ライカ SL3 は動画撮影や動体撮影には不向きだが風景やスタジオで扱いやすいカメラ

PetaPixelがライカ「SL3」のレビューを公開。AF-Cの性能やEVFの解像度低下、動画撮影における諸問題を指摘。その一方、使い勝手が改善され風景やスタジオに適した6000万画素の高解像モデルと評価。

PetaPixel：Leica SL3 Initial Review: L-Mount’s Best High-Res Option… For Now

ボディ・操作性

一見すると従来のSLシリーズだが、MENUボタンはQ3のように右側へ移動。

家庭用コンピューターのような電源ボタン。慣れるまでに少し時間がかかった。

よく見てみると、以前よりも数mm小さくなている。わずかだが軽量化。

フラッシュの同調速度が1/200秒までダウングレードしている。

ボディ内手ぶれ補正の効果が5.5段から5.0段までダウングレードしている。

これまでで最も直感的な操作性。

ほぼ全てのボタンを長押しでカスタマイズ可能。

チルト式の可動液晶モニタになり、ウェストレベルでの撮影が簡単になった。

バッテリーは新型のBP-SCSL6に切り替わっている。ただし、全体的なバッテリーライフは比較的短い。古いタイプのバッテリーではさらに短くなる。

CFexpress Type Bスロットに対応しているが、連写速度が遅いことを考慮すると重量ではない可能性がある。（AFC利用時に5fpsまで）

IP54の防塵防滴で高価なカメラボディを保護している。

USB-Cポートで充電する場合はPD対応である必要はない。

最低27Wあれば給電しつつ、同時に充電することが可能。

メニューで使用するアイコンが更新されている。

撮影

像面位相差AFに対応。トラッキングがより良好で、フォーカスはSL2よりも向上している。LUMIX S5IIの撮影体験とよく似ている。

人物と動物の被写体検出モードが改良されている。

AF-C中はEVFの解像度が低下する問題が続いている。

コントラスト検出AFのように、ピントが前後する傾向がある。
（訳注：動画内では背景にピントを合わせようとすると言及）

スポーツやアクションなどの動体撮影では使い勝手が悪い。大部分はAF-Sで撮影した。

画質はとても良好で期待通り。

ライカのレンズは6000万画素のセンサーと完全に調和している。

マルチショットモードは実装していない。

現時点で風景やスタジオでの用途に適している。高速なアクション撮影には他の選択肢が必要となるだろう。しかし残念がら、ライカで最も適しているのはSL3だ。

動画

シャッター角度などいくつかの動画機能を備えている。

4K 60pや8Kに対応しているが、6000万画素センサーは動画撮影に理想的ではない。

4Kや8Kでは1.3倍のクロップが発生し、ローリングシャッターの影響が目立つ。

FHDはセンサー全幅やProResで撮影できる唯一のモード。

連続撮影時間も限られているので、静止画向けのカメラだ。

バッテリーあたり40分しか持たないので予備は必須である。

フレーム内に人物が複数入るとトラッキングに一貫性がなく不安定。

これまで、6000万画素センサーを搭載したLマウントカメラはSIGMA fp Lのみだった。しかし、このカメラは多くの問題を抱えている。S1R IIも間もなく登場すると思われるが、今のところ高解像写真で実用的な選択肢はSL3となる。

とのこと。
6000万画素の高解像センサーを搭載したSLシリーズの最新モデル。Q3に引き続き像面位相差AFに対応しており、動物認識も可能な被写体検出も利用可能のようです。また、メモリカードはCFexpress Type Bに対応し、連続撮影時は15fpsの高速連写に対応。ただし、高速連写時は12bit RAWとなるので、諧調やダイナミックレンジに影響する可能性あり。また、AF-Cに対応しているのは5コマ秒まで。

PetaPixelによると、バッテリーライフが短かったり、像面位相差AFにはまだまだ改善の余地があると指摘。連続撮影などの性能も考慮すると、動体撮影の場合は他の選択肢を検討したほうが良いかもしれません（ただしライカの中では最良の選択肢のようですが…）。

その一方、操作性やメニューシステムなど使い勝手は改善しているらしく、PetaPixelが評価している部分のようです。風景撮影やスタジオならば高解像センサーを活かした撮影が可能となりそうです。

ライカ SL3 最新情報まとめ

Leica SL3
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主な仕様

イメージセンサー
・タイプ：裏面照射型
・有効画素数：6030万画素
・60/36/18MP DNG
・除塵ユニット：
・手振れ補正：搭載 5段分
バッファメモリ：8 GB
ISO 50-100000
プロセッサ：Maestro IV
CFexpress Type B + SD UHS-II
AFシステム：像面位相差検出方式、コントラスト検出方式、深度マップ測定を組み合わせたハイブリッドAF
・測距点：315点
・被写体認識：人・動物（β版）
ドライブ性能：
・メカニカルシャッター：60分～1/8000秒
・電子シャッター：60秒～1/16000秒
・フラッシュ同調速度：1/200秒まで
・撮影速度：15fps（AFS/ES）・5fps（AFC/MS）
・撮影枚数：
ファインダー：3.2型チルトモニタ 233万2800ドット
モニター：576万ドット 120fps 0.76倍
上面モニタ：1.28型高反射半透過型モノクロLCD
動画：
・29.97 fps C8K 4:2:0 / 10 bit h.265 L-GOP 300 Mbps
・C4K 59.94 fps 4:2:2 / 10 bit (SD & HDMI) h.264 ALL-I 600 Mbps
・FHD 119.88 fps 4:2:2 / 10 bit (SD & HDMI) h.264 ALL-I 400 Mbps
・59,94 B/s 422HQ ProRes 454 Mbps
インターフェース：
・USB：USB 3.1 Gen2 Type-C
・Apple MFi
・ヘッドホン：3.5 mm
・マイク：3.5 mm
・HDMI：2.1 A
・その他：Bluetooth 5.1・Wi-Fi 6 2x2 MIMO
バッテリー
・タイプ：BC-SCL6 2200 mAh
・撮影可能枚数：260枚（CIPA規格による）
サイズ：141.2 x 108 x 84.6 mm
重量：約769 g（バッテリー、SDカード、ボディキャップ含まず）
防塵防滴：IP54 防塵防滴
ボディ材質：マグネシウム、アルミニウム