Lenstipが富士フイルム交換レンズ「XF35mm F1.4 R」のレビューを掲載しています。
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周辺減光は大きいが抜群の中央解像
- 後玉は無限遠時に金属マウント面に配置されているが、最短撮影距離に近づくほど前方へ移動する。前方へ移動時は鏡筒内部への隙間で出来るため、内部へ異物が混入しやすい状況となる。近接時は前玉も前方へ移動し、最大で約8mmほど伸びる。内筒は金属製だ。
- 製造国は日本である。
- 11mm幅の絞りリングは程よく減衰され1/3段ごとに動作する。
- 電子制御のフォーカスリングは程よく滑らかに動作する。ピント距離全域を移動するには550度という非常に大きな回転角を要する。
- 解像度:
・X-Pro1の1600万画素センサーでテストしている。
・最高の単焦点レンズで51-53lpmmの数値に達している。
・MTFは一般的なAPS-Cセンサーで到達する51-51lpmmを遥かに上回る65lpmmに達するものだった。
・絞り開放は良像を下回っているが、F2まで絞ると急上昇し50lpmmを超え、F2.8では既に60lpmmと非常に高い数値となる。
・興味深いことにシグマ30mm F1.4 EX DC HSMも似たような傾向だ。誤差の範囲だが、シグマがさらに良好だ。
・レコードとなる結果はF4まで絞った時である。
・シグマとの違いはフレーム端にある。シグマはF4-F5.6まで絞らないと実用的な画質とならないが、フジノンはF2.8で達成している。- このような大口径レンズはしばしば軸上色収差に大きな問題を抱えている。このレンズも例外では無く、絞り開放からF2まで絞っても軸上色収差は目に付く。おそらく目立つレベルではないが、目に付くことはあるだろう。
- 倍率色収差は開放付近で低い数値となっているが、F2.8より大きなF値の場合には中程度まで増加する。
- 球面収差の補正は完璧では無く、絞り開放においてのみ影響が見られる。
- 歪曲収差はデジタル補正無しで-0.55%と低い数値だ。デジタル補正が適用されていないため、RAWでもJPEGでもほぼ同じ画角となっている。
- コマ収差は絞り開放で本当に目立つ。これはF2まで絞っても気が付くレベルである。
- 非点収差はの平均値は僅か1.2%と素晴らしい結果だ。これがシグマとの差を決定的なものとしている。
- 玉ボケは絞り開放の四隅で大きく欠け、球面収差の影響が見られる。玉ねぎボケの傾向は見られない。
- 周辺減光は未補正のRAWにおける絞り開放でー1.74EVと非常に大きな数値だ。F2まで絞ってもー0.95EV残存している。これは一眼レフ用のシグマより悪い数値であり、センサーと後玉の距離が短くテレセントリック性が起因していると思われる。ただし、絞った時の改善スピードは他のレンズよりも良好だ。
- 最大透過率は94%と非常に高く、広範囲で正確な演色性が期待できる。逆光耐性はとても良好だ。
- オートフォーカスはとても速く、ピント全域を0.5?0.7秒で移動する。ノイズは僅かに聞こえる程度だ。問題はX-Pro1と組み合わせた際のAF精度である。調子が良いと失敗率は14%となるがそれでもこの価格帯のレンズとしては失敗率が高い。
長所:しっかりとしてコンパクトな鏡筒でカメラとのバランスが良好、素晴らしい中央画質、合理的な色収差補正、僅かな歪曲、目立たない非点収差、しっかりとした逆光耐性
短所:絞り開放付近の四隅の画質、目立つ軸上色収差、ハッキリとしたコマ集、周辺減光が大きい、AFが不正確
このレンズはAPS-C用としては最も高価な標準レンズだ。ニコン「AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G」やソニー「DT35mm F1.8 SAM」との価格差はその造りやレンズの明るさを考慮すると納得できるものだろう。しかし、シグマ「30mm F1.4 EX DC」を考慮するともう少し慎重になる必要がある。シグマの造りは非難しようがなく、より広い画角をカバーする日本製のレンズだ。そして、フジノンよりも安価で光学性能はとても似ている。
フルサイズ用の50mm F1.4と比較すると、フジノン35mmはあまり感動を得ることができない。多くのフルサイズ用50mm F1.4はとても安価であり、光学的にもメカ的にも素晴らしいツアイスや光学性能がとても良好なシグマが例外(安価ではない)だけだ。
とは言え我々は悲観的にこのレビューを終えるつもりはない。このレンズはしっかりとした造りで中央画質は本当に素晴らしい画質を提供している。X-Pro1に追加する良いレンズとなるだろう。
とのこと、
絞り開放付近と絞った時の描写で変化の大きいレンズのようですね。実際、X-E3と組み合わせて使ったことがありますが、開けてふんわり、絞ってカリっとした描写を楽しめるレンズだと感じました。
XF35mm F2 R WRのように開放からパキっとした写りのレンズとは一線を画す描写です。実際に作例をよく確認してから購入を検討するのがおススメ。
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