DPReviewが正式発表されたばかりのライカ「SL2-S」についてインプレッションと作例を公開しています。第一印象は最後の一文でぶっちゃけていますね。「3000ドル近く高いパナソニックS5を使っているようだ」
使って楽しいライカ
DPReview:Leica SL2-S initial review
紹介
- SL2-Sは静止画・動画のハイリッドユーザー向けと言われている。
- 売り出し価格は4895ドルだ。6000ドルの高解像なSL2と比べると非常に低下価格である。
- 2021年のファームウェアアップデートによりSL2よりも強力な動画機能を得ることになる。
- 多くはSL2と同等の仕様だ。ドイツ製の頑丈なボディ、ボディ内手ぶれ補正、タッチ操作対応のインターフェース、大型の高解像EVFなどを備えている。
- 搭載している2400万画素センサーはソニー「α7 III」やパナソニック「DC-S1」、ニコン「Z 6II」と同じセンサーだと思われる。25fpsの連写撮影と4K 30oのオーバーサンプリング4Kを撮影可能だ。
- カメラ独自のRAW形式ではなく、DNG形式のRAW出力に対応している。
- 最大で5.5段分のボディ内手ぶれ補正を搭載している。
- 三脚に固定した状態で8枚の写真を撮影し、9600万画素相当の静止画出力に対応している。
- AFは深度情報を利用したコントラスト検出フォーカスシステムだ。パナソニックのシステムと同じか、非常に似ている可能性がある。一般的な撮影で正確なフォーカスが可能だが、動く被写体相手の場合は位相差AFほど良くない。
- SL2-Sは既に高性能な動画機能を備えているが、LUMIX S5ほど広範囲をカバーしていない。ファームウェアアップデート後に強化される予定だ。
操作性
- SL2と同様、大きく重く、非常にしっかりとしたカメラだ。一眼レフスタイルのカメラだが、よく見ると威圧感を感じさせない湾曲したエッジが特徴的である。
- 金属製の頑丈な外装はIP54の規格に準じた防塵防滴仕様である。
- グリップはとても良好な設計だ。大部分のLマウントレンズを装着して片手で扱うことが出来る。
- ボタンの多くにはラベルがプリントされていない。
- モードダイヤルを搭載していない珍しいデザインだ。P/A/S/Mモードを切り替える際は、リアダイヤルを押し込み、専用モードへ移行する。
- ハイライトは「EyeRes」電子ファインダーだ。0.78倍のファインダー倍率を備え、576万ドットの解像度で120fpsのリフレッシュレートを利用可能である。
- 視度調整ダイヤルは接眼レンズの真後ろに配置されている。小さな補正ダイヤルよりも使いやすく、誤操作を防ぐ十分な抵抗量を備えている。
- 背面モニタは仕様的にとても優れているが、ボディに固定されている。ウェストレベルで撮影したいフォトグラファーはがっかりするかもしれない。
- 3.2型の液晶モニタはタッチ操作に対応している。上下にスワイプしてライブビューと再生モードを切り替えたり、左右にスワイプして静止画モードと動画モードを切り替えることが可能だ。ダブルタップでAFモードを選択したり、ファインダー使用時にフォーカスエリアを移動させることも出来る。
- ボディサイズが大きく、モードダイヤルが無いので、サブ液晶モニタを搭載するスペースが生まれた。このモニタには静止画や動画で役立つ情報の表示が可能だ。
- 側面には3.5mmヘッドフォンソケット・マイクソケット、そしてフルサイズHDMIなど、ハイブリッドカメラで期待するポートを搭載している。充電やテザー撮影用のUSB3.2 Gen1 Cポートもある。
- 右側面にはSD UHS-IIに対応するデュアルカードスロットを搭載。バックアップやJPEG/DNGを分離する機能がある。静止画と動画の分離機能は無い。
- BP-SCL4バッテリーは15.6Whの容量があり、一回の充電で510枚の撮影が可能と言われている。
- ラベルの無いボタンは長押しすることでカスタマイズ画面で機能の変更が可能だ。カスタマイズは静止画と動画で分離することが出来る。
