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ソニーVLOGCAM ZV-E1はVlogのための自動制御に特化したカメラ

PCmagがソニー「VLOGCAM ZV-E1」のインプレを公開。AIテクノロジーを大いに活用したVlog向けカメラで、カメラオペレーターのような自動制御に対応。この分野のカメラとしては最も評価が高いようです。

2023年4月発売のVLOGCAM。同シリーズでは初となるフルサイズセンサーとボディ内手ぶれ補正を搭載。ボディの形状はα7Cとよく似たコンパクトサイズ。センサーはα7S IIIと同じ1210万画素の4K動画向け低解像センサーを使用し、プロセッサには高速処理が可能となる最新のBIONZ XRを使用。また、α7R VのようにAIプロセッシングユニットを使用し、高度な被写体検出AFにも対応。その他にもVLOG・動画撮影向けの便利な機能が複数追加されており、これまでの経験を活かした全部盛りのVLOGCAMとなっています。それなりに高価ですが、PCmagのハンズオンレビューでは以下の通り。

PCmag:Sony ZV-E1 Review

コントロールとモニター

  • 手持ち撮影を意識したコントロールレイアウトだ。
  • シャッターはハンドグリップの上部にあり、そのすぐ後ろに録画ボタンがある。
  • シャッターボタンを軸にして、パワーズームレンズを操作するスイッチを備えている。
  • シャッターボタンのすぐ右側に電源スイッチがある。
  • トッププレートには、ボケ切替(C1)ボタンとコントロールダイヤルを搭載。
  • モードダイヤルの代わりに、静止画、動画、S&Qモードの切替スイッチを搭載。
  • P/A/S/Mの各露出モードを切り替えるには、メニューで操作する必要がある。
  • C2ボタンは背面にあり、4Kで1.5倍、1080p録画で2倍の拡大に対応している。
  • 3.0型モニターは、カラフルなタッチ操作に対応したメニューシステムを採用。便利な映像機能に素早くアクセスできる。
  • 自動フレーミングアシストは便利な機能で、それをすぐに使えるようにしたのがこの機種だ。
  • モニターは正確な色合い、広い視野角、明るさの調節が可能でシャープな印象だ。
  • タリーランプが搭載されており、映像が再生されていることを視覚的に確認することができる。

AIを搭載したVlog

  • ソニーはAIを強調しているが、ChatGPTのようなものではない。
  • ZV-E1のインテリジェンスは、バーチャルなカメラオペレーターのようなものだ。
  • 人物から昆虫まで、さまざまな被写体を認識する。静止画に特化したα7R Vで導入された新しいシステムだ。
  • 人物の場合は、顔や瞳のみならず、体を認識することで、カメラから顔をそむけても頭にピントを合わせ続けることができる。
  • 測光システムも顔の露出を一定に保つように調整されており、照明が安定しない状況下でも良好な結果を得ることができる。
  • 被写体検出を利用した「オートフレーミング」「フレーミング補正」を搭載。
  • カメラを操作して複数人のシーンを記録する場合、背面画面のタップで被写体から被写体へとパンするオートフレーミングを利用できる。
  • ソロでプレゼンするときは被写界深度を浅くし、複数の顔を検出したときは絞りを絞って複数人にピントを合わせるなど、絞りを調整する賢い機能を備えている。
  • フレーミング補正は、ウォーク&トークの映像に便利だ。自撮り映像の中心をキープできる。かなりのクロップ(切り出し)が発生するが、安定した効果が得られる。ボディ内手ブレ補正だけではできないことだ。
  • 手ブレ補正を強化するため、クロップが発生する電子ISを搭載。「アクティブ」と「ダイナミック・アクティブ」の2種類だ。
  • 「アクティブ」はすでにソニーのカメラに搭載されている機能で、フレームをわずかにクロップして、手持ち映像のかくつきや揺れを滑らかにする。
  • 「ダイナミックアクティブ」はZV-E1の新機能だ。AI被写体検出を使用して、特に長いレンズと組み合わせた場合に、より効果的な手ブレ補正効果が得られる。
  • レビュー用設定モードを搭載。手前の被写体にフォーカスを合わせ、視聴者にアピールすることができ、被写体をフレームから外すと自分の顔に戻る。
  • 音声にも被写体検出を活用。カメラ内マイクは前方、後方、全方位の指向性に対応し、フレーム内に被写体を検出すると自動的に前方にフォーカスが移動するように設定できる。

