まえがき
海外のペンタックス専門情報ポータルサイト『PENTAX FORUMS』において、長時間露光時にD810で問題となった「白点問題(画像に明るめの白い点々がフレーム全体で発生する)」がK-1でも確認されたそうだ。
手持ちのK-1を使った限りではそんな現象あるかいな?と思ったのだが、バルブ撮影をあまりガッツリしたことが無かったので実際に検証してみた。
結果を先に言うと「白点問題はあります」と言える。
しかし、大きく問題視しなければいけない使い方は限られているので、以下に検証結果を交えながら書いていこう。
検証
*ISO1600-680秒を追加しました
環境
- PENTAX K-1
- SIGMA 85mm F1.4 EX DG HSM
- マンフロット PIXY EVO
- 部屋をカーテン閉めてミニスタジオに布団を被せて暗くした
- 被写体は適当にGM1Sとフィギアたち
- ノイズリダクションは長時間・高感度ともにオフ
肝心かなめのレリーズケーブルが無くて困っちゃったのだけども、WiFiで遠隔操作できるスマホアプリ「リモートシンク」を使えばバルブ撮影できることを発見。しかもシャッターボタンを一度押せば、2度目を押すまでずっとバルブ撮影が続くのでレリーズケーブルよりも手軽かもと思ってしまった。(レリーズケーブルを使う場合はカスタム設定で「B時の撮影方法」を「タイプ2」に切り替えると同条件で撮影できる。
部屋がカーテンを閉めてもちょい明るいので、バルブ撮影でも5分以上の露光は難しかった。その点は改めて実写の機会を作りたいと思う。
実写
今回は極力リサイズ無しでアップしているので、一枚一枚が1MB前後のファイルサイズがありますので注意。
各画像はトリミングしてリサイズしていないものをアップしていますので、分かりにくい場合は画像をダウンロードして確認してみてください。
撮影を続けるうちに、だんだんと傾向が分かってきたので途中で投げやりになってしまった。(長時間束縛されるのが面倒くさくなった要因)露出が安定してなかったり、感度ごとにシャッタースピードを合わせてないのでざっくりとした参考程度にみて欲しい。
正直いって、スマホで閲覧すると確認出来ないレベルであり、パソコンでもダウンロードして拡大しないと「ああ、これね」とわからないレベルの問題。
ISO100-60秒
目を皿にして見るとあるような気もするが、ハッキリ言って無視して良いレベル。
下敷きにしているマットに乗っている埃がやや白っぽくなっているのでそれは無視してください。
ISO100-120秒
60秒の倍露光すると、やや白点が目立ってくる。と言っても、ガッツリトリミングした写真をさらに拡大に拡大すると見える程度。
ISO400-60秒
感覚的に言うと、ISO100の60秒となんら変わらない感じ。
ISO400-240秒
よく見るとしっかりと発生している白点が確認できる。それは60秒や120秒のものより明らかに目立っている。
ISO800-60秒
低感度の60秒と比べるとわかりやすいものの、大きく問題にするレベルでは無い。
ISO3200-60秒
低感度の120秒と比べると多い。とは言え、まだがっつりトリミングしなければ問題ないレベル。
ISO6400-60秒
ISO3200-120秒と比べると目立ちませんな。ISO400-240秒の方がよっぽど目立つ感じ。
ISO1600-140秒-長時間NR適用
長時間NRを適用するとスッキリ解消する。撮影テンポは半分に落ち込むが余裕があるなら長時間NRは適用しておきたいと感じる。
ただし、これまでの実写で60秒?120秒程度ならオフにしておいてもそう目立つ問題にはならない。
更新:ISO1600-680秒
キャップをしてISO1600で10分間放置。試すときは暗所でファインダーを塞いで撮ってみよう(一度ファインダーから入った光で失敗しました。)
目の前に広がるスターダストと思いきやの、ホワイトドット発生。トリミングサイズは先ほどまでと同程度にそろえてある。
10分でこれなので、20分や30分は推して知るべしかもしれない。ただし、フレーム全体として確認すると「う?ん、これでもまだ使えるかも」という感じ。
更新:ISO1600-900秒の長時間NRオン・オフ
上と同条件でさらに900秒=15分間露光でNRの有無をつけてみた。正直この検証をする2シャッターを切るだけで45分かかる(15分NR無し、15分+NR15分=45分)ので、実際の撮影ではもっともどかしく感じるかもしれない。
こちらもガッツリトリミングしたもの。
ここまでくると白点の発生具合は10分でも15分でもあまり変わらない感じ。逆に言えば巨大な目立つ白点は長時間露光でも発生していない。PENTAX FORUMSのようなノイズの乗り方をするためにはさらに高感度にする必要がありそうだ。
しかし、手持ちのK-1にそこまで負荷をかけるのも気が引けるような…。
更新:ISO1600-900秒の元データ
どれだけの長時間ノイズが許容範囲なのかは個人差があると思うので、ご自身の目で確かめられるように元データを配置しました。
20MB近くあります。スマホなど転送制限がある方は注意してください。
長時間NRについて
長時間NRは高感度NRと違って、露光時間とまったく同じシャッタースピードでダークノイズを測定することによって適用できるノイズリダクション。つまり、15分間シャッターをあければ必ず15分間の処理時間が発生する。
実際に撮影する場合にはこの処理時間がかなり煩わしく、もどかしい。特に撮影時間が長くなればなるほど、そのNR時間が増えるのはやっかいだ。
できれば撮影時は長時間NRを切って、帰宅してからゆっくりと長時間NRを適用したいところだがボディ内現像に長時間NRは適応できない(高感度NRしか選択できない)
まとめ
長時間になればなるほど、高感度になればなるほど目立つ傾向にある。
ただし、ウェイトが重いのは長時間露光の方で長ければ長いほど、低感度でも目立ってくる。さらにそれを解消するにはシャッター時間分の処理時間が発生するのでやっかりな問題だ。
とは言え、240秒程度のシャッタースピードでは1枚の写真として見るとそう目立つ問題でもない。星空を長時間露光で30分や60分もシャッターを開けるような場合にのみ大きく問題になってくると思われる。
今回は昼間に撮影したこともあって、バルブ撮影をしづらかった。嫁さんが寝静まってから、こそっと続報を更新したいと思う。(追記:更新しました)
追記:)手持ちのキヤノン機でも長時間NRを切って試してみた。大なり小なりこちらでも白点が発生。う?ん…、どの機種でもボディ内で完結させるならば、長時間NRは必須ぽいのでK-1で特別問題視するほどでもないような…。
memo
- AE適用の30秒まででは全く問題にならない
- 感度よりもシャッター時間の影響で大きく目立つ
- バルブ撮影で5分や10分もシャッターを開け続ける場合に白点(輝点)問題が目立ってくる
- 時間はかかるが長時間NRを適用することでスッキリする
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