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これからNikon Z 7を買う人のための使って感じた悪いポイント・良いポイント

ニコン初となるフルサイズミラーレスを使い始めてから初めての年が終わろうとしています。9月末から「Nikon Z 7」を3か月ほど使いこんで感じた良い点と悪い点を記事としてまとめました。

価格に目をつぶれば悪く無い第一世代

Nikon Z 7はどんなカメラ?

Nikon Z 7の特徴

  • 2018年秋発売
  • ニコン初のフルサイズミラーレスカメラ
  • センサーシフト式5軸手振れ補正搭載
  • 高解像4575万画素 裏面照射型イメージセンサー搭載
  • 493点の像面位相差AFシステム
  • こだわり光学系の369万ドット電子ビューファインダー
  • ニコンでは最も進んだタッチ操作システム
  • 防塵防滴・マグネシウム合金の堅牢なボディ
  • 進化した無線通信

満を持して登場したニコン初のフルサイズミラーレスカメラ。2018年秋にNikon Z 6(低解像のバランスモデル)と共に発売されました。

従来のFX一眼レフと比べて携帯性が高く、センサーシフト式の5軸手振れ補正を搭載。さらに一眼レフに実装されていたタッチパネルシステムをより幅広く利用できるように改善し、像面位相差AFによりライブビューAFが飛躍的に高速化しています。

D850と同等のセンサーを搭載しながら手振れ補正や像面位相差AFを活かした撮影に潜在的な価値を持っています。

初値390,000円とD850よりも高価なカメラでしたが、現在は300,000円付近へ推移。D850と同価格帯となってきたので、Z 7を検討している方も多いのでは無いでしょうか?

管理人の良い点・悪い点リスト

Good Bad
ボディ 小型軽量
頑丈
防塵防滴
α7と似ている
グリップ 握りやすい やや窮屈
ボタン フロントFn
グリップ上部
DISPの位置
右下に詰め込み過ぎ
ダイヤル 前ダイヤル
サブセレクタ 使いやすい形状
カスタマイズ 一眼レフ似の使い勝手 対応ボタンが少ない
カスタム項目が少ない
EVF とても見やすい
見た目に近いDR
レート固定
モニタ タッチ操作 タッチ操作
サブモニタ シンプルすぎる
メディア XQDで処理が高速 シングル
XQDが高い
手振れ補正 効き目が高い
画質 高解像
高DR
豊富な仕上がり
自由度の高いPC
データが大きい
(XQDを圧迫)
ドライブ サイレント撮影 追従5fps
AF ピンポイントAF
1点追従
顔検出切替機能
ロックオンAF
連写時追従
顔検出精度
?F5.6実絞り
メニュー タッチ操作可能
細かいヘルプ表示
干渉機能の表示が無い
無線通信 自動転送機能 遠隔操作自由度
融通が利かない
電源 USB充電 1世代前の電源寿命
追加グリップ無し
USB給電非対応
拡張 Fマウントレンズ対応
(メカ絞り対応)
追加グリップ無
レリーズ接続方式
アダプター価格
アダプターサイズ
レンズ 光学性能 個性的ではない
価格 非常に高価
D850の存在

満足度は80点。

「第一世代としては」と前置きが必要なものの、悪く無いのでは?と感じる4600万画素センサー搭載のミラーレスカメラ。

長所だけ見るとD850から乗り換えたいポイントがいくつか存在し、短所を見ると許容できないと感じるポイントもいくつか存在する。短所が気にならないような使い方をするのであれば悪く無い選択肢。

悩むべきは価格設定。初値がD850より高く、長所と短所のバランスを考慮するとまさにクレイジープライス。

ご祝儀価格終了後は納得できる価格設定の圏内には入ったと感じるが、もし4600万画素が必要無ければNikon Z 6を選択した方がコストパフォーマンスは遥かに高い。

