SIGMA SIGMAレンズ カメラ レンズ

シグマ 24-70mm F2.8 DG OS HSM | Art交換レンズデーターベース

このページでは一眼カメラ用交換レンズ「24-70mm F2.8 DG OS HSM | Art」の情報を収集しています。

更新履歴

  • 2018-10-12:Optical Limitsがレビューを掲載しています。
  • 2018.2.7:DxOMarkがキヤノンEF・ニコンFマウントのレビューをそれぞれ公開しました。
  • 2017.10.10:ePHOTOzineを参考サイトに追加しました。

データベース

レンズの特徴

  • 3.5段分の手ぶれ補正を搭載
  • レンズ鏡筒に剛性を高める金属部品を多用
  • 前玉にメンテナンス性を高める撥水・防汚コート採用
  • ニコン電磁絞り対応
  • マウント部に簡易防塵防滴用ゴムシーリングを採用
  • MC-11アダプタでソニーEマウントでの使用に対応
  • USB DockによるAF微調整に対応

手ぶれ補正の無いキヤノン純正、サイズが大きくて非常に高価なニコン純正、AF微調整機能や防汚コートが無いタムロン製と比べて機能性やサイズに優れている点があります。

さらに小型なデザインであるのでMC-11アダプタを介したソニーα7との相性も良さそうですね。

購入早見表

レンズデータ

レンズ仕様

レンズ構成 14群19枚
最小絞り F22
フィルターサイズ φ82?
画角 84.1°? - 34.3°
最短撮影距離 37cm
最大径 × 全長 φ88? × 107.6?
絞り羽根枚数 9枚 (円形絞り)
最大倍率 1:4.8
OS 3.5段分
電磁絞り
簡易防塵・防滴
撥水・防汚コート
MC-11対応
USB Dcok対応

MTFチャート

レンズ構成図

歪曲

周辺光量

海外の評価

DxOMark

EFマウント
EOS 5Ds R スコア 解像 透過 歪曲 減光 色収差
24-70 Art 30 20 3.3 0.3 -1.4 15
24-70 G2 30 19 3.1 0.4 -1.7 6
24-70 G1 32 24 2.9 0.3 -1.5 6
24-70 AT-X 32 25 2.9 0.4 -1.1 14
24-70 L II 35 32 2.9 0.4 -2.1 16

堅実な選択肢

従来のArtシリーズレンズは極上の光学性能を持っていたが、このレンズは「SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD」と同程度に留まり、「EF24-70mm F2.8L II USM」ほどでは無い。

とは言え、良いパフォーマンスを発揮するレンズだ。全体的に見て価値のある選択肢と言えるだろう。

焦点距離全域で比較的均一なシャープネス、色収差のレベル、周辺減光や歪曲などこのカテゴリでは良好に補正されている。

  • 24-70 EXと比べて外側1/3のシャープネスが改善しているものの、ライバルレンズと比べて訴求力があるものではない。
  • 24mmでは非点収差が目立つ。シャープネスのレベルはタムロンやキヤノンに大きく遅れを取るものではないが四隅では引き離される。
  • 70mmでも非点収差が目立ち、シャープネスはキヤノンよりも低下しタムロンにやや遅れを取る。
  • ミドルレンジの焦点距離ではキヤノンに遅れを取っていない性能だ。
  • 従来モデルと比べて色収差は遥かに抑えられている。ただし、24mmと70mmはキヤノンとタムロンがより良好だ。驚くべきことにタムロンはキヤノンよりも良好である。
  • 歪曲は良く補正されている、
  • 周辺減光はタムロンと同程度だ。
Fマウント
D810 スコア 解像 透過 歪曲 減光 色収差
24-70 Art 31 23 3.3 0.4 1.6 13
24-70 AT-X 31 26 2.9 0.4 1.1 13
24-70 G1 31 22 3.1 0.3 1.5 6
24-70 G 29 21 3.2 0.4 1.7 32
24-70 E 28 19 3.1 0.6 1.5 30
24-70 EX 25 21 3.1 0.4 1.5 28

