オールドレンズを扱いやすいカメラはどれだ?
M42沼・ライカM・L・Rやミノルタ、ペンタックスK、コンタックス、キヤノンFD、オリンパスOMなどなど、オールドレンズ沼は広く深い楽しい楽しいレンズ沼のハマり方。
しかし、ただ単純にマウントアダプターを介して使用すると機種によっては使い難く、結局現行のレンズが欲しくなってしまう事もある。
とは言え、現行レンズよりも安くて明るい単焦点が豊富で手軽に大口径レンズを楽しめる良いレンズが多い。出来れば使い勝手の良いボディで写りの良いオールドレンズを楽しみたいと思っている人も多いはず。
そこで今回はオールドレンズを使用するにはどのボディが良いか?を考えていきたいと思います。
カメラの選び方
拡大表示・ピーキングで簡単なピント合わせ
オールドレンズはマニュアルフォーカスのレンズで、ピントは自身で合わせる必要がある。目視でピントの山を掴むのも楽しみの一つですが、やはり一回の撮影に時間を要してしまいます。
そこで便利な機能が拡大表示とピーキング。
- 拡大表示:ピントを合わせたい箇所を拡大することで正確に合っているかの確認が簡単できる
- ピーキング:ピントが合っている(であろう)箇所を色付けすることでピントの山を確認しやすくする機能
最新のミラーレスカメラならどちらの機能も備えているモデルが多いはず。ただし、一眼レフカメラはピーキングを備えていない機種も多いので注意。
順番としては、ピーキングでピントの山を合わせて拡大表示で確認と言った行程。手軽なスナップ撮影をしたいのであれば拡大表示せずにピーキングでざっくりピントを合わせることで素早くフォーカシングが可能。
オールドレンズは色収差など残存収差でコントラストが甘い場合も多く、ピーキングがうまく作動しなかったり拡大表示で逆に見づらくなってしまうこともあるので注意。
電子ビューファインダー
上記の拡大表示やピーキングを有効に活用しようと思うと光学ファインダーでは不可能。リアルな光学情報をファインダー越しに確認できる反面、それ以外の情報は受け取ることが出来ない点がネックとなります。
拡大表示やピーキングをファインダーで使いたい場合は背面モニターを使うしかありません。このため一眼レフ機でピーキングを使うのであれば背面液晶を使うしか無い。
一眼レフの光学ファインダーと比べ、ミラーレスカメラに搭載されているEVF(電子ビューファインダー)は背面液晶よりもドット数が多い高精細なファインダーで拡大やピーキング表示が可能。
特に晴天下などで背面液晶が見づらい場面、電子ビューファインダーを使ったピーキングは一眼レフと比べてとても使いやすいと感じるはず。
手ぶれ補正
センサーシフト式の手ぶれ補正を搭載しているカメラに限り、手ぶれ補正を利用してシャッタースピードを遅くすることが出来る。
オールドレンズを買う場合明るい単焦点レンズであることが多いと思うので自然とシャッタースピードも早くなる。するとそこまで手ぶれ補正も要らないかな?と思ってしまいますが、色収差が目立つ場合には絞りこむ必要がある。
この場合にはシャッタースピードが遅くして手ぶれ補正が必要と感じるはず。
豊富なマウントアダプタ
これが大前提。
マウントアダプタがなければそもそもレンズ遊びをすることが出来ない。M42マウントでしか遊ばない、コンタックスでしか遊ばないとかであれば話は別ですが、浮気しようにもアダプタがなければ浮気することも出来ない。
センサー性能
チェックポイントはセンサーサイズ・有効画素数・高感度ノイズ耐性。
センサーサイズ
オールドレンズは35mmフィルム対応レンズであることが多いので、本来の画角を味わいたいのであればフルサイズセンサー機での使用が必要になる。
フォーカスレデューサーを使わない限り、APS-Cなら1.5倍、フォーサーズで2倍、1/1.7型で4.6倍、1/2.3型で6倍の35mm換算焦点距離の画角となる。
有効画素数
画素数は多いのほうがレンズの性能を引き出しやすいが、あまり画素数が多くてもレンズの味が粗として写ってしまう。
正直なところ「多くても2400万画素あれば十分では?」と思うのです。
高感度ノイズ耐性
APS-C以下のセンサーサイズで使う場合は画角が狭くなり、手振れを広い易くなります。
ボディ内手振れ補正があれば別ですが、手振れを防ぐためにはシャッタースピードを上げる(高感度ISOを使う)場面が多いと思われます。この場合にカメラ側のセンサーノイズは少ない方がレンズの味を感じやすい。