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世評では”悪い”と言われているポイント

【記録】シングルメディアスロットであること

Nikon Zは現状でXQDカードのシングルスロット機(Z6・Z7)のみ。

シングルスロットのデメリットは以下の通り。

  • RAWとJPEGのデータを分けて保存できない
  • 撮影中にリアルタイムでバックアップができない
  • カード交換ができないシーンで使用できるデータ容量が少ない

と言ったところ。

特にバックアップを作ることが出来ないことは、予期せぬメディアトラブルに対応し辛いことを意味しています。仕事・一期一会のシャッターチャンスには厳しい仕様。

そのため、デュアルスロットが必要な人はZ 7を選ばないし、デュアルスロットが必要と感じない人は問題にすらならない。デュアルスロットが必須でNikon Zに期待していた人はかなり残念と感じたことでしょう。

現状は他に選択肢が無いので腹をくくるか、デュアルスロットモデルの登場を待つか、の2択。

普段シングルスロットの利用が多い私の観点で言うと「予備のメディアカードスロットが無くなった」程度の問題。とは言え、予備スロットが無いので外出前にXQDカードの入れ忘れだけは注意したいところ。

【記録】XQDであること

XQDのパフォーマンスは置いておくとして、「データ容量に対して価格が高い」「対応製品が少なすぎ」というイメージがあるはず。

まあ、実際そんな感じです。

D850でXQDデビューしましたが、他に使い道がなく、他のカメラと使いまわし出来ないのがネック。(2019年に登場するLUMIX S1RはXQDを採用するらしいので期待大)

また、供給している店がSDカードと比べて限られており、コンビニなどで現地調達することが難しい。このため撮影でXQDカードを忘れるのは致命傷となる。家を出発する前にXQDカードだけは絶対に確認しておきたいところ。

また、Nikon Z 7は1枚のデータ容量が大きいので(4600万画素センサーなので)安価な32GBだと「RAW+JPEG」で240枚程度しか撮ることが出来ません。

これに対応する方法は2つ。

  1. 諦めて大容量・予備XQDカードを用意する
  2. パソコン・HDDにデータを移動できる環境を持参する
  3. 無駄撃ちを避ける

ちなみに私は「3」を実践中。XQDの単価がもう少し下がってきたら64GBを数枚買い足すかもしれない。

【ドライブ】連写性能

・低速連続撮影:約1?5コマ/秒
・高速連続撮影:約5.5コマ/秒(14ビットRAW設定時:約5コマ/秒)
・高速連続撮影(拡張):約9コマ/秒(14ビットRAW設定時:約8コマ/秒)
※ ニコン試験条件での最大撮影速度

Nikon Z 7仕様表

確かに2018年の水準からすると連写速度がやや遅い。

同じ有効画素数のD850が7コマ秒(MB-D18使用時は9コマ秒)と考えるとやはり遅い。

とは言え、フルサイズミラーレスで10コマ秒連写を達成したのはソニーα7の第3世代から(α9のメカシャッターは5コマ秒まで)。2017年の冬にα7R IIIが登場するまではソニーも秒5コマ(AF-Sでも)だったのです。

Nikon Z 7はAF/AE固定ならば9コマ秒の連写を実現しています。と言うことはシャッターユニットでは無く像面位相差AFシステムの改善で実現できることかもしれませんね。

未来のことは置いておき、現状でNikon Z 7の連写性能が十分か不十分かと言うと、やっぱり遅いかなと感じます。

風景撮影でブラケットとして使うならまだしも、スポーツや野生動物、そして動き回るわが子の撮影でもちょっと遅いレベル。せめて秒7コマは欲しかった。

【電源】バッテリー

  • ファインダーのみ使用時:約330コマ
  • 画像モニターのみ使用時:約400コマ
  • (CIPA規格準拠)

