DPReviewが富士フイルム「X-H2」のレビューを公開。全幅8Kが撮影できる手ごろな選択肢と評価しつつ、ローリングシャッターが目立つと指摘。静止画ならX-T5があるので、ターゲット層が狭いと言及しています。
DPReview:Fujifilm X-H2 in-depth review
- 2023年に最高解像度のAPS-Cカメラが欲しいなら、X-H2かX-T5の2択だ。
- X-H2のみ全幅で8K撮影が可能な真のハイブリッド静止画・動画カメラである。実際、X-H2は2,000ドル以下の8Kカメラとしてはほぼ間違いなく最高である。
- X-H2Sと同じシャーシ、人間工学に基づいたデザイン、そして印象的なビルドクオリティ。
- 一般的なAPS-Cミラーレス機よりも大きく、アマチュアというよりはプロレベルの道具のような感覚で扱える。
- ベースISOが125であるため、感度ノイズやダイナミックレンジにも恩恵がある。しかし、画素ピッチが狭いため、非常に高いISOで少しノイズが出ることがある。
- 三脚を使えば、ピクセルシフトマルチショットで1.6億画素の写真を生成することが可能だ。ただし、パソコンとソフトウェアが必要である。また、動体補正が不十分なため、動く被写体による不自然な結合が発生する。
- 8Kや6.2Kの映像は、動きの少ないシーン限定だ。これらのモードでの画質は見事だが、急激な動きやパンニングに対応していない。ローリングシャッターの効果があまりにも目立ち、吐き気を催すほどだ。
- とはいえ、ドキュメンタリースタイルの撮影やインタビューでは、ローリングシャッターはそれほど目立つものではない。
- AFの性能は非常に良いが、追従性と正確な顔や瞳の検出に関しては、ソニーやキヤノンに追いつくのにまだ時間がかかる。他のブランドは、被写体が背を向けてもぴったりと密着し、まつ毛や眼鏡、前髪によってターゲットから外れることはあまりない。
- とはいえ、2年前の富士フイルムのモデルと比べても、最新のフラッグシップ機は、フォーカスの信頼性において顕著かつ喜ばしい前進を遂げている。
X-H2は非常に素晴らしいフラッグシップカメラである。ただし、X-H2SやX-T5がある以上、このカメラのターゲット層はかなり狭いと感じざるを得ない。確かに、2,000ドル以下で全幅の8K動画を撮影できるが、その映像は本当に一部の使用例でしか使えない。
大部分の人は、X-H2Sはより賢明な選択肢になるはずだ。静止画の面では、X-H2はX-T5よりも性能が高いわけではなく、価格が高いだけだ。大きなグリップと、より美しいファインダーを備えているが、これらのアップグレードは300ドルの価値があるか?価値を見出せるかは個人差がある。
とのこと。
2022年に登場したAPS-Cミラーレス。同サイズのセンサーとしては最も高い4000万画素の解像性能を備え、8K動画にも対応しているのが特徴。静止画でも動画でも高精細な画像を得られるのが魅力的ですね。センサーの画質は高解像のわりには良好で、驚いたことにEOS R7やα6600よりも優れているとのこと。さらにピクセルシフトで1.6億画素の高解像撮影ができるのだから驚異的。
欠点はセンサーの読み出し速度のようです。ローリングシャッターが目立つので動きのある動画撮影には不向きで、高速連写はX-H2Sのような40fpsに対応していません。AF時もX-H2Sほどの高速処理は難しいと思われますが、DPReviewの評価では信頼性と適度な精度で動作するとのこと。ただし、競合他社ほどのAF性能ではないようです(特に顔/瞳検出ができない場合)。
基本的にセンサー以外はX-H2Sと同じなので、同様のAFシステムやコントロール、アクセサリーを利用可能となっています。連写性能や動画仕様には差があるものの、驚異的な高速連写やスキャンレートが必要無ければX-H2のほうが低価格でコストパフォーマンスの高い機種と感じるかもしれません。
悩ましいのはX-T5の存在。同センサー・プロセッサを搭載して、より低価格で販売。以前のTシリーズよりもコンパクトとなり、チルトモニタで静止画寄りのデザイン。富士フイルムらしい操作体系で、静止画ユースであればX-T5で問題ないでしょう。
DPReviewのレビューで欠けている点があるとすればCFexpressへの対応。4000万画素 X-Trans CMOS 5の情報量は多く、従来のSD UHS-IIでは書き込み速度が不十分と言わざるを得ません。比較してCFexpressは書き込み速度が段違いで、4000万画素の連続撮影でも満足のいく撮影枚数を確保できると思われます。連続撮影で大量の写真が必要となる場合はX-H2を検討するのがおススメです。(実際、同程度の画素数であるEOS R5とCFexpressの組み合わせで、バッファクリアはすぐ終わります)
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