このページではLeofotonoビデオ雲台と運用に最適なレベリング雲台内蔵三脚のレビューを掲載しています。
Index
はじめに
Leofotoのポケット三脚シリーズ「MT-03」を購入&レビューで?ワイドトレードとご縁ができ、今回は「三脚+雲台の商品モニター」と言うことで無償提供して頂いたものです。
良いところは褒めるし、悪いところは指摘する。金銭授受の無い純粋なモニター記事としてどうぞご覧くださいませ。
Leofotoとは
- Leofoto公式
- ?ワイドトレード(国内正規代理店)
- デジカメwatch Leofoto現地視察 特集記事
ここ最近、国内での知名度が急上昇している中国の三脚メーカーです。もともとOEMの三脚製造を手掛けるメーカーでしたが、2014年にLeofotoという会社を設立しブランドを確立したそうな。
三脚の多くはカーボン製(今回手に入れたようなミニ三脚は除く)で、三脚や雲台の材料は日本の東レや日本精工などから仕入れているらしい。そのあたりは上記デジカメwatchの記事にかなり詳しく書かれているのでおススメ。
デザインはアメリカの三脚メーカー「Really Right Stuff」に三脚・雲台ともに酷似しており、正直に言えば「似にせた」感がかなり強い。とは言え、本家よりも安価で一定の評価を得ているため今に至る。レビュー内でも書いていますが、三脚のとしてのクオリティはとても高いので「これぞLeofoto」と言えるオリジナルデザインを追求して欲しいところ。
Leofoto BV-10+LS284CEXレビュー
製品の確認
LS-284CEX
基本は脚径「28/25/22/19mm」のカーボン製中型三脚「LS-284C」。
GITZOで言えば2型システマティック(国内では10万円程度で流通している三脚)に相当するクラスですが、GITZOと比べて半値以下とコストパフォーマンスはとても良好。
「レンジャーシリーズ」らしく、センターポールを切り捨て三脚の収納性や軽量化に成功している。カーボン素材と相まってサイズ「最大径28mm+全伸長1,452」の割には1.30Kgと非常に軽量。同じセンターポール無しの「GITZO?GT2542LS」と比べても480gほど軽量です。
さらにレベリングベース(自由雲台のような機構を持つ架台)を内蔵して、ビデオ雲台のパンニング(静止画で言うところの流し撮りのような動作)で水平を出せるようになっている。
BV-10
LS-284CEXと同じく、国内で流通し始めたLeofoto製ビデオ雲台の初モデル。海外ではVT-20という本格的なモデルがあるものの、コンシューマーレベルならこれで十分でしょう。
カウンターバランスに対応した金属製の雲台。スペックだけで言えばこの価格帯のビデオ雲台としては一般的。ただし、「4Kg」と比較的強力な反発力の代わりにOFF設定が無いため、トルクノブで調節が必要となってくる。(そのあたりは後述)
三脚ケース
全面に緩衝材が入った三脚ケースが付属。緩衝材はソコソコ厚い素材となっているので、多少ラフに扱えそうな印象、国産三脚メーカーのものより良い感じ。
開封チャックはケース中央では無くサイドポケット寄り。三脚を収納してテンションがかかった状態でも開けやすい配置となっている。地味に好感が持てるポイント。
サイドポケットには、付属品のスパイク石突と六角レンチ、カラビナが入っている。ケース・付属品を考慮するととてもリッチな三脚ケース。
付属品
スパイク石突
三脚に装着されている石突の他、スパイク石突が付属している。
防塵・緩み防止用のガスケットが施され、中央の穴を利用することで六角スパナ要らずで固定することが可能。
相場2?3,000円の石突では無く、4?5,000円で売ってそうなクオリティ。
スパイク石突に被せるゴム製カバーがあれば完璧だったのだけど、そこまで望むのは贅沢というものでしょう。
レンチホルダー兼カラビナ・その他
石突の他に、説明書や六角レンチ、そしてカラビナ兼六角兼栓抜きとなっているアイテムが付属。
なんと栓抜きが付いている。アウトドアで「栓抜き忘れた!」という局面を想定しているのでしょうか。
三脚 LS-284CEX
外観
レンジャー LS-284CEX | |
全伸長 | 1,475mm |
最低高 | 85mm |
収納高 | 545mm |
脚径 | 28/25/22/19mm |
段数 | 4 |
重量 | 1.30Kg |
耐荷重重量 | 10Kg |
全高
