボディにAPS-Cセンサーが搭載されているとは驚きだ。
- 重量は257gと非常に軽量だ。しかし、ボディサイズを考慮するとまだ重いように感じる。この重みはカメラの(主観的な)高級感に影響するだろう。
- ボディサイズを考慮すると驚くべきほど物理的な操作ポイントを備えている。
- モードダイヤルにロック機構を備えているのは素晴らしが、出来ればダイヤル中央が良かった。
- 背面モニターは見やすいのみならず、実用的で魅力的なフォントを使用している。良好なコントラストでメニューは明確で読みやすい。また、油汚れに強いのも嬉しいポイントだ。
- タッチ操作のレスポンスはスマートフォンと同じくらい敏感で正確だ。
- 小型ボディにも関わらず、バランスが取れて使いやすいデザインだ。背面コントロールは慣れる必要があるものの、数日後にはより自然に扱うことができるようになるだろう。
- メニューシステムはPENTAXとそれほど違っておらず、論理的な構成で5つのセクションに分かれている。
- ホワイトバランスはオートモードでも微調整に対応している。
- 連写は毎秒4.5コマほどで、JPEG出力の場合にはバッファが尽きてしまうことが無かった。
- バッテリー寿命はGR IIIにおける弱点の一つだ。寿命を延ばすためにはワイヤレス機能を切るのが効果的だ。
- ここ最近のカメラで内蔵メモリを搭載するカメラを見無くなってしまった。GR IIIが2GBのメモリを搭載していたのには驚いた。60枚以上のRAWファイルや200枚のJPEGを保存することが出来る。しかし、メモリーカードを使うと内蔵メモリの中身は見ることが出来なくなる点には注意したい。
- 起動時間は0.7秒、再生画面への移行は一瞬だ。
- 通信接続はUSB-C・Bluetooth・WiFiと充実している。Bluetoothは「理論的には」低消費電力でスマートフォンとの常時接続が可能だ。しかし、2019年5月時点でアプリ側の対応が進んでおらず、無用の長物となっている。WiFi接続で画像転送に対応しているのみだ。
- タッチフォーカスは非常に信頼できる(PENTAX/RICOHユーザーにとって)新機能だ。
- 照度別にフォーカススピードを測定したところ、ファームウェアアップデートで低照度時のスピードが改善しているのは明らかだ。低照度でも一貫性のある正確なAFだ。
- ファームウェアアップデート1.10はまさに天恵だ。低照度でフォーカススピードが速くなるだけでなく、低コントラストな被写体でも1秒未満で正確にロックする。マクロと通常のピント領域の境目付近では誤反応が起こるようだ。
- 動画はFHD 60pまでとなり、4K動画には対応していない。また、動画撮影中のフォーカスモード変更は出来ない。動画画質は予想通りで、動画撮影時のAFは良好だ。
- PENTAXと同じく、動画撮影時にセンサーシフト式手ぶれ補正は動作しない。電子手ぶれ補正のみだ。
- フレーム内に明るい光源がある場合、過酷な状況でも重大な露出ミスはなかった。
- 光条は絞っても見事な結果とはならない。街並みのお散歩レンズとして良好なだけに、これは少し残念だ。
- シャープネス
・中央は絞り開放からすでに優れており、四隅は少し劣るもののそれほど違いは無い。
・F4で中央は最高のパフォーマンスに近づき、四隅も向上する。
・F8では少しシャープネスが低下するものの、周辺部や四隅が均質になり高いシャープネスとなる。
・F11で多少の回折が発生し、F16では明らかにソフトとなる。
・絞り開放での撮影が多くなると考えると、高解像度で高い均質性はとてもポジティブな結果だ。- 色再現はISO200~12800まで良好だ。ISO100では明るい色が薄くなり、ISO25600以上でも同様の現象が発生する。
- ノイズリダクションはISO6400まで素晴らしい結果だ。この値以下で撮影したイメージを区別することは難しい。
- ISO12800や25600ではノイズが目立つものの、まだディテールの低下は小さい。ISO51200以上ではディテールが大きく低下する。
- 実写テストでも見事なノイズ処理で全てのISO感度において優れた色再現を発揮する。ISO3200以下で差が無く、IS6400~12800も完璧に実用範囲だ。夜景でも中程度のISO感度までディテールが高く、光と影のバランスが良好だ。
- 周辺減光の補正はソフトウェアに依存している。未補正の状態だと全ての絞り値で減光が大きい。F8でも-1.72EVだ。
- ローパスセレクタは我々のテストで効果的に機能することが確認できた。
- 逆光耐性:
・太陽を中央に配置した場合、逆光耐性はとても良好だ。F5.6まで絞ると僅かにゴーストが確認できる。全体的に素晴らしい耐性だ。
・対応を四隅に配置しても逆光耐性は完璧だ。- 優れた色収差補正で色ずれは僅かだ。
- 歪曲収差は極僅かで0.3%となる。
- ボケ質は我々が見てきた中で最高のものとは言えないが、十分滑らかで程よいものだ。玉ボケはF5.6からF11で騒がしい描写となる。
APS-Cセンサーサイズのコンパクトデジタルカメラがそもそも珍しいことに加え、このカメラはさらにボディ内手ぶれ補正を追加してさらに個性的なカメラへ昇華した。そしてハイクオリティなレンズや数多くの追加機能を考慮すると間違いなくスペシャルなカメラだ。
長所:期待に応える2400万画素 APS-C・ボディ内手ぶれ補正と除塵ユニット・18.3mm F2.8・小型軽量で優れたビルドクオリティ・効果的でハイクオリティなタッチパネル・優れた中央解像と後に続く周辺四隅の解像性能・ファームウェア1.10の低照度AF・動画撮影時のAF-C・良好な逆光耐性と色収差補正・数多くの機能・WiFi/Bluetooth・USB-C端子
短所:未補正で大きな減光・防塵防滴非対応・足りない動画機能・バッテリー寿命・時々騒がしいボケ・未熟なWiFiアプリ
とのこと。
他のレビューサイトでも指摘されている通信機能やバッテリーライフについて言及しているものの、メリットのほうが多く全体的に肯定的な結果となっているようですね。特にシャープで高品質なレンズ、そしてファームウェアアップデートにより改善したAFシステムをピックアップしています。
私も複数のページに分けてレビューを発信しましたが、大部分で同意見です。レンズはとてもシャープで高画質、手ぶれ補正やローパスセレクターは効果的、タッチ操作のレスポンスは非常に良好です。ポケッタブルなAPS-C 18mmとしては使い勝手抜群のカメラだと感じます。
ただ、背面コントロールホイールの機能性や追従AFにおけるレスポンスはやや悪く、Bluetoothによる常時接続機能はGR IIIのリリースと同時に対応して欲しかったところ。ファームウェアアップデートを精力的に展開するとのことなので、今後のアップデートに期待したいですね。
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