Mobile01がソニーの新型カメラ「α1」のレビューを公開。高解像30コマ秒の連写に対応し、動画の高感度ISOはα7S IIIと僅差、そして既存製品よりも高速フラッシュ同調速度を高く評価しています。
性能を考えると妥当な価格設定
Mobile01:Sony A1 ?對影像王者 頂尖技術力的展現
カメラの紹介:
- α9・α9 IIが2400万画素の超強力なスペックで20コマ秒連写に対応した時、だれが5000万画素のα1が登場すると考えただろうか?このカメラはブラックアウトフリーで毎秒30コマの連写撮影が可能であり、さらに8K動画にまで対応している。
- 高度な連続撮影を実現するため、超高速読み取りが可能なCMOSセンサーと、高速処理が可能なプロセッサを搭載し、一時的に大きなデータを保管するバッファを備えている。
ビルド・外観:
- BIONZ XRプロセッサはα7S IIIと同じだが、α1用にチューニングが施されている。α7S IIIの1200万画素に2つのプロセッサが必要だろうか?私はBIONZ XRがもともとα1用に設計されたものだと推測している。
- よく見ると軍艦部の前面にホワイトバランス用センサーを搭載していることが分かる。これにより、レンズを通過しない光を検出することが可能となり、より正確なホワイトバランスを得られる。
- インターフェースはソニー製カメラで最も豊富だ。
・1000BASE-T LAN
・フラッシュ同調
・Micro USB
・USB-C USB3.2
・HDMI A
・マイク
・ヘッドホン- α9 IIもUSB3.2だが、α1はUSB3.2 Gen1である。理論上の通信速度は2倍である。ちなみにα7R IVもUSB 3.2 Gen1だ。
- α7S IIIと同じくデュアルCFexpress A/SD UHS-IIカードスロットだ。
- 電源オフ時にメカニカルシャッターを閉じる機能を備えている。
- 縦位置グリップはα7R IVやα9 II、α7S IIIと互換性がある。
携帯性:
- EOS-1D X Mark IIIやD6と同じように縦位置グリップ固定のカメラを検討しているのか聞いたところ、α1の性能でもサイズを維持できるので、同じような小型サイズを維持したいと述べている。スポーツ写真にも対応できるが、スポーツ写真用にはしたくないようだ。私もこのアプローチには賛成である。
グリップ:
- 記載なし。
操作性:
- α9とα1シリーズのみ左肩にドライブ・フォーカスモードダイヤルを搭載している。個人的に、これはα7シリーズ全てに搭載するべきと思っている。
- 右手側の操作はα9 IIやα7R IVと全く同じだ。α7S IIIで「C1」の位置には録画ボタンが配置されている。
- α7R IV以降の最新世代はボタンやジョイスティックの形状が洗練され、とても成熟したシステムとなっている。
- 起動速度は従来の製品よりも速くなっているが、それでも一眼レフのように0.1秒レベルで起動するわけでは無い。長いときで1秒待つことがある。
手ぶれ補正:
ファインダー:
- α7S IIIと同じ944万ドットのOLEDパネルを使用している。
- これまで見てきた中で最高の解像度を備えたファインダーである。一度使い始めると、他のカメラのファインダーは使えなくなるだろう。
- フレームレートは240fpsに対応しているが、画質は低下する。
- 最高画質のファインダー像を得たい場合はフレームレートを60/120fpsに設定する必要がある。
モニター:
- α7S IIIはバリアングルモニタだが、α1はチルト式である。
メニューシステム:
- 記載なし。
オートフォーカス:
- 人間や動物は瞳と顔を検出可能だが、鳥は瞳だけだ。
- 鳥の瞳AFは検出が難しい場合がいくつかあると言われている。そのうちの一つは鳥が正面を向き、両方の目がフレーム上にある時だ。また、目が見えない場合も検出が出来ない。
- オウムでは瞳AFの成功率が高い。
- 10?20mの距離で鳥瞳AFは実用的だ。しかし、400mm F2.8 GM+1.4×を装着時で遠くの鳥を撮影する場合はほとんど利用できない。ただし、瞳が検出できない場合でも、4Dフォーカスで追従を継続できる。
- 人間の瞳AFは最高の追従性と信頼性だ。
連写性能・ドライブ:
