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ソニー α7 IV 徹底レビューVol.6 ファーストインプレッション

ソニー「α7 IV」のレビュー第六弾を公開。今回は一週間ほどα7 IVを使ってみて感じた良いところ、悪いところをピックアップ。

α7 IV レビュー一覧

操作性

Fnダイヤル搭載が便利

これまで露出補正ダイヤルだったものがカスタマイズ可能なダイヤルへと変化。従来通り露出補正としても使えるうえ、目盛りが無いので「±5」まで操作することが可能だ。カスタマイズは他のコマンドダイヤルと同等の自由度があり、例えばフロントダイヤルやリアダイヤルの役割をFnダイヤルに移動させることも可能である。

物理ダイヤルが一つふえ、カスタマイズできる機能も従来より増加している(詳しくはカスタマイズ編で紹介したい)。JPEG出力がメインであれば、素早くプリセットを変更できる機能を登録したり、AFを重視する場合は素早くフォーカスエリアを変更する機能を割り当てることも可能だ。マニュアルモードでは「絞り」「ISO感度」「シャッタースピード」のほかに一つ機能を割り当てられ、他の露出モードと設定を分けることもできる。

静止画/動画/S&Q切替レバーは操作し辛い

「静止画/動画/S&Q切替レバー」はFnダイヤルと同じくα7 IVで初めて実装したコントロール。これまでモードダイヤルで切り替える必要があった動画モードやS&Qモードへ素早く以降することができる。特に動画モードで「P/A/S/M」を素早く切り替えることが出来るようになったのは大きい。従来通り、静止画とカメラ設定の分離が可能なほか、引き継ぐ設定をカスタマイズすることもできる。

レバーにはロック解除ボタンがあり、これを押しながら操作しないとモードを切り替えることが出来ない。これが非常に操作し辛く、直感的な操作ではロック解除ボタンを解除し損ねる機会が多かった。

自由度の高いボタン・ダイヤルカスタマイズ

従来通り豊富なボタンカスタマイズを利用可能だ。初期設定から自分好みのカメラに仕上げるまで時間はかかるが、煮詰めれば他社のカメラの操作性に近づけることも出来る。前述したとおり割り当てられる機能が増えたうえ、機能が動作するまでのレスポンスが向上している。特に「押す間カスタム設定呼び出し」などの機能が使いやすくなっていると感じる。

カメラのレスポンスが格段に良くなった

ボタン操作のみならず、カメラのレスポンスが従来機よりも遥かに向上している。ボタン操作、タッチ操作、ダイヤル操作、起動時間、フォーマットなど、とにかく全ての動作速度が向上している。これもBIONZ XRプロセッサのおかげなのだろう。これを体験してしまうと、BIONZ Xプロセッサ搭載機に戻れなくなると思う。

起動時間はご覧のように非常に高速。起動後に操作を受け付けない時間はほとんどない。

まだまだ複雑なメニューシステム

BIONZ XRプロセッサによる改善点の一つとして「メニューシステムの刷新」がある。従来の水平デザインから垂直デザインへと大きく変化し、さらに機能ごとに色分けされ、第2層・第3層まで一度に確認できる見やすいレイアウトとなっている。さらにタッチ操作にも対応しており、画面右下に「MENU 閉じる」ボタンを配置している。これで左手でMENUボタンを押すことなく、右手で閉じる機能を利用できるようになった。

古いメニューシステムと比べて間違いなく改善している。しかし、一つ一つの項目は従来通りの機能・操作性であることが多い。さらに「これは一つにまとめても良かったのでは?」という部分が多く残っており、まだまだ改善の余地は残されている。また、第三層のページ数が多いのも気になる。

携帯性

握りやすいグリップ

グリップの形状は第四世代らしく、大きく握りやすい。握った感触ではα7R IVと変わりない。カメラプレートやバッテリーグリップも共有可能だ。ただし、L型ブラケットはバリアングルモニタと干渉する可能性がある。

グリップとレンズの空間に余裕がない

高性能・高機能化しているが、ボディサイズはほとんど変わらない。従来通り、レンズとグリップの間隔が狭い。素手で握るのに問題はないが、厚手のグローブを装着すると窮屈と感じる。もちろん右手中指で押すことが出来るFnボタンは存在しない。右手で操作できるコントロールが多いのは歓迎すべきことだが、中指で操作できるコントロールが無いのは要改善点だと思う。

バッテリー

USB-PDによる高速充電

USBポートは従来通りUBS-C・Micro USBの2系統を搭載。USB-CポートはUSB-PDによる急速充電に対応しており、対応する高出力のアダプターを使えば従来よりも短い時間で満充電が可能だ。USB-PDに対応していないアダプターでも充電することは出来る。
ただし、これまでのようにMicro USB側で充電することができない。Micro USBはリモートコントロール用だ。

