PCmagが富士フイルム「X-H2」のレビューを公開。APS-Cとしては珍しい4000万画素の高解像センサーを搭載。にも関わらず高ISO感度はEOS R7やOM-1と同等であると言及しています。
(スペックの解説的な部分は割愛しています)
ビルド・外観:
- 記載なし。
バッテリー:
- NP-W235バッテリーを使用する。CIPA準拠の数値でいえば、EOS R7やOM-1よりも良好だ。
- 追加グリップと併用している限りではバッテリーに不足は感じない。
- 追加グリップなしの場合、動画撮影では予備が必要になると感じた。
- USB-Cポートでの充電に対応している。
インターフェース:
- USB-C、ヘッドホン、マイク、HDMI A、シンクロ、ホットシューを搭載している。
- CFexpress Type BスロットとSD UHS-IIスロットを搭載している。
- 5GHzのWi-Fiに対応している。
- トランスミッターグリップで有線イーサネットを使った高速転送が可能だ。
携帯性:
- 記載なし。
グリップ:
- 通常のバッテリーグリップは399ドル、トランスミッターグリップは999ドルだ。どちらもバッテリーを2個搭載可能なので、バッテリーライフが3倍となる。低消費電力モードで1760枚も撮影できるのは魅力的だ。
- 追加グリップに不満があるとすれば、しっかり固定しても僅かにぐらつきがあることだ。
操作性:
- コントロールレイアウトは分かりやすく、カスタマイズは簡単だ。
- PASMダイヤルは7つのカスタム枠を備えいる。
- ドライブモードはボタン式だが、X-H1のダイヤル式ほど便利ではない。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
ファインダー:
- 0.8倍 580万ドットのOLEDファインダーはシャープでクリアだ。
- 眼鏡着用者は倍率を落とすことでケラレずに利用できる。
- 通常のリフレッシュレートは60fpsで、120-240fpsまで対応している。
モニター:
- 上部のサブモニターはバックライトを使い暗所でも見やすい。
- 背面モニターは3.0型 160万ドットの液晶を採用。バリアングル式の可動モニタとなっている。
- 明るい屋外でも明るく鮮明に見える。
メニューシステム:
- Qメニューは従来通りオーバーレイで透明・不透明・半透明を選択できる。
- 静止画と動画でメニューは分割されている。
フォーカスシステム:
- 被写体検出に対応しており、捕捉と追従の精度を向上させている。これはうまく機能しており、大部分でピントを合わせることができた。
- 枝が混在する中で小鳥を検出して捕捉することができる。
- 被写体の種類を入れ替えるのは面倒だった。
- 小さなフォーカスエリアを使うには被写体検出モードから切り替える必要がある。
- AFエリアの指定には8方向のジョイスティックが便利だった。
連写性能:
- メカニカルシャッターで15fpsの連写が可能だ。
- 電子シャッターでは20fpsまで対応しているが、1.29倍のクロップが発生する。
- CFexpressを使用することで、RAW215枚の連続撮影可能枚数を期待できる、
解像性能:
- APS-CセンサーとしてはEOS R7を上回り最高の解像度だ。
- 1.6億画素相当のマルチショットモードは三脚と静止した被写体が必要だ。20枚のRAWが必要となり、1ショットあたり1GBの空き容量が必要となる。
- マルチショットモードの合成にはパソコンソフトが必要だが、状況によってはエラーが出たり、不自然な合成結果となってしまう。
- マルチショットモードはソニーやOMデジタルなどのほうが補正が上手である。
高感度ISOノイズ:
- 高解像センサーは高ISO感度ノイズが発生しやすいものだが、このカメラはそうではない。
- ISO 6400におけるノイズと色はEOS R7と同等である。
- ISO 1600までは非常にクリアだ。
- ISO 12800を超える場合に最高の画質が必要であればフルサイズが適している。
- RAWのノイズは細かく、ディテールは良好だ。
ダイナミックレンジ:
- 記載なし。
画質・仕上がり機能:
- 記載なし。
動画:
- 8K 30pに対応している。まだまだ8Kモニターは普及していないが、大画面での上映を検討しているプロにとって解像度の向上は歓迎すべきものだと思う。
- 6.2K 30pや4K 60p、FullHD 240pにも対応している。
- 最高の結果を得たいのであれば、CFexpressに投資してProRes 422 HQの使用がおススメだ。
- 8K撮影時はファイルサイズが大きく、ProRes HQの場合は1分で20GBもストレージを消費する。
- センサー読み出し速度は30msで、横方向の動きがゆがんでしまう可能性がある。
- 長時間の動画撮影には追加のファンが必要だ。
総評
X-H2は、画素数を重視し、写真やビデオを撮影するXシステムユーザーに特に適した、コストパフォーマンスの高いカメラだ。プロ仕様の耐候性構造、完璧なレンズシステムも、このカメラの魅力である。
しかし、この価格帯のカメラを購入する際には、他の選択肢を検討する必要がある。X-H2Sは、画素数はそれほど高くないが、積層型CMOSセンサーにより、動画の動体歪みをよりよく抑制し、完全電子シャッターと40fps連続駆動により、静止画のアクションを素早く読み出すことが可能だ。
また、より安く購入したい場合はX-T5もある。ProResに非対応で、6K動画「だけ」になっているが、X-H2と同じイメージセンサーとオートフォーカスシステムを使用している。
まだXシステムに投資していないのであれば、キヤノン EOS R7がおススメだ。動画性能は劣るが、AFの速度と精度は富士フイルムを凌駕し、高解像センサーと高速連写でアクションもこなせる。富士ほどレンズが充実していないが、R7は価格面で勝っており、1499ドルとX-H2より500ドル安い。
- 長所:
・手振れ補正搭載の4000万画素センサー
・被写体検出対応の高速AF
・15fpsのメカニカルシャッター
・防塵防滴のマグネシウム合金ボディ
・ProRes出力
・フィルムシミュレーション- 短所:
・8Kの長時間収録には追加のファンが必要
・動体に弱い1.6億画素のマルチショット
とのこと。
基本的にはX-H2Sと同じボディを採用していますが、APS-Cとしては非常に珍しい4000万画素センサーを搭載した高解像モデルですね。すでに同じセンサーを搭載した「X-T5」が登場しているものの、動画撮影や一眼レフライクな操作性を好むのであればX-H2のほうが適しているようです。高解像センサーは画素ピッチが狭くなり、高ISO感度ノイズが目立ちやすいのが一般的ですが、X-H2の新しいセンサーは競合他社と見比べた際に遜色のない結果が得られる模様。
(DPReviewのスタジオシーンテストの結果を見るに、等倍だと高解像センサーらしいノイズが発生。同じサイズで見た場合は同等の結果が得られるということだと思います)
悩ましいのはX-H2や競合機種との価格差でしょうか?価格差がおどろくほど大きいわけではないので、4000万画素の重いデータが必要なければ積層型CMOSセンサーの2600万画素が適しているように見えます。また動画が必要なければ静止画重視のX-T5をはじめ、より高性能なAFを搭載したEOS R7や、同価格帯で積層型CMOSセンサーを搭載しているOM-1を入手可能となっています。さらに、フルサイズの高解像センサーモデルも手に入る価格帯なので悩ましい。
堅牢なボディと豊富なレンズの選択肢を抱えつつ、APS-Cらしい携帯性を重視し、なおかつ4000万画素の高解像センサーが必要であればX-H2が最良の選択肢と言えるかもしれません。
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