PCmagが「Z f」のレビューを公開。レトロデザインのカメラとして富士フイルムやライカほど操作性が洗練されていないと指摘しつつも、良好なビルドクオリティや外観、AF、画質などを評価しています。
- 外観:
・M2のような外観とF3のようなグリップ。
・外装の色を変更することができる。個人的には色の変更にはお金を払う価値がある。
・現在はブラックモデルのみで、Z fcのようなシルバーはない。- 質感:大部分がマグネシウム合金ボディ。防塵防滴。
- バッテリー:EN-EL15cを使用。競合製品と比べるとバッテリーライフは短め。
- インターフェース:SD UHS-IIに加えてmicroSDを利用可能。USBはUVC/UACには非対応。
- 携帯性:Z 6IIよりも薄いが、幅広く重たい。EOS R6 Mark IIのほうが軽い。
- グリップ:大きなレンズを使う際は追加グリップをおススメする。
- 操作性:
・MFカメラのようなダイヤルを搭載。
・富士フイルムとライカの操作性は良かったが、ニコンはZ fcと同じ過ちを犯している。
・モードスイッチはSSダイヤルを完全に無効とするため、MかSでしか機能しない。
・ISOダイヤルも「A」ポジションが無いため、素早く切り替えることができない。
・モード間を行き来する使い方の場合は非常にイライラする。
・B&Wモードへの移行方法は気に入っている。
・ジョイスティックは非搭載。- 手ぶれ補正:フォーカスポイントVRに対応。40mm F2で1/2秒の確実な結果が得られる。他のZカメラでは難しい。
- ファインダー:倍率が大きく、解像度が高い。AFでもMFでも快適。
- モニター:解像度が高く、自撮りにも対応している。
- メニュー:記載なし。
- フォーカス:
・Z 8やZ 9と同様のAFシステム。
・被写体検出は良好に動作。
・3Dトラッキングなどを含めて、あらゆる被写体の動きに対応できる。
・ジョイスティックが無いのでAFエリアの移動は手間がかかる。- 連写性能:メカで14fps、電子で30fpsの連続撮影が可能。プリキャプチャーにも対応。
- 解像性能:Z 6IIと同じ。ピクセルシフト撮影に対応しており、パソコンのソフトで結合画像を生成できる。
- 高感度ISO:25600でノイズは増加するがディテールは維持している。51200で画質が低下する。25600までのRAWはとても使いやすい。
- ダイナミックレンジ:記載なし。
- ホワイトバランス:記載なし。
- JPEG:記載なし。
- 動画:高機能だがローリングシャッター歪みの影響がある。内蔵マイクは平凡。
- 作例集:リサイズのみ。
- 総評:ライカに取って代わるレトロなフルサイズカメラの選択肢。画質やAFは良好だが、マニュアル操作と自動制御の切替は直感的と言えない。同価格帯におけるオールラウンドのカメラはEOS R6 Mark IIだが、Z fにはZ fの美学がある。
とのこと。
外観こそZ fcとよく似ていますが、最新プロセッサの搭載やニコン初の最新機能の実装など、目新しいポイントが多いレトロデザインのミラーレスカメラ。Z fcは中身がほぼZ 50でしたが、Z fは既存カメラにはない構成(25MPセンサー + EXPEED 7)で、ニコン初となるピクセルシフト撮影機能や世界初となるフォーカスポイントVRなどを搭載。まさかZ fで初実装することになるとは思ってもみなかった新機能がいくつかあります。
PCmagのレビューでは、レトロな外観やB&Wモードが気に入り、高ISOを含めた画質やAF性能を評価しています。手振れ補正も効果的で、他のZカメラよりも1段分良好とのこと。
その一方、マニュアル操作に関しては自動制御との一貫性がなく、富士フイルムやライカと比べると使い辛いと指摘。確かにシャッタースピードダイヤルが上手く活かされていないように見えます(SかMモードでしか使えない)。
私も発売日にZ fを入手。印象はPCmagと概ね同じで、Z fcで感じていた手抜き感は大部分で払拭されているように見えます。指摘するポイントがないわけではないものの、レトロデザインのカメラとして及第点に達しているのかなと。操作性には賛否両論あると思いますが、レトロな外観が好きな初心者から玄人まで、幅広い層に訴求できるカメラに仕上がっています。
ISOダイヤルやシャッタースピードダイヤルに関するPCmagの言及はその通りと感じます(どちらかと言えばマニュアル操作重視の視点として)。P/A/S/M切替スイッチを搭載することで、初心者にも操作しやすいカメラにデザインしたという点は理解できます。ただ、その場合でもダイヤルを活かすことが出来る機能が付随していると良かったかなと。
例えば絞り優先やプログラムオートでも、シャッタースピードダイヤルが「低速限界設定」の数値として機能すると良かったなと。(ISOダイヤルはAUTO時にISO下限設定として機能させることが出来ます。)
手振れ補正は確かに効果的。フルサイズは他社を含めて1/2~1/5sあたりが限界と感じていたところ、Z fは状況によって1秒を超えるシャッタースピードでも安定させることができました。
バッテリーの持ちが良好かどうかは今のところ不明。Z fの撮影スタイル次第ではバッテリーライフを長くすることができるかもしれません。(バリアングルモニタを裏返すことで不必要なモニタの点灯を防ぐことができる)
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Z f Z 40mm F2 レンズキット | |||
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Z f用エクステンショングリップ Z f-GR1 | |||
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主な仕様
- イメージセンサー
・タイプ:裏面照射型
・有効画素数:2450万画素
・除塵ユニット:フッ素コーティング / イメージセンサークリーニング
・手振れ補正:イメージセンサーシフト方式5軸補正 8段分 - フォーカスポイントVR
- プロセッサ:EXPEED 7
- RAW 高効率★ / 高効率 / ロスレス圧縮
- HEIF
- ピクセルシフト撮影 9600万画素
- Monochrome / Flat / Deeptone
- SD UHS- II / Micro SD UHS-I カードスロット
- ISO 100~64000
- AFシステム:ハイブリッドAF
・測距点:273点
・測距輝度範囲:-10~19EV F1.2 レンズ
・被写体認識:人物(目、顔、頭部、上半身)、犬、猫、鳥、車、バイク、自転車、列車、飛行機
・その他:3Dトラッキング
・カスタムワイドエリア - 被写体検出によるMFアシスト(電子接点ありのレンズ)
- ドライブ性能:
・メカニカルシャッター:1/8000~900秒
・電子シャッター:あり
・フラッシュ同調速度:X=1/200秒
・撮影速度:約14コマ/秒 / 約30コマ/秒
・撮影枚数: - ファインダー:0.5型 Quad-VGA OLED 約369万ドット 約0.8倍
- モニター:バリアングル式8cm/3.2型TFT液晶モニター 約210万ドット
・タッチFn対応 - 動画:
・4K:60p/50p/30p/25p/24p
・FHD:120p/100p/60p/50p/30p/25p/24p
・出力:MOV、MP4
・N-Log
・撮影中赤枠表示
・電子IS:対応
・連続撮影時間:125分 - インターフェース:
・USB:Type-C端子(SuperSpeed USB)
・ヘッドホン:φ3.5mm
・マイク:φ3.5mm
・HDMI:Type D
・シンクロ:
・Wi-Fi:IEEE802.11b/g/n/a/ac
・Bluetooth:Ver.5.0 - バッテリー
・タイプ:EN-EL15c
・撮影可能枚数:約410コマ
・充電方法: - サイズ:約144×103×49mm
- 重量:約710g
- 防塵防滴:Z 8と同等
- ボディ材質:マグネシウム合金(前・上)
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