価値のある一本

このレンズは純正レンズよりも安価な上に手振れ補正まで搭載している。

良好なパフォーマンスと優れた費用対効果を生み出すが、我々がシグマのArtに期待していたものでは無かった。

とは言え、焦点距離全域で比較的均一なシャープネス、色収差のレベル、周辺減光や歪曲などこのカテゴリでは良好に補正されている。

The Phoblographer

好き
  • シャープな画質
  • 良好なフォーカシング
  • 様々なシチュエーションで美しい発色
  • 美しいボケ
  • コンパクトで軽量
  • 耐候性
嫌い
  • 正直なところ特にない。ついでに言えば外装がより滑らかだと良かった

このレンズの評価はとても高い。

美しい画質、良好なAF、耐候性、コンパクトな外装で確実に動作する。シャープで色は少し飽和気味だが私の好みである。そしてボケは美しい。

このレンズが好きかどうかと聞かれたら、もちろん答えは「Yes」である。

ePHOTOzine:望遠側はポートレート用の調整が施されている

  • このレンズは1020gとお非常に重い。EOS 5Ds Rとの組み合わせでバランスは取れているが重さに変わりはない。
  • オートフォーカスは高速で静か、そして信頼性が高い。
  • 手ぶれ補正は3~4段分の効果だった。
  • マウント部にはゴム製のガスケットが備わっている。しかし、防塵防滴仕様では無いため、環境の変化には気を付けるべきだろう。ただし、レンズは品質と気密性の高さから弱点とはならないだろう。
excellent very good good soft
24mm center F2.8-F8 F11-F16 F22
eages F8 F2.8-F5.6,F11 F16 F22
35mm center F2.8-F8 F11-F16 F22
eages F4-F8 F2.8,F11-F16 F22
50mm center F2.8-F5.6 F8-F16 F22
eages F5.6 F2.8-F4,F8-F16 F22
70mm center F2.8-F4 F5.6-F8 F11-F22
eages F2.8-F22
  • 色収差は中央部で非常に良好な補正だが、隅では色づきがみられる。
  • 歪曲の補正は良好だ。24mmで-2.86%の樽型は建築物で目につくかもしれないがソフトウェアで補正可能である。
  • レンズ構成は複雑だがフレアの問題は無い。コーティングが上手く作用しているのは明らかだ。最もシビアな状況ではコントラストが僅かに失われることがあるものの、一般的にはフレアは発生しない。
  • ボケは非常に滑らかだ。70mmの解像力は欠点となるかもしれないが、時として利点に変わることもあるあろう。ポートレート撮影では非常に満足のいくものだ。
  • このレンズは高価に見えるかもしれないが、他の選択肢と比べてサイズが小さくVFMも適切だ。

このレンズはフルフレームのユーザー魅力的な選択肢だ。

バランスのとれたパフォーマンスとゴージャスなボケ、ポートレート撮影での有用性、低歪曲と肯定的な側面が多い。

一方で気象環境に強くないこと、70mmのパフォーマンスがソフトである点が残念だ。ポートレートや花などで使う分には最適だろう。

長所 短所
  • バランスのとれたシャープネス
  • 良く補正された歪曲
  • 中央色収差がとても小さい
  • 美しく滑らかなボケ
  • 70mmでのポートレート
  • 耐候性なし
  • 70mmがソフト
  • 隅に部分的な色収差の残存
機能性
操作性
パフォーマンス
価格
総合評価