Nikon Z 7仕様表

連写性能と同じく、バッテリーライフもソニーα7第3世代と比べると見劣りするポイント。

この辺りはソニーが世代を経て着実に不満点を潰しているなと感じます。

それじゃあ、実際に使ってみてどうなのか?というのは以下の通り。

バッテリーライフ

酷くも無いし、良くも無い。ミラーレスとしては一般的なバッテリー性能。

ソニーα7第3世代のα7 IIIと比べなければバッテリーライフが際立って短いということは無い。ただ、「電源入れっぱなし」の撮影は避けたほうが良いでしょう。

しかし一眼レフからの乗り換えユーザーが一眼レフのように使うと当然ながらバッテリーライフは短く感じるはず。特にD850のようにマルチパワーバッテリーパックに大容量バッテリーを載せたカメラと比べると雲泥の差。

USB充電

USBケーブル経由でモバイルバッテリーや車のシガーソケットなどから充電可能となりました。

このため、予備バッテリーを用意しなくても安価な大容量モバイルバッテリーで事足りる場合も多いはず。私も予備バッテリーは用意せず、スマートフォン用の大容量モバイルバッテリーを携帯しています。

Nikon Z 7のUSB端子はカメラ上部側に配置され、アクセサリドアをガッツリ開けないと端子にアクセスできない点に注意。屋外でUSB充電するには不向きなデザインとなっています。

さらに、USB外部給電(内部バッテリーを消耗せず、外部電源でカメラを動かすこと)には対応していないため、長時間の動画撮影やタイムラプスで有効活用はできません。

バッテリーグリップの不在

これが問題。

現状でバッテリー交換・充電無しで撮影継続時間を延ばすことが出来ない。

このため、交換できない悪環境、ファインダーを覗きながらひたすら撮影し続ける場合、動画撮影、タイムラプス用素材を撮る場合におけるバッテリー管理がシビア。

現状、ミラーレス一眼メーカーでハイエンドモデルに追加バッテリーグリップを用意していないのはニコンのみ。

これはちょっと擁護のしようがない。なんとかして欲しいところ。

個人的に”悪い”と感じたポイント

【AFシステム】F5.6まで実絞り

基本的なシステムはニコン一眼レフのライブビューを継承。ライブビューは常時絞り値を反映した像が表示されます。(つまり実際にレンズの絞り羽根が作動している状態)

Z 7はF5.6まではライブビューに絞り値が反映される(一眼レフはF5.6以上も)システム。そして、現状でライブビューの絞り設定反映と絞り開放維持を切り替える手段がありません。

つまりF1.4大口径レンズだとしても、絞り優先AEでF5.6に設定しているとF5.6まで絞った状態で測距開始します。

フォーカスシフトが大きく発生するレンズであればこれが役に立つこともあるでしょう(フォーカスシフトの影響を内包して測距するため)。

しかし、「絞る=センサーへ届く光量が低下する」ことに他ならず、特に屋内や低照度の環境でオートフォーカス性能が著しく低下します。(ついでに言うとNDフィルター装着時も)

オートフォーカスが難しい光量のシチュエーションでは絞り値を開放に設定して測距後に絞り値を上げるという手間が発生します。いっそマニュアルフォーカスを使ったほうが速いかもしれません。

また「実絞りが良い」というユーザーにとっては”F5.6まで実絞り”という中途半端な仕様が気に障るかもしれません。特にマクロレンズなど被写界深度が浅くなる使い方で違和感を感じることでしょう。

これは実際に実機で確認してみることをおススメします。

【AFシステム】ロックオンAF

一眼レフの「3Dトラッキング」が無くなり、ニコン一眼レフのライブビューAFの「ロックオンAF」システムが採用されています。

使い方は「オートエリア」時にOKボタンを押してロックオンAFモードへ移行。使い勝手は3Dトラッキングと似ているものの、ロックオン解除はOKボタンを押す必要があり、ロックオンAFモードから抜けるにはさらに「縮小ボタン」を押す必要があります。

これは慣れないとなかなか手が追い付かない。

ついでに言うとロックオンAF時のフレームサイズは決まっているので小さな被写体やピンポイントなフレーミングは不可能。このため、フレーム内のコントラストが強い部位にピントが持っていかれがち。あまり使いやすいモードとは言えません。

