このページでは一眼カメラ用交換レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO」の情報を収集しています。
更新情報
- OM SYSTEM版M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO 販売開始 2024年8月24日
- M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO オリンパス版が販売終了 2024年8月12日
- オリンパスED 25mm F1.2 PROは安く無いが価値のある素晴らしいレンズ【海外の評価】 2017年6月14日
- オリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO 最新情報まとめ 2017年3月31日
レビュー
購入早見表
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レンズフード LH-66B | |||
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レンズキャップ LC-62F | |||
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レンズケース LSC-0811 | |||
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フィルター購入早見表
プロテクト | C-PL | ND | ソフト |
X-CAP |
レンズデータ
レンズ仕様
焦点距離 | 25mm(35mm判換算50mm相当) |
---|---|
レンズ構成 | 14群19枚(スーパーEDレンズ 1枚、EDレンズ 2枚、E-HRレンズ 1枚、HRレンズ 3枚、非球面レンズ 1枚) |
防滴処理 | 防塵防滴機構 |
フォーカシング方式 | ハイスピードイメージャAF(MSC) |
画角 | 47° |
最短撮影距離 | 0.3m |
最大撮影倍率 | 0.11倍(35mm判換算0.22倍相当) |
最近接撮影範囲 | 157 x 118mm |
絞り羽枚数 | 9枚 |
最大口径比 | F1.2 |
最小口径比 | F16 |
フィルターサイズ | Ø62mm |
大きさ 最大径×全長 | Ø70 x 87mm |
質量 | 410g |
同梱品 | レンズフード(LH-66B)、レンズキャップ(LC-62F)、レンズリアキャップ(LR-2)、レンズケース(LSC-0811)、取扱説明書、保証書 |
紹介
Good
- 絞り開放からフレーム全域で安定した描写
- 防塵防滴
- 静音・高速のオートフォーカス
- コマ収差・歪曲収差を良好に補正
- 高い接写性能
- F1.2の明るさ
- マニュアルフォーカスクラッチ
- L-Fnボタン
Bad
- 価格が高い
- 非点収差が大きい
- 球面収差・倍率色収差がやや目立つ
- 逆光耐性
異色のPRO単焦点
サイズを度外視したレンズ鏡筒の中には14群19枚という標準単焦点とは思えないレンズ構成。
スーパーEDレンズを始めてとして、EDレンズ2枚、E-HR・HRレンズを贅沢に使用。周辺像の色にじみを効果的に補正し、非球面レンズを絞り付近に配置することで大口径時に問題となる球面収差やコマ収差を補正。
お陰様で「F1.2にも関わらず」絞り開放から安心して使える最新のデジタル対応レンズらしいヌケとキレがあるレンズとなっている。特に絞り開放からフレーム全域で安定した描写が可能と言う点に特筆した性能を持っていると言えるかもしれない。同じく解像力の高いと定評のある「M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8」よりも絞り開放時に中央の画質は劣るものの、周辺部の画質が勝っていると考えればイメージが付きやすいだろうか。
これだけレンズ枚数が多いにも関わらず、ボケは素直で滑らか。ただし、構成枚数が多いのでコントラストの低下や逆光耐性には気難しい一面も存在する。他のPROレンズのように解像力にウェイトを載せた味付けでは無いので、購入前に作例でじっくりと傾向をチェックしておきたい所。
クオリティの高い外装・機能
PROシリーズらしく、堅牢性の高い金属ボディーを採用している。ずっしりとくる重量感はあるが、高級品であることを感じさせてくれるしっかりとしたものだ。
加えて何か所にも及ぶ密封シーリングを施されているので、悪天候の中などラフなシーンにも対応できる点はグッド。
