2024年10月18日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。回折光学素子を用いつつ、光学系にテレコンバージョンレンズを挿入できる超望遠単焦点「400mm F4 TC DO」「600mm F4 TC DO」のようですね。
概要
- 【公開番号】特開2024-149828(P2024-149828A)
- 【公開日】令和6年10月18日(2024.10.18)
- 【発明の名称】光学系および光学機器
- 【出願日】令和6年8月20日(2024.8.20)
- 【分割の表示】 特願2020-116477 (P2020-116477)の分割
【原出願日】令和2年7月6日(2020.7.6)- 【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社- 【課題】倍率変換光学群を挿抜可能で、全長が短い光学系を提供する。
- 【背景技術】
【0002】
撮像に用いられる光学系の焦点距離を変化させる方法として、光路中にエクステンダ等の倍率変換光学群を挿入する方法がある。また、倍率変換光学群の挿抜によって全長(最も物体側の光学面から像面までの距離)が変化しない光学系として、特許文献1には、開口絞りから像面までの間の軸上光束が収束する位置に倍率変換群を挿抜可能な光学系が開示されている。- 【0004】
しかしながら、特許文献1のように開口絞りから像面までの間に倍率変換光学群を挿入するためのスペースを設けると、元々の光学系の全長が長くなる。また、狭いスペースに倍率変換光学群を挿入すると、光学系の諸収差が増加するおそれもある。- 【0005】
本発明は、倍率変換光学群を挿抜可能な光学系でありながらも、全長が短く、良好な光学性能が得られる光学系を提供する。- 【0031】
各断面図において、Oは光軸、IPは像面、Gは水晶ローパスフィルタや赤外カットフィルタ等のガラスブロックをそれぞれ表している。実施例1、2において、Ldoeは回折光学素子、asphは非球面をそれぞれ表している。回折光学素子Ldoeにおける回折面は、実施例1、2とも物体側から数えて2番目の接合レンズの接合面に設けられている。また非球面asphは、最も物体側の正レンズの物体側の光学面に設けられている。実施例1
- 焦点距離:392.58
- F値:4.12
- 半画角:3.45
- 像高:21.64
- 全長:280.33
- バックフォーカス:36.01
実施例2(実施例1にテレコン挿入状態)
- 焦点距離:549.72
- F値:5.77
- 半画角:2.25
- 像高:21.64
- 全長:280.33
- バックフォーカス:36.00
実施例5
- 焦点距離:585.00
- F値:4.12
- 半画角:2.12
- 像高:21.64
- 全長:467.45
- バックフォーカス:55.5
実施例6(実施例5にテレコン挿入状態)
- 焦点距離:819.18
- F値:5.77
- 半画角:1.51
- 像高:21.64
- 全長:467.45
- バックフォーカス:55.50
分割特許ですが、2020年の段階でピックアップしていなかったので今回記事にしました。回折光学素子を用いた超望遠レンズ「400mm F4」「600mm F4」で、テレコンバージョンレンズを挿入できる設計となっているようです。
それぞれテレコンを挿入することで「550mm F5.6」「820mm F5..6」として使え、特に400mm F4は汎用性や携帯性に優れた魅力的な製品となりそう。ただし、特許出願が実際に製品化される可能性は低め。過度の期待は禁物。
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