- 30コマ秒の連写撮影そのものは珍しくない。しかし、AF/AE固定だったり、撮像範囲がクロップされたり、センサーが低解像だったりする。
- α1は5010万画素で毎秒30コマの連続撮影に対応し、クロップが無ければ、AF/AEの追従も可能だ。
- データの読み取り速度は従来のCMOSセンサーをはるかに上回っている。このため、ローリングシャッター歪が非常に少なく、1/200秒のフラッシュ同調にも対応している。
ちなみにα7R IVの同調速度は1/13秒までである。- メカニカルシャッターも強化されている。従来のスプリングに加え、電磁アクチュエーターを使用している。これにより、かつてない速さでシャッター幕を動作させることが可能になっている。ソニーはこれを「デュアルドライブシャッター」と呼んでいる。
- デュアルドライブシャッターは同調速度向上に一役買っているが、最高速は変わらず1/8000秒までだ。フラッシュ同調速度は従来の1/320秒から1/400秒まで向上している。
- 将来的にセンサー性能が向上することで、メカニカルシャッターのフラッシュ同調速度を超えるかもしれない。
- 回転する扇風機を電子シャッターで撮影した場合、α7R IVは明らかにローリングシャッターの影響が発生する。α7S IIIでも影響は見られるが、α1で影響は見られない。
- 圧縮RAWで最大238枚の撮影が可能だ。非圧縮時は82枚となる。
- 電子シャッターでフラッシュ利用時は連写速度が低下する。どれほど低下するかについて言及は無いが、約15fpsくらいだと思う。
高感度ISOノイズ:
- α1とα7R IVの高感度画質を比較する。2台のカメラは画素数が1000万ほど異なるが、写真サイズはそれほど違いが無い。どちらも裏面照射型だ。
- 特にISO12800以降でα7R IVのほうがノイズが多く見えるが、ディテールは同程度だ。α1の高感度ノイズ処理は優れている。
- α7S IIIと動画仕様が似ているので、α1にまとめたいと思う人はいるかもしれないが注意が必要である。
・α7S IIIはISO409600まで利用可能
・α7S IIIはS-log 3の感度がISO 160と低い(α1もISO 200と低いが)
・α7R IVやα1の上限であるISO 32000よりα7S IIIのISO 51200のほうがクリアだ
・α1はISO 3200や6400の場合にα7S IIIよりも優れている
・S-log3使用時のα7S IIIはスペシャルだ。α1はα7S IIIと僅差だが、α7R IVは遠く及ばないダイナミックレンジ:
- 記載なし。
ピクセルシフトマルチショット:
- 4枚合成の画質は明らかにシングルショットよりも優れている。
- 16枚合成のイメージサイズは遥かに大きく、巨大な出力が必要なフォトグラファーに適している。
- 電子シャッターで撮影する必要があり、1/200秒のフラッシュ同調速度が役に立つ。
動画:
- 面白いことに。8Kで必ずしもCFexpress Aカードが必要となるわけでは無い。V60のSDカードがあれば十分だ。
- トラフィックが最も多い4K 60p ALL-IでもV90で足りる。
- ただし、CFexpressにはいくつか利点がある。データ書き込みの精度はSDカードよりも高く、最高速度はSD UHS-IIより遥かに高速だ。静止画の高速連写が必要な場合はCFexpress Aを利用すると良いだろう。
- 8K 30p 4:2:0での撮影が可能だ。XAVCS HSフォーマット限定である。編集が必要な場合はパソコンをかなり強化する必要がある。
- 4Kは4:2:2 10Bitで最高600MbpsのXAVCS-Iを利用可能だ。
- データフローが大きい場合、ボディも発熱する。室温28-30度の環境で8Kを連続撮影したところ…
・過熱保護オンで17分30秒後に警告、24分25秒でシャットダウンした
・過熱保護オフの場合は警告すらでない
総評
5010万画素で30コマ秒の連写撮影に対応し、8K動画に対応する超強力なスペックだ。本当に印象的だったのはフラッシュ同調の1/200秒対応電子シャッターと1/400秒対応メカニカルシャッターだ。個人的な見解として、高画素の30コマ秒連写は強みの一つでしかない。積層型CMOSセンサーと高速プロセッサの組み合わせで以下のことが可能となっている。