Dustin Abbott:素晴らしい描写だがシグマらしくないレンズ

  • レンズの造りは非常に良好。ズームリングは正確かつ滑らか、オートフォーカスと手ぶれ補正はとても静かだ。
  • 感触はプロフェショナルグレードと呼べるものであり、私が使った24-70mm F2.8の中では最も美しい。
  • マウント部のガスケットや内部の防滴シールが施されているため、従来のArtレンズよりも遥かに改良されている。旅行やプロユースでも便利なレンズとなるはずだ。
  • 特にズームリングの滑らかな動作には非常に感銘を受けた。ガタツキや引っかかりは無い。
  • フォーカスリングの動作はかなり良好だが、狭すぎることと、ズームリングに近いため誤作動させてしまうことがある。
  • オートフォーカスは高速で非常に静かだ。タムロンの24-70mm(G1)よりも遥かに高速でスムーズ。実写におけるオートフォーカスの正確さは問題が無かった。
  • 手ぶれ補正はタムロン24-70mm VCよりも僅かに効果が低い。しかし、依然として手ぶれ補正搭載モデルとしての価値は高い。
  • 24mmのシャープネスは絞り開放から中央は非常に良好だ。フレーム周辺部はとてもソフトだが、これは他のレンズと比べて特に酷い訳では無い。F5.6~F8まで絞るとシャープネスは最適となる。
  • 風景撮影用のシグマのArtズームを購入するつもりなら「24-35mm F2 DG HSM」をオススメしたい。
  • パフォーマンスが最も良好なのは中間域である50mmだ。
  • 70mmのシャープネスは35mmと同じく中央は良好で、端は明らかに落ち込んでいる。
  • 私がこのレンズの描写で印象的だったのは豊富で正確な色描写だ。非常にシャープなレンズでは無いが、全体的な描写は非常に満足している。
  • 玉ボケに現れる同心円状のボケは極僅かだ。
  • レンズのコントラストには満足している。
  • 周辺減光は24mmで顕著に表れる。特別減光が大きいと言う訳では無いが、解消するには数段絞り込む必要がある。
  • 色収差は実写では問題ないと自信を持って言う事が出来る。
  • ボケの色づきは実質的に皆無だ。
  • 歪曲収差の補正は良好だが、広角端でやや樽型歪曲を示している。
  • 逆光時はコントラストの低下こそないものの、ゴーストは発生する。特に付加価値のあるゴーストの形では無い。
  • 全体的に見て、このレンズは画質を損なう光学的な欠点がほとんど無い。ただし「解像力抜群のシグマレンズ」として考えると不満が残るかもしれない。
  • MC-11を装着してα6500に装着した。オートフォーカスは一眼レフの位相差AFほどでは無いが、それでも非常に高速だ。
  • 24-105mm F4L IS II USMと比較してみたところ、間違いなくシグマの画質が好みである。24-105 IS IIはややソフトだ。

私はこの最新シグマレンズが世間でどのような評価となるか分からない。シグマはシャープネスで評判のレンズであり、他社と比較した場合に24-70 Artはベストな選択肢では無い。

しかし、レンズの描写は完璧で、競合モデルよりも優れている。消費者はこのレンズの意図を把握できるだろうか?シグマのイメージとはギャップがあるレンズだ。

長所:非常に良好なレンズの造り・静かで高速なAF・このカテゴリでは美しい色描写・このカテゴリでは素敵なボケ・歪曲は最小・色収差は小さい・MC-11対応・純正レンズよりも安価

短所:解像力は素晴らしいものでは無い・僅かにゴーストが出やすい・比較的OSの効き目が低い

Optical Limits

  • キヤノンよりも安価だが、タムロンよりは高価なレンズだ。
  • Artシリーズのデザイン哲学に従い、金属とTSCで構成された鏡筒だ。
  • ズームリングとフォーカスリングは滑らかに動作し、内筒にぐらつきは確認できない。
  • HSMは静かでとても高速だ。AF精度は完璧でなかったが、比較的良好だ。
  • 手振れ補正は4段分と言われているが、実際は半分程度だった。この点でタムロンG2は明らかに優れている。
  • 歪曲は24mmで比較的穏やかな樽型歪曲-2.1%、35mmで歪曲が無くなり、70mmで1.7%の糸巻き型だ。
  • 周辺減光は24mmの絞り開放で2.5EVと最悪だ。これはハッキリと目立つもので、F5.6以降で許容範囲となる。
  • MTF 5000万画素:
    ・中央の広いエリアは絞り開放でとても良好、中程度まで絞ると優れた結果となる。ズームレンジ全域で良好な結果であり、このクラスとしてはかなり堅実だ。
    ・一方で外側の領域は24mm F2.8でとてもソフトだ。F5.6-F8でかなり改善する。35mmで僅かに改善される。スイートスポットは50mmだ。
  • MTF 2100万画素:
    ・F4~F11までのクオリティは本当に良好だ。
    ・24mmや70mmの絞り開放における四隅はあまり良くない。
  • 倍率色収差はかなり高い。ズームレンジ中間ではそれほど目立たない。
  • 玉ボケは比較的良好だ。前後のボケは後ボケが柔らかく、前ボケが固い。