さらにピントリングを使ったマニュアル操作はマニュアルフォーカスクラッチ機構により、電子制御と感じさせない操作感を実現している。他社の電子制御とは一線を画す操作性だ。
また、PROシリーズらしくL-Fnボタンに役割を与える事が出来る。自分のスタイルに合わせたカスタム設定をしてみよう。
競合レンズ紹介
M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8
25PROと比べると明るさは控えめだが、サイズも価格もかなりコンパクト。
デザイン的にPENシリーズに似合っており、お手軽スナップとして使うのならばこちらで十分。
光学性能も申し分なく、大きなボケを求めさえしなければパフォーマンスは高いと感じるだろう。しかし、そのボケを追求してしまうと、このレンズでは明るさがイマイチと感じるかもしれない。ボケ用に45mmF1.8も買っちゃうという手も大いにアリ。
LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH. H-X025
ライカ銘にしては安価に手に入れる事ができる標準大口径。
絞り開放付近での周辺描写は25 PROの後塵を拝すものの、絞り込むことでその差がほとんどなくなってしまう。25PROの価格を考えると、レンズの明るさと堅牢性に妥協すれば説得力の高いレンズ。
LUMIX G 25mm/F1.7 ASPH. H-H025-K
競合レンズの中では最も安価なレンズがコチラ。
場合によっては2万円を切る価格とわずか125gと言う軽量な鏡筒が魅力的。解像力はライカ25mmより見劣りし、逆光耐性・色収差が目に付く部分があるのは確か。
とは言え、全体的なバランスで言えばかなり良好でコストパフォーマンスは十分高い。
フォクトレンダー NOKTON 25mm F0.95 Type II
F1.2の上をゆく、F0.95という突き抜けた性能を持つフルマニュアルなレンズ。
明るいレンズである事は良いことだが、絞り開放ではかなり柔らかい(球面収差)描写でフレアでヴェールがかかったような写りをする。現代的なヌケのある大ボケをF0.95から楽しめるレンズと言うわけではない。
ところが、ちょっと絞ると収差が落ち着て急激に解像力が立ち上がる。ただし、その解像力は四隅が置いて行かれているので、どこまで行ってもちょっと甘い描写。
25PROとは傾向が全く異なるので、悩むくらいであれば両方手に入れる事で心やすらかになるのがおススメ。
海外レビュー抄訳
PhotographyBlog:安くは無いがとても素晴らしいレンズ
- :このレンズはマイクロフォーサーズ用としてはかなり大きいレンズだが、OM-D E-M1 Mark IIとの相性はバッチリだ。25mm F1.4と比べて遥かに大きいが、レンズの口径を考慮すると驚くべきものでは無いだろう。
- しっかりとした金属製の鏡筒は重量感があり「高品質」を示す良い指標だ。
- 大きなマニュアルフォーカスリングにはMFクラッチ機構が備わっている。AFポジションではとても軽い動作だが、MFポジションに切り替えると適度な抵抗感と滑らかな操作性でマニュアルフォーカスを使用可能だ。このフォーカスリングは間違いなくこのレンズの大きな特徴だ。両端にはハードストップがあり、簡単に無限遠へフォーカスを合わせることが出来る。
- オートフォーカスは一瞬に被写体へロックする高速AF性能を持っている。より暗い条件でもハンチングを抑えたAFに対応している。静かな環境下で撮影する場合にも適しているだろう。
- このレンズに手ぶれ補正は搭載されていないが、ボディ側の手ぶれ補正が搭載されているカメラシステムが存在する。
- パープルフリンジ(軸上色収差)は完璧では無いが、発生している作例を見つけるのは難しい。ただし、コントラストが強いシーンでは僅かに発生しているのを確認できた。
- 周辺減光は白い壁を撮影すると絞り開放で明らかに目立つ。F1.4?F2まで絞ると減少し、F2.8のJPEGでは解消する。通常の撮影では問題になることはほとんど無いだろう。
- 歪曲はJPEGでもRAWでもほとんど見られない。
- 中央解像力はF1.2~F11まで高い。最小絞り値はF16まで、回折の影響を受けており等倍で確認すると僅かにソフトだ。
- 四隅は中央ほどシャープでは無くF5.6~F11で最もシャープな結果を示している。
画質の面でこのレンズは本当に優れた結果を出している。一般的に大口径単焦点は絞り開放の画質があまりパッとしないものだが、このレンズは絞り開放から喜んで使う事が出来る画質だ。ボケは綺麗で明瞭、色ともに素晴らしい。
