- 2017.8.8:ページを少し修正しました。
外観比較
チェックポイント
ピントリングに違いあり
キヤノン純正レンズは3本ともピントリングが前方に配置され、ズームリングは手前。デザインこそ違えどピントリングの幅や回転方向は同様だ。
一方でシグマのArtはズームリングとピントリングの配置が逆だ。レンズを支えながらズーミング操作をしやすいバランスになっているので動いている被写体を追いかけるには便利なデザインと言えるだろう。オートフォーカスの使用を前提とした、現代の最新レンズに多いデザイン。
このデザインが使い勝手で大きく差が出てくるのは望遠ズームレンズで、標準レンズならばそこまで使い勝手に差は出てこない。従来のデザインを踏襲している純正レンズの方が慣れた配置で使いやすいだろう。
STMは距離指標が無い
STMはのフォーカス駆動は電子制御で行われているため、物理的にフォーカスレンズとピントリングが連結していない。そのため距離指標はレンズに採用されておらず、電源オフにピントリングを操作しても無効となる。
これが操作性に影響を及ぼすのは、夜間の撮影時にマニュアルフォーカスでピントを合わせる時。特に無限遠にピントを合わせる場合にはライブビューとにらめっこしながら頑張る必要がある。
サイズ比較
比較表
STM | IS USM | IS II USM | Art | |
最大径×長さ | φ83.4×104mm | φ83.5mm×107mm | φ83.5mm×118mm | Ø88.6mm×109.4mm |
質量 | 525g | 670g | 約795g | 885g |
チェックポイント
取り回しの良さが大きく違う
一番軽量でコンパクトなレンズはSTM。次点でIS USM。防塵防滴構造で頑丈な鏡筒を考えるとIS USMの重量増は妥当な範囲。
逆に一番大きくて重いのはシグマのArt。サイズや取り回しは二の次で光学性能を優先させる最近の傾向が良く表れているシグマらしいレンズに仕上がっている。
防塵防滴ではなく、堅牢さで言えば純正のLレンズに劣るものの、特殊レンズを含めてレンズ構成枚数が一番多いのがArtだったりするので重い。
ただし、外径は8cm?9cmと大きく差は無く、レンズの全長自体もそう大差はない。
収納性で言えばあまり変わらないが、携行性で言えばSTMが有利。
基本仕様比較
比較表
STM | IS USM | IS II USM | Art | |
発売時期 | 2014年 | 2005年 | 2016年 | 2013年 |
レンズ構成 | 13群17枚 | 13群18枚 | 12群17枚 | 14群19枚 |
絞り羽根枚数 | 7枚 | 8枚 | 10枚 | 9枚 |
最小絞り | 22-36 | 22 | 22 | 22 |
最短撮影距離 | 0.4m | 0.45m | 0.45m | 45cm |
最大撮影倍率 | 0.3倍(105mm時) | 0.23倍(105mm時) | 0.24倍(105mm時) | 0.22倍 |
フィルター径 | 77mm | 77mm | 77mm | 82mm |
最大径×長さ | φ83.4×104mm | φ83.5mm×107mm | φ83.5mm×118mm | Ø88.6mm×109.4mm |
質量 | 525g | 670g | 約795g | 885g |
手ブレ補正効果 | 4.0段分 | 約3段分 | 約4段分 | 未公表 |
備考 | MF操作が電子制御 | 防塵防滴 | フッ素コーティング ASC 防塵防滴 |
チェックポイント
防塵防滴仕様のタフなLレンズ
F4Lの2つレンズはともに防塵防滴に対応している。
雨天や砂埃の舞うようなコンディションが多いのであれば、Lレンズを選んだ方が良いだろう。
特に最新モデルのIS II USMは防塵防滴に加えて汚れに強いフッ素コーティングがレンズに施されている。ハードなコンディション下で機材トラブルの心配をしたくない場合、ベストを尽くせるのはIS II USM。
ワーキングディスタンスに大差なし
比較表から分かる通り、接写性能に大きな違いは無い。STMがやや有利というくらいか。
あえて差をつけるとしたら、近接撮影する場合にフルタイムマニュアルをよく使うなら使い勝手はIS II USMが最も良好。
STMは電子制御でピント操作に違和感がある、IS USMは手ぶれ補正がやや弱い、Artはピントリングが小さすぎという点を考慮した。
前玉にフッ素コーティングが施されているのでフィルター無でも近接しやすい(ラフに扱えるので抵抗が少ない)という面もあるだろう。
レンズ構成
価格比較・購入早見表
新品価格を見比べると安い順にSTM>>IS USM=Art>IS II USMという順番。
描写性能