中央はズームレンジ全域でシャープ、少し絞れば周辺も程よく解像し、ボケは比較的良好だ。一方で周辺減光や歪曲はこのクラスで一般的な性能のレンズだ。

価格設定からするとパンチが欠けている。(他の24-70mmにも言えることだが)

IMAGING RESOURCE:純正と比べてはるかに安価

  • シグマのグローバルヴィジョンシリーズらしいデザインと操作性だ。
  • 他のグローバルビジョンシリーズと同じく、このレンズは非常に重い。カメラと組み合わせるとさらに重くなる。長時間の手持ち撮影は楽しめないだろう。
  • フォーカスリングは操作するのに十分な幅を持っているが、一般的には「狭すぎる」と感じる大きさだろう。
  • HSMによるAF駆動はとても高速に動作する。作動音は動画撮影の場合に音をかなり拾ってしまう。極端に大きな音では無いが、私が予想していたよりも大きかった。
  • 動画撮影時のオートフォーカスには感銘を受けた。キヤノンのデュアルピクセル AFの性能に応えるものだ。
  • 倍率色収差は拡大すると僅かだが存在する。軸上色収差は恐ろしい量では無いが発生する。
  • フレアはよく補正されている。
  • 周辺減光はズームレンジ全域・絞り開放で目立つ減光が発生する。
  • 24mmの中央解像力は絞り開放から良好だが、周辺部はかなり低下する。絞ると急速に改善し、F5.6では問題なくなるだろう。
  • 35mmの解像力は24mmと同程度だ。
  • 50mmも24mmや35mmと同じ傾向だが、絞り開放における四隅の画質は35mm時ほど低くは無い。
  • 70mmはスウィートスポットだ。四隅の解像力は中央と一致し全体的に明瞭だ。
  • ポートレート・ストリート・空中撮影など場面を選ばずに安定した撮影が可能だった。AF速度・精度・操作はとても良好だ。

好きなところ:優れたレンズの造り・滑らかな操作のズームリングとフォーカスリング・手ぶれ補正搭載・マニュアルオーバーライド・最大絞り値でも優れた画質・優れた色収差補正・優れたフレア耐性・正確で高速なAF・良好な価格設定

改善して欲しい点:全体のシャープネス・70mm以外の四隅や端の画質・周辺減光・やや騒々しいAF音・非常に重い

いつものシグマならカールツアイスなどより高価なレンズと比較するところだが、今回はタムロンと比較している。

しかし「価値のある24-70mmを探している」人にオススメできるレンズかどうかは決めかねている。シグマ24-70は良いレンズだが、オススメポイントをどうやって書けばいいのか分からない。

あなたの予算とニーズに基づいて判断するべきだろう。

Lenstip:抜群の性能ではない

  • 手ぶれ補正の効果は4段分と記載されているが、我々のテストでは3.3段分だ。競合のニコンが3.5段、タムロンが3段分なのでまずまずの結果と言える。
  • 広角側の中央解像力はとても見事だ。絞り開放からほぼ40lpmmに達しており、絞ることで44lpmmまで改善する。望遠側でやや遅れをとるが、その差は大きくない。これはとても積極的に評価できる結果だ。手ぶれ補正を搭載する。ニコンやタムロンよりも良好だが手ぶれ補正を搭載しないニコン・キヤノンよりも僅かに悪い。
  • APS-Cフレームにおいても広角・中間域で絞り開放から良像の基準値を超える。望遠側は絞り開放では基準値に達しないため、F4まで絞る必要がある。
  • 隅の解像力はパフォーマンスが安定しない。中間域は非常に良好で、広角域は実用的な性能だが、望遠域はF5.6まで絞る必要がある。
  • 軸上色収差の補正は良好だ。VR付きニッコールと同程度だ。
  • 倍率色収差は中間域で問題が無いレベルだが、望遠側で絞り値によらず中程度、広角側の絞り開放で高いレベルの色収差が発生する。
  • 球面収差が僅かに残っている。
  • 歪曲収差はAPS-Cフレームで使う分には厄介な問題とならないが、フルフレームの広角端では明らかな樽型歪曲が発生する。
  • コマ収差はAPS-Cフレームでは問題無いが、フルフレームの24mm四隅において最も目立つ。中間域から望遠域は完璧では無いが良好に補正されている。この結果はタムロンやトキナーより良好だが、ニコンやキヤノンには劣る。
  • 非点収差は12.7%と中程度だ。
  • 周辺減光はAPS-Cフレームなら心配する必要が無い。フルフレームの場合はキヤノン・ニコンよりも悪い。
  • 逆光耐性は弱く、トキナーと同じくらい悲惨だ。
  • オートフォーカスはズームレンジの中間域で0.3秒もかからない素晴らしい結果だ。望遠域ではやや遅くなるが0.4秒と非常に良好な性能を維持している。

