「FUJIFILM X-E3に合う小型レンズは?」と考えたとき真っ先に候補に挙がったXF18mmをお買い上げ。さっそく外観や描写性能をチェックしてみましょう。
外観編
外観
35mm判換算で27mmの画角を持ち、F2と明るいレンズにしてはとてもコンパクトで軽量。
気軽にカメラバッグやポケットに収納できる大きさですね。
軽いレンズですが、全体的に金属パーツで構成され頑丈な造り。
他のXFシリーズと同様に絞りリング、フォーカスリング共にリブ付きの金属パーツです。冬場はちょっと冷たいかもしれませんが、ゴム製のリングと違ってゴミが付着し難いので好きです。
絞りリングは1/3段ごとにクリック感がある。操作性はやや硬め、個人的にはもう少しクリックがソフトな感触が好み。
フォーカスリングは回転動作こそ滑らかだが、グリスが足りない乾いた操作感。
前玉は凹型の小さなレンズですが、後玉はソコソコ大きいですね。
フィルター径はXF35mm F1.4 Rと同じ52mmを採用。他の単焦点やズームレンズに多い58mm径では無いので使回しが難しい。いっそのことNDやC-PLは58mmか62mmを揃えてステップアップリングを装着して使うと言う手もアリ。ただし、その場合はフードと干渉してしまいます。
また、他のレンズと同様にレンズ前面に白文字で型番が印字されています。フィルターを装着していると逆光で白文字で光が反射しフィルター面へ写りこむ可能性あり。
FUJIFILM X-E3へ装着
付属のレンズフードは金属製の四角型。
嵩張らず、外観を損ねない点がメリットとなり、ツマミ式のキャップやフィルターの脱着が出来ないデメリットが発生します。
レンズフードのソケットはフォーカシング可動部に存在するため、AFを作動させるとフードごと移動します。
FUJIFILM X-E3に装着。コンパクトなレンズですのでX-EシリーズやX-Aシリーズと相性が良さそう。
スナップカメラやファミリーカメラとして最適な組み合わせと感じます。
フォーカシングにより近接側から無限遠側へ移動すると僅かにレンズ内筒が前後します。
AF・MF
遅くはありませんが、ステッピングモーターを使うレンズと比べて前後へ移動方向をスイッチするときにワンテンポ遅れます。
さらに、ミラーレス一眼用のレンズとしては作動音が大きい。これはオートフォーカス時でもマニュアルフォーカス時でも同様ですので動画撮影には向いてません。
さらにピント距離による画角変化が大きく、特に近接撮影時に影響を大きく受けるかもしれません。
実写編
ボケ質
ニュートラルで前後のボケ質に大きな差がありません。
また、軸上色収差による色ずれも少なく騒がしい要素が無い点がGood。この画角としてはボケが綺麗なレンズと言えるのではないでしょうか。
F2
F2.8
F4
ボケ質2
ボケ質は「XF35mmF1.4 R」と似ており、少し芯を残して周辺が滲むタイプ。
後ボケが騒がしいと感じる機会は少ないはず。
F2
F2.8
F4
ボケ質 実写
パンケーキレンズとしては玉ボケが綺麗ですね。
縁取りが少なく、非球面レンズによる粗は目立ちません。
ボケの色づき
軸上色収差の補正は良好。
ハイコントラストなシーンでも鑑賞レベルで目立つ機会は少なそうです。
近接解像
フレーム中央は絞り開放から実用レベル以上の画質です。そのままでも十分ですが、F5.6程度まで絞ると解像のピークに達する。
絞り開放のフレーム周辺で非点収差か倍率色収差(が補正された)のようなズレが確認できます。描写が安定するのはF5.6まで絞った時で、解像性能のピークさらに絞ってF11あたり。
フレーム全体で均一な解像性能を得るには立ち上がりが遅いレンズと言えるでしょう。
F2
F2.8
F4
F5.6
F8
F11
F16
遠景解像
中央は絞ることで画質がやや向上しますが、周辺部はあまり変化ありません。
しかし、周辺部は近接時ほど画質の乱れがありませんね。F8?F11まで絞ると僅かに描写が引き締まります。
F2
F2.8
F4
F5.6
F8
F11
F16
像面湾曲チェック
像面湾曲の問題無さそうです。
逆光
強烈な逆光にも関わらず、レンズフレアの発生量は少ない。
おそらく実写でフレアに悩まされるシーンはほぼ無いかもしれません。
注意点はレンズ前面に白文字で型番が印字されていること。保護フィルターなどを装着している場合、白文字に光が反射しフィルター面へ写りこむ可能性があります。
今回のおさらい
- 小型・コンパクトで携帯性に優れている。
- 金属鏡筒でしっかりとした造り。
- 絞りリングやフォーカスリングの操作性はやや固く、グリスが足りない。
- フォーカシングはノイジーでブリージングが大きい。
- レンズフードは逆付け不可。
- ボケ質はニュートラルでこの画角としては良好。
- 僅かに芯が残るボケ質。
- パンケーキ広角レンズとしてはフレーム四隅の玉ボケが綺麗。
- 軸上色収差の影響が少ない。
- フレーム中央の解像性能は絞り開放から良好。ピークはおよそF5.6前後。
- フレーム四隅の解像性能は近接でF8-F11、円形でF5.6から良好。
- 像面湾曲の影響は確認できません。
- 逆光耐性は高い。
造りと描写性能を考慮すると実勢価格(2017年12月末で新品5万7千円ほど)はまずまずと言った印象。
価格を考慮するとフォーカス駆動や絞り開放の周辺描写が少し不満と感じるかもしれません。とは言え、パンケーキ広角で明るめのレンズと考えると描写性能は健闘しているかなと。
やはり擁護出来ないのは操作リングの滑らかさとフォーカス駆動方式。いささか古さを感じる挙動で5万円超えの価格設定はちょっと強気じゃないか?と感じるレベル。
価格設定が気になるものの、いざ買って使い始めたら面白いレンズ。ボケは綺麗で絞ればそこそこシャープ。
さらに使いやすい画角と携帯性が相まってX-E3の良い相棒となりそうです。
買うべきか?買わざるべきか?
価格設定が気にならなければオススメできる描写性能。
フォーカス駆動が気になる方はぜひ買う前にチェックするべきでしょう。オートフォーカスだけでなく、マニュアルフォーカス時の精度やレスポンスも要チェック。
中古玉が4万円を切る価格で流通していますが、「防塵防滴仕様では無い」「フォーカシングで鏡筒が前後する」と言ったポイントからゴミが混入しやすいレンズです。さらに発売から年月が経っているので使い込まれた玉も多いはずなので注意するべき。
オークションで購入日が不明の中古品は避けた方が良いかもしれません。オススメはキタムラで最寄りの店舗まで取り寄せて実際に目で見て確認する方法。
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