マイクロフォーサーズの重要なポイントである「小型軽量」というレンズではないものの、OM-D E-M1 Mark IIやLUMIX GH5などのプロフェッショナルレベルのカメラを使っている場合には気にならない。GX7 Mark IIやPEN E-PL8などエントリーレベルのカメラを使用している場合には他の単焦点の方が相性は良い。ただし、画質を最優先とする場合にこのレンズは望ましいものだ。
マイクロフォーサーズ用レンズとしては大きいが、25 PROの仕様や光学品質を考慮してフルサイズやAPS-Cのレンズと比べるとまだまだ小さいレンズと言える。
標準単焦点はポートレート、ストリートフォト、静物など幅広いジャンルに対応できる。柔軟な焦点距離であり、AFは高速で正確、マニュアルフォーカスは滑らかな動作で迅速に操作可能だ。
最も大きな潜在的欠点は、決して安価ではないこと。1000ポンド以上の小売価格はおそらく愛好家よりも専門家が購入する可能性が高い。高価だがそれなりの価値がある素晴らしいレンズだ。
The Photoblographer:欠点のないレンズ
- 風景・ストリート・アウトドアの写真家がこのレンズを愛用している。我々は雨天のニューヨークにそれを持ち出したが、OM-Dと組み合わせると完全な防塵防滴性能を発揮した。
- OM-D E-M1 Mark IIと組み合わせるとAFは非常に高速。古いボディに組み合わせても恥ずかしくない性能だ。
- 被写界深度はF2.4程度(フルサイズ換算で)だが、ポートレートやほとんどの場合で十分なボケ量だ。そしてボケとシャープが両立しており、扱いやすい色収差に驚かされることだろう。
- 私がオリンパスのレンズをおススメしない理由はない。これは冗談ではなく、25mm F1.2 PROはマイクロフォーサーズとしては最高の25mmだ。
- 本当に、本当に細部をチェックすると、パープルフリンジを見つける事ができるが、それはほとんどの場合に問題にならない程度のものだ。
- 歪曲はまったく問題にならない。
- 発色は全体的にしっかりしているが、個人的にはフォクトレンダー 17mm F0.95の方が好みだ。
好き:全体的な画質、サイズが小さい、耐久性、AF速度
嫌い:正直なところ、特にない
個人的にはフォクトレンダー 17.5mm F0.95を買うだろうが、多くのカメラマンはこのレンズに興味を持っている。
美しいボケ、シャープな画質、鮮やかな色、高速で精確なAF、防塵防滴。それは高価なレンズだろうか?確かに高価だが、他の50mm F1.4のレンズよりも手頃な価格だ。
実際、このレンズはあなたのカメラに付けっぱなしのレンズになるだろう。我々はこのレンズをエディターズチョイスと評価したい。
STEAVE HUFF:まるでLeicaのようだ
- 画質を評価する時にフレーム全域を考慮
- 防塵防滴
- 浅い被写界深度とボケを使ったフルサイズ一眼並みの描写
- F1.2の絞り開放でさえディテールと解像力が良好
- M4/3で最適な暗所における性能
- 高速AF
- オリンパスが提供する最高の単焦点レンズ(個人的な意見)
- 少ない色収差と歪曲
これらを必要とする場合、このレンズを好きになるだろう。私はこのレンズを2週間使用して致命的な弱点を発見できなかった。M.ZUIKO 7-14 PROよりも小さく、PEN-F(グリップ付き)に装着して楽しめるのでサイズに兎角言うつもりはない。
RAW形式のファイルを覗いてもパープルフリンジは極小であり、光学的に良好な補正がされている。
このレンズはまるでライカのようであり、絞り値に関わらずシャープだ。そして、小型で明るく、楽しく、AFが高速で、レスポンスも良好、防塵防滴というプロ仕様。
安価な標準単とは比べられず、唯一の比較対象になるレンズはライカ 25mm F1.4だろう。私はF1.2 PROもライカ F1.4も使用しており、F1.2 PROはより良い画質、コントラスト、細部のコントラスト、色、造り、防塵防滴を備えています。さらにF1.2と明るく、ベストなボケ味を提供する。
Noctiron 42.5mm F1.2も素晴らしい描写で感動したが、このレンズほど画質はよくない。
備考:このサイトでは別ページでFE55mm F1.8と撮り比べを実施しています。
DxOMark
M.ZUIKO 25mm | LEICA 25mm | LUMIX 25mm | |
総合スコア | 26 | 27 | 24 |
解像力 P-Mpix | 14 | 13 | 10 |
光透過率 TStop | 1.8 | 1.8 | 2 |