AF性能は必要ない
一部の特殊アダプターを除き、オールドレンズを使う場合はマニュアルフォーカスしか使えないので当たり前と言えば当たり前。
AF性能で機種を選ぶ必要は全く無い。
但し、たまにオールドレンズで遊びたいという程度であれば、AF性能の優先順序は高くなるかも。
金額:レンズ遊びに何を求めるか
コストパフォーマンス
オールドレンズアソビのメリットと言えば、私個人的には「安く機材遊びが出来る」点につきる。上記で書いてきた機能性を盛り込み、そして出来るだけ安いカメラがベストと言えるでしょう。
もちろん「オールドレンズの味を楽しみたい」人であれば金額に糸目を付けず、使いやすいカメラボディを選ぶのが良し。
見た目
イケてるデザインのオールドレンズにクラシカルなカメラボディを組み合わせたい、と思っている人も中にはいるはず。
ボディデザインのみならず、ドレスアップするための純正・社外製アクセサリもチェックしておきたいところ。(Amazonなら「この商品を見た人はこんな詩商品もチェックしています」欄で分かりやすい)
オールドレンズに適したカメラ8選
SONY α7II(αEマウント)
ここがポイント
- フルサイズセンサー
- 4.5段 5軸手振れ補正内蔵
- 高倍率で大きく見やすいOLED電子ビューファインダー
- Eマウント対応の豊富なレンズアダプター
フルサイズセンサー・4.5段手ぶれ補正・EVFファインダー・マウントアダプタが豊富なαEマウントとレンズ遊びをする上でかなりハイレベルに纏まった機種だ。コンパクトで他社のフルサイズセンサー機よりも価格が抑えられているので取っ付き易い。フルサイズなのでフィルムレンズを本来の画角で楽しむ事が出来、ピーキングなど便利機能をEVFで確認出来る数少ない機種の一つだ。現行レンズは充実し始めているので、αEマウントをこれから初める方でも問題ないだろう。
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αAマウントレンズもトンラスルーセントミラー搭載のマウントアダプタによって高速AFを楽しむことが出来る。α7の携帯性の良さは犠牲になるが、αAマウントを楽しむ一つの手段。
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注意点はαE(NEX)マウントで使用出来ていたマウントアダプタがフルサイズでケラれる可能性がある事だ。国産のフレアカッターを搭載しているモデルは特に注意。既にα7対応の新型モデルも販売されているので、これから買う方は古い方を買わないように気をつけよう。
SONY α7(αEマウント)
ここがポイント
- フルサイズセンサー
- 高倍率で大きく見やすいOLED電子ビューファインダー
- Eマウント対応の豊富なレンズアダプター
α7IIと比べると手ぶれ補正が無かったり、AF性能が劣っていたり、S-Log2が使えなかったりする旧モデル。しかし、オールドレンズ遊びで使う分にはこれで十分。手ぶれ補正が必要か、そうでないかで考えると良いと思う。中古で10万円を切るモデルなので、フルサイズカメラを手軽に楽しめる機種でもある。
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現行レンズを使用した際の伸びしろはα7IIの方が大きいので、現在6万円程度の差額をどう見るかがポイントだろう。部屋撮りや夜景などスローシャッターを求められるシーンがあまり無いのであればα7、そうでなければα7II。またα7IIと同様にマウントアダプタによるケラれの可能性があるので気をつけよう。
SONY α7s(αEマウント)
ここがポイント
- フルサイズセンサー
- ハイパフォーマンスな高感度ノイズ耐性
- 高倍率で大きく見やすいOLED電子ビューファインダー
- Eマウント対応の豊富なレンズアダプター
高感度特化型の1200万画素と画素数を押さえ込んだモデル。低画素による1画素あたりの受光量が多い事により「高感度ノイズを抑えたシャッタースピードを稼ぐこと」「広角オールドレンズを色かぶりを抑えて使用できること」などがある。
デジカメWatch:検証:ソニーα7Sは広角オールドレンズの救世主か!?