最伸長はセンターポールが無いぶん控えめだが、センターポールを伸ばさない前提であれば他社の中型三脚と同程度。
脚立を使わずに三脚を利用するような状況なら全高147cmもあれば私は十分。
重量
カーボン三脚と言うこともあり、サイズの割に軽量で扱いやすい。やはりセンターポールが無いことで、同クラスの中型カーボンと比べて0.5Kg前後は軽量となっている。
センターポールを省略することで体積・重量を大幅に減らすことが出来たのがこの「LS=レンジャーシリーズ」。
質感
外観は無駄な装飾が無く質実剛健。カーボン製の脚は東レ製カーボン原料を採用していると言われている。カーボンは贅沢な10層巻きで外側4層はクロス巻きで強度を高めている。
金属パーツは鋳造よりも精度や衝撃に強いアルミ削り出しパーツを多用。さらにアルマイト塗装が施され傷が付きにくくなっている。
デザイン
正直なところ、デザインはReally Right Stuffとの類似点を否めない。モノが良いのだからここまで似せることは無かろうに…。と思ってしまう。
Leofotoのクオリティが悪いと言う訳では無いので、今後トップブランドを目指すLeofotoがオリジナリティを確立するのに期待したいところ。
脚
脚径
上から順に28/25/22/19mm。最も大きな脚径だけでなく、最小脚径まで細かく掲載するところにLeofotoの良心が見える。
脚は最小径まで伸ばしてもしなりは少なく、ガタツキは無い。
ロック
ロック機構はナットロック式。
レバーロック式と比べて手間と感じるかもしれないが、脚の組付け精度が良いためか、そこまで回転角を要せずに固定・リリースの操作が可能。
流行りのツイストロックと比べ、回転角に差異は無い。
脚の分解
ロックナットを最後まで緩めることで簡単に脚を外すことが可能。
砂や水が混入したとしても簡単にメンテナンスをすることが出来る。うっかり脱落するパーツが無いので撮影現場で気兼ねなくメンテナンスできるのはGood。
これでGITZOのようにスペアパーツごとに補充できると最高なのだけど…。
脚の開閉
開閉のロックは付け根のレバーを引っ張り上げることで解除できる。引き上げた状態から勝手に元に戻らないので落ち着いて操作することが可能。
購入初期は開閉動作がとても重くなっているが、付け根の六角穴付きボルトで調整することが可能。
天蓋と付け根の間には一般的にステンレスワッシャーを使用しているが、
石突
ゴム石突
初期装備の石突はやや硬質。「これ、ゴム製なのか?」と疑ってしまうほど、ゴム製と言うよりは金属に近いしっかりとした質感。ネットで調べる限りではほとんど金属パーツらしい。重量のある機材を載せた時の安定感はとても良いとのこと。
表面がツルっとした形状のため、抵抗が小さくフローリングやタイルなど滑りやすい環境に弱い。接地面積が小さいのでフラットなコンクリートなどでも、ビデオ雲台の抵抗が強い状態でパン動作を絡めると脚がズレる可能性あり。
特に軽い機材を載せる場合には注意したいポイント。
スパイク石突
前述したとおり、スパイク石突としては全く問題無い作り。タイルやフローリングでもない限り、ゴム石突ではなくコチラを常用しても良いくらい。
(別売)大型石突
ゴム石突より滑りにくい大型石突を別途購入。付属スパイク石突と同様、ガスケットが施されしっかりとした作り。
接地面積が遥かに広いため、安定性は雲泥の差。それでも載せる機材が軽すぎると感じる場合は大型石突のゴム部分を足で踏んで固定しておけばまず動かない。
特に脚を85°まで広げることが出来るレンジャーシリーズで接地を安定させるためにはマストと言っていいくらいのアイテムなのでおススメ。
他の大型石突と同様、ゴム足の部分が外れるため無くさないように注意したいところ。
レベリングベース・架台裏
レベリングベース
自由雲台のように稼働するレベリングベースが内蔵。雲台取り付けネジはUNC3/8(大ねじ)固定であり、他のレンジャーシリーズのように可変するタイプでは無い。
ビデオ雲台のパン動作で水平を出すには十分な可動範囲。程よい抵抗感を持つため微調整はし易いがいくつか注意点がある。
- 雲台を固定する虫ネジに対応していない
- 水準器がない
- 固定までに要する力が比較的大きい
1:虫ネジに対応していないため、雲台のパン動作における抵抗が強すぎると雲台がレベリングベースから緩む可能性がある。
2:水平を出すための水準器が無い。ビデオ雲台BV-10の付け根に水準器があるので特に問題は無いかなと感じるものの、他の雲台を利用する場合には注意が必要。ワイドトレードの話では水準器を実装した改良版が出るらしい。
