このページではGearBest提供のアクションカメラ「EKEN Alfawise V50 Pro」についてレビューしています。
ひとまずV50 PROの紹介
EKENは中国の深センに拠点を持つカメラメーカー。V50 PRO以外にもいくつか似たようなアクションカメラや360°カメラをリリースしているようです。AmazonにEKEN Storeを開設していたりするので目にする機会も多いのではないでしょうか?
外観はEKEN H7sと似ているものの、V50 PROはタッチパネルに対応していないので注意。一部ウェブサイトで誤って紹介されているので間違わないように。
EKENのウェブサイトを確認するとV50 PROのラインナップが存在しません。どうやらV50 PROはAlfawiseという会社とのコラボ企画モデルらしい。
仕様
EKEN V50 PRO | |
チップ | Ambarella A12S75 |
センサー | SONY IMX258 Exmor RS 2015年 1/3.06型 |
対応メディア | MicroSD ?32GB |
有効画素数 | 1300万画素 |
レンズ画角 | 170°魚眼 |
動画 | MP4 4K 30fps 2.7K 30fps FHD 60fps FHD 30fps HD 30fps |
静止画 | 12MP/8MP/5MP |
セルフタイマー | 3/5/10/30秒 |
タイムラプス | 対応 |
リモコン | 対応 |
防水ケース | 30m防水 |
WiFi | 対応 |
バッテリー | 1050mA USB充電対応 |
サイズ | 5.93 x 4.11 x 2.14 cm |
重量 | 76g |
センサーはSONY IMX258 Exmor RS
SONY IMX258を調べてみるとExmor RS(積層型裏面照射CMOS)らしい。
デジタルカメラに詳しい人なら「お、積層型センサーなんだ」と思うかもしれません。ソニーRX100 Vやα9が高速読み出しに対応した「メモリ一体型の積層センサー」を搭載して話題となりましたね。
しかし今回のExmor RSは「高速読み出しで有利」と言う訳では無く、「画素と回路を分けることで高画質化」の恩恵があるセンサーだそうな。(ソニー報道資料)
高画質と言ってもコンパクトデジタルカメラで一般的な1/2.3型センサーよりも小さいタイプ(スマートフォンで多い)。
170°魚眼レンズ
170°とワイドな画角。
デジタルカメラや一眼でスタンダードな広角画角(24mm=約84°)と比べて遥かに広い画角ですね。
これはアクションカメラで有名なGoproよりも広い。
ただし「魚眼レンズ」のためフレーム四隅に向かって大きな歪曲が発生します。魚眼効果を楽しめるのであれば良いですが、四隅に顔を配置すると歪んでしまう点に注意が必要。
外観・機能
ハンズオン
ここ最近よく目にする形状のアクションカメラ。
「G○Proに似ている」というと直接的かもしれませんが、G○Proに似ている。
重量は100gも無く、手のひらサイズで非常に軽量。
カメラ筐体の材質はプラスチックだが安っぽさは無くしっかりとした作り。
付属品はケース・防水ケース・パイプ固定用台座・リモコン・ミニ三脚などなど充実。
1万円でアクションカメラ一式が買えておつりがくるのだから文句は無い。
本体・ケース
G○Proと明らかに異なるポイントは「カメラ単体で防水機能を有していない」こと。
USB・HDMI端子は剥き出しであり、水中や水辺で使うなら防水ケースは必須。
防水ケース必須は当然ながら内蔵マイクでの録音が厳しい。別で録音するか、BGMに差し替えるかが必要と感じるレベル。
前述したように魚眼レンズのためフレームから少し飛び出すほどの凸レンズ。
保護ガラスは無いので取り扱いは注意したい。運搬時は防水ケースに入れておいた方が無難でしょう。
今回付属していた専用ケースの一つ。
カメラをフレーム構造で固定し、下部には三脚用ネジ穴を備えている。
レンズの保護性や防水性は無いものの、ケーブル端子やSDカードスロットを覆い隠すので防滴性は確保できる。
普通のフレーム枠ケースと共に防水ケースも付属。
こちらはしっかりと密閉されているため水中でも使用可能。仕様書を信じるならば30mまで対応しているはず。
防水ケースの構造はG○Proと似ている。
蓋には太いシーリングが施されている。実際、防水性は頼もしい。
機能
基本的に機能は以下の通り