加えて、ロックオンAFの精度はお世辞にも良いとは言えず、現状でフレームを横滑りさせながら追従AFする際の信頼性に欠けています。

【AFシステム】顔検出とロックオンAFの切り替わり動作

良いところもあり、悪いところもあり、と言ったところ。

Z 7では顔検出した被写体をロストしても、直後に同フレームでロックオンAFが瞬時に動作します。つまり背を向けられても被写体を捕捉し続け、顔を検出したら即座に顔検出AFへ復帰するナイスな機能。

これが正常かつ上手く顔検出できるのであれば素晴らしい。(実際にうまく動作する時はかなり快適)

しかし、実写でそう理想的には動作しない。

まず第一に顔検出の精度がイマイチ。これはソニーα7やキヤノンEOS Rよりも悪く、1世代前のフジフイルム機に近い動作。特に横顔でのロストや検出不能な場合が多い。(更新:1世代前のフジフイルムよりは良いかも)

そしてロックオンAFスイッチ後に被写体から背景や足元にフォーカスフレームが固定されてしまう場合がソコソコ発生する。その状態で被写体が顔検出可能な状態になったとしても即座に復帰せず、ロックオンしたフレームを捕捉し続ける。特に大デフォーカスからの復帰が悪い場合が多い。

このため顔検出への復帰がワンテンポ・ツーテンポ遅れる印象。

決して悪い印象ばかりでは無く、食い付くときは至近距離でも良好。屋内で動く子供を撮っていても問題ない時もある。ここから安定性が増すとかなりイイ感じととなるかもしれない。

【操作性】洗練されていない使い勝手

ニコン一眼レフの操作性を継承した良い部分もありますが、ミラーレスカメラとしての新要素が足を引っ張っている感があります。

個人的に使い辛いと感じる部分は以下の通り

  • 同じ機能でも呼出方法によって操作性が一貫していない
  • DISPボタンの配置
  • 方向ボタン下に密集した4つのボタン群
  • 意外と少ないカスタム対応ボタン
  • タッチ操作

ボタン配置はカメラサイズありきでデザインが決定されたような印象。特にDISPボタンの位置は非常にモッタイナイ。ここにもう一つFnボタンを配置できたはず。

カスタムボタンは一般的な「Fnボタン」として機能するのはフロント2カ所とRECボタンのみ。他はカスタマイズに制限があったりニコンから使い方を指定されているような状態。ボタンカスタマイズ性を正直に言えば、ソニーやキヤノンよりも悪い。

サブセレクターがあるので基本的に撮影中はマルチセレクターがお役御免の状態。ここに4つほどFnボタンを登録できる仕様ならば良かった。あのキヤノンですらEOS Kiss Mあたりから方向キーのカスタマイズが解禁されているのです。

タッチ操作は初号機にしては検討しているものの(ソニーよりは良い)、キヤノンの操作性と比べるとまだまだ改善が必要。特に設定値の操作でスライドに対応していないのは頂けない。(例えばISO数値を変更する場合はタップ操作のみ。スライドでぐりぐり動かすことが出来る仕様ではない)

【モニター】サブ液晶モニタの使い勝手

使い勝手は一眼レフとドッコイ。しかし、それならファインダーでも背面モニタでも確認できるミラーレスに実装する意義が足りない。

実際、キヤノンEOS Rはその点で「これぞミラーレス時代のサブモニタ」という仕様を打ち出してきた。MODEボタンを導入し、Fn呼出機能に対応してサブモニタの表示が変化する。加えて新実装されたFvモードで使いやすい表示機能を備えている。これならばモニタを導入した価値があると言えるレベル。