- 1/200秒のセンサー読み出し速度
- 電子シャッターのフラッシュ1/200秒同調
- ローリングシャッターの歪みが極小
- 毎秒120回のAF/AE演算
- 毎秒30コマ秒の連写
- ブラックアウトフリー連続撮影
ソニーにα1の8K動画について質問してみたところ、以下のように回答があった。
「α1の8Kはテクノロジーのデモンストレーションのようなものだ。実用性の観点から8Kは現在の市場需要を遥かに上回っている。今のところ6Kモニタでさえ市場にはあまり出回っておらず、8Kの画質を十分に楽しむ手段がほとんど無い。誰が8K動画をパソコンで編集できるだろうか?そしてこれはXAVCS HSフォーマットである。今のところクリエイター向けはα1やα7S IIIの4K動画である。」価格は174,980台湾ドルである。これを「高いか?」と質問する人は過去のフラッグシップモデルの価格設定を理解していないことを意味する。キヤノンやニコンはこの価格でフォトジャーナリスト向けのフラッグシップモデルを販売している。α1はスペックを限界まで押し上げ、解像度を5010万画素、連写速度を30コマ秒まで向上し、CMOSセンサーの読み出し速度も改善している。これで従来のフラッグシップモデルと同等の値付けだ。確かに安いカメラでは無いが、パフォーマンスを考慮すると非常に誠実な値付けである。
フォトジャーナリストや野生動物、スポーツ写真のプロフェッショナル、そして商業フォトグラファーでさえ仕事に良い影響を与えるとα1に期待することだろう。写真への情熱をかけるための強力なモデルである。今後もより良い新製品を提供し続けると期待している。
長所:
- 5000万画素で毎秒30コマのAF/AE連続撮影
- 毎秒120回のAF/AE演算
- Miシュー経由のフラッシュ装着で自動的にライブユーの露出プレビュー機能をオフにする
- 最速USBポート
- メカニカルシャッター時のフラッシュ同調1/400秒、APS-Cは1/500秒
- 電子シャッター時のフラッシュ同調1/200秒
- 電子シャッターでアンチフリッカー対応
- 動画の高感度ISO性能がα7S IIIに近い
- ピクセルシフトマルチショットで高画素・超高解像な撮影が可能
- ピクセルシフトマルチショットでフラッシュを使用可能
- 鳥の瞳AF
- 高解像8K動画
- 16BitRAW出力
- S-Cinetone
- 944万ドットの高解像ビューファインダー
- ロスレスRAWで画質を維持しつつファイルサイズの圧縮が可能
- JPEGライト出力
改善点:
- S-RAW・M-RAWが無い
注意点:
- 電子シャッターでのフラッシュ同調はMiシューの利用が必須
- 電子シャッター利用時の連写速度は約15fps
- 1/400秒のフラッシュ同調速度利用時は連写速度が低下する可能性がある
- 対応レンズ以外では連写速度が低下する可能性がある
- 電子ファインダーの240fps駆動時は解像度が低下する
とのこと。
解像性能や動画、高速連写など、それぞれに特化したモデルは存在しましたが、過去にない全てを併せ持つフラッグシップモデルとなったようです。さらに高解像なファインダーや新型シャッターユニット、高速通信にまで対応しているのだから凄い。それが従来通りのボディサイズに収まっているのだから驚きですね。価格はキヤノンやニコンのフラッグシップモデル並ですが、それ以上の価値を持つカメラに仕上がっている模様。
システム全体での堅牢性や実績はキヤノンやニコンが有利かもしれませんが、α1の登場でパワーバランスが崩れるかもしれませんね。DPReviewのインタビューでは従来機と比べて耐候性も向上しているとのこと。
「α1が絶対に必要」と感じる人は多くないと思いますが、高速フラッシュ同調やローリングシャッター歪みを抑えた高解像の高速連写などは他に選択肢が無いポイントです。必要であれば腹をくくって買うしかなさそう。
個人的に「ロスレスRAW」や「超音波ダストクリーニング」「新メニューシステム」あたりを早いところ下位モデルに投入して欲しいところ。比較的新しい「α7R IV」「α7C」ですら旧型機に見えてくるのが切ない。
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