Canonレンズ Canon関連の情報 カメラ レンズ 機材の噂情報・速報 機材レビュー 管理人レビュー 解像力チャート

キヤノン RF75-300mm F4-5.6 レビューVol.3 解像チャート編

「RF75-300mm F4-5.6」のレビュー第三弾 解像チャート編を公開。偏芯の影響が見られるものの、ズーム全域で中央は実用的な結果が得られました。

簡易的なまとめ

中央はズーム全域で許容範囲内の結果が得られました。最新設計のレンズと比べると、特に望遠側の解像性能はイマイチですが、実用には十分だと思います。ただし、実写では球面収差や色収差の影響でコントラストが低下する可能性があります。全体的に、F8くらいまで絞って使うと安定した結果が得られるのかなと思います。

周辺や隅は偏芯で残念な結果となりましたが、良好な個体ではここまで酷くないはず。ちなみに遠景では比較的良好な結果が得られています。

The center showed acceptable results across the entire zoom range. Compared to the latest lens designs, the resolution performance at the telephoto end is somewhat lacking, but I think it is sufficient for practical use. However, in actual shooting, contrast may decrease due to the effects of spherical aberration and chromatic aberration. Overall, I think stable results can be obtained by stopping down to around F8.

The edges and corners showed lens decentering, resulting in disappointing results, but in well-made units, this should not be as severe. Incidentally, relatively good results were obtained in distant scenes.

RF75-300mm F4-5.6のレビュー一覧

解像力チャート

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:EOS R5 Mark II
  • 交換レンズ:RF75-300mm F4-5.6
  • パール光学工業株式会社 「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • RAW出力
  • ISO 200-400
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像 ・シャープネス オフ ・ノイズリダクション オフ ・色収差補正オフ ・格納されたレンズプロファイル(外せない)
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影 (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

注意

本レンズは最短撮影距離が1.5mであり、広角側では最大撮影倍率が低い。このため、定型の解像チャートテストでは所定の倍率まで接近することができません。従来とは異なる測定方法を実施しています。135~300mmは従来通り。

75mm

テスト結果

中央は絞り開放から良好な結果。絞っても大幅に改善することはありませんが、高解像センサーでも実用十分な結果が得られます。その一方で周辺や隅は画質が大幅に低下。これは遠景では目立たなかった偏芯の影響あり。偏芯の影響を考慮すると、もう少し良好な結果が得られるかもしれません。

中央

周辺

四隅

数値

中央 周辺部 四隅
F4.0 4093 2784 1974
F5.6 4754 3667 3401
F8.0 4455 3979 3017
F11 4459 4335 4154
F16 4215 3856 3538
F22 3257 3257 3244
F32 2385 2464 2197

100mm

テスト結果

75mmと同じく中央は絞り開放から良好。実用的な画質。その一方、周辺と隅は引き続きソフトな画質。偏芯の影響を考慮すると、もう少し良好な結果が得られるかもしれません。

中央

周辺

四隅

数値

中央 周辺部 四隅
F4.5 4393 1660 1262
F5.6 4090 2047 1716
F8.0 4105 2965 2377
F11 4285 3414 3505
F16 3825 3656 3737
F22 3063 2817 3139
F32 2533 2462 2331

135mm

テスト結果

周辺や隅の評価は偏芯があるため割愛。
中央は引き続き実用的な結果が得られています。F8まで絞ると若干の改善効果あり。

中央

周辺

四隅

数値

中央 周辺部 四隅
F4.5 3800 2691 2456
F5.6 4040 3373 2775
F8.0 4537 3234 1941
F11 3952 3251 2106
F16 3345 3317 3272
F22 3133 2811 2522
F32 2148 2267 2268

200mm

テスト結果

中央は引き続き良好。「非常に良好」とは言えませんが、実用的で特に不満はありません。絞ると徐々にコントラストが改善しますが、絞りによる光量低下を犠牲にするほどの効果は得られません。周辺や隅は広角側と比べると安定しています。偏芯の影響は控え目。

中央

周辺

四隅

数値

中央 周辺部 四隅
F5.0 3960 2978 2251
F5.6 4166 3126 2451
F8.0 4507 3454 2322
F11 4688 3276 2899
F16 3512 3075 2747
F22 3182 2920 2739
F32 2580 2145 2193

300mm

テスト結果

中央の解像性能が低下しますが、絞ると改善します。とはいえ伸びしろが少なく、F5.6で妥協するのも一つの手。日中屋外で絞れるのならF8-F11がおススメ。周辺や隅は絞り開放から安定していますが、数値は高くありません。また、倍率色収差の影響が顕著で測定結果に影響を及ぼしています。

中央

周辺

四隅

数値

中央 周辺部 四隅
F5.6 3206 2623 2894
F8.0 4029 2569 3136
F11 3876 2626 2597
F16 3344 2886 2395
F22 3003 2284
F32 2278 1849

RF100-400mm IS USMとの比較

広角側でのチャートテストは似たような結果。ただし、望遠側へシフトするほど中央・隅どちらもRF100-400有利の結果となります。望遠側の画質を重視するのであれば、RF100-400mmを選ぶことで大幅な改善を期待できます。

まとめ

中央はズーム全域で許容範囲内の結果が得られました。最新設計のレンズと比べると、特に望遠側の解像性能はイマイチですが、実用には十分だと思います。ただし、実写では球面収差や色収差の影響でコントラストが低下する可能性あり。全体的に、F8くらいまで絞って使うと安定した結果。

周辺や隅は偏芯で残念な結果となりましたが、良好な個体ではここまで酷くないはず。ちなみに遠景では比較的良好な結果が得られています。

望遠側では画質低下があるものの、近距離では使える範囲内に収まっています。もちろん、より高価なレンズと比べるとイマイチな結果には違いありませんが…。特に動物や近距離の人物をクローズアップする場合は問題なく使うことが出来ると思います。

購入早見表

このような記事を書くのは時間がかかるし、お金もかかります。もしこの記事が役に立ち、レンズの購入を決めたのであれば、アフィリエイトリンクの使用をご検討ください。これは今後のコンテンツ制作の助けになります。

RF75-300mm F4-5.6
楽天市場 Amazon キタムラ Yahoo
ビックカメラ マップカメラ ECカレント eBEST
メルカリ キタムラで中古在庫を探す

作例

オリジナルデータはFlickrにて公開  

関連レンズ

関連記事

-Canonレンズ, Canon関連の情報, カメラ, レンズ, 機材の噂情報・速報, 機材レビュー, 管理人レビュー, 解像力チャート
-, ,