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EOS R レビュー ボタンカスタマイズ編

このページではややこしくなったキヤノンのフルサイズミラーレス「EOS R」のボタンカスタマイズに関するレビューを掲載しています。

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EOS R ボタンカスタマイズ編

インプレッション

今回はカスタマイズ紹介の前にざっくり感想を。

いい意味でもわるい意味でもシンプルでいちいち悩む必要が無かった従来のキヤノンカメラと比べ、EOS Rはカスタマイズがとても悩ましい。

悩ましいと感じる主な要素は以下の3点

  1. そもそも一眼レフとボタン・ダイヤル配置が異なる
  2. カスタマイズの項目・対応ボタンの増加
  3. M-FnバーやFvモードなど新機能との絡み

EOS一眼レフに操作性を近づけることは出来るものの、根本的に操作方法やボタン・ダイヤル配置が異なるため慣れるまで混乱すること必至。キヤノンっぽさは残っているので慣れてくると案外悪く無い感じ。

Fvモード、MODEボタン、M-Fnバーやダイヤルファンクションなど新機能が多い。何を優先してカスタマイズすれば良いのかまだ整理はついていない状態。一方を優先すると、もう一方が使い辛くなったり、バランスを取ろうとすると、全体的に使い辛くなったりする。

カスタマイズは撮影モード全てで共有され、これはC1?3も当てはまる。このため、「C1の設定ならこのボタン配置」「C2の設定なら…」ということは出来ない。特に特殊で専用操作が多いFvモード用カスタマイズすると、他の撮影モードでは全く機能しないボタンが多くなってしまうのは残念。

カスタマイズの自由度が高くなった点を評価できる一方、「ここまで自由度が高まったのに、なぜこのボタンにコレが割当られないのか?なぜこの機能がカスタムボタンに割当られないのか?」と暗に忖度されていると感じる部分があったりする。カスタマイズの満足度は85点。キヤノンらしいと言えば、らしいボタンカスタマイズ。

ただ、Fvモード用のカスタマイズするとEOS Rの操作がしっくりくるようになった。次回はFvモードに焦点あてて記事を書いてみる予定。

ポイント

  • 一眼レフとはボタン・ダイヤル配置が大きく異なる
  • カスタマイズ項目や対応ボタンは増えている
  • カスタマイズは各撮影モードで共有される
  • ボタンによって割当できない機能が複数ある
  • ホワイトバランスやドライブ機能をダイレクトに呼び出す機能が無い
    (ダイアルファンクションにまとまってしまい他の選択肢が無い)
  • M-Fnバーと被る機能が多い
  • 「動画」ボタンを削ると動画撮影までの手順が煩わしくなる

カスタマイズ対応ボタンの使い勝手

M-Fnボタン

カメラをグリップした状態で最も押しやすいボタンなので頻繁に使う機能を設定したい。

初期設定ではダイアルファンクションが配置されている。ダイヤルファンクションで5つの機能を操作できるため、そのままの配置でダイヤルファンクション内の登録機能を自分好みに再設定するのがおススメ。

しかし、何故かこのボタンにのみ割当可能な「カスタムモード切替」なる便利な機能が存在するので悩ましいところ。カスタムモードを駆使しているのであれば一考してみるべき価値がある。

RECボタン

M-Fnほどでは無いが、グリップした状態から押すことが出来る。比較的押しやすいボタン。

初期設定は録画開始ボタンだが、私はサーボAFとワンショットAFのクイック切り替え機能を配置している。

EOS Rは静止画モードと動画モードの切り替えに「MODEボタン→INFOボタン→動画モード選択」の3ステップが必要となる。咄嗟の動画チャンスに対応できない可能性があるので、静止画からダイレクトに録画開始できる機能はどこかに配置しておくべき(動画が必要ならば)

点灯ボタン

RECボタンと比べてさらに押し辛い小さなボタン。グリップした状態で届かなくも無いが、あまり頻繁に使う機能を設定したくない。

EOS RはMODEボタンもカスタマイズできるため、ここにMODE機能を配置しても良い。

ちなみに私はEVF/LCD切替機能を配置。

MODEボタン

なんとこのボタンもカスタマイズ可能。これまでのキヤノンカメラを考えるともはや別次元の自由度と言えるでしょう。

とは言え、ここにMODE以外の機能を割り当てると、他のボタンにMODEを割り当てる必要が出てくる。他のボタンにMODEを割り振るのも持ったないので結局はこのポジションがベスト。