オールドレンズの光学性能を考えるとそこまで画素数は要らないと言う事と、収差の多いレンズをしっかり絞り込んでシャッタースピードを落とさないための高感度で撮影しようと思うと結構アリな選択かもしれない。手振れ補正機能は「α7II」からの搭載なのでこの機種には搭載されていない点は気をつけよう。
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CANON EOS M3(キヤノンEF-Mマウント)
ここがポイント
- APS-Cセンサー
- 外付けチルト式電子ビューファインダー
- とても安価
内蔵EVFこそ搭載していないが、チルト可動する高精細の外付けEVF(EVF-DC1)に対応している。APS-Cサイズのミラーレスカメラとしてはかなりコンパクトに仕上がっているので、メイン機のサブとしても持ち運びが苦にならない。EVFも必要ない時は外しておけば、コンデジライクな使い勝手で撮影することが出来る。
最新機種にも関わらず価格も抑え気味で、かつ数量限定のEVFキットがかなり安いのでオススメ。今までのEOS MやM2とは別物。
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操作はいたってシンプルで、撮る楽しみという点では面白みに欠けるかもしれないがレンズ遊びをし易いという点に直結する、私はKマウントアダプター(絞り調節リング付)でKマウントのサブ・レンズ遊び用に購入した。Kマウントのオールドレンズの使用勝手も上々でEXIF情報が記録されない事以外は問題ない。EVFがチルト可動するので、地面ギリギリを二眼レフライクな撮影方法で撮ることが出来る。
APS-Cサイズでアダプタを楽しむならコレ。但し、純正EF-Mマウントは数が少なく現在4つ。但し、これをメインで使わなければ全く問題にならない。むしろほぼEF-M22mm付けっぱなし。EF-EOS
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EFマウントアダプタで現行のEF-S・EFレンズも装着可能。但し、古いEFレンズレンズはAFが激遅の可能性があるので気をつけよう。
FUJIFILM?X-T10(フジフイルムXマウント)
ここがポイント
- APS-Cセンサー
- X-Trans CMOS
- フィルムシュミレーション
αEマウントマウントと同じくフランジバックの短いXマウント。こちらのマウントにも多くのマウントアダプタが存在する。マウントアダプタの種類で言えばαEマウントマウントかフジXマウントで選んで間違いないだろう。
ファインダー倍率の高いX-T1でオールドレンズを楽しむのも良いがちょっと価格が高すぎる、しかしお手頃ファインダー機のX-E2ではファインダーが小さすぎるって事ならこのX-T10だ。X-T1の性能を引き継ぎつつ、ファインダーの小型化や防塵防滴機構の省略などでコストダウンをしている。外観がレトロなので、オールドレンズとデザインの相性は良さそうだ。
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撮影をする楽しさを追求するあまり、あまり使い勝手が良いとは言えない機能性(デジタルカメラしか扱った事の無い私からするとちょっと煩雑と言う感覚)純粋にレンズの味だけを楽しみたいのであればもうちょっと簡単に撮影出来るカメラの方が手っ取り早い。
OLYMPUS PEN E-P5(マイクロフォーサーズマウント)
ここがポイント
- マイクロフォーサーズセンサー
- センサーシフト式 3軸手振れ補正
ファインダー無しと侮る無かれ。私自身、今までスルーしてスペックすら眺めたことがなかったが、結構惹かれるスペックのミラーレスカメラだ。
このコンパクトなボディにダブル電子ダイヤルにFn切替レバーなど搭載している使い勝手が良い最新モデル。さらにメカシャッターが1/8000秒まで対応と上級機の様な高速シャッターが可能だ。この点より、大口径単焦点のオールドレンズを絞り開放で撮る際も、2つの電子ダイヤルで微調整しつつ高速シャッターで様々なシーンで撮ることを可能としている。今まではOM-Dシリーズにしか目が行ってなかったが、PENシリーズもいいね!