長所:しっかりとした高品質の鏡筒・素晴らしい中央画質・良好なAPS-Cフレームの画質・軸上色収差の問題が無い・まずまずのコマ収差補正・APS-Cフレームで少ない周辺減光・静かで高速、正確なAF・効果的な手ぶれ補正

短所:70mmににおける隅の解像力・球面収差・逆光耐性・非点収差が少し高すぎる・フルフレームの周辺減光・広角端の歪曲収差

このカテゴリでは競合レンズとの争いがとても激しい。従来の「安くて良く写るArtレンズ」という印象はここでは全くない。24-70mm F2.8にベストな選択肢がないと再認識させられた。

CAMERA LABS

  • フォーカシングの正確さと再現性はとても良好だ。40ショット中3カットのみ軽度のミスショットのみだ。実写では焦点距離によって僅かに性能が変化した。
  • 50mmの焦点距離では0.5mから無限遠まで約0.35秒でハンチングすることなく焦点を合わせた。非常に高速なオートフォーカスだ。
  • Nikon 24-70Eは0.35秒のピント移動速度で、同様のテストで40ショット中ミスは発生しなかった。
  • フォーカスリングに遊びは無く、80°の回転角を持ち僅か10mm幅だ。ズームリングは65°の回転角で22mmの幅だ。両方ともかなり硬く、一本の指では操作することが出来ない。回転方向はキヤノンフレンドリーでニコンとは反対方向だ。
  • フォーカシングは外部からは音がほとんど聞こえない。フォーカシングの開始・停止時におけるクリック音は発生しない。ただし、コントラストAFの場合、低速モードでは非常に低いノイズが発生し、高速モードでは目立つ音が録音される。手ぶれ補正はほぼ静かだ。
  • ピント距離が近くになるほど像倍率が小さくなる。70mmの焦点距離ではおよそ8%の低下が発生した。これはかなり目立つ数値で動画撮影では邪魔になるかもしれない。比較してNikon 24-70Eは2%だ。
  • 前ボケには絞り開放から特に色づきが見られないものの、F4まで絞った際に後ボケに黄色の色づきがみられる。しかし、これは心配するほどのものでは無い。ニコンは前景にマゼンダ、後景にグリーンの色づきが発生する。
  • フォーカスシフトは発生しなかった。
  • 中央はズームレンジ全域でシャープだが、フルフレームにおいて残りの部分は僅かにソフトだ。APS-Cの広角端では四隅の端がソフトだが50mm以上ではシャープとなる。フルフレームにおける広角端の四隅は明らかにもやっとしているが、望遠側はやや良好だ。
  • 24mmにおける解像力…ニコン・タムロンの両方とも絞り開放における解像力は全体的にシグマよりも良好だ。
  • 35mmにおける解像力…フルフレーム・APS-Cの四隅はニコンが優勢だが、中央はタムロンが最もシャープだ。
  • 50mmにおける解像力…APS-Cフレームではシグマが有利だが、ニコンはフルフレームの四隅が良好だ。
  • 70mmにおける解像力…ニコンが全体的に均質だが、シグマはAPS-Cの四隅で僅かに有利だ。絞るとその差は無くなる。
  • 全体的な解像力の結果として、シグマArtラインとしてはややがっかりだ。全体的に解像力が必要場合にはF8まで絞る必要があるだろう。
  • 無限遠を使ったテストでもシグマは絞り開放からとても良好な中央解像力を持っている。ズームレンジ全域で良好だ。APS-Cフレームの四隅では絞り開放でソフトだ。フルフレームの四隅はチャートテスト同様、パフォーマンスが低いため明らかに絞る必要がある。
  • 絞り開放の四隅におけるコマ収差はソフトな描写によって和らいでいる。比較してニコンの四隅はシャープである反面、典型的なコマ収差が発生している。
  • 玉ボケの「オニオンリング」はニコンほど非球面レンズの影響を受けてはいない。
  • 前ボケは色づきが無く良好だが、後ボケは少し強張っている。