歪曲 % | 0.2 | 1.6 | 1.2 |
周辺減光 EV | -1.2 | -1.2 | -1.4 |
色収差 μm | 15 | 14 | 20 |
安いレンズではありませんが、防塵防滴・高度な光学設計・明るいF1.2の絞り値・優れた光透過率を持つMFTレンズの中でも最高クラスの一つです。パナソニックの25mm F1.4に総合得点でやや遅れを取るが、全体的なシャープネスが若干高く歪曲補正なしでの歪曲特性も良好だ。F2まで絞ると周辺減光と中央解像力が大幅に向上する。
ePHOTOzine:ステキなボケと低輝度の性能が魅力的
- 一般的なビルドクオリティに疑いの余地はないPROレンズだ。410gという適正な重量に防塵防滴性能が付与されている。円形フードは滑らかに装着し、ロックがかかる。そして決して緩まないことを確認した。
- フォーカスリングは前後にスライドさせることでAF/MFを切り替える事ができるが、この動作が軽いため誤操作を起こす。多少の抵抗があればよかった。
- 中央の解像力は絞り開放から優れており、F11までは大きく変化しません。F2~F4にかけて解像力のピークを迎え、回折が始まるF16においても非常に良好な結果だ。
- 四隅の画質はF1.2~F2.8までまずまず良好な結果で、F4?F11の間で非常に良好な解像力に上昇します。F16でもまだまだ良好だ。(通常の撮影ではとてもシャープでああるため、この測定値は完全に正しいものではありません。クローズアップやエクステンションチューブでの撮影には適していないでしょう。)
- 色収差は中央で事実上ゼロに近い値であり、四隅でもまだ非常に良好で多くの撮影シーンで問題にならないだろう。
- フレア耐性は事実上完璧であり、著しくコントラストを損失するこは不可能です。
- 樽型の歪曲があるおのの、非常に低い値だ。
これは非常にシャープなレンズであり、すぐれたコントラストと低い色収差、そして好ましいボケ味があります。
このレンズの長所:優れたシャープネス、色収差が少ない、フレアが発生しない、ステキなボケ、歪曲が小さい、コンパクト、防塵防滴
このレンズの短所:近距離における四隅の画質、MFクラッチの軽さ、高価な値札
pixelmania:高い値札が付いているけど絶対におススメ
- 絞り開放から既に中央はシャープな画質、絞ると急速に解像力が上昇しF2.8でピークを迎える。四隅の画質も中央に劣らず十分にシャープな画質です。F8から回折現象による解像力の現象がある。
- 色収差は絞り開放の四隅における極僅かな限定される部分のみで発生する。
- ボケは滑らかで円形絞りにより玉ボケが角ばらない
- 周辺減光は絞り開放で1.33段の減光効果があるものの、F2.0まで絞ることで急速に解消する。
- 競合するLEICA 25mmやフォクトレンダー 25mmと比べてフレアの発生が抑えられている。
このレンズは解像力とコントラストが非常に強い標準レンズです。また、フレアは非常によく抑えられています。周辺減光や歪曲は無視できるレベルであり、ボケは美しい。
また最短撮影距離が30cmという点はプラスに働くことでしょう。
問題は非常に高価という点で、フォクトレンダーやパナソニックよりもはるか値段が高いです。しかし、標準単焦点で強力なレンズを求めているならば、これは高い値札に関わらず絶対におススメ出来るレンズです。
Focus numerique
Good
- 非常に明るいF1.2
- デザインと品質
- 光学的な品質
- 歪曲が小さい
- 周辺減光が小さい
Bad
- 重量・サイズ
- 一般的な光学性能の傾向
- 中央と周辺部の描写の差
Mirrorlessons:品質を考えれば価格は妥当
- 光学性能は絞り開放から驚くべきものであり、この理由だけでも最良の選択の一つです。被写体の距離に関わらず、F4?F5.6で最適なシャープネスが得られます。
- このレンズを使うことでシャッタースピードを稼ぎやすく、私がこれまでこのレンズで使った最高ISO感度は800でした。
- 大きく重いレンズの一つであり、ポケットには入りません。そのため、小さなマイクロフォーサーズボディとの相性は良くありません。
- 前玉を保護するプラスチックフードは逆さ付け可能で私は好きです。
- 色収差はLeica 25mm F1.4と比べて非常によく補正されている。
マイクロフォーサーズを使う写真家におススメしないことは不可能なレンズです。光学性能は素晴らしく、オートフォーカスは素早く、鏡筒は頑丈で悪天候に耐える事が出来ます。それは高価ですが、価格は他の競合レンズと比較して優れた品質によって正当化されるでしょう。
