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DeepPRIME XD Gen 2対応のノイズ処理ソフト「DxO PureRAW 4」を使ってみる

DxOが新しいノイズ抑制・画像処理ソフト「PureRAW 4」を正式発表。サンプルを使ってみる機会を頂いたのでさっくPureRAW 3やLightroom Classic CCのAIノイズ除去と比較してみました。一長一短ありますが、前製品と比べて使い勝手は良くなっている模様。

おことわり

今回は正式発表直前にDxOより提供された試用品を用いてインプレッション記事を作成しています。サンプル提供にあたり金銭の授受が無く、インプレッション記事の内容に関する指示がなかったことを明記しておきます。

また、個人的には現PureRAW 3 ユーザーであり、他にもPhotolab7やFilmpack7などを自費で購入して使用しています。

DxO PureRAW 4について

DxO PureRAW4

  • DxO PureRAW 4 :¥15,900
  • DXO PureRAW 4 アップグレード:¥9,900
  • ディープラーニングによる業界最先端のノイズ除去
    DeepPRIME XD Gen 2
  • 独自のレンズソフトネス補正
  • リアルタイムプレビュー
  • 高度な一括ファイル名変更
  • 複数のワークフローに対応

RAW形式のままノイズを除去できる便利なソフト。以前からノイズ除去には定評があり、今回はさらに数十億枚の画像で学習を進めた 「DeepPRIME XD2」を実装。また、独自の光学モジュール(レンズごとのプロファイル)を使用し、周辺部に向かって画質が低下するシャープネスに適したソフトネス補正を搭載している模様。単なるノイズ除去だけでなく、ディテールを強化できるのがPureRAWの特徴と言えるでしょう。

販売価格は単体で15,900円、アップグレードで9,990円。やや高めと感じるか、Adobe LightroomのAIノイズ除去をサブスクリプションで使うよりも安いと感じるかは人それぞれだと思います。

実際に使ってみる

PureRAW 4単独で起動してみると、インターフェースは前バージョン「PureRAW 3」とよく似ています。複数のファイルを一括して処理が可能となっているため、処理を実行したらバックグラウンドで放置すればOK。と言っても、少ないファイル数であれば、時間はほとんどかかりません。PureRAW 4のノイズ処理は「DeepPRIME」もしくは「DeepPRIME XD2 / XD」を選択可能。「XD2 / XD」がひとまとめになっており、シーンによって使い分けられるのか、基本はXD2を使用するのか内部の処理は不明。ノイズ処理時に輝度やディテール強調などのパラメータを調整することが可能となっています。ノイズ以外の処理が強すぎたり、弱すぎる場合は調整してみると良いかもしれません。リアルタイムプレビューに対応していますが、処理前と処理後を比較するためにはノイズ処理を実行しておく必要があります。処理速度はDeepPRIME XD2 / XDでも1枚1分とかかりません。ただし、処理するRAWの解像度や、マシンスペックなどによって変化する可能性あり。少なくとも「i7-9700K」「RTX2070」のような古いゲームPCでも快適に処理できました。処理後はスライダーを使用し、気になる部分を見比べることができます。

Lightroomや旧PureRAWと比べてみる

比較画像の見方

「未処理」の全体像とクロック画像を参考として掲載し、その後に「DeepPRIME XD2」「Lightroom AI」「DeepPRIME XD」「DeepPRIME」を比較しています。比較画像は特に注意書きが無い限り以下の配置で掲載しています。

XD2 Lightroom AI
XD DeepPRIME

作例1

  • OM SYSTEM OM-1
  • 40-150mm F2.8 PRO + MC-20
  • ISO 3200

  • ぱっと見はどの強化RAWもノイズを効果的に除去していることが分かります。
  • ただし、Lightroomの「AIノイズ除去」は文字通りノイズのj除去のみ。ノイズ除去の効果は良好ですが、ディテールの改善などは期待できないようです。
  • DxO PureRAWのDeepPRIME系はどれもディテールを改善していますが、コントラストが自然で効果弱めとなっているのが「DeepPRIME」。
  • 「XD2 / XD」はよく似ているものの、XD2はディテールを強化する部分と、滑らかさを維持する部分の使い分けが上手になっている印象。

作例2

  • OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III
  • 40-150mm F2.8 PRO
  • ISO 1000

  • もともとピントが少しずれていることもあり、Lightroomの結果はややソフト。
  • DeepPRIMEは効果弱めですが、ピンボケを少し修正するような処理が施されています。
  • XDが最も強い処理となっていますが。効果が強すぎるように見えます。
  • XD2はXDとDeepPRIMEの中間と言ったところ。

作例3

  • LUMIX GF9
  • 8-18mm F2.8-4
  • ISO 200
  • 現像時にハイライトとシャドーを補正してHDR風の限界レタッチ。

  • 輝度ノイズを残しつつも色ノイズを綺麗に抑えているのがLightroomのノイズ除去。最も自然で、使い勝手の良い見栄えです。ダイナミックレンジが広がるわけではありませんが、RAWの柔軟性を高めるには最適な選択肢。
  • ノイズが強く、最も画質が粗いのはDeepRIME。限界レタッチには不向き。
  • DeepPRIME XDはノイズを良好に除去していますが、ディテールが悪化しているのが悩ましいところ。スマホっぽい不自然な処理。
  • DeepPRIME XD2はノイズを抑えつつ、ディテールも良好な状態を維持。Lightroomほど色ノイズが抑えられていませんが、健闘はしています。

作例4

  • Canon EOS R5
  • RF800mm F11 IS STM
  • ISO 800

  • XDは少しやり過ぎのような処理に見えます。
  • Lightroomはディテールの強化が無く、PRIMEも効果は弱め。
  • 最もバランスが取れているのはXD2。

作例5

  • Canon EOS R5
  • RF800mm F11 IS STM
  • ISO 12800

  • これまでの作例と同様の結果。

まとめ

PureRAW 4は、ノイズを上手く処理しつつ、ピンボケや被写体ぶれ、レンズのソフトな描写などを補正する便利なソフトです。LightroomのAIノイズリダクションほど効果的なノイズ除去ではありませんが、自然でバランスの取れたディテールの強化を実現しています。

過去のPureRAW DeepPRIME処理と比べて、強すぎず、弱すぎず、と言ったところ。前モデルからアップグレードする価値はあるか?というと、「DeepPRIME XD」の処理がきつ過ぎると感じたら「4」で改善を実感できるかもしれません。Adobe製品のようなサブスクリプションではなく、買い切りタイプで追加コストが発生しないのもGood。

従来通り、主な機能はRAWのノイズ除去やディテールの強化となっているので、レタッチが必要な場合はDNG RAWを編集できる現像ソフトが必要となります。

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