バッテリーと接続性

  • 長寿命のバッテリーパック「NP-FZ100」を搭載。
  • USB-Cポートは充電や給電に対応。4K 30pまたは1080 60pのUAC/UVCストリーミングに対応。
  • ピクチャープロファイルと2.35:1のCineVlogはライブストリーミングでは使用不可。美肌モードなどのエフェクトや、レビュー用設定は利用可能だ。
  • 1時間半の撮影には十分なバッテリー容量があるものの、少なくとも4K 60p動画にこだわるのであれば、長時間の録画には向いていない。
  • 4K 24pでは熱の問題はない。
  • 映画用のフレームレートを使用する場合、メモリーカードが一杯になるか、バッテリーがなくなるまで連続録画が可能だ。それ以上のフレームレートでは、長時間の録画では熱が気になる。
  • 4K 60pの映像で40分ほど経過すると、オーバーヒートでシャットダウンした。
  • 映像はSDカ UHS-IIシングルスロットに収録可能だ。
  • 外部レコーダーに接続する場合、マイクロHDMIと3.5mmヘッドホン、マイクを備えている。
  • マルチインターフェースシューはデジタルマイクに対応し、付属のウインドスクリーンの取り付け部にもなっている。
  • スマートフォン用のアプリはペアリングは簡単で、初期設定を迅速に行うことができる。
  • 新しいアプリであるSony Creators' Appが必要だ。

10bitカラー/手ぶれ補正付き4K

  • 動画に特化して作られたイメージセンサーを搭載。1200万画素の解像度は、主流の静止画/動画のハイブリッドモデルより低いが4K撮影には最適だ。
  • 動画用に16:9の比率にトリミングした場合、センサーはラインスキップやピクセルビニングなしでドットバイドットの4Kを実現。
  • 6Kや8Kの記録は不可能だが、6Kや8Kモニターは普及しておらず、スマートフォンでの閲覧に必要はないだろう。
  • フレームレート、圧縮形式、カラープロファイルは、ここでは紹介しきれないほど多くの種類から選択することができる。
  • 4KはXAVC HS、XAVC S、XAVC S-Iから選択できるが、1080pは後者2つのみだ。
  • XAVC HSはHEVC圧縮でファイルサイズを小さくし、編集に最も高い計算能力が必要となる。
  • フレームレートは、ほとんどのモードで24、30、60fpsから選択できるが、XAVC HSは不思議なことに30fpsを省略している。
  • 1080pは、120fpsまで対応。
  • S&Qモードでは、ハイスピードとカメラ内タイムラプスも可能だ。
  • より高いフレームレートは、将来のファームウェアアップデートで対応する。4K 120pと1080 240pのサポートを追加する予定だ。
    訳注:6月以降と言われています)
  • ファームウェアのアップデートは北米では無料だ。ソニーはこれらの機能が有償アップグレードで提供される地域があることを示唆している。
    訳注:少なくとも日本の公式サイトでは「無償」アップグレードと掲載されています。)
  • ほとんどの記録モードで4:2:0または4:2:2の10bitカラーサンプリング(一部8ビット)に対応。ログ撮影でグレーディングの柔軟性が高い。
  • 3:2オープンゲートやProResのようなシネマに適した機能はない。
  • ソニーはピクチャープロファイルメニューにS-Cinetoneを用意し、ワンタッチで使えるCineVlogモードという形で、より使いやすくしている。
  • CineVlogは、24fps記録でフレームを2.35:1のワイドアスペクトに切り出し、フォーカスを遅くし、S-Cinetoneプロファイルを適用し、色調を選択することができる。
  • 静止画では1200万画素を利用でき、ISO80-409600まで拡張可能。解像度は高くないが、静止画品質について他に悪いことを言うことはあまりない。ただし、完全電子シャッターのため、フラッシュ撮影はできない。
    訳注:フルサイズで1/30秒までの同調に対応しています)