LensTips:絞り開放の描写性能がポイント
解像力
絞り開放の状態で、中央と四隅の両方において50lpmmのレベルを保っており、かなりまともな解像力を確保されています。
これは偉大な功績で、フォクトレンダー 25mm F0.95においてF1.4の中央・F2.2の四隅の解像力に似ています。パナソニックのLeica 25mm F1.4の絞り開放時の描写と本レンズのF1.4の中央解像力が似ています。
競合するレンズにおいて四隅の解像力はF1.4?F2.0にかけて標準的な水準を下回っています。
絞ることで解像力はF2.0?F4.0の範囲で74lpmm前後にたどり着きます。これは残念なことに印象的なパフォーマンスではありません。
(管理人追記:分かりづらいと思うので、LensTipsの解像力テストの結果をリンクします。25mm PRO:Leica 25mm)
フォクトレンダーは80lpmmを上回り、Leica 25mm F1.4は75lpmmに達しています。
(管理人追記、中央の解像力がぶっ飛んでる半端ないチャートになっています:COSINA 25mm 解像力テスト)
この結果は本レンズが解像力に重点を置いていないように見えます。このパフォーマンスと複雑な光学設計の目的は絞り開放におけるフレーム全体の良好な解像力にあることを示唆しているのかもしれません。
その目的は達成されていますが、テストされたレンズはベストスコアを破っていません。しかし、他の標準単焦点と違って弱点を持っていません。
色収差
絞り開放において軸上色収差はかろうじて確認できる程度だ。このカテゴリにおいては本レンズを称賛しなければならない。
倍率色収差は少し状況が異なる。絞り開放付近では0.14?0.15%に達する値であり、それは高すぎると考えられる範囲にある。幸いにもF2.0からは中程度に抑えられる。さらに絞り込むと中?低レベルの境界線まで減少しますがそれでもライバルのそれとは比べものになりません。
Leica 25mm F1.4は0.08%を僅かに上回り、フォクトレンダーは0.05%を上回る事はありません。
球面収差
球面収差を感じる事があり、デフォーカス部分において光の環の出現がこれを証明しています。前ボケにはあいまいなエッジがあり、中心から離れると光量が落ちます。後の玉ボケは軽めの縁取りがされています。
フォーカスシフトに関してはそれほど顕著ではありませんが、特にF1.2とF2.0からF2.8で得られた画像を比較した場合に気づくことが出来ます。
歪曲
本レンズにおける歪曲はRAWでもJPEGでも厄介なものではありません。前者の場合に-0.22%の僅かな樽型歪曲、後者の場合にはさらに低く抑えられています。
コマ・非点収差
本レンズはコマ収差を完璧には補正していません。深刻な問題ではないえですが、中程度のレベル。フォクトレンダーやLeicaよりも明らかに優れています。
非点収差は高い数値で、F2.8からF4.0までの絞り値でも収差が目立ちます。このレンズが解像力テストで80lpmmに達しなかった理由の一つです。
周辺減光
絞り開放時に38%(-1.38段)の光量落ちが発生する。レンズの明るさを考慮に入れると許容範囲です。Leica 25mm F1.4の光量落ちはより大きいものです(49%)。
F1.4に絞り込むと33%まで減少し、F2.0で中程度になり僅か19%(-0.62段)程度となります。実際にはF2.8?F4.0で13%?8%という結果を得ることが出来ます。
逆光耐性
構成枚数の多い本レンズはエンジニアと光学スペシャリストに敬意を感じるものだ。しかし、これは同時に構成枚数の増加によって光の透過に影響している。
この結果としてシンプルな構成枚数のレンズと比べてコントラストが低く、MTF値も低下する。このレンズのテストにおいて優れたパラメーターにも関わらず解像力の記録を破れなかった理由の一つです。
コントラスト損失とは別に、太陽をフレームにいれると多くのフレアやゴーストが発生する。特に絞り込むほど問題が顕著になります。
オートフォーカス
PL1とEM5に付けたかどうかに関わらず、フォーカスは静かでとても速く問題ありませんでした。近接から無限遠までの距離を0.4秒以上かからずに移動します。
我々はスタジオ、屋外の両方で撮影した際に少しの問題もありませんでした。そして、フォーカシングは正確です。
我々がテストで使った2台のボディでは僅かにフロントフォーカスの傾向を持っていました。それでも絞り開放時のみしか目立たず、そのレベルが小さいため、実際の撮影に影響があるのかどうか言及が難しいです。
