DPReviewが「Z f」のファーストインプレッションを公開。レトロな外観ながら、中身は最新のAFや撮影機能を搭載した高性能なカメラと評価。積層型ほどの追従性ではないようですが、被写体検出は良く機能する模様。
DPReview:Nikon Zf initial review: the classiest mirrorless of them all?
センサー・プロセッサ
- ニコンは、Z fの2400万画素 BSI CMOSセンサーが新しいとは主張していない。より広いAFカバー範囲以外、その性能のほとんどは、Z 6IIに搭載されている、古いながらも評価の高いセンサーと一貫している。
- 最新の「EXPEED 7」プロセッサーの採用で大きな変化をもたらしている。
- カメラのAFシステムに被写体認識が追加され、Z 9のような「3Dトラッキング」が9タイプの被写体認識システムとともに実装されている。
- ディテールがないように見える部分をより積極的に平滑化する、状況に応じたノイズリダクションを搭載。ニコンは、このノイズリダクションのおかげで、カメラのISO範囲を204,800まで拡大することができたと言及している。
- 最新のプロセッサーに移行したことで、Z 9で初めて採用された、高効率圧縮システムで圧縮されたRAWファイルの取り込みも可能になった。
- カメラの連続撮影速度については様々な数字が提示されており、RAWでは最大11コマ/秒、JPEGモードでは電子シャッターかメカニカルシャッターかによって最大15コマ/秒か14コマ/秒になるようだ。
- また、ビデオストリームを使用して30fpsの画像を撮影するJPEGのみの「C30」モードもあり、Z 8やZ 9のようなプリキャプチャー機能も用意されている。
モノクロモード
- 静止画撮影と動画撮影を選択するコントロールにモノクロモードが追加。
- 低コントラストの「フラット」や、シーンの赤のディテールを強調する「ディープトーン」など、モノクロプロファイルを選択できる。
- これらのプロファイルは、静止画と動画の両方に適用でき、クリエイティブなプロセスを重視するニコンの姿勢を強調している。
動画機能
- 動画機能を省くことで写真の純粋性を約束したDfとは異なり、Z fはかなり有能な動画マシンだ。
- APS-Cクロップで最大4K 60pまで撮影できるほか、6K幅で最大30pの4K撮影が可能だ。
- 我々が使用したカメラはプリプロダクションモデルだったが、30pキャプチャで測定した22msのローリングシャッターは、Z 6の既存センサーと一致している。
- パナソニックのS5IIも60pキャプチャを実現するためにAPS-C領域にクロップしなければならないが、同様の読み出し速度を示しているのは偶然ではないだろう。
マルチショットのピクセルシフト
- ニコンは、他社と同じくセンサーシフト式のピクセルシフト撮影に対応した。
- このモードでは、各ピクセルの位置で各色を確実にキャプチャしたり、ピクセル単位でキャプチャして出力画像の解像度を上げたりする。
- ニコンのシステムには4つのモードがあり、いずれもデスクトップ・ソフトウェアでRAWファイルを結合する必要がある。
- 各ピクセルでフルカラーをキャプチャする4ショット・モード、これを2回行って階調とノイズをさらに改善する8ショット・モード、画像解像度を96MP高める16ショット・モード、そしてこれも2倍にする32ショット・モードがある。
AFポイントに連動する手ブレ補正
- 各社がISシステムの性能を最大限に引き出そうとする中、さらなる改善を提供することはますます難しくなっている。ニコンはISシステムを、選択したAFポイントに連動させることで、Z fの性能を向上させたと述べている。
- この利点はすぐにはわからないかもしれないが、レンズ軸を中心とした回転には違いがある。AFポイントを回転の中心(センサーの中心ではなく)として扱うことで、回転の動きを補正する方法が微妙に変わる。このアプローチは、ピントを合わせたポイントのシャープネスを維持するのに役立つはずで、CIPA基準でテストした場合、8EVの手ぶれ補正効果を発揮する。
ボディとハンドリング
- Z fのボディは、1980年代のニコン 「FM2」 フィルムカメラに非常によく似ている。並べてみると、明らかに新しいカメラの方が大きいが、プロポーションは保たれているため、見た目はまだそれらしく見える。
- Z fは主にマグネシウム合金製である(Wi-Fiを機能させるための電波窓の役割を果たすプラスチックパネルもある)。