Focus Numerique:競合レンズに善戦しているレンズ

  • このレンズは大型で重量級のレンズだ。レンズフードとカメラボディ無で1?を超える。とは言え、このクラスのレンズはどれも重いモデルが多い。キヤノンは800g、ニコンは1.07?、ソニーGMは900gだ。
  • レンズは9cmの直径、10cm?15cmの全長だ。この凝縮された密度のレンズはグリップ性が高いものの、長時間の手持ち撮影には向いていない。
  • EOS 5D Mark IVとのバランスは良好だ。バッテリーグリップを追加すると重量配分がより良好となる。
  • 鏡筒はシグマらしい優れた品質だ。デザインは控えめでエレガント。耐候性を有しているので最悪のコンディションに直面する準備が出来ている。
  • 幅広いラバーグリップが供えられたズームリングはやや硬めだがとても滑らかで正確だ。
  • フォーカスリングはとても幅の狭い造りだが、滑らかでとても良好だ。
  • 解像力は単焦点レンズの方が明らかに良好だが、このレンズのパフォーマンスは十分なものだろう。これは最も設計が困難である24?70mmのズームレンズだ。
  • 24mmの解像力は中央から2/3の範囲は絞り開放から良好だ。絞り込んでもこの部分はあまり改善しないが、1/3の周辺部における解像力が向上する。中央と周辺部の画質には大きな差があるものの、絞り込むことでパフォーマンスが近くなる。
  • 35?50mmの解像力は一定だ。全体的に均質な描写だが、極端に隅の画質が明らかに低い。
  • 70mmの解像力は中央がシャープだが、残り2/3の部分が全ての絞り値で苦戦している。
  • EF24-70mm F2.8L II USMとの比較した場合、間違いなく解像ピーク値でキヤノンが優れている。画質の一貫性ではシグマが70mm以外で優れている。
  • AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRと比較した場合、絞り開放における画質の均一性とシャープさはシグマが遥かに優れている。
  • 周辺減光は24mmで最も目立ち、F8まで絞ると解消する。他の焦点距離ではF5.6まで絞れば無視できるレベルとなる。
  • 歪曲はとても小さい!良いポイントだ!
  • 実際に手ぶれ補正を試してみたところ、4段分の補正効果がある。

このレンズはフォトキナ2012の「グローバルヴィジョン」シリーズ発表以来期待されていたカテゴリだ。

このレンズはとても良好なズームレンズであることは否定できない。しかし、このカテゴリにおける最高品質では無く、”シグマに期待していた”驚くべき性能のレンズでは無い。

我々はシグマ24-70mmが出た今、70-200mmの登場に期待している。

長所:レンズの造り・デザイン・仕上げ、リングの精度と快適さ、F2.8のレンズ口径、良好な手ぶれ補正、全体的な動作、ほぼ全てのすーむレンジで絞り開放からフレームの2/3で良好な画質、低い歪曲