EF24-105mm F3.5-5.6 IS STM
比較的新しいレンズらしくコーティングによる逆光性能も良好で、近接撮影が得意。テレ側の描写性能も良好で、軽さを活かしたフットワークなどで近景?中景を撮影するにはパフォーマンスの高いレンズ。周辺光量おちや色収差の補正も上手なので、癖のないズームレンズとして使いやすい。
一方でワイド側の風景写真など遠景で使う場合には細部の解像力がやや不足。特に周辺部・四隅の描写の甘さはやや気になるかもしれない。
EF24-105mm F4L IS II USM
周辺部を含めて良好な解像力を発揮。旧モデルよりレンズ構成が変化しており、歪曲収差も改善している。新コーティングによる逆光性能も良好。
シグマのArtと比べても解像力に見劣りは無く、デジタル補正を適用できる点などを考えるとトータルバランスでベストな選択肢。
EF24-105mm F4L IS USM
設計とコーティングの古さによるためか、逆光に弱く解像力も他のレンズと比べるとあまり揮わない印象。
中央の解像力はしっかりしているので、周辺部の処理や強い逆光に気を付ければ結構いける。APS-Cで使う分にはこのレンズの粗が見えづらくなる。
24-105mm F4 DG OS HSM|Art
解像力を追求するシグマのArtシリーズらしく、フレーム全域でしっかりとした解像性能を発揮する。特に中央の描写はずば抜けて良好でズームレンジ全域でかなり良好と言える性能。望遠端で周辺部がやや落ち込むが、F5.6まで絞ればフレーム全域で均一な描写となる。
ネックは絞り開放で周辺減光が目立つので、純正レンズと違ってデジタル補正を適用できない点が大きな検討材料。歪曲収差も同様に純正のソフトやボディで補正を適用できない点がマイナス。
作例確認
IS II USM
まとめ
コストパフォーマンスなら『EF24-105mm F3.5-5.6 IS STM』
「標準ズームなんざ撮れればいいのよ!」という割り切りがある場合にはこのレンズ。
最も手頃で、描写性能も大局的な違いは無い。コストパフォーマンスの高いレンズだ。「大きなフルサイズを持ち出してまで使うレンズじゃない」とお考えの方もいるかもしれないが、APS-C機と比べるとボケも作りやすく高感度にも強い。
さらにフットワークの軽いレンズなので携行性が高く、得てして重くて大きいレンズよりも使う機会が自然と多くなるレンズだ。
一番高いIS II USMと比べると価格差が非常に大きい。差額で単焦点レンズが一本や二本は買えるので、画質を追求するなら単焦点という選択肢は大いにあり。
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ベストを尽くすなら『EF24-105mm F4L IS II USM』
今回ご紹介したレンズの中では最も高価なレンズとなる。
これを購入できるのであれば、そもそも悩む必要性など無かったりする光学性能と堅牢さを誇る。
とは言え、その分レンズの重量が増えており「付けっぱなしレンズ」として扱うにはちょっと大きいかな?という気がしないでもない。
防塵防滴・光学性能を求めるならばベストの選択肢。
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安価で防塵防滴が欲しいなら『EF24-105mm F4L IS USM』
STMやシグマのレンズが存在するので、このレンズを今選ぶ説得力は落ちてきている。
とは言え、堅牢な鏡筒に防塵防滴という特徴はまだまだ健在。おまけに新型F4Lよりもサイズが小さく軽いため、フットワークの軽さはSTMに次ぐ性能を持っている。
さらに新型の登場で新品が安価になっていたり、状態の良い中古品も出回っている。描写性能を追求しなければ、フィールドカメラのお供にするレンズとしてのパフォーマンスは高い。
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自宅でRAW現像前提なら『24-105mm F4 DG OS HSM|Art』
前述してきたように、ズームレンズながらしっかりとした解像力をもっているシグマのレンズ。
コストパフォーマンスは非常に悩まし価格帯となっており「旧F4Lよりも画質が良好で新F4Lのように10万円は出せない」という場合に選択肢として有りうる。コスパの優先度が高い場合には純正のSTMを買った方が良いだろう。
24-105 F4L II並みの解像力で防塵防滴が必要ない、自宅のパソコンでRAW現像するのであれば満足度は高い。
シグマのアダプタを買えばソニーのα7系でも使える点を考慮すると自由度は高い。
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