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COLOR-SKOPAR 35mm F2.5 PII レンズレビューVol.1 外観・操作編

コシナ「COLOR-SKOPAR 35mm F2.5 PII」のレビュー第一弾 外観・操作編を公開。フォクトレンダーの作りやデザイン、操作性を3万円台で体感できる手頃な価格のレンズとなっています。

簡易的なまとめ

中国製レンズも徐々に高価格帯へシフトする中、今でも3万円台で新品を購入できる手頃な価格の日本製レンズ。小型軽量ながら外観も良く、レンズの使い心地の良い絞りリングやフォーカスリングは文句なし。ライカM型カメラをはじめ、コンパクトなミラーレスカメラと相性の良いレンズに仕上がっています。

中国製MFレンズも作りが良くなってきているため、(この価格帯のフォクトレンダーにおいて)ビルドクオリティによる区別化は難しいかもしれません。しかし「35mm」のコンパクトなレンズは選択肢が少なく、唯一無二にして良心的な価格設定のレンズと言えそうです。

While Chinese-made lenses are gradually shifting towards the higher price range, you can still buy new Japanese-made lenses at an affordable price in the 30,000 yen range. They are compact and lightweight, but also have a good appearance, and the aperture ring and focus ring are comfortable to use. They are lenses that go well with compact mirrorless cameras, as well as Leica M-type cameras.

As the quality of Chinese-made MF lenses is also improving, it may be difficult to differentiate them based on build quality (among Voigtlander lenses in this price range). However, there are few options for compact “35mm” lenses, and this is the only lens with a unique and reasonable price.

COLOR-SKOPAR 35mm F2.5 PIIのレビュー一覧

まえがき

ライカMマウント互換のVMマウントを採用したコシナ製フォクトレンダー。2006年に発売されてから15年以上の製造が続いているレンズです。小型軽量で販売価格が手頃なため、ライカM以外にもマウントアダプター経由でミラーレスに装着して使うユーザーも多いはず。

最短撮影距離は0.7mと長め。35mmレンズとして寄りやすい仕様ではなく、これを改善するにはヘリコイド付きのミラーレス用レンズアダプターを使うしかありません。

  • 発売日:2006年3月18日 発売
  • 売り出し価格:¥37,500
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  • フォーマット:フルサイズ
  • マウント:ライカM
  • 焦点距離:35mm
  • 絞り値:F2.5-F22
  • 絞り羽根:10枚
  • レンズ構成:5群7枚
  • 最短撮影距離:0.7m
  • 最大撮影倍率:不明
  • フィルター径:39mm
  • サイズ:φ55.0×23.0mm
  • 重量:134g

価格のチェック

外観・操作性

箱・付属品

フォクトレンダーらしい黒を基調としたデザインの箱に入っています。箱を開けようとすると、フォクトレンダーが掲げた信条である「…weil das Objektiv so gut ist(レンズがとても良いから)」を見ることができます。同梱品は説明書と前後のキャップのみ。レンズフードは別売りのため、必要であれば買い足しておきましょう。

外観

本体は金属とガラスの塊。
総金属製のコンパクトな鏡筒に35mm F2.5光学系が詰め込まれています。小型軽量なレンズであるため、フォーカスリングや絞りリングは小さめ。

ピント位置や絞り値などの表示は単なるプリントではなく、刻印したうえでペイントが施されています。製造国は日本。カラーリングはブラックに加えて先端のみシルバー。ツアイスZMレンズとよく似たデザインとなっていますが、マウント指標のカラーリングは青ではなく赤。

ハンズオン

手のひらサイズ。ポケットに突っ込んでおけるコンパクトなレンズです。
サイズを考慮すると(金属とガラスの塊らしく)重量感があるものの、苦にならない程度に収まっています。

前玉・後玉

正面から見ると、シルバーカラーの金属製フィルターソケットに囲まれた凸型の前玉を確認できます。周囲にはレンズ名がプリント。前玉にフッ素コーティングなどは施されていないため、水滴や油汚れなどダメージが想定されるシーンでは保護フィルターを装着しておいたほうが事後のメンテナンスが容易。フィルターは39mmと小さい径に対応。

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金属製レンズマウントは4本のビスで固定。ライカMレンズのような6bitコードはなく、カメラと通信する手段はありません。全群繰り出し式フォーカスのため、ピントリングを操作することで後玉を含めて光学系が前後に移動します。

フォーカスリング

金属製で幅の狭いフォーカスリングを搭載。グリップを改善するためにフォーカシングレバーを搭載しており、カメラを支えた状態の左手で操作しやすくなっています。リングの抵抗感は適度であり、誤操作を防ぎつつ、微調整しやすいトルクでの操作が可能。高価で大口径のNOKTONと比べると緩い気もしますが「35mm F2.5」と考えれば適度。リングのストロークはピント全域で90度を少し超える程度。最短撮影距離が0.7mであることを考慮すると十分に長いと言えるでしょう。

絞りリング

レンズ先端には小さな絞りリングを搭載。グリップはないに等しいので、指のかかりを改善するためのレバーを二か所に配置。リングは1/2段ごとにクリックストップがあり、適度な抵抗感でしっかりと固定されます。一部のフォクトレンダーレンズのようなクリック解除機能はありません。

レンズフード

レンズフードが別売りで、個人的には角型フードが良かったので社外製を購入。今回はHaogeの角型フードを購入しました。

フードは金属製。フィルターソケットへのねじ込み式ではなく、純正品と同じくフードマウントに装着するタイプ。良好な作りで、しっかりとレンズに固定することが可能。

装着例

今回はTZM-02やヘリコイド付きレンズアダプター経由で「Z 8」「S9」などのミラーレスに装着しました。小型軽量なレンズであり、アダプターを装着したとしてもコンパクトサイズを維持しています。大きなボディのZ 8ではレンズが小さすぎると感じ、S 9くらいのコンパクトボディがちょうどいい。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指します。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となります。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離・無限遠で撮影した結果が以下の通り。

スライドショーには JavaScript が必要です。

全群繰り出し式フォーカスということもあり、ピント位置によってリニアに画角が変動します。画角変化は目立ちますが、マニュアルフォーカスしづらいと言うほどのものではありません。

まとめ

中国製レンズも徐々に高価格帯へシフトする中、今でも3万円台で新品を購入できる手頃な価格の日本製レンズ。小型軽量ながら外観も良く、レンズの使い心地の良い絞りリングやフォーカスリングは文句なし。ライカM型カメラをはじめ、コンパクトなミラーレスカメラと相性の良いレンズに仕上がっています。

中国製MFレンズも作りが良くなってきているため、ビルドクオリティで区別化は難しいかもしれません。しかし「35mm」のコンパクトなレンズは選択肢が少なく、唯一無二にして良心的な価格設定のレンズと言えそうです。

光学性能に関してはチェック中。小型軽量で低価格のレンズとしては健闘しているように見えます。像面湾曲や周辺減光の観点から万能とは言えませんが、お散歩用レンズとしては使い勝手の良いMFレンズとなりそうです。

購入早見表

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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