銘匠光学「TTArtisan TS 100mm F2.8 2X Macro」のレビュー第二弾を公開。今回は恒例の解像力チャートを使い、α7R Vと組み合わせた際の近距離解像性能をチェックしています。
TTArtisan TS 100mm F2.8 2X Macroのレビュー一覧
- TTArtisan TS 100mm F2.8 2X Macro レンズレビュー 完全版
- TTArtisan TS 100mm F2.8 2X Macro レンズレビューVol.6 周辺減光・逆光編
- TTArtisan TS 100mm F2.8 2X Macro レンズレビューVol.5 諸収差 編
- TTArtisan TS 100mm F2.8 2X Macro レンズレビューVol.4 ボケ編
- TTArtisan TS 100mm F2.8 2X Macro レンズレビューVol.3 遠景解像編
- TTArtisan TS 100mm F2.8 2X Macro レンズレビューVol.2 解像チャート編
- TTArtisan TS 100mm F2.8 2X Macro レンズレビューVol.1 外観・操作編
解像力チャート
撮影環境
テスト環境
- カメラボディ:ILCE-7RM5
- 交換レンズ:TTArtisan TS 100mm F2.8 2X Macro
- パール光学工業株式会社「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)」
- オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
- 屋内で照明環境が一定
- 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
- RAW出力
- ISO 100 固定
- Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
・シャープネス オフ
・ノイズリダクション オフ
・色収差補正オフ
・格納されたレンズプロファイル(外せない) - 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
(像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック) - 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)
補足
今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。
テスト結果
絞り開放こそ6100万画素を活かす性能とは言えないものの、1段絞ると全体的に大きく改善。特に中央から広い範囲でシャープとなり、隅も徐々に向上しています。最大限シフトした状態の隅はF2.8からF5.6くらいまで破綻しているものの、F8まで絞ると実用的な画質を得ることが出来ます。
中央
球面収差の影響かF2.8はコントラストが低下しています。ただし、細部まで解像性能は良好。F4からF5.6でコントラストが改善し、F8までピークが続きます。F11以降は回折の影響が発生し、F22はかなりソフトな描写へと変化。
周辺
基本的に中央と同じ傾向。解像性能は中央に近い結果が得られます。
四隅
中央や周辺と比べるとややソフトで、解像性能が低下。F8くらいまで絞ると満足のいく結果が得られるものの、非点収差のような像の流れが僅かに発生しています。細かいこと言わなければ、F4から均質性の高い結果と言えるかもしれません。
シフト後の隅
絞り開放付近は破綻しているため 数段絞る必要があります。2段 絞ると画質は良好に。 完全に実用的な画質になるのは F 8から。倍率色収差の影響が残るものも カメラで簡単に補正できるため 特に心配 心配する必要はないでしょう。
数値確認
中央 | 周辺部 | 隅 | 隅TS | |
F2.8 | 3407 | 3019 | 3393 | |
F4.0 | 4389 | 3924 | 3594 | |
F5.6 | 4634 | 4386 | 3898 | 3718 |
F8.0 | 4648 | 4483 | 3992 | 3870 |
F11 | 4161 | 4147 | 3851 | 3780 |
F16 | 3783 | 3860 | 3521 | 3371 |
F22 | 2589 | 2488 | 2485 | 2514 |
実写確認
細部を確認すると隅の画質低下が目に付くものの、全体的に見ると均質性の良好なマクロレンズらしい結果が得られます。
まとめ
F2.8の絞り開放こそ少し甘めですが、それでも広い範囲で十分な解像性能を得ることが出来ます。6100万画素の高解像センサーを活かすのであれば、F4~F5.6まで絞ったほうが良いでしょう。細部を見ると完璧とは言えませんが、手ごろな価格の2倍マクロレンズとしてはとても良好なパフォーマンスを発揮。ほとんど弱点はありません。
シフト撮影時は絞り開放付近こそフレーム隅が非常に甘くなるものの、もF8程度まで絞ると良好な結果を得ることが可能。三脚で固定したマクロ撮影時にシフト軸でフレームを調整することも可能。
購入早見表
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作例
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