M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
桜の季節が過ぎ去ってしまい写欲もひと段落ついたので、最近購入したレンズのインプレッションをざっくり書いていきたいと思います。
今回は魚眼レンズとしては異例のF1.8という明るさを持つ「M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO」をピックアップ。
個人的な評価
解像力 | |
ボケ | |
発色 | |
携帯性 | |
機能性 | |
付属品 | |
価格設定 |
- 貴重な防塵防滴のタフネス魚眼
- 世にも珍しいF1.8の大口径魚眼レンズ
- MFクラッチ・L-Fnボタンが無い
- 開放から抜群の中央解像力
- 逆光耐性は高く無い
描写の傾向
風景で使うならF8まで絞る
中央は絞り開放でもハイレゾショットにも耐えうる抜群の解像力なものの、被写界深度内においても甘い。他の魚眼と比べて甘い、と言うより「魚眼ならこれくらいだよね」と言ったレベルのも。
「絞らなければいけない」という決まりは無いものの、風景などで四隅まで引き締まった描写にしたいのであればF8までは絞った方が良い。中央の解像力はF1.8からなんの問題も無いので、日の丸構図で写すならF1.8でも全然OKという印象。
諸収差
「レンズの味」とは無縁のプロレンズらしいスッキリ写る魚眼レンズ。
軸上色収差・ボケの色づきはまず気にならないレベルだが、四隅の倍率色収差が高く絞っても改善しない。
コマ収差・非点収差は良く抑えられており、星やイルミネーションの撮影とは相性が良さそう。シャッタースピードを稼ぎたいシーンでは活躍できる広角系レンズと言えるでしょう。
逆光耐性
お世辞にも逆光に強いレンズとは言えず、強い光源を構図に入れるとゴーストが発生する可能性がある。
ただし「魚眼レンズとしては逆光耐性はこのくらいだよね」と割り切れる程度のレベルで他の魚眼と比べて特に逆光に弱いとは感じない。
イルミネーションの撮影では特にゴーストが発生しなかった。注意すべきは快晴時の太陽と夜景における強烈な照明程度。
画角が広く輝度差があるシーンが多い
ヒストグラムを使いたい画角
画角が広く構図内における輝度差が大きくなるので、ダイナミックレンジの狭いマイクロフォーサーズには酷な画角かもしれません。
E-M1 Mark IIはハイライト側の諧調に強く、ライブビューでは空が白飛び寸前と感じても後処理で青空が戻ってきたりする。反面、シャドーが黒潰れ寸前だとディテールの維持がかなり厳しい。
これまでライブビューでヒストグラムなんぞ使った事がありませんでしたが、魚眼を使う事で初めてヒストグラムのありがたさを感じた。ヒストグラムはライブビュー中にオリンパスなら「infoボタン」、パナソニックなら「DISPボタン」で表示情報を切り替えると使用可能。
デジタルフィルターを楽しむ
オリンパスやパナソニックには遊び心のあるデジタルフィルターやプロファイルがある。
しかも使いやすい所にカスタマイズできるので気軽に導入できる点は他社にない利点。構図にマンネリ気味の場合は積極的に使ってみては如何でしょうか?
魚眼は特に被写界深度が深いので、エッジを強調するリーニュクレールとは相性が良い(ボケるとエッジ強調できないため)。
明るいレンズだがボケは期待するな
F1.8と明るいレンズですが、8mmという焦点距離ですので当然ボケ量はかなり少ない。小物を近接して撮影する場合にはボケ量を大きくすることが出来ます。とは言え、F3.5クラスの魚眼でも接写すれば十分なボケ量を得る事は可能ですので、F1.8のボケ量が大きいと感じる事ができる被写体は限られている。
ポートレートのようなサイズの被写体を撮影する場合にはF3.5クラスとの差を感じる事が出来ますが、接写すると被写体が歪み過ぎるので構図が非常に難しい。
魚眼の大口径レンズはボケ量ではなくシャッタースピードを稼ぐためのもと割り切って肩の力を抜いた方が良い感じ。無理にF1.8でボケを作ろうとすると、どうしても接写した構図が多くなってしまい魚眼としての自由度を狭めてしまう。
F1.8の明るさは長時間露光が必要な星景撮影や暗い場所で低感度とシャッタースピードを両立したい時に便利。
魚眼の使い勝手に挫折しそうな時はアスペクト比を変える
「なんと魚眼の難しいことよ…」と広すぎる画角と強烈な歪曲に悩まされる方も多いのではないでしょうか。癖が強すぎるのですよね。
なんでだろう?と考えたところ、マイクロフォーサーズの基本アスペクト比「4:3」と超広角のワイドな画角が難しくしていると気が付く。
そこでアスペクト比を「16:9」に変更。すると水平画角が狭まり構図や背景を整理し易くなった(水平画角は変わらない)。4:3だと「どうやって写そうか」と悩み過ぎて禿げそうでしたが、16:9だと今までの苦労は何だったのかと言うくらい撮りやすい。特に便利と感じたのはクローズアップ時。
16:9とは地デジやYoutubeと同じ比率なので、馴染みやすいかもしれません。縦構図にすると伸びすぎるので、その場合には「3:2」の方がマイルド。
RAW形式のファイルは元データ「4:3」のアスペクト比として保存されているが、現像時(例えばLightroom)は16:9へ自動的にトリミングしてくれる。どうやらRAWファイルにそういう情報が詰まっているらしい。これは便利。
PROレンズだが機能性は省略が多い
PROレンズではお馴染みの「マニュアルフォーカスクラッチ機構」と「L-Fnボタン」が省略されている。
特にフォーカスクラッチが省かれているのは個人的にかなりマイナス。被写界深度が深いのでマニュアルでざっくりピントを合わせたい時もファインダーやライブビューで確認する手間が発生してしまう。
これを解消するにはE-M1 Mark IIに初導入された「プリセットMF機能」を活用することで僅かに使い勝手が改善できる。とは言え、改善の余地がある機能なので常用するか?と問われると微妙かもしれない。
このレンズは買いか?
極めて使いこなしの難しいレンズで、前述したようにF1.8の明るさを活かした撮影というのは状況が限定される。マイクロフォーサーズ用の魚眼レンズとしては高級(普及しているレンズの中では)なのでよく考えて購入に踏み切りたい。
絞って使うなら他の安価な選択肢がいくらでもあるので、「防塵防滴」「F1.8の明るさ」が価格差ほどの価値を感じるか?という点で考慮すると良いでしょう。
競合レンズ
- 「フィッシュアイボディーキャップレンズ BCL-0980」…魚眼入門。とりあえず高い魚眼に躊躇しているのであればこれ。1600万画素クラスのボディなら解像力は十分(ただし四隅の解像・色収差はそれなり)
- 「LUMIX G FISHEYE 8mm/F3.5 H-F008」…マイクロフォーサーズではもっとも無難な選択肢でAF対応モデルとしては安価。
- 「7.5mm 1:3.5 UMC Fish-eye MFT」…コスパ抜群のフルマニュアルレンズ。フォーカスリング以外に絞り値も絞りリングによる手動操作なので、思いのほか小型軽量のPEN・GM・GF系との相性が良い。解像力は可愛らしい見た目に反して頼もしい写り。
購入早見表
楽天市場 | Amazon | カメラの キタムラ |
Yahoo | Olympus Online Shop |
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