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富士フイルム「GFX 100S」は様々なシーンに対応できる中判カメラ

DPReviewが富士フイルム「GFX 100S」のファーストインプレッションを公開しています。スペックはほぼGFX 100ですが、小型軽量化しているうえに強力な手ぶれ補正を搭載した1億画素カメラとなっている模様。

中身がGFX 100と同等の小型軽量モデル

DPReview:Fujifilm GFX 100S initial review

主な仕様

  • 1億200万画素 裏面照射型 44×33 ミディアムセンサー
  • 最大6段分のボディ内手ぶれ補正
  • C-AFで最大5fps
  • 4:2:2 10Bitまたは12Bit RAWに対応した4K 30p
  • 4億画素マルチショットモード
  • 3Wayチルトモニタ
  • 369万ドットOLEDファインダー
  • 非可逆・可逆・非圧縮RAW
  • デュアルSD UHS-IIカードスロット
  • NP-W235バッテリー

見どころ

  • 富士フイルムによれば、手ブレ補正機構を搭載したことで、GFX 50Rのようなレンジファインダー的なレイアウトではなく、GFX 100Sをデジタル一眼レフのようなカメラにすることが現実的になったという。しかし、50Rで培った小型化への取り組みが活かされており、GFX 50Sよりも格段に小型化されている。
  • GFX 100Sの操作系は、初代GFX 100とほぼ同じレイアウトで、大型液晶トッププレートディスプレイと、それに匹敵する数のカスタムボタンを搭載している。
  • X-H1、X-T4、X-S10に搭載されている手ぶれ補正システムのように、GFX 100のボディ内手ブレ補正機構も小型化している。小型化したとはいえ、従来機よりも効果は高く、最大6EVの手ぶれ補正を実現している。
  • さらに、新システムはOISレンズと同期して、より長い焦点距離でもこの水準の補正を維持することが可能だ。
  • 手ブレ補正機構を利用して、8枚合成の高解像モードを搭載している。これは、撮影のたびにセンサーを移動させ、赤、緑、青の3色画素を確実に撮影し、少しずれた位置で再度撮影するというものだ。動体補正がないため、美術品の撮影など、完全に静止した被写体にしか機能しないことがわかっている。
  • 従来のGFXカメラに搭載されていた4方向のジョイスティックは、より広く、よりフラットな質感のあるノブに変更され、垂直、水平だけでなく、斜め方向のコントロールも可能になった。
  • 従来のGFXカメラと同様、AFポイントをリセットしたり、現在のメニュー設定を反映させたりすることが可能だ。
  • GFX 100Sは13番目のフィルムシミュレーションモードを獲得。「ノスタルジック・ネガ」だ。これは、アメリカのカラーフィルム写真家、スティーブン・ショア氏の独特のルックがベースになっているとのことだ。
  • 「ノスタルジック・ネガ」は少し琥珀色に着色されたハイライト、シアンがかった空、彩度の高い赤と深い影を再現し、レトロな描写のための新しい選択肢を提供することを目的としている。いつものように、効果は比較的目立たず、強烈な「インスタグラムフィルター」の領域におちいることなく、魅力的な選択肢となる。
  • バッテリーはこれまでGFXで採用されていたNP-T125よりもかなり小型化されている。物理的なサイズや電気的な容量が小さくなったにもかかわらず、CIPA規格のテストでは、液晶を使用した場合の1充電あたりの撮影枚数は460枚ときちんとしたパフォーマンスである。
  • GFX 100SはUSB-Cを介して充電可能だ。しかし、バッテリーライフを向上させたり、縦位置グリップ用の電子接点は存在しない。