3:ビデオ雲台や三脚の脚と比べてしっかり固定するまでに要する力が少し大きい。中途半端だとズレてしまうのでしっかりと締め付けておきたいところ。幸いにもノブにはラチェット機構があるので特に問題なく締めることが可能。
架台裏
レベリングベースがあるためか、レンジャーシリーズでは一般的な架台裏のネジ穴(重りをぶら下げる際に便利)は無い。
シンプルな構造となっているのでメンテナンスは簡単。
アクセサリーソケット
架台横にUNC1/4(小ねじ)のネジ穴が一つ配置されている。同社より販売しているマジックアープや社外製アクセサリーを装着可能。
収納性
センターポールが無いので、脚をたたんだ際の体積がとても小さい。脚径26mmの中型三脚VANGUARD Alta Pro 2+と比べるとご覧の通り。
先細りしない格納状態でバランスが良く、三脚バックへ収納しやすく取り出しやすい。
脚の付け根の間隔が狭いため、脚を閉じても安定するのは地味にポイントが高い。大型石突を装着することで完全に脚を閉じても自立するのは便利。大きなレンズがさすがに載せることが出来ないものの、小型カメラであればそのまま利用できる。
LS-284CEX 三脚動作確認
開閉
開脚角度は3段階。およそ23°・55°・85°。
特にほぼ90°まで脚を広げることで中型三脚としては珍しい最低高85mmまで架台を下げることが可能。
ローアングルからの仰角に強く、マルチアングル雲台などと組み合わせることでマクロ撮影にも便利。
安定性はどの角度でも問題無し。
伸縮
全伸長は1,475mmと一般的な中型三脚並(もしくは少し低い)。これに雲台・カメラを加えると、身長174cmの私が直立した時にファインダーが目線と同程度か少し高い。これより高いと脚立が欲しくなるレベルなので程よい。
脚の伸縮はとても滑らかに動作し、ガタツキは全くない。SIRUIやその他中国製三脚と比べるとかなりイイ。
採用しているメーカーは少ないが、脚の長さを微調整する時にベルボン「プロフェッショナル・ジオV840」のような脚スケール表示があるとより便利だった。
雲台 BV-10
外観
BV-10 VTR用雲台60mmVTRシリーズ | |
長さ | 388mm |
幅 | 122mm |
高さ | 91mm |
ベース径 | 60mm |
傾斜角 | +90°←→ -75° |
パンニング角 | 360° |
カウンターバランス | 4kg |
重量 | 760g |
耐荷重重量 | 8kg |
三脚取付ネジ穴 | UNC3/8 |
カメラネジ | UNC1/4 UNC3/8 |
クイックシュー | アルカスイス互換 |
スライド | 前後35mm |
水準器 | 2器 |
サイズ・重量
この価格帯のビデオ雲台としては一般的なサイズと重量。
材質
全体的に金属パーツを多用している。プラスチックパーツと言えば水準器くらいしか思いつかない。
三脚と同じくアルマイト塗装が施されているため傷には強そうだ。
チルト
側面の大きなノブでチルト軸のトルクを調節とロックが可能。前後の動作に引っ掛かりは無く最大角まで滑らかに動作する。(国産の安物だと引っかかりが発生してゴリゴリっとした感触がある)
カウンターバランスは4Kg固定でオン・オフは出来ない。ただし、トルクを調節することで一定の確度でカメラを固定することが可能。トルクの調節は結構簡単で不慣れな私でもチョチョイと弄れば設定できた。
重い機材
載せる機材の重心を整えることでマイクロフォーサーズなら重い機材二つ(LUMIX G9+12-100 PRO+E-M1 Mark II+40-150 PRO+プレート)載せても快適に使用可能。ただし、トルクを完全に開放するとカウンターバランス以上の負荷となり前後に傾く。
機材のバランスをしっかり整えた上で使うのであれば、フルサイズ用100-400mmや150-600mm、200-500mmあたりのレンズは問題無く載せることが出来るはず。ただし、ズーム操作でフロントヘビーとなった場合にはトルクの再調整が必要かも。
軽い機材
カウンターバランス固定でネックとなるのが軽量機材を載せた場合にカウンターバランスとトルク調整がシビアなこと。締めすぎるとロックされ、緩すぎるとカウンターバランスで揺り戻される。
しかし、BV-10は限界ギリギリまで締めても滑らかに操作することが可能(操作に少し力は必要ですが)。動作時の抵抗感は強いため、三脚の石突を足で踏むなど固定する手段が必要。
