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フジフイルム XF50mm F2 R WR 交換レンズレビュー

このページではフジフイルムの交換レンズ「XF50mm F2 R WR」のレビューを掲載しています。

XF50mm F2 R WR

仕様の確認

型番 XF50mmF2 R WR
レンズ構成 7群9枚 (ED非球面レンズ 1枚)
焦点距離 f=50mm (35mm判換算:76mm相当)
画角 31.7°
最大口径比(開放絞り) F2
最小絞り F16
絞り形式 9枚 (円形絞り)
撮影距離範囲 39cm - ∞
最大撮影倍率 0.15倍
外形寸法:最大径×長さ(約)
※先端よりマウント基準面まで
ø60mm x 59.4mm
質量(約)
※レンズキャップ・フード含まず
200g
フィルターサイズ ø46mm
同梱品 レンズキャップ FLCP-46
レンズリアキャップRLCP-001
レンズフード
ラッピングクロス

外観・レンズフード

外観

F2シリーズらしい金属外装のしっかりとした作り。レンズマウントからフードバヨネットまでフルメタリック。

ゴム製パーツが使われていないため、外観的に劣化する要素が少なく長く使っていける相棒となるはず。

塗装はやや明るめのシルバーをチョイス。個人的にはオリンパスやペンタクスのようにいぶし銀カラーが良かったところ。

製造国は他のF2シリーズがフィリピンであるのに対し、このレンズは日本製。当然ながらクオリティに差は感じません。

レンズフード

シルバーを買ったにも関わらず、付属する円形プラスチックフードはブラック。

この組み合わせは非常にダサく感じる。XF35mm・XF23mmのようにシルバーの金属製レンズフードを別売りでも用意すべきだと思うのです。

ロックボタン式では無いものの、装着は非常に固いのでズレる心配は無し。むしろ固すぎるくらい。逆さ付け可能。

前玉・後玉

APS-C用50mm F2としては控えめな46mmフィルター径を採用。

XF16mmは49mm、XF23mm・XF35mmは43mmなので統一感の無さはやや残念。せめて46mmか49mmに統一しておけばレンズフードも使いまわせたのですが…。

防塵防滴仕様のためレンズマウントを始めとして内部に水やゴミを防ぐシーリングが10カ所に施されています。加えてインナーフォーカス方式のためレンズ内部はしっかりと密閉されている。

「ゴミの混入が少ない=レンズ状態が悪化し難い」と言う図式となるため、金属外装と相まって長く付き合えるレンズ。

ただし、前玉にフッ素コーティングは施されていないので汚れや傷には気を付けたいところ。

質感・重量

重量は約200gと非常に軽量。全長は59.4mmと他のF2シリーズより若干長いものの、直径は60mmと統一されています。携帯性が良くカメラバックへの収納性も良好。

フォーカスリング・絞りリング

フォーカスリング

F2シリーズと同程度の抵抗感と滑らかさを持っています。比較的幅の広いリングとなっているので操作しやすい印象。

絞りリング

1/3段ごとに動作するF2-F16+「A」の絞りリングを搭載。

絞りリングの位置は統一されているので同じ感覚で利用できるのは便利。

オートフォーカス

アクチュエーターにはリードスクリュー式のステッピングモーターを使用。F2の単焦点レンズとしては軽快なオートフォーカス。

ブリージングは非常に小さく、個人的には知覚できないレベル。このため、接写-無限遠のピント移動がとても安定している。

AF-Sでは快適に動作するものの、AF-Cの場合は前後に激しく動く被写体に追いつけない場合があった。これはカメラ側のパフォーマンスや設定に問題があるかもしれない。

遠景解像

開放から四隅まで安定した解像性能。F2の場合は少しマイクロコントラストが弱いかなと感じる程度。

画質に影響があるとすれば周辺減光で、これはF4まで影響が見られる。減光補正の影響を加味するとベストな画質はF4-F8。回折はF11付近から徐々に影響が大きくなり、F16ではF2より解像性能が低下する。

像面湾曲の影響はほぼ見られず、誤差の範囲程度。

近景解像

中央領域は絞り開放からシャープ。四隅が追い付くのはF4あたりで、F2-F2.8では僅かにソフトな描写。

マクロ

他のF2シリーズと比べると描写の甘さが少ない安定したパフォーマンス。XF23mmやXF35mmは最短撮影距離で撮影するとピント面がより滲んでしまう。

僅かなコントラスト低下もF2.8まで絞ることで解消される。画質のピークはF4-F11周辺。

軸上色収差・ボケ質

軸上色収差は目立つという評価があるものの、今回のチェックでは確認できず。個人的にはなかなか良好に補正されていると感じ、特に問題はありません。(追記:別の被写体でチェックしたところ高コントラストな被写体で僅かに確認できました)

ボケ質のバランスは後ボケ寄り、前ボケが騒がしい代わりに後ボケはとても滑らかとなっています。

コマ収差

影響は極僅かで大抵の被写体では特に問題とならないはず。四隅の本当に端の領域のみF2-F2.8で影響が見られる程度。

歪曲収差

極僅かな糸巻き型歪曲で、大半の被写体ではデジタル補正を必要と感じない。

今回のおさらい

XF50mm F2 R WRの特徴

  • しっかりとした作りの金属鏡筒
  • シルバーモデルでもレンズフードは黒色
  • フィルター系は46mmで他のF2シリーズとは合わない
  • 防塵防滴仕様
  • 若干長いが直径はF2シリーズと同程度
  • AF-Sでは快適なAF速度
  • 絞り開放から良好な遠景解像
  • F2.8まで影響が見られる周辺減光
  • マクロ領域でも開放から良好な解像性能
  • 僅かな軸上色収差
  • 後ボケ重視のボケ描写
  • 極僅かなコマ収差
  • 極僅かな糸巻き型歪曲収差

他のF2シリーズと同じく非常に安定した描写性能の50mm単焦点レンズ。悪く言えば変化が無くつまらない描写ですが、特にレンズの味を求めていない場合は頼もしくもある。

この画角の明るいレンズとしては非常にコンパクトで携帯性が他のF2シリーズと同程度という点は評価に値するポイント。ただし、手ぶれ補正が搭載されていないので風景シーンではシャッタースピードに注意が必要。

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