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ニコンのRED買収は2022年の訴訟を契機としている

PetaPixelがニコンへのインタビュー記事を公開。REDの買収は訴訟の問題が起点となり、同じ情熱と目標を共有していることに気が付いたからだとのこと。

PetaPixel:Nikon Began Steps to Acquire RED in 2022 ‘Due to the Lawsuit’

  • ニコンはREDが2022年にニコンを相手取って起こした訴訟により、REDの買収を検討し始めたことを確認した。
  • REDは当初、2022年5月26日にニコンを特許侵害で訴えた。具体的には、REDは前月にリリースされた大規模なファームウェア2.0アップデートでZ 9に付与されたデータ圧縮技術をニコンが違法にコピーしたと主張した。
  • 2022年9月までに、ニコンはREDに訴訟で戦うことを誓い、REDの主張は "無効 "だと言及した。
  • 2023年4月、この訴訟は棄却されたが、その理由は明白だ。1 年弱後、ニコンは米国に本拠を置くシネマカメラ会社を買収すると発表した。
  • ニコンがREDとの取引をいかに早く完了させたかを考えると、両社ははるかに長い期間にわたって話し合いを続けていたに違いない。おそらく最初の訴訟が起点になったのだろうと推測した。PetaPixelの取材に対し、ニコンはそのことを認めた。
  • ニコンは「訴訟により、我々はREDそのものとREDの歴史について理解し、学ぶ機会を得た。我々はまた、プロフェッショナルデジタルシネマ市場が巨大で多くの分野をカバーしていることを認識し、Z 8とZ 9の発売以来、我々はクリエイター分野で市場が成長していることを見ている」と語っている。
  • 「しかし、我々はトップエンドのプロユーザー層についての知識がないため、この市場に進出するには長い時間がかかると考えていた。今回の訴訟でREDについて理解することができ、実際にお互いに助け合い、補い合うことができると実感した。ジム・ジャナード(訳注:REDの創設者)と話す機会があり、同じ情熱と目標を共有していることに気づいた。」

とのこと。
ニコンがREDの買収を発表したのが2024年3月7日で、それから1か月も経たない4月12日に買収を完了したとのこと。2022年に訴訟が始まってからまさかの展開ですが、その訴訟が買収の起点となっていたのは面白い話ですね。額面通りに受け取って良いのかどうか疑問ではありますが、ニコン・REDそれぞれを取り巻く状況が上手くかみ合ったのは間違いなさそう。

今のところニコン・REDにどのような作用をもたらすのか不明ながら、NKKORブランドのシネレンズが登場する可能性については示唆されています。また、将来的に2つの動画RAW「N-RAW」「R3D」がどうなるのか気になるところ。

ZマウントのREDカメラも期待されていますが、PetaPixelは以前の記事で開発開始から少なくとも3年はかかるだろうと予想している模様。そもそもZマウントがシネマカメラに適合するのか(大口径・ショートフランジバック)も含めて時間はかかるかもしれませんね。少なくともPetaPixelは直近の数年で登場するとは考えていないようです。キヤノンRFマウントのサポート継続有無がはっきりするのは、そのあたりかもしれません。

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