総評
長所
- 耐候性・堅牢性・防塵防滴
- 中央の非常に良好な描写
- 絞り開放からすでに良好な四隅の描写
- 穏やかな軸上色収差
- 歪曲はほとんどゼロ
- ライバルよりも顕著に低い口径食
- ライバルよりお顕著に低いコマ収差
- 静かで速くて正確なAF
短所
- ライバルよりも弱い倍率収差の補正
- 球面収差が目立つ
- あまりに高い非点収差
- 明るい光に対するパフォーマンスの問題
我々がテストしたM.ZUIKO 25mm F1.2 PROはフレーム全体でパフォーマンスを保たれているレンズと明らかに示した。しかしその解像力は記録的なものではありません。
これはライバルが提供しなかった性能で、オリンパスは絞り開放からフレーム全体で許容範囲な画像を提供します。さらにコマ、ケラレ、歪曲を競合レンズよりも補正しています。
しかし、これは全てが完璧ではなく、複雑な光学設計からくる期待とは裏腹に非点収差と色収差補正で私を失望させました。また、明るい光に照らされた場合に、レンズの構成枚数は負担です。
価格設定はもう一つの問題で、オリンパスはおよそ1,199ドルの価格タグをつけてLeica 25/1.4よりも600ドル高く、フォクトレンダー25/0.95よりも400ドル高い。
もしキヤノンがEF50mm F1.2 USMを低い光学性能でぼやけたレンズとして1300ドルで提示したらオリンパスには予約が入らなかっただろう。
低価格のレンズがより大きいシェアを取るという結論に変わりはありません。
IMAGING RESOURCE:対価を支払う価値のあるレンズ
解像力
絞り開放から非常にシャープで、F2まで絞れば隅から隅まで際立ってシャープになる。
それ以上は必要に応じて絞る事になるが、解像力は向上しない(F2で既に解像力のピークを迎えているため)このオリンパスが提案する大口径レンズはあなたがそれだけの金額を支払う価値のあるレンズだ。
色収差
わずかな量ではあるが高コントラストな部分において、四隅にマゼンダのカラーフリンジが発生する。
周辺減光
絞り開放時には四隅に2/3段の減光が確認できる。F2からさらに絞ると減光が徐々に解消される。
歪曲収差
糸巻き型の歪曲収差が僅かにある。
AF
MSC技術を使用した高速で静音のAFを使用してる。1秒未満で近接から無限遠までの間を移動するので、ほぼ瞬間的な変化だ。
フォーカシングは電子フライバイワイヤ方式(訳注:オリンパスでは一般的な方式)を使用しており、いつでもフォーカスリングを回すことが出来る。
品質
洗練された金属による堅牢な鏡筒であり、他のPROレンズ同様に完全な防塵防滴仕様という造りを感じる。レンズマウント部にはガスケットシールを備えている。
マイクロフォーサーズレンズであるにも関わらず、それはかなり大きくやや重いです。これはE-M1 Mark IIのような大き目のボディで自然にフィットしますが、小さめのボディには少し重いです。
結論
これはプレミアム価格でプレミアムレンズです。幸いにも価格なりの光学性能を提供し、対価を支払うべき価値のあるレンズです。
あなたがもし大口径のレンズを必要としているのならば、このレンズを見過ごすことはできないでしょう。
更新履歴
- 2017.3.31:STEAVE HUFF・The Photoblographer・SimplyRobinのレビューを追加し、一部抄訳して「海外の評価」に追記。ベンチマークテストでは伸び悩む本レンズですが、実際に使った人達のレビューは絶賛の評価が多いレンズとなっています。数値として出しにくい軸上色収差やボケ味という部分の評価が良好で、尚且つF1.2から全体的に良好な画質を評価していますね。
私も先週このレンズを手に入れましたが、レビュワーの言う事も正しいし、ベンチマークサイトのレビューも正しいと感じています。万人向けのレンズではありませんが、50mmの大口径単焦点を欲している人には”ツボに入る性能”と言った所でしょうか。 - 2017.3.24:DxOMark のレビューを参考サイトに追加
- 2017.2.22:ePHOTOzine レビューを追加・抄訳。四隅の解像力の結果が他のレビューサイトとやや異なっていますが、ライターが「通常の撮影時には四隅もシャープな画質」と述べておりテスト撮影の距離では結果が奮わなかったと述べています。
- 2017.2.19:Pixelmania レビューを追加・抄訳
- 2017.1.23:Focus numerique レビューを追加
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