- 静止画(12MP・8MP・5MP)
- 動画(4K 30p・2K 30p・FHD 60/30p・HD 30p)
- 連写
- インターバル撮影(撮影間隔調整可能)
- タイムラプス(撮影間隔調整可能)
- 静止画・動画再生
- 各種設定メニュー
初期設定は英語ですが、「language」から日本語を選択可能です。
操作は2ボタン(決定ボタン=シャッターボタン・送りボタン=電源ボタン)で行うため、タッチパネル対応機と比べて素早い操作は出来ない。スマートフォンからアプリで接続すると操作性は大きく改善します。
カメラの画質
レンズ仕様と露出傾向
「170°魚眼レンズ」であること以外を仕様書から確認することは出来ませんでした。
しかし、撮影したEXIF情報を見る限りではベースISO感度が100、レンズ口径はF0.8となっています。撮影時の光環境とシャッタースピード・ISOを考慮すると確かに明るいレンズっぽい。
ただし、低照度時はISO感度を優先してシャッタースピードを調整する傾向となるため屋内で動く被写体の静止画を撮ると被写体ブレを起こしやすい。
シャッタースピードが1/25~1/60秒あたりになるとISO感度のテコ入れが入る。動画撮影に最適化されているなと感じる自動設定。
静止画
手元にオリンパスの最新防水カメラ「Tough TG-5」があるので撮り比べ。
似たような解像性能のセンサーですが、TG-5の1/2.3型センサーはEKEN V50と比べてセンサーサイズがやや大きく、さらに画像処理エンジンも良好。4万円台の防水カメラだけのことはあるかなと言う画質。絶対的に言うと画質が良いのはTough TG-5で間違いない。
EKEN V50はベースISO感度でも全体的に輝度ノイズが発生しています。
ただし、画像の表示サイズ次第ではEKEN V50も十分実用的な画質。ウェブやL判程度ならそこまで違いを感じません。発色やホワイトバランスはまずまず良好。
明るいレンズのため屋内で画質低下が少ないのは良いポイント。
解像性能は中央がソコソコシャープで周辺は微妙に甘い。ただし、TG-5のように派手なパープルフリンジが出ないので高コントラストなシーンで使いやすい。
シャッタースピードの調整は出来ないため被写体に合わせて動きを表現しようと思うと難しい。
魚眼レンズのため遠景や風景で使うには難しい画角。
1200万画素から必要なフレームのみクロップして使うと良いかもしれません。
動画
4K 30p(の切り抜き)
1080よりもコントラストが低く見えるのは水しぶきのため
1080 60p(の切り抜き)
比較(4K-1080)
4Kのほうがより細部まで写っていますね。ノイズがやや多く、ファイルサイズは2倍となりますが解像感は4K有利。
参考:TG-5 4K
四隅の写りが良く、防水ケースを必要としないためコントラスト低下は少ない。
ノイズ低減はEKENよりも良好だが4Kの解像感は同程度。24mm相当の画角からクロップされ、電子手振れ補正を適用するとさらにクロップされる。広角で4Kを撮りたい場合は専用の魚眼・ワイドコンバージョンレンズが必要と感じる。
クロップ
タイムラプス
4Kタイムラプスに対応しています。
USB給電対応なので外部電源による長時間の撮影が可能。ただし、防水ケース・フレームケースどちらもUSB端子を覆ってしまうので別の固定方法を考える必要がある。
まとめ
ここがポイント
- 4K動画・タイムラプス対応
- 防水ケース・三脚・リモコンなど付属品が充実
- まずまず良好なホワイトバランスとAE
- 明るい170°魚眼レンズ・4K動画でもワイドな画角
- スマートフォンと連携可能
- USB充電・給電対応
- 日本語対応
「7,000円程度ながら普通に使える」というのが正直なところ。
撮影した静止画や動画をどうやって閲覧・公開したいのかが満足度の分かれ目。パソコンやタブレットで閲覧することが多いのであれば「価格なり」と感じ、スマートフォンなど表示サイズが小さい端末で閲覧すると「より高価な機材と違いが分かりづらい」となる。
家族や友人とのレジャー・旅行の記録用カメラとして使うには音質が心もとないものの、スポーツなどの動画素材用として導入するならコストパフォーマンスはソコソコ良好なはず。特にサーフィンなどカメラをロストしやすいスポーツにおススメ。
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