外観・操作性

  • ほとんどの操作は2つのコマンドダイヤルで操作する。
  • 手が大きいフォトグラファーは、グリップ中指のくぼみが少し小さすぎて、カメラの前面に近いと感じるかもしれない。しかし緻密な薄いゴム層がグリップの形をよくしていて、手にしっくりとフィットする。
  • 上部の表示パネルは、撮影情報の表示、シャッタースピードとISOダイヤルのグラフィック表示、ヒストグラムの表示を設定できる。静止画と動画は別々の設定になっていて、黒地に白よりもクリアな画像を表示したい場合は、白地に黒を表示することも可能だ。
  • GFX 100Sは、GFX 100やGFX 50Sとは異なり、固定式の内蔵ファインダーを搭載している。369万ドットのOLEDパネルで、倍率は0.77倍だ。これはかなり大きなディスプレイで、とてもまともな解像度だ。電源設定にある「ブースト」モードで、リフレッシュレートと解像度のどちらかを上げることができる。
  • それ以外のインターフェースは、最近の富士フイルム機と非常によく似ている。ボタンは「Disp/Back」ボタンを長押しすることでカスタマイズでき、「Q」メニューはメインメニューを掘り下げなくても変更できる。
    メニューオプションでは、Qメニューをグレーの背景で表示するか、カメラのライブビューの上に重ねて表示するかを選択可能だ。

インプレッション

  • これまでのGFXシステムには感銘を受けている。大部分のレンズは優れており、ミディアムフォーマット市場のカメラとしては洗練され、使いやすいシステムに仕上がっている。
  • 従来の5000万画素センサーではフルサイズの高画素センサーと比べてアドバンテージが大きくなかったが、1億画素センサーの導入で流れが変わった。
  • GFX 100とほぼ全て同じ機能を備えつつ、より小さいサイズでより強力な手ぶれ補正を実現している。
  • もちろん、まだ安くはない。センサーが大きくなればなるほど生産が難しくなり、より大きく高価なレンズが必要になる。その結果、販売数量が減ることで単価が上昇し、悪循環に陥る危険性がある。しかし、GFX 100Sを使った経験から言えば、そのコストに見合った何かを得ることができる。
  • フルサイズカメラと比べていくつか欠点があるものの、どれも過剰に不利となるものではない。
  • ファインダーはGFX 100と比べて大きくダウングレードしているポイントだ。369万ドットのファインダーはLUMIX S1Rやα7R IVのようなカメラよりも解像度が低い。ただし、一部のカメラのように、再生モード時のみフル解像度を使用するのではなく、上手に解像度を利用しているように見える。
  • 富士フイルムのレンズは、光学的に優れていりが、ピント合わせが速いとは限らない。GFX 100Sは位相差検出AFを実装しているにも関わらず、キヤノンEOS R5やソニーα7R IV、ニコンZ 7IIのようなAF応答性は得られない。
  • しかし、GFX 100Sは主流のフルサイズカメラと比べて応答性がわずかに低下しているだけで、使い勝手は良好だ。さらにカメラ出力のJPEGに対応している点でも、ミディアムフォーマットカメラの使い勝手を大きく改善していると言える。
  • さらに手ぶれ補正機能を搭載したことで、カメラのポテンシャルを最大限に引き出すことができ、これまでのミディアムフォーマットカメラでは考えられなかったような幅広いシーンでの使用が可能になっている。

とのこと。
イメージセンサーをはじめ、手ぶれ補正や連写速度など、多くの点でGFX 100と同等のスペックを持つ小型軽量な中判センサーカメラですね。1億画素センサーを搭載したカメラとしては最も安く、さらに手ぶれ補正や像面位相差AFに対応しており、使い勝手の良さが特徴的。もちろん安いカメラではありませんが、このカテゴリのカメラとしてはコストパフォーマンスが異様なほど高く見えます。

DPReviewは同時にサンプルギャラリーも公開しています。1億画素の解像性能は必見。アマチュアユースでこの解像性能が必要かどうかは要検討ですが、抜群のトリミング耐性を備えているのは間違いありません。

富士フイルム「GFX 100S」データベース

・予約開始:2021年2月1日(月)
・発売日:2021年2月下旬

GFX 100S
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