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SG-image AF 55mm F1.8 STM レンズレビューVol.4 ボケ編

「SG-image AF 55mm F1.8 STM」のレビュー第四弾 ボケ編を公開。極端ではないものの、味付け程度に残存する球面収差により、柔らかい後ボケが得られるレンズ。

簡単なまとめ

E&Iクリエイション株式会社より無償貸与の製品を使用しています。
レビューにあたり金銭の授受や内容への指示は全くなかったことを明記しておきます。

簡易的なまとめ

程よく柔らかくて使いやすい後ボケが特徴。低価格のダブルガウス50mm F1.8と比べて変動が少なく、収差の補正状態が良好なので使い勝手が良い。撮影距離による変動が少なく、ポートレートシーンでも(低価格レンズとしては)快適に使うことが可能。

It is characterized by a soft, easy-to-use bokeh. Compared to the low-priced double-Gauss 50mm f/1.8, it has less fluctuation and a good aberration correction state, so it is easy to use. It has less fluctuation depending on the shooting distance, so it can be used comfortably even in portrait scenes (for a low-priced lens).

SG-image AF 55mm F1.8 STMのレビュー一覧

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

ボケの評価は主観的となりがちですが、個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくない(もしくは個性的な描写)と定義しています。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人もいることでしょう。参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルが以下のとおり。描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によるもの、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向があります。

後ボケ

近距離では滲むような後ボケが得られます。残念ながら軸上色収差の影響があるものの、滲むボケで分散しているため、悪目立ちしません。

前ボケ

後ボケと比較して硬調で、二線ボケの兆候が見られます。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまいます。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法がありません。しかし、絞るとボケが小さくなったり、絞り羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じて口径食を妥協する必要あり。

口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが可能。できれば口径食の小さいレンズが好ましいものの、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要があります。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。

球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生します(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまいます。

実写で確認

非球面レンズ未使用の綺麗な描写。内側は滑らかで、玉ねぎボケの兆候は全くありません。色収差の影響で玉ボケの外周部に色付きが少し発生するくらい。少し奇妙な形状の隅はF2.8まで絞ると改善、F4で解消します。

ボケ実写

至近距離

とても滑らかな後ボケが得られます。ピント面の滲みは過剰ではなく、バランスの良い描写。文句なし。

近距離

撮影距離が少し長くなっても同じ傾向が続きます。ボケの質感に変動はなく、安定した使い勝手。

中距離

さらに撮影距離が長くなると、僅かに硬めながら綺麗な描写。球面収差は軽微な影響に留まり、どちらかと言えばニュートラル寄りの印象。フレーム隅に向かって口径食の影響があり、色収差の効果も相まって悪目立ちする可能性あり。

と言っても、低価格のダブルガウスタイプと比べるとはるかに良好。

ポートレート

全高170cmの三脚を人物に見立て、絞り開放で距離を変えながら撮影した結果が以下の通り。全身ポートレートのような撮影距離でもボケ質は健闘しています。完璧ではありませんが、コマ収差が目立つダブルガウスと比べると周辺部の描写が許容範囲内。接近すると悪い点は徐々に目立たなくなります。

まとめ

程よく柔らかくて使いやすい後ボケが特徴。低価格のダブルガウス50mm F1.8と比べて変動が少なく、収差の補正状態が良好なので使い勝手が良い。撮影距離による変動が少なく、ポートレートシーンでも(低価格レンズとしては)快適に使うことが可能。

このようなレンズの性質として、前ボケが少し硬く、悪目立ちする場合があります。それが悪いことばかりではないものの、状況によっては想像していたよりも少し騒がしい描写となってしまうかもしれません。そのような場合は、少し絞って撮影すると改善する可能性あり。

傾向としてはFE 55mm F1.8 ZAとよく似ています。滑らかな後ボケの点で他の50mm F1.8と区別可能。FE 55mm F1.8 ZAと比べるとAFや遠景解像の観点で見劣りしますが、ボケ質に関しては価格のわりに健闘しています。

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SG-image AF 55mm F1.8 STM
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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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