バッテリー消費が増えた

バッテリーは従来通りNP-FZ100バッテリーを使用。スペックシートを確認する限りではα7 IIIよりも撮影枚数が減っている。実際に使用してみると、明確に減った印象は無いが、確かに減りが早いように感じる。

機能性

バリアングルモニタだが低解像

α7S IIIやα7Cに次いで3台目となるバリアングルモニタ搭載のα7シリーズだ。従来のチルトモニタと比べて縦位置のローアングルやハイアングルに強く、自撮りなどにも対応している。チルトモニタのように素早く傾けることは出来ないが、柔軟性は高い。

バリアングルモニタの搭載は歓迎すべき点だが、残念ながら解像度が低い。α7 IIIの92万ドットよりは良好だが、104万ドットのモニタで「大きく改善した」とは感じない。同価格帯のカメラが162万ドットや210万ドットのパネルを使用していると考えると物足りなさを感じる。

CFexpress A & SD UHS-IIカードスロット

α1やα7S IIIと同じく、二つのカードスロットはそれぞれSD UHS-IIとCFexpress Type Aカードに対応している。高速書き込みが必要無ければSD UHS-IIを使えばいいし、高速連写を重視するのであればCFexpressカードでバッファクリアを改善することが可能だ。少なくともSD UHS-IIでも5~10秒くらいの連写であれば良好な連写速度・枚数が得られる。それ以上の連写や高速バッファクリアが必要であればCFexpressカードが必要となる。

出来ればCFexpress Type Aカードがおススメだが、流通量が多いSD UHS-IIと比べて遥かに高価で、対応するカードリーダーも1万円近い。SD UHS-IIとの価格差を考慮すると、価値を感じる人はそう多くないと思う。個人的にはSD UHS-IIで十分だ。

オートフォーカス性能

最新のAFアルゴリズムを搭載。リアルタイムトラッキングに対応したほか、低照度でのフォーカス性能も向上しているように感じる。シビアな被写体や、連写時のフォーカス性能は積層型CMOSセンサー搭載モデルに敵わないが、カジュアルな撮影では十分に満足のいく性能だ。

人物瞳AFと動物瞳AFは切り替える必要があるものの、検出精度はなかなか良好。瞳が隠れてしまうと無力だが、瞳が検出できるうちは非常に強力である。とは言え、個人的には身体や頭部を検出できるパナソニックやキヤノンの被写体認識が使いやすいと感じた。

リアルタイムトラッキングは追従し始めると強力だが、初動の検出速度はキヤノンの被写体認識が良好だ(特に瞳や顔が検出できない場合)。将来的に被写体検出機能の実装に期待したい。

10コマ秒の連写には条件あり

α7 IVは最大10コマ秒の連写速度に対応しているが、RAW出力は「圧縮RAW」に限定される。「ロスレス圧縮RAW」「非圧縮RAW」の場合は自動的に最大速度が6コマ秒まで低下してしまう。RAW出力形式は自動的に切り替わらないので、メニュー画面からRAW形式の変更が必要だ。
このRAW形式によって連写速度が低下するのはα7 IVだけの話ではなく、α7R IVでも非圧縮RAWの連写時は連写速度が低下する。BIONZ XRプロセッサによる処理速度向上で対応できなかったのだろうか…。

相変わらずセンサーゴミが付きやすい

ソニーの上位機種やキヤノンの最新モデルのように、電源オフ時にメカニカルシャッターを閉じることでセンサー面へのゴミ付着を予防する機能を搭載している。これは初期設定でオフとなっているので、必要であればオンにしておきたい。

残念ながらセンサーの除塵機能は相変わらず手ぶれ補正ユニットを使ったセンサーシフト式だ。手動でクリーニングを実施する必要があり、電源オンオフ時に自動的に除塵ユニットが動作する仕組みは無い。手持ちのα7 IVは購入から1週間程度で目立つ小ゴミが付着した。シャッター幕による保護機能はあまりアテにならない。

望遠側の手ぶれ補正能力はイマイチ

手ぶれ補正はα7 IIIと比べて0.5段ぶん向上しているものの、目に見えて改善している印象はない。広角で1/5秒での撮影が可能となり、キヤノンやニコンのボディ内手ぶれ補正に近づいた感じはある。とは言え、レンズ側との協調補正にはいまだ対応しておらず、標準域以降はキヤノンと比べて補正効果に差がある。実際に使ってみた印象としては1~1.5段くらいは使い勝手が異なる。

