まえがき
標準レンズは単焦点でカバーする(FA50mm・DA★55mm)
とか最初は思っていたものの、「やっぱりズームは必要だよね。」と早々に方向転換してK-1の購入より3日後にAmazonでポチ。
発売前のリーク情報が一切出ない中で、突如としてK-1と共に発表されたフルサイズ対応の標準ズームレンズだ。写真家による前評判通り、「何となく作ったズームレンズ程無難に良く出来上がっている」というペンタックスらしいレンズだと感じる。
写りは上々だけども、やや物足りない部分もあり…というポイントを以下につらつらと
外観
見た目は『smc PENTAX-DA 18-135 ED [IF] DC WR』に似ており、鏡筒の直径は同じで長さが1cmほど長くなっている。
おなじみの緑鉢巻にピントリングが手前に配置されている今時なデザイン。
サイズは似ているが、そのイメージサークルはフルフレームに対応している。「D FA」のマークが左側に光っている。
望遠端105mmにズームした時の鏡筒。そこまで長くならないが、びょーんと伸びる鏡筒ではある。
レンズ個体に差はあるかもしれないが、18-135mmと比べてズームリングが重く自重で伸びるという事は無かった。
鏡筒が伸び縮みするレンズなので、粉塵に吸い込みが気になる所。とは言え、18-135mmも「WR」と防塵性能は無いものの、頻繁にズーム操作をしても細かい塵の混入は僅かだった。
タムロンなどの安価なズームレンズのようにノーガート戦法では無いので、比較的粉塵の混入は少なそうだ。
フードを装着。元々逆光性能は低くない・SPコーティングでメンテナンス性も高いので、フード無くても問題なさそうだが携帯性を損なう物でもないので装着しっぱなしに。標準ズームレンズにフードが付属されているのはアタリマエ、と思っていたのだがEOS 80Dを買った時は18-135USMには付いていなかったと言う。フードが付属品というのは何気に有り難いのかも?
実写
通常撮影
開放F5.6の望遠端で撮影。ヤギの毛並みをしっかり描き切っている。
K-1に付属するRAW現像ソフトでTIFFに変換した後、Lightroomで後処理(色調整のみ)をかけた。
今回は併せて掲載はしないが、(古い)Lightroomで直接RAWを取り込むと色収差でやや鮮鋭度が落ち込んでいる。ボディの撮って出しJPEGでも色収差の補正をオンにするとスッキリシャープになっているので、ある程度デジタル処理が必要と言うことだろう。
K-3シリーズのようにAPS-Cに慣れていたので、このF値で背景のボケ量が大きいのは素晴らしいと感じる。
やはり「ただが標準ズーム」だけれども「されどフルサイズの標準ズーム」。APS-Cやマイクロフォーサーズの凡庸F値のズームレンズではこうボケを作ることは出来ない。
望遠端の開放でも問題無くイケるので、結構この画角を使う頻度が高い。
大口径ズームレンズでは70mm程度までしか寄ることが出来ないので、その点105mmまでカバーしているのは便利。F値が明るい必要がなければ、24-70mmよりもこちらの方が使い勝手は良いだろう。
広角端でも描写は良好。
さすがに手持ちのD FA15-30mmと比べてしまうと苦しいが、しっかり絞れば検討している。周辺の流れは極僅かで、コントラスト強目の部分でカラーフリンジがやや発生している程度。
しかし、この様な竹林を撮影するにはやはり広角24mmが欲しくなるところ。28mmでは「あと一息!」という場面が多かった。広角を欲張らずに画質優先をした、とも取れるものの、いざ広角24mmなシーンに出くわしてしまうと悶々とする。
と言うことで『HD PENTAX-D FA15-30mm F2.8 ED SDM WR』は携帯するようにしている。
トリミング耐性
まずは、いつもの野良猫をパチリ。望遠端の開放絞りという事で、画質的にはズーム全域においてやや描写が劣る方で撮影したみた(広角側とあまり差はないが)。
背景がざわついているが今回は割愛。リサイズ無しにトリミングしたものが以下の写真。
細かい毛を一本一本描き切っているので、これでも結構使えそうだ。試すのを失念していたが、これにリアレゾで撮影出来ればさらに先鋭さを増してくれる。
白トビも良く粘る方だと思う。ハイライトを落とせばディテールが浮かんでくるので、K-1の広いダイナミックレンジとマッチしている。
最短撮影距離・最大撮影倍率
購入を検討している方の中には「最短撮影距離」「最大撮影倍率」が気になる方が居ると思う。
0.5mの接写で最大撮影倍率は0.22倍。確かにタムロンのA09(SP AF 28-75mm F2.8=0.39倍)などと比べると接写性能はあまり高くは無い。とは言え、105mmの望遠端で接写ギリギリまで近寄ることが出来ればそこまで不満を感じない。
特にAPS-Cクロップモードで使えば0.33倍まで寄ることが出来る。
ただし、望遠端の絞り開放で接写はやや甘いかな?と感じる。と思ったが、前述した様にLightroomにRAW直読みしたのが悪かったかもしれない。
問題は広角端でパースを付けた場合で、この場合にはやや使い勝手が落ちる。
特に花や昆虫などを大きく写すには難しく、パースを付けたいがゆえに画角が狭くなるクロップモードは使えない。この点は割り切って使うしか無いだろう。
ただし、ある程度被写体が大きくなる動物程度であればあまり不満を感じずに使うことが出来る。
しかし、フォーカシングは爆速という訳でも無いのでコンティニュアスAFが動物の動きについていけない事もしばしば。ヤギ程度であればもっさりした動きなので追従出来るが、それでも接写しようと思うと案外大変だった。
まとめ
不満があるとすれば、広角端での接写性能と広角28mm始まりという点のみ。
普段使いの標準ズームとしては画質やハンドリングは上々。望遠端がソコソコ長いので、旅行にはコレと広角ズームでなんとかなるだろう。
最新のD FAレンズの中では最も安い(D FAマクロ2本を除く)ので、来年の単焦点まではひとまずこのズームレンズとFA単焦点でしのぐ事も出来そうだ。
他の大口径ズームや単焦点と違って、個性的な性能や描写では無いものの「堅実な一本」と感じる。良いところも悪いトコロも含めて実にペンタックスらしいズームレンズ。
K-1ユーザーなら是非
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