せっかく電子制御なのだからQメニューから露出モードも選択できるようになると良かった。

AFONボタン

カメラをグリップした状態で親指を使って操作する。いわゆる「親指AF」を使うときのボタン。

普通にグリップした状態だと、親指の場所よりも少し外側に配置されているため微妙に押し辛い。親指の腹で押すというよりは親指の側面を使って押し込む感じ。

とは言え、カメラをグリップした状態で自然に押すことが出来るのはM-Fnボタンとココのみ。割り当てる機能はしっかり検討しておきたい。カスタムするならまずココとM-Fnから設定を変更し、他のボタンで残った機能を補うのが良いかもしれない。

AELボタン

EOS一眼レフと言うよりはEOS Mシリーズの配置。正直に言うと押し辛いので多様する機能を登録するのは躊躇われる。

ただし、ISO変更機能(ダイヤルファンクションを除く)を割り当てることが出来るのはこのボタンとAFONのみ。ISOを変更する頻度が高いのであればココに割り当てておきたいところ。

測距選択ボタン

AELボタンと同様、EOS一眼レフと比べて押し辛いボタン配置。AELと違いISO変更機能は割り当てることが出来ない。

十字キー

以前まではダイレクト選択のオンオフしかありませんでしたが、EOS Kiss Mよりカスタムボタンとして割当が可能となっています。ここにEOS Mのような配置で各種機能を使うことができる。

SETボタン

EOS Rは十字ボタンの中央も変更可能。初期設定されているQボタンは別のボタンに割り当てることが出来るし、タッチパネルから呼び出せるのでQボタンを配置しないという選択肢もアリ。その分、他に使いたい機能を割り当てることが可能。

ボタンカスタマイズ機能一覧

カスタムボタン設定はモード依存しない

カスタマイズしたボタン設定は撮影モードに依らず一定となる。このため、最初にカスタムボタンを自分好みに設定してからカスタム撮影モード用にその他設定を構築すると分りやすいはず。

レリーズボタン

  • 測光・AF開始
  • 測光開始
  • AEロック

その他ボタン

色分け:十字キー割り当て不可AF-ON/AEL/LENSのみ割当可M-Fnのみ

  • 測光・AF開始:レリーズボタン半押しと同機能。RECやMODEボタンにも登録できるため、もはや「親指AF」とは言えないかもしれない。
  • AF-OFF:読んで字のごとく。レリーズボタンを押すことを考えるとカメラ背面のボタンに配置するのが妥当。
  • AEロック・AF停止:1点AFで測距後にカメラを振るような撮り方の場合に重宝する機能。
  • AFフレーム選択:ダイヤル操作やタッチ操作でAFフレームを移動できる画面へ移行する。M-Fnボタンを押すことでAFフレームを変更することも可能。ただ、ボタン・ダイヤル操作が多くかなり面倒くさい。
  • AFフレーム中央戻し:AFフレームを一発で中央に戻す機能。フォーカスエリアが広いEOS Rではどこかに登録しておきたい。カスタム不可の「ゴミ箱ボタン」に同様の機能があるため、ボタン配置に不自由していないのであればカスタマイズボタンに登録する必要はない。
  • AF方式ダイレクト選択:ボタンを押すごとにAFエリアを切り替えることが可能。使いやすそうだが、M-Fnバーを使った方が素早く操作可能。
  • ワンショットAF・サーボAF切替:ボタン一発でワンショットAFとサーボAFを切り替えることが可能。とても重宝するのでどこかに設定しておきたい。
  • タッチ&ドラッグAF:タッチ&ドラッグAF機能をオン/オフに設定する機能。
  • 瞳AF:上と同じく、瞳AFを設定する機能。
  • フォーカスガイド:上と同じく、フォーカスガイドを設定する機能。
  • AEロック:読んで字のごとく。ワンショットで解除される。
  • AEロック ホールド:読んで字のごとく。こちらはボタンを再度押すまで固定される。
  • AE/FEロック:同上のFE対応版。
  • 露出補正 押しながら:読んで字のごとく。設定できる箇所が少ないため、必要であれば優先的に配置したい。
  • ISO感度設定 押しながら:同上。
  • ストロボ機能設定:読んで字のごとく。
  • FEロック:読んで字のごとく。
  • 動画:静止画撮影モードで動画の録画を開始する機能。動画撮影モードは「C3」に固定されているので予め設定しておきたい。また、録画停止する際は「動画」を設定したボタンではなく、「録画ボタン」を推す必要があるので注意。
  • ダイヤルファンクション設定:複数の設定項目を一度に5項目まで呼び出すことができる機能。ISO変更をここに設定するのもアリ。
  • 表示/パネル照明:カメラ右肩のサブモニタを低照度でも見やすいように点灯する機能。
  • 表示パネル情報切り替え:サブモニタの表示方式を切り替えることが出来る。
  • 撮影モード設定:撮影モードの切り替え画面を呼び出す機能。サブモニタにも表示されるため、ファインダーやモニターを見続ける必要がない素晴らしい使い勝手。十字キー以外に割り当て可能ですが、MODEボタンに配置するのが無難。
  • カスタム撮影モードに切り替え:M-Fnボタンにのみ割当可能な機能。ボタンを押すとC1→C2→C3→元の撮影モード→C1と巡回する。割と便利な機能だが、なぜM-Fnボタン限定なのか理解に苦しむ。
  • 絞り込み:作動時のみ絞り羽根が設定値まで動作する機能。一眼レフではシンプルな機能だったが、EOS Rの設定次第ではこのボタンを押している時のみ露出シュミレーションが動作するようにも設定できる。使い方によっては面白い機能。
  • Fvモード時、選択項目をリセット:新機能「Fv」のみ動作する。Fvを使いこなすには必須となる機能だが、ボタンカスタマイズが撮影モード全域で共有されるEOS Rでこの機能を配置するのは難しい。Fvモード特化のEOS Rシステムを作る覚悟が必要。
  • Fvモード時、TvAv±ISOリセット:同上。
  • クイック設定画面:Qメニューを呼び出し可能。一度呼び出すと、同じボタンでメニューを閉じることは出来ない点に注意。
  • 拡大縮小:読んで字のごとく。
  • メニュー表示:面白いことにメニューボタンを配置可能。カスタム不可のMENUボタンがカメラ背面左上に配置されているが、右手で操作し辛いと感じたらカスタムボタンに配置すると良いでしょう。おススメは十字キーのどこか。
  • 記録画質選択:読んで字のごとく。
  • ワンタッチ記録画質切替:読んで字のごとく。ワンショットで切替前に戻る。
  • ワンタッチ記録画質切替 ホールド:読んで字のごとく。再度ボタンを押すまで継続する。
  • ピクチャースタイル選択:読んで字のごとく。Qメニューやダイヤルファンクションでも呼び出し可能。
  • プロテクト:読んで字のごとく。
  • レーティング:読んで字のごとく。
  • フォルダ選択:読んで字のごとく。
  • モニターを一時的に明るくする:PENTAXのアウトドアモニターに近い。一時的にモニター輝度を増すため、屋外での視認性が向上する。メニュー画面やプレイバック中も持続するのでおススメ。十字キーに割り当てておくと良いでしょう。
  • ディスプレイオフ:読んで字のごとく。
  • 画面の表示先切替:読んで字のごとく。これはカメラ左側に専用ボタンを配置して欲しかった…。
  • ECO:読んで字のごとく。
  • WiFi機能:読んで字のごとく。
  • OFF

