このページではニコンの交換レンズ「AF-P NIKKOR 70-300mm f/4.5-5.6E ED VR」のレビューを掲載しています。
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AF-P NIKKOR 70-300mm f/4.5-5.6E ED VRレビュー
レンズのおさらい
型式 | ニコンFマウントCPU内蔵Eタイプ、AF-Pレンズ |
---|---|
焦点距離 | 70mm-300mm |
最大口径比 | 1:4.5-5.6 |
レンズ構成 | 14群18枚(EDレンズ1枚) |
画角 | 34°20′-8°10′(FXフォーマットのデジタル一眼レフカメラ) 22°50′-5°20′(DXフォーマットのデジタル一眼レフカメラ) |
ズーミング | ズームリングによる回転式 |
ピント合わせ | IF(ニコン内焦)方式 ステッピングモーター マニュアルフォーカス可能 |
手ブレ補正 | ボイスコイルモーター(VCM) レンズシフト方式 手ブレ補正効果:4.5段 ※CIPA規格準拠 VRモード:NORMAL、SPORT 三脚使用時ブレ補正:有り |
最短撮影距離 | 1.2m(ズーム全域) |
最大撮影倍率 | 0.25倍 |
絞り羽根枚数 | 9枚(円形絞り) |
絞り方式 | 電磁絞りによる自動絞り |
最大絞り | ・焦点距離70mm時:f/4.5 ・焦点距離300mm時:f/5.6 |
最小絞り | ・焦点距離70mm時:f/32 ・焦点距離300mm時:f/40 |
測光方式 | 開放測光 |
アタッチメントサイズ(フィルターサイズ) | 67mm(P=0.75mm) |
マウントアダプターFT1適否 | AF駆動可 |
寸法 | 約80.5mm(最大径)×146mm (レンズマウント基準面からレンズ先端まで) |
質量 | 約680g |
付属品 | ・67mmスプリング式レンズキャップ LC-67 ・裏ぶた LF-4 ・バヨネットフード HB-82 ・レンズケース CL-1022 |
前モデル「AF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f/4.5-5.6G IF-ED」が登場したのは2006年で、11年ぶりのリニューアルとなったのが本レンズ。
レンズ構成は一新され、オートフォーカスは超音波モーターからイマドキらしいステッピングモーターに変更、これに伴いマニュアルフォーカスは電子制御のバイワイヤ式。古い一眼レフではうまく動作しない可能性もあるので公式ウェブサイトをよく確認してから購入したい。
従来の超音波式と比べて軽快なオートフォーカスを期待でき、ライブビューとの相性は良い。特にミラーレスのNikon Zシリーズとの相性を優先するのであれば、従来のAF-Sでは無くAF-Pがおススメ。
手ぶれ補正は従来の2.5段から4.5段と大幅に改善。実際、Nikon Z 7で使う限りでは確かに良く効く手ぶれ補正と感じます。
最短撮影距離は1.5mから1.2mへ改善しているものの、最大撮影倍率は0.24倍から0.25倍と大きな変化はありません。
マウントは最も新しいCPU内蔵Eタイプ。メカ絞りから電磁絞りに切り替わっているためマウント周辺のデザインがすっきりしています。
レンズサイズはほぼ同じですが、僅かに軽量化されています。
外観
この世代のこのクラスらしいデザイン。
レンズの質感だけで言えば、4万円台のキヤノンEF70-300mm F4-5.6 IS II USMと同程度。プラスチックパーツが多いですが、しっかりとした作りで脆さは感じません。AF-S F1.8Gシリーズのプラスチック鏡筒と比べると少し良いかもしれない。
しっかりとしたプラスチック製鏡筒に大きなレンズフードが同梱しています。
サイズ・重量
全長146mm、重量680gでキヤノンEF70-300mm F4-5.6 IS II USMと同程度のサイズと重量でタムロン「SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD Model A030」と比べると少し軽い。
ソニーのフルサイズミラーレス用望遠ズーム「FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS」と比べると、AF-PにFTZアダプターを装着した場合で同程度の重量。レンズサイズはソニーFEのほうがやや短くなる。
以上のことを考えると、ニコンZシステム用の70-300mmが登場したとしてもレンズサイズはそこまで変化ないかもしれない。
前玉・後玉
フィルター径は67mmを採用。FXズームレンズでこのフィルター径を採用しているモデルは少ないので使い和増し辛い。ただし、単焦点レンズでいくつか同じ直径のフィルターを採用しているモデルがある。
公式を確認する限り、コーティングに関する特記事項は無し。ナノクリスタルコートやフッ素コーティングは施されていないと思って間違いないでしょう。
後玉はズーミングにより前後へ移動する仕様。このためズーム動作によってレンズ内部へ小ゴミが混入しやすい仕組みと言えるかもしれない。
内部はしっかりと反射防止が施されている。