- 伝統的な外観を守っているため、ハンドグリップの出っ張りはないが、FM2や同世代のカメラと同様、快適に使用できる。奥行きが数ミリ増えたからといって握りにくいということはなく、ダイヤルの位置もよく、カメラを落とすような感覚なく操作できる。
- 小型のZ fcには、その軽さゆえに薄っぺらさを感じるという批判もあったが、その印象は、むしろプラスチッキーなダイヤルによってさらに強められている。Z fの重厚感は、この問題を回避している。重厚感が増し、操作感も一貫している。
カードスロット
- Z fには2つのカードスロットがあるが、サイズを抑えるため、2つ目のカードスロットをMicroSDタイプだ。
- Micro SDカードはかなり小さく、カメラへの抜き差しに手こずることがあるた。メインのカードと言うよりも、オーバーフローとして常にカメラに残しておく方が理にかなっているかもしれない。
- SDスロットはUHS II対応だが、マイクロSDはUHS Iのみだ。
- カードスロットはバッテリーコンパートメント内で隣り合わせに配置されているため、特に三脚ユーザーにとっては不便だ。
- USB-Cポートの速度が速いため、下側のドアにまったくアクセスしなくても、カメラからデータを取り出したり、電源を入れたりするのは十分に簡単だ。
ビューファインダー
- 368万ドットのEVFを搭載しているが、これは現在の基準からすると特別高いものではない。
- Z 8のセンサーが提供する超高速の専用読み出し回路がなければ、ゼロラグに近い体験にはかなわない。
- 全体的には、かなり中途半端なファインダー体験だが、0.8倍というかなり良好な倍率によって確実に改善されている。
背面モニタ
- Z fの背面タッチモニタはバリアングル式で、動画やソーシャルメディアで理にかなった選択だ。
- 210万ドットで、明るい場所でも十分に機能することがわかった。
- Z 8のような2方向チルト配置の方が良かったと思っているのは我々だけではないだろう。
バッテリー
- EN-EL15cバッテリーを使用しており、1回の充電で380枚(LCD)、360枚(EVF)の撮影が可能だ。
- 省エネモードをオンにすれば、1回の充電で430枚、410枚の撮影が可能だ。
- 充電はカメラのUSB Cポートから行うが、Z 8とは異なりポートは1つしかない。
- Z 6IIとは異なり、Z fにバッテリーグリップを装着するオプションはない。
ファーストインプレッション
- Dfが、そのベースとなったD610よりもかなりの高値がついたのに対し、ZfはZ 6IIを上回るスペックを持ちながら同じ価格で販売されている。
- Z 6IIIが発売されない中、Z fは2,000ドルの高価格帯で同社最高のスペックを持つカメラとなった。
- Z 6と同じイメージセンサーを使用しているようだが、Z 9やZ 8に搭載された新しいEXPEED 7プロセッサーを搭載しており、同社の「3Dトラッキング」システムを実装するなどのアップデートが施されている。
- 使用期間中、楽しく使うことができた。
- 使用したカメラはオールブラックバージョンだったが、他にも6色のレザーレットカラーが用意されている。シルバー/ブラックバージョンのニュースはない。これは、カメラの高級感を維持するために、異なる素材でシルバーを揃えるのが難しいからなのか、それともニコンは将来的に特別版を計画しているからなのかは定かではない。
- 私が使用していたプリプロダクションカメラは、静止画撮影を2時間ほど続けると温度警告が出始めたが、私は32℃の条件下で、しばしば直射日光の下で撮影していたことに留意すべきである。オートシャットオフのカウントダウンが始まるほど暖かくはならなかった。
- AFの追従性はZ 8やZ 9ほど粘りがない。これは大きな驚きではないが、例えば、花の特定の部分を選び出そうとすると、Z fの追尾ターゲットが、私が追尾させたいと思っていた特定のディテールから外れてしまうことがあった。しかし、認識された被写体に対する性能は優れており、例えば、目の追従は正確であるように見えた。
全体的に見て、Z fはZ 6IIから進化し、多くの人がDfに期待していたカメラをついに実現したようだ。あとは、シグマがZマウント用のコンパクトな絞りリング付きiシリーズを発表することへの障壁さえ克服できれば、非常に面白くなるだろう。
とのこと。