一眼レフのようにホワイトバランスやドライブを変更できるシンプルな機能がありません。ダイヤルファンクションにまとまってしまってしまい、それに代わる選択肢が無くなった模様。

カスタマイズ例

管理人のEOS R

以下の設定値でM-Fnバーに「AF/ISO AUTO/ISO 100」を設定。

レリーズボタン AF・測光開始
録画ボタン ワンショット・サーボ切替
M-Fnボタン ダイヤルファンクション
照明ボタン 動画
MODEボタン 撮影モード切替
AF-ONボタン AEロック・AFオフ
AELボタン ISO変更 押しながら
フレーム選択 拡大縮小
レンズボタン AFオフ
十字キー 上 一時的にモニターを明るく
十字キー 左 Qメニュー
十字キー 右 ピクチャースタイル
十字キー 下 メニュー表示
SETボタン AFフレーム中央戻し

フレキシブルAE用

以下の設定値でM-Fnバーに「AF/AWB C-A/拡大縮小」を設定。Fv用ボタンカスタマイズにすると他の撮影モードではとても不便な状態となる。撮影モード変更機能を潰して自分好みの機能をもう一つ付け加えてしまうのもアリ。

カスタムモードC1~3をFvモードで揃えて各種設定値を記憶させておく(Fvモードで設定した露出値や選択項目はカスタムモードに記憶される)。そして、カスタムモード呼出機能を使うことで、状況に応じた素早い操作が可能となる。これが意外と使い勝手が良く、Fvモードへ移行を真剣に検討中。ただ、FvモードではISO感度の限界速度設定が無効となるのが悲しい。

レリーズボタン AF・測光開始
録画ボタン ワンショット・サーボ切替
M-Fnボタン カスタムモード切替
照明ボタン Fv ALLリセット
MODEボタン ダイヤルファンクション
AF-ONボタン Fv 項目リセット
AELボタン 露出補正 押しながら
フレーム選択 拡大縮小
レンズボタン AFオフ
十字キー 上 一時的にモニターを明るく
十字キー 左 Qメニュー
十字キー 右 ピクチャースタイル
十字キー 下 メニュー表示
SETボタン AFフレーム中央戻し

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