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「やっぱりEVFが欲しい!」と言う時にはVF-4と言う外付けのチルト可動出来るEVFを搭載することが出来る。この外付けEVF、倍率が1.48倍(35mm換算で0.74倍)とかなり大きいファインダーだ。OM-Dシリーズのファインダーよりもデカイ。単品で買うと3万円とかなり値が張る外付けEVFだが、最新ボディに付け替えが可能。実はOM-Dシリーズにも付いちゃったりする。(公式対応表参照)
見た目はちょいと無骨になるが、ファインダーが必要なシーンのみ取り付ければ良いので基本的にはポケットの中にでもしまっておこう。
マイクロフォーサーズ機においてレンズの焦点距離は35mm換算で2倍にあたる。つまり50mmの標準レンズであれば100mmの中望遠レンズになる。300mmの望遠レンズならば600mmの超望遠レンズ。マウントアダプターはαEマウントやXマウント並に豊富、「オールドレンズを楽しむ」と言う点においてはちょっと本来の画角から外れてしまうか?と言う疑問は残るものの、新しい楽しみ方を見いだせる可能性はある。
PENTAX K-30/K-50(ペンタックスKマウント)
ここがポイント
- APS-Cセンサー
- センサーシフト式手振れ補正
- ハイパーマニュアル
リコーイメージング K-50公式より キットレンズ付[/caption]
安価な上にプリズムファインダー。オールドレンズのsmcP-MやP-K、P-Aがそのまま装着出来る上、M42マウント用アダプターも比較的安い。
他社のカメラでは今でこそ当たり前になったマニュアルモード時にシャッタースピードの操作をしてもISOオートで露出が適正に保たれるが、PENTAXは昔からハイパーマニュアルと言うモードとしてK10Dなどの古い機種にも搭載されている。一部ハイパー操作系が使えない機種もあるので気をつけよう。
今回は撮る楽しみと言う観点からプリズムファインダーで画素数のバランスも良いK-30,K-50をチョイス。値段はおよそ3万円程度。PENTAX K-01で使用可能となったフォーカスアシスト(ピーキング)機能はこのシリーズでも使用可能。但し、他社と違って白色しか使用出来ないので赤色等に比べるとピントの山が分かりづらい場合が多い。
豊富なマウントアダプターがあるかと言うと、そうではないのでPENTAX-KマウントかM42のオールドレンズを楽しむならオススメ出来る機種。
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PENTAX Q(ペンタックスQマウント)
ここがポイント
- 1/2.3型センサー
- 小型軽量ボディ
レンズ交換式カメラとしてはセンサーサイズが最小級のモデル。この大きさであればカメラバックの小物入れにでも突っ込んでおける大きさだ。
画質はセンサーサイズが小さいのでそれなりだが、焦点距離が35mm換算で6倍になるのが特徴だ。つまりDA★300mmF4などは1800mmの超望遠として使用可能。
但し、光学性能の良いレンズを使用しないと粗が目立つ、しっかりと絞って使用したいところだ。もし手持ちに50mmF1.8などの古い明るいレンズがあれば、それは300mmの望遠レンズに生まれ変わる。是非お試しあれ。
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センサーシフトによる手ぶれ補正も内蔵しちゃってたりするのだが、さすがに換算1800mmの望遠レンズを手持ち撮影は難しいと思う。特にDFAマクロ100mmなども面白く使う事が出来ると思うので三脚を立ててじっくりと撮影に臨みたい。
ちなみにQシリーズは現行シリーズでセンサーサイズが1/1.7型と大きくなっているので、画質と焦点距離のバランスが変わる。35mm換算で4.6倍なので、50mmレンズであれば230mm程度の望遠レンズとして使うことが出来る。
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