- SL2-Sのメニューシステムはカテゴリを分類するタブが無い。ただし、簡単に機能へアクセスすることが出来るようにお気に入り登録が可能だ。
動画
- APS-CクロップでDCI/UHD 4K 60p/50pの動画撮影が可能だ。内部記録で4:2:0 8Bit、外部出力で4:2:2 10Bitに対応している。
- フル画角は4K 29.97pで利用可能だ。オーバーサンプリングした4:2:2 10Bitで内部記録・外部出力に対応している。画質は非常に良好だ。
- 計画されているファームウェアアップデートにより、H.265コーデックを利用してAPS-Cクロップの4K 60p 10Bitの撮影が可能となる。
- 録画時間の制限は無い。
- MOVの場合は4K ALL-Iで最大400Mbpsのビットレートに対応している。LGOPの場合は150Mbpsだ。MP4は同ビットレートのLGOPのみである。
- AFなしで最大180fpsのFullHDを撮影可能だ。
- V-LogとHLGどちらも対応している。ディスプレイ補正用の2つのLUTが含まれている。
- ウィンドカット・マイクレベル調整・タイムコードに対応している。今後のアップデートで波形モニタやカラーバー、バッテリー切れの場合に保存可能なセグメント化された動画、自動フォローフォーカス操作などが追加される予定だ。
オートISO
- 最大ISO感度と低速シャッター速度(1/2000秒?1/30秒)どちらも利用可能だ。自動の場合はレンズの焦点距離に比例したシャッター速度が設定される。
- Mモードで露出補正が可能だ。
インプレッション
最初に「これは単なるSL2の低解像度モデルではない」と言われた。しかし、今のところSL2-Sは本質的にSL2の低解像で低価格なモデルだ。ただし、ファームウェアアップデートにより機能強化予定である。
当然ながら使用感はSL2と同じだ。動物園での撮影で使用したが、重量はそれほど負担と感じなかった。ファインダーは素晴らしいが、固定された背面モニタにイライラする時はあった。
カメラ性能に不満はなく、AFは高速で、ユーザーインターフェース全体のレスポンスは非常に良好だ。24-90mmや90-280mmのレンズと組み合わせて撮影した写真には目を見張るものがある。いくらかミスショットもあったが、これは撮影者のミスか、もしくはプリプロダクションモデルだからかもしれない。
動画について掘り下げなかったのは、発売当初の機能がパッとしないからだ。ファームウェアアップデートで動画機能を充実させるのであれば、ファームウェアが完成してからSL2-Sを発売する手段もあっただろう。
全体的に見ると、使って楽しいカメラだ。何とくなくライカの伝統やデザイン、レンズに触れた気がするものの、個人的には、3000ドル近く高いパナソニック「S5」を使っているような気がしていた。しかし、一部の人にとって、SL2-Sはそのプレミアムに見合うだけの価値があるだろう。
DPReview:Leica SL2-S real-world samples (pre-production)
LEICA SL2-Sは、フラッグシップ機であるSL2よりも解像度が低く、価格も抑えられているが、来年に予定されているファームウェアのアップデートにより、より多くの動画撮影機能を利用することが可能になる。
SL2-Sの性能を確認するため、数日前からプリプロダクションモデルで撮影を行ってきた。
とのこと。
最後の1文にぶっちゃけ感あるものの、「S5」が使い勝手の良いカメラと考えると肯定的な評価もできそうですね。コントラスト検出AFらしい欠点はあるものの、パナソニックSレンズとの相性は良さそう。ボディ内手ぶれ補正を利用したマルチショットに対応しているのも面白いですね。
実写作例を確認すると、2400万画素 裏面照射型CMOSセンサーらしい優れたノイズ耐性を備えていることが分かります。人肌が若干マゼンダ寄りな気もしますが、これはお酒で顔が真っ赤になっている可能性あり。レンズは24-90mm・90-280mm共に使い勝手の良さそうな光学性能に見えます。
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