ズーム
70mmから300mmへズームすることでレンズ全長が1.5倍ほど長くなる。
ロック機構は無いものの、自重でズレたりすることはありませんでした。
操作性
ズームリング
約90度ほどの回転角で70mmから300mmまで素早くズームが可能。ズームリングは幅広く、しっかりと握ることができるデザイン。
ズームレンジ全域で均質な抵抗感を持っており、途中で妙な引っ掛かりは感じませんでした。価格帯を考えるとまずまず良好な操作性。
フォーカスリング
ステッピングモーター仕様のため、バイワイヤ式のフォーカス操作となっています。電子制御のため、従来のようにピント位置の表示はありません。
一眼レフで使うと電子制御式のフォーカシングは違和感を感じますが、Nikon Zシステムは全て電子制御式のため特に違和感は無し。
Nikon Z 7との組み合わせ
Nikon Zシステムに組み合わせるためにはマウントアダプターFTZでの装着が必須。FTZと組み合わせるとレンズ全長はとても長く感じます。70-200mm F4のような印象。
当然、小型ボディのNikon Z 7へ装着するとレンズの長さが気になる。明らかにバランスが良いとは言えません。
幸いにもZ 7のグリップはわりとしっかりしているので一般的な撮影でストレスを感じることはありませんでした。
オートフォーカス
正直なところ、Nikon Z 7のポテンシャルが足を引っ張っている感があるので一眼レフと組み合わせることで伸びしろはまだありそうな印象。
Z 7が足を引っ張っていると言っても、風景や鉄道、遠方の鳥と言った被写体相手ならば特に問題無く利用できます。近距離・中距離の小動物や小鳥などはカメラ側のレスポンスが足りないかも。
手ぶれ補正
ピッチ・ヨーのブレを光学補正で、シフトや回転ブレをボディ内補正で対応しているためか、安定感はとても良好。
遠景解像 70mm
絞り開放からフレーム四隅まで非常に良好で均質な描写。4500万画素のZ 7でも開放から全く問題の無いのは驚き。
絞ることによる解像性能の向上はほぼ無いものの、周辺減光が解消されるのでF8が画質のピーク。
絞り値による描写の変化が無いのであまり書くことが無い。
遠景解像 135mm
70mmと同様、開放から四隅までシャープな画質。周辺減光の影響が比較的小さいので画質のピークはF6.3?F8.0あたりと広い。
遠景解像 200mm
周辺減光は135mmより目立つようになるものの、相変わらず均質性の高い描写性能。
よく見ると絞り開放の四隅はシャープネスが僅かに低下しているように見える。しかし、F8まで絞ると中央領域との差は感じられない。
遠景解像 300mm
中央部と周辺部で僅かにシャープネスやコントラストの違いが出るかな?という程度で、この価格帯の望遠ズームとしては非常に良好な画質。周辺減光が強烈なので、全体的な均質性を重視するなら1段?2段は絞るべき。
なお、作例では「F5.3」と表示していますが、記載間違いで「F5.6」が本来の数値です。
ボケ
下部の作例は全て写真の左上1/4をクロップしたもの。
100?135mmでは少しエッジの硬さを感じるものの、200mm、300mmはまずまず柔らかく使いやすい描写。特に300mm側では玉ボケが口径食の影響を受けやすいので注意が必要。
解像性能の安定感を考慮すると十分良好な描写。
周辺減光 70mm
周辺減光の補正をオフにするとF4.5-F5.6あたりまでは目に付く程度に残存している。フラットな露出状況にしたいのであれば2段は絞る必要がある。
開放から良好な解像性能なので、周辺減光を利用するのも一つの手。
周辺減光 300mm
70mmと比べると減光効果が強烈。シャドウ持ち上げノイズを考慮すると、しっかり絞って使いたいところ。
今回のおさらい
AF-P NIKKOR 70-300mmの特徴
- EタイプのFマウントレンズ(電磁絞り)
- ステッピングモーターを利用したバイワイヤ式のマニュアルフォーカス
- 効果的な手ぶれ補正
- FTZアダプター経由でZカメラに装着すると全長が少し長い
- ズームレンジ全域で良好な光学性能
- 特に300mmで周辺減光が強い
- このクラスの望遠ズームとしては良好なボケ質
- 静音・高速なオートフォーカス
キヤノンの同クラスよりも高価でソニー(ミラーレス用)よりも安価。ちょうど中間的な値付けの望遠ズームですが、周辺減光以外はしっかりとしたパフォーマンスで満足のいくレンズ。
特にこれと言った不満は無く、「AF-S VR 70-300mm f/4.5-5.6G IF-ED」との価格差も描写性能・機能性を考えれば妥協範囲内。
最も注意すべきは買うタイミング。このレンズは登場から相場が不安定で7万円強の時もあれば6万円弱の時もあったりする。2018年と同じ傾向が2019年に来るとしたら、今から6月中にグッと値を下げるはず。6万円前半なら買い、5万円台ならバーゲンセール。7万円台だったらもう少し様子見しても良いかな、と言った感じ。
フィルター購入早見表
プロテクト | C-PL | ND | ソフト |
X-CAP |
管理人がこのレンズで撮った写真
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