これは以前からMODEボタンを導入してきたニコンに実現して欲しかったところ。実にもったいない。

世評では”良い”と言われているポイント

【操作性】グリップが握りやすい

フルサイズミラーレスで先行しているソニーα7シリーズと比べると確かに余裕のあるグリップサイズ。

ニコン一眼レフの威風堂々としたグリップ(特にD850など高級モデル)を使ったことがある身としてはやや心もとない。しかし、ラインアップしているS-lineのレンズはどれもサイズが抑えられているので特に扱い辛いと感じたシーンは無い。

一眼レフ用の大きなレンズを装着してもまずまず問題無くグリップすることが可能。

しかし、カメラをグリップした状態で人差し指を動かしにくい。特に前コマンドダイヤルや前Fnボタン2カ所へのアクセスがイマイチ。グリップする分には良いけど、操作するには少し窮屈。

直感的な操作を重視している人ならば実際にカメラを手に取ってみることをおススメします。

【ファインダー】見やすいEVF

確かに見やすい。

これはおススメポイント。四隅までしっかり見える良い接眼レンズ。

さらにOLEDファインダーのわりにコントラストや発色が抑えられているのでギラギラして見えないのが良いのかなと。OLEDファインダーの良さに液晶ファインダーらしさを加えた印象。

また、待機中・AF作動中とカメラの状況が変化してもファインダー像にはムラが無く安定しています。リフレッシュレートは固定(おそらく60fps)ですが、一般的な撮影で特に不都合は感じないはず。

このファインダーが20万円台で導入されているNikon Z 6は特におススメ。

【手振れ補正】効果的なボディ内手振れ補正

ニコン一眼レフでは対応できなかった回転ブレやシフトブレ(一部レンズで対応)に対応できるようになったのはかなり大きい。

実際、D850では難しかった手持ち撮影での低感度維持は容易になった(レンズに光学手振れ補正が入っていたとしても)。それだけで無く、手持ちで川や滝を流せるだけのスローシャッターが可能となった恩恵は計り知れない。

ニコン一眼レフユーザー、特に風景など静物を手持ち撮影していた人にとってはコレだけで一眼レフから乗り換える理由に成り得るパフォーマンス。(デメリットを加味したとしても)

「他社と比べてどうか?」と言うと、特に劣っていなければ優れている訳でもない印象。少なくともソニーとはドッコイと感じる。

個人的に”良い”と感じているポイント

【ドライブ】電子シャッターによる無反動撮影

寝ている小動物や娘を撮る機会が多いのでサイレント撮影に対応しているのはGood。

シャッターショックが皆無となるのでスローシャッターでも重宝する。前述した手振れ補正と組み合わせることで5段分の補正効果が確かにあるように感じる。

ローリングシャッターによる歪みはそこそこ大きいので動く被写体には有効でないが、それ以外では常用。

シャッターユニットを動かさない事で、メカダストの発生を抑えられているのではないかな?とも感じていたりする。

【仕上がり】ピクチャーコントロール

以前から自由度が高い仕上がり設定(細分化された設定値や明瞭度の調整など)で好みの使い勝手でしたがさらに良くなった。

Z 7では新たにミドルレンジシャープネスが追加されたり、フィルター効果がプリセットと同列に配置されて選びやすくなったり、フィルター使用時でも設定値を自由に操作出来たり、と自由度がさらに高まっています。

設定値の効果をファインダー像に反映できるミラーレスとの相性は抜群。カジュアルな写真をSNSでサクッと投稿したい場合などに重宝します。

【無線通信】5GHz帯に対応したSnapBridge

従来までは不安定な上にWiFi規格が「b」と「g」にしか対応しておらず「n」も使えない状態でした(大人気のD850ですらも)。

ところがどっこい、Zカメラでは他社でも採用している機種が少ない「a」「ac」に対応(他社ではLUMIXの高級機くらい)。

手持ちのスマートフォンで使っている限りでは、WiFiもBluetoothも動作は安定。

SnapBridgeはBluetoothを使った画像の自動転送に対応しており、Zカメラを電源オフにしても2Mの画像データをスマホに送り続けることが可能です。SNSや家族とシェアする際にこれがとても便利。