フォーカス動作中にライブビュー画質の低下

ファインダーの解像度はα7R III並みに向上したが、高画質でファインダー体験を得るにはバッテリー消費の代償がついてくる。さらにフォーカスを動作させるタイミングで僅かに画質が低下するように見える。大問題とは感じないが、撮影体験の中で少し引っかかるポイントだ。

画質

柔軟性が高いクリエイティブルック

α1やα7S IIIと同じく、従来の「クリエイティブスタイル」が無くなり、新しいプリセット群となる「クリエイティブルック」を搭載。これまでよりも低コントラストや低彩度の選択肢が増え、今どきらしい絵作りのプリセットが増えている。プリセットによっては色相に傾きがあり、従来とは異なる色表現を楽しむこともできる。

調整できるパラメータは従来の3種類から8種類まで増え、さらに細かく数値を設定することが可能となっている。設定値が増えたぶん、自分好みの最適な設定にたどり着くのが難しくなったが、JPEG出力にこだわりたい人には面白い機能であることは確か。

従来通りの高ISO感度・ダイナミックレンジ性能

α7Cやα7 IIIの裏面照射型CMOSセンサーと比べて劇的に進化しているようには見えない。3000万画素のCMOSセンサーとしては健闘していると思うが、過信は禁物だ。ダイナミックレンジも従来通り良好で、ハイライトが良く粘り、シャドウの復元も良好に見える。

まとめ BIONZ XR万歳

このカメラのキャッチコピーである「beyond basic」の”ベーシック”が「α7 III」にかかっているのだとしたら、文字通りのカメラだと思う。ベーシックモデル以上の価格で、ベーシックモデル以上の価値を備えたカメラだ。

α7 IIIと比べると少し高価だが、BIONZ XRプロセッサ搭載によって全体的に処理速度が改善し、コントロールをはじめ、撮影体験の質が向上していると感じる。起動時間が大幅に短縮しているので、不意に訪れたシャッターチャンスに対応しやすくなっている。RAW画質に大きな変化は感じられないかもしれないが、α7 IIIから乗り換える価値は大いにある。
Fnダイヤルや静止画/動画の切替レバーは同シリーズにとって歓迎すべき大きな転換点であり、今後のα7ボディデザインに大きな影響を与えると思われる。

それでも「30万円に近い価格設定が妥当かどうか」はよく考える必要がある。30万円もあればα7R IIIやα7R IVの中古が入手できる価格帯だ。解像性能や画質を重視するのであれば、Rシリーズを検討する必要があるだろう。もしもα7 IIIで満足しているのだとしたら、差額はレンズ購入に充てたほうが充実したカメラライフを送れるかもしれない。
また、競合他社のベーシックモデルと比較して、モニタが低解像だったり、センサーの除塵ユニットを搭載していなかったり、煮詰まっていないメニューシステムなど、30万円のカメラとしては気になる点もある。

2018年当時に「α7 III」があの価格で登場した衝撃と比べるとパンチは弱い。決して「コストパフォーマンスが良いカメラ」とは言えず、「価格相応の良いカメラ」どまりだと思う。
私がα7 IVで得た好感触はBIONZ XRプロセッサによるところが大きい。もしもα7 IVよりも低価格でBIONZ XRプロセッサ搭載モデルが登場したら、そのカメラをおススメすると思う。

良いところ・悪いところは色々あるが、2022年1月の時点で、BIONZ XRプロセッサ搭載モデルとして最も手ごろな価格のボディに違いない。快適な処理速度、CFexpress Type Aカードによる快速バッファクリア、破壊衝動を覚えない起動速度、新鮮なクリエイティブルック、改善が見られるメニュー・タッチインターフェースを味わってみたいのであれば、おススメしやすいカメラである。

ILCE-7M4
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作例

カメラのおさらい

カメラの特徴

  • 商品ページ/仕様表
  • データベース
  • 管理人のFlickrアルバム
  • 発売日:2021-12-17
  • 売り出し価格:296,010円
  • イメージセンサー:
    ー有効画素数:約3270万画素
    ーローパスフィルタ:あり?
    ー裏面照射型:対応
    ー手ぶれ補正:5.5段分
  • プロセッサ:BIONZ XR
  • AF:
    ーAF方式:ハイブリッド
    ー測距点:759点
    ーカバーエリア:約94%
    ー検出機能:瞳AF(人間・動物・鳥)
  • 動画:
    ー4K:~60p(Super35mm)
    ーFull HD:~120p
  • ファインダー:0.5型 369万ドット OLEDパネル
  • モニター:3.0型 104万ドット バリアングルモニタ
  • 通信機能:2.4/5GHz Wi-Fi・Bluetooth 4.1 LE
  • 対応メディア:CFexpress A・SD UHS-II
  • バッテリー:NP-FZ100
  • サイズ:131.3×96.4×79.8mm
  • 重量:658g

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