パン
トルク開放状態の抵抗感は一般的な雲台と同程度。
しかし、少し抵抗感が増すあたりからロックまでの調整がし易く、抵抗感が大きい状態でも比較的滑らかに動作する。
操作するノブはラチェット機構が付けられノブの方向を変化可能。これにより一定の姿勢からでも微妙なノブ操作も簡単となっている。
ハンドル
取外し可能で雲台の左側面・右側面どちらでも取り付け可能で確度の調整も自由だ。
ただし、ハンドルの長さを変えることはできない。
クイックプレート
いわゆる「アルカスイス互換」と呼ばれるタイプのクイックリリースプレートの形状を採用。
クイックプレート側に脱落防止用の凸があれば社外製でも機能する。(雲台側に脱落防止機構が備わっているようなプレートでは機能しない)
付属のクイックプレートにはカメラで一般的なUNC1/4の他に何故か海外の雲台でメジャーなUNC3/8もついている。正直使わないので外したいところなのだけど、これを外すとUNC1/4ネジが脱落してしまうというジレンマ。この組み合わせの意図するところは今のところ不明。
クイックプレートの脱落防止用凸や使わないUNC3/8ネジのお陰でプレートをスライドして機材のバランスを取りづらい。もし大きめの機材を載せるつもりなら別売りロングプレートを用意しておくべき。
雲台側には水準器とUNC1/4アクセサリーネジが1つ配置されている。アクセサリーネジにマジックアームを装着して超望遠用の照準器を設置することも可能。
BV-10動作確認
基本的に音声はBGMに切り替えています。(ミュートで問題無し)
チルト
カウンターバランスとトルクをある程度調整した状態。
ご覧の通り、マイクロフォーサーズでの運用ならば特に目立った問題もなく利用可能。カウンターバランスは少し強すぎるくらいなのでトルクで調節しています。
最大角に近い状態ではカウンターバランスが強まり、少し跳ね返されているのが分かります。このため、軽くお辞儀をする程度の重量感ならば、万が一の場合でも衝撃が多少和らぎ三脚のバランスを崩しません。(当然、機材の重量にもよりますが…)
パン
前述したとおり何の問題も無し。トルクを調整することで、ゆっくり、じわりじわりと回転させることが可能。
複合動作
複合動作 拡大版
実写
12mm(35mm判換算 24mm)
生まれて初めてビデオ雲台を使った動画撮影。慣れればもう少し滑らかに動かせるような余裕は感じる。
210mm(35mm判換算 420mm)
最近は物撮りでしか使っていなかったOM-D E-M1 Mark IIを引っ張り出したためか、ホワイトバランス変更するの忘れていました。色は気にせずご覧ください。
まとめ
「初めてのビデオ雲台」としては少し高いかな?と感じるものの、「エントリーモデルからのステップアップ」や「最初から本格的な機材」と考えているのであれば良い選択肢。
特に三脚LS-284CEXはおススメ。クオリティを考えると競合するカーボン三脚よりもコストパフォーマンスは高い。アフターサービスも国内の正規代理店から購入すればトラブルは少ないでしょう。
ビデオ雲台は仕様を把握して購入すれば、滑らかな動作と堅牢な作りで満足度は高い。超望遠ズームを使った野鳥撮影から小型カメラでの動画撮影など幅広く活用できる。
価格は国産の同クラスと同程度で、GIZTOやRRSと比べると遥かに安価。そしてクオリティや付属品などの充実っぷりはGIZTOやRRSに近い。
「え?中国製でしょ?」と先入観でモノを決めるのは実に勿体無い一品。まずは手ごろな商品を買って触ってみるべし。
Points LS-284CEX
- しっかりとした三脚ケース
- 贅沢な付属品
- サイズの割に軽量で頑丈
- 滑らかな動作で使い勝手が良い
- 脚の分解とメンテナンスが容易
- スペアパーツの販売対応は今のところ無し
- 付属する石突は硬くて頑丈だが滑りやすい
- 調節しやすいが固定に力が要るレベリングベース
- センターポールが省略され収納性良好
- 脚を延ばしてもガタツキやねじれが少ない
- 雲台脱落防止用のイモネジがない
Points BV-10
- しっかりとした金属製雲台
- カウンターバランスは4Kg固定
- 滑らかなチルト・パンの動作
- ハンドルは左右の切り替えや脱着が可能
- アルカスイス互換プレート
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