外観こそZ fcとよく似ていますが、最新プロセッサの搭載や最新の撮影機能の実装など、目新しいポイントが多いレトロデザインのミラーレスカメラとなっていますね。ニコン初となるピクセルシフト撮影機能や世界初となるフォーカスポイントVRなど、まさかZ fで初実装することになるとは思ってもみなかったです。
DPReviewのファーストインプレッションでは、裏面照射型の2450万画素CMOSセンサーはZ 6などに搭載しているセンサーと共通点が見られる模様。ローリングシャッターなどは従来通りとなっているため、電子シャッターや動画撮影では影響があるかもしれません。とは言え、高ISO性能などは定評のあるセンサーなので、メカシャッターで静止画撮影する分には特に問題は無さそう。
最新プロセッサらしく、AFシステムはZ 8やZ 9を継承している模様。積層型CMOSセンサーほどの高速処理は期待できないものの、被写体検出機能で簡単に被写体へフォーカスすることができそうです。DPReviewでは言及していませんが、カスタムワイドエリアAFにも対応しているほか、被写体検出を使ったフォーカスエイド機能なども備えている模様。
ファインダーは0.8倍 369万ドットと、フルサイズZカメラでは一般的なスペックを採用。光学系まで同じかどうか不明ですが、少なくともZ 6のファインダー光学系と似たようなレンズ構成を採用しているようです。Z fcのようななんちゃって丸窓ではなく、Z 8などと共通の丸窓アイピースを採用しているのも嬉しいポイント(アクセサリを共通できる)。
背面モニタはこの価格帯として高解像な210万ドットパネルを採用。この機種からの新機能として、スライドやダブルタップで操作できるタッチFn機能を実装。使い勝手は今のところ不明ですが、サブセレクターのないZ fでは便利な機能となりそうです。
Z f ボディ | |||
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Z f Z 40mm F2 レンズキット | |||
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主な仕様
- イメージセンサー
・タイプ:裏面照射型
・有効画素数:2450万画素
・除塵ユニット:フッ素コーティング / イメージセンサークリーニング
・手振れ補正:イメージセンサーシフト方式5軸補正 8段分 - フォーカスポイントVR
- プロセッサ:EXPEED 7
- RAW 高効率★ / 高効率 / ロスレス圧縮
- HEIF
- ピクセルシフト撮影 9600万画素
- Monochrome / Flat / Deeptone
- SD UHS- II / Micro SD UHS-I カードスロット
- ISO 100~64000
- AFシステム:ハイブリッドAF
・測距点:273点
・測距輝度範囲:-10~19EV F1.2 レンズ
・被写体認識:人物(目、顔、頭部、上半身)、犬、猫、鳥、車、バイク、自転車、列車、飛行機
・その他:3Dトラッキング
・カスタムワイドエリア - 被写体検出によるMFアシスト(電子接点ありのレンズ)
- ドライブ性能:
・メカニカルシャッター:1/8000~900秒
・電子シャッター:あり
・フラッシュ同調速度:X=1/200秒
・撮影速度:約14コマ/秒 / 約30コマ/秒
・撮影枚数: - ファインダー:0.5型 Quad-VGA OLED 約369万ドット 約0.8倍
- モニター:バリアングル式8cm/3.2型TFT液晶モニター 約210万ドット
・タッチFn対応 - 動画:
・4K:60p/50p/30p/25p/24p
・FHD:120p/100p/60p/50p/30p/25p/24p
・出力:MOV、MP4
・N-Log
・撮影中赤枠表示
・電子IS:対応
・連続撮影時間:125分 - インターフェース:
・USB:Type-C端子(SuperSpeed USB)
・ヘッドホン:φ3.5mm
・マイク:φ3.5mm
・HDMI:Type D
・シンクロ:
・Wi-Fi:IEEE802.11b/g/n/a/ac
・Bluetooth:Ver.5.0 - バッテリー
・タイプ:EN-EL15c
・撮影可能枚数:約410コマ
・充電方法: - サイズ:約144×103×49mm
- 重量:約710g
- 防塵防滴:Z 8と同等
- ボディ材質:マグネシウム合金(前・上)
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