総評

  • ZV-E1はZV-1やZV-E10の不満を解消し、さらに多くのことを実現。
  • AIテクノロジーは効果的なアシスタントオペレーターであることが証明された。
  • 画質はフルサイズ化し、背景をぼかしたいときにぼかすことができ、F値やシャッター速度に精通していなくとも、映像の表情を簡単に調整することができる。
  • 競合他社がいないわけでもないが、ニコン Z 30とやパナソニックG100は、ZV-E10により近い、より低スペックな選択肢だ。
  • キヤノンや富士フイルムのような大企業は、動画に非常に適したモデルをラインナップしているが、Vlogのためだけに作られたモデルはない。EOS R6 Mark IIとX-H2Sは、シネマ用の素晴らしい機能群を備えているが、クリアな音声には外部マイクが必要だ。
  • AIカメラアシストは、今のところZV-E1は唯一無二の存在だ。

全体として、このカメラはVlogのためのエネルギッシュな製品だ。ProRes収録なしで生きていけると仮定すれば、いくつかのインディーズ映画プロジェクトにも適している可能性がある。写真機能は動画に比べれば後回しだが、この決断はZV-E1が想定されるユーザーにとってより良いカメラになるための一助となる。我々はこのカメラを新興分野のEditors' Choiceに選んだほど気に入っており、Vlog用カメラとして初めて最高評価を与えた。

とのこと。
同じセンサーを使用するα7S IIIやFX3と比べて、オート機能に長けたカメラのようですね。AIプロセッシングユニットによる被写体検出機能をフル活用したVlog向けの機能がてんこ盛りとなっている模様。それぞれの新機能は、映像制作の手法として目新しいものではありませんが、それらをカメラが自動的に調整したり、手間いらずで出力できるのは便利で魅力的ですね。

フルサイズHDMIやメカニカルシャッター、連続撮影時間、シングルSD UHS-IIなど、Vlogを飛び越えたより高度な撮影には不向きな点がいくつかあるようです。しかし、映像技術の知識がない人からすると、時間やコストを抑えて効果的な映像表現が可能になると感じるかもしれません。本体価格は30万円超と高価ですが、収益性のあるチャンネルを運用している人からすると価値のある買い物と言えそう。

ソニー VLOGCAM ZV-E1 最新情報まとめ

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主な仕様

概要
発売日 2023年4月21日  初値  33万円前後
主な仕様
センサー Exmor R 解像度 1210万画素
手振れ補正 5段分 除塵機能 あり
プロセッサ BIONZ XR メモリーカード SD UHS-II
AF ハイブリッド 測距点 759点
被写体検出 対応 ISO 80-102400
連写速度 10コマ秒 シャッター 電子 1/8000秒
連写枚数 非圧縮RAW 85枚 プリ連写 -
動画 ~4K 120p 動画圧縮 LGOP/ALL-I
Logなど S-log3など 撮影時間 4K 60p 30分
ファインダー 非搭載 LVフレームレート 不明
モニター 3.0型 104万dot モニター可動 バリアングル
Wi-Fi 5GHz 対応 Bluetooth v4.2
NFC - GPS -
USB 3.2 5Gbps マイクなど 3.5/3.5mm
サイズ・重量など
サイズ 121.0 x 71.9 x 54.3 mm 防塵防滴 不明
重量 約483 g ボディ素材 不明
バッテリー NP-FZ100 追加グリップ -
付属品
ストラップ/ウインドスクリーン

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