ただし、SnapBridgeのアプリ自体はまだ改善の余地を残している印象。特に融通が利かない部分が多く、ちょっとした理由でWiFiを勝手に切断されてしまうことが多々ある。(沈胴ズームを格納していたり、モードダイヤルがP/A/S/M以外になっていたり)

【操作性】カスタマイズ可能な「i」メニュー

他社でも似たような呼出機能があるものの、「カスタマイズ可能」+「タッチ操作可能」という点で便利。

ただし、ボタンカスタマイズに登録する機能と「i」メニューから操作する機能が同じ役割だったとしでも操作性が少し異なるのはマイナス。

例えば、「画質」をボタンから呼び出す場合は前後のダイヤル操作となるが、「i」メニューから呼び出す場合はタッチかマルチセレクターでの操作となる。これが少しややこしい。

【レンズ】凄い標準ズーム

24-70mmとズームレンジは狭いが、比較的コンパクトに仕上がった沈胴式の標準ズームレンズ。

コンパクトながら解像性能はズームレンジ全域で安定しており、色収差が少なくボケもまずまず綺麗。極め付けは鬼のような逆光耐性でフレアやゴーストがとても発生しにくい。

歪曲収差や周辺減光に妥協が見られるものの、フルサイズミラーレスの小型軽量デザインを活かすには打って付けの一本。

【操作性】快適な背面モニター撮影

他社は置いておくとして、ニコン一眼レフと比べると背面モニターを使った撮影は非常に快適となった。

人気の高いD850における唯一の欠点とも言えるのが背面モニタのライブビューだったので、比較して使い勝手は劇的に向上している。

特に背面モニターを使ってカジュアルに撮影する時や娘をローアングル+顔検出で追いかける際に便利。個人的にはこれだけでもD850から買い替えるに値する。

まとめ

今はNikon Z 6のほうがおススメ

冒頭で述べた様に、良いところと悪いところが混在しているので評価し辛い。

第一世代としては頑張ってるけど要改善点が多い。これが初値30万円前半だったらまだ許容できたかもしれないが、40万円近い値付けでハードルが上がってしまった感がある。

現状のレンズシステムやカメラのパフォーマンスを考慮するとNikon Z 6のほうが素直におススメできるカメラ。20万円前半であのクオリティならば評価は大きく変わる。

Z 6とセンサー以外同じクオリティで10万円も高価なZ 7に手を出すとしたら、「手振れ補正+携帯性+高解像+ピント精度」でD850には無い特性に価値を見出した人。

他社と比べて

基本的なパフォーマンスとレンズシステムが充実したソニーα7系や面白いレンズパフォーマンスと操作性を組み合わせたキヤノンEOS Rと比べると非常に地味。

おまけに来年はパナソニック・シグマ・ライカ連合が乗り込んでくるのでかなり厳しい。

そんな中であえてNikon Zカメラを選ぶとしたら…

  • Fマウントレンズを多く所有している
  • とても見やすいファインダー
  • 自由度が高く豊富な仕上がり設定
  • SnapBridgeの自動転送機能
  • 比較的頑丈なボディ

と言ったところ。この辺を考慮してもやはりNikon Z 6のほうが良いのではないかなと。Zマウントレンズは良いのが揃っているのでぜひともF1.8 Sシリーズを拡充してほしいところ。

個人的には家族写真で使い辛かったのが地味に痛い。(顔検出の精度とシステム、そして微妙に足りない連写性能と追従連写)が、SnapBridgeの自動転送などは他社に無い良機能でおススメ。

また、自然風景やスナップなどカメラ片手にぶらっと撮り歩くような使い方の場合は携帯性が良く、使っていて面白い操作性。

オートフォーカスや連写性能はα7に及ばない。しかし仕上がり設定やファインダーの見やすさなど、撮ってる最中の「面白さ」を感じるのはコチラ。色々と足りない部分はあるものの、一眼レフで培った良さが活きているなと思うのです。

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