短所:重量とサイズ、24mmにおける解像力傾向、広角における目立つ周辺減光

PhotographyBlog:高画素に対応する優れたズームレンズ

  • このレンズは焦点距離を考えると大きくて重いレンズだ。同じカテゴリのEF24-70mm F2.8よりもかなり重い。
  • フルサイズ一眼レフであるEOS 5Ds Rのようなカメラとの相性は良いが、より小型なAPS-C一眼レフとの組み合わせは不自然だ。
  • 70mmにズームインするとレンズは4.5?伸びる。
  • 手ぶれ補正はおよそ3段分の補正効果だ。
  • EOS 5Ds Rとの組み合わせでは被写体に合掌するまでおよそ0.15秒だ。良い光でも悪い光環境でもほぼ正確にピントを合わせる。そしてハンチングは多くない。
  • 色収差はフレームの四隅でさえも実際問題にはならない。
  • 絞り開放では若干の周辺減光があるが、F5.6まで絞ると解消する。
  • 24mmでは目立つ樽型歪曲で、70mmは僅かな糸巻き型歪曲だ。
  • このレンズはフードを装着していても太陽を直接フレーミングするとフレアが出やすい。しかし、コーティングのおかげで全体的には良好だ。
  • ボケはとても素晴らしい。
  • 24mm解像力…中央のシャープネスはF2.8からF11まで高く、F16~F22で回折の影響を受ける。四隅は中央ほどシャープでは無く、F4~F11でもっともシャープな結果を得ることが出来る。
  • 35mm解像力…中央のシャープネスはF2.8からF11まで高く、F16~F22で回折の影響を受ける。四隅は中央ほどシャープでは無く、F4~F11でもっともシャープな結果を得ることが出来る。
  • 50mm解像力…中央のシャープネスはF2.8からF11まで高く、F16~F22で回折の影響を受ける。四隅は中央ほどシャープでは無く、F5.6~F11でもっともシャープな結果を得ることが出来る。
  • 70mm解像力…中央のシャープネスはF4からF11まで高く、F16~F22で回折の影響を受ける。四隅は中央ほどシャープでは無く、F5.6~F11でもっともシャープな結果を得ることが出来る。

このレンズはほとんどのズームレンズでとてもシャープな画質だ。50?70mmでは中央のシャープネスが低下するが、それ以外では確かにシャープだ。周辺減光や歪曲収差は発生するが、それでもシグマの最新レンズらしい性能となっている。

ライバルを下回る魅力的な価格設定で、最新の高解像なフルサイズカメラで優れた結果を実現する大口径ズームレンズだ。

競合レンズ

EF24-70mm F2.8L II USM

EF24-70mm F2.8L II USMの特設ページはコチラ

24-70L II 24-70 Art
レンズ構成 13群18枚 14群19枚
絞り羽根枚数 9枚 9枚 (円形絞り)
最小絞り 22 F22
最短撮影距離 0.38m 37cm
最大撮影倍率 0.21倍(70mm時) 1:4.8
フィルター径 82mm φ82?
最大径×長さ φ88.5mm×113.0mm φ88? × 107.6?
質量 805g
備考 手ぶれ補正非搭載
フッ素コーティング
防塵防滴
OS 3.5段分
電磁絞り
簡易防塵・防滴
撥水・防汚コート
MC-11対応
USB Dcok対応

開放の周辺部で解像や減光が目立つ以外にはそつが無く良好な性能。特に軸上色収差が綺麗に補正されているので、絞り開放から気持ちよく使える点はグッド。やや目立つ倍率色収差は必要に応じてDLOなどで補正した方が良いでしょう。さらに防塵防滴やフッ素コーティングによりコンディションの変化への耐性も良好で信頼できるプロの道具。

競合レンズと比べて明らかに見劣りする点は手ぶれ補正が搭載されていないこと。特にしっかり絞って使いたい時にはシャッタースピードを上げざるを得ず、三脚か高感度を使う必要性に迫られる点はマイナス。

画質よりも機材への信頼性と安定感を求めるなら純正を、機能性やコスパを考慮するならシグマArtをチョイス。

AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR

AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRの特設ページはコチラ

24-70E 24-70 Art
レンズ構成 16群20枚 14群19枚
絞り羽根枚数 9枚(円形絞り) 9枚 (円形絞り)
最小絞り f/22 F22
最短撮影距離 0.38m(35-50mm)
0.41m(24、28、70mm)
37cm
最大撮影倍率 0.28倍 1:4.8
フィルター径 82mm φ82?
最大径×長さ 88.0mm×154.5mm φ88? × 107.6?
質量 約1070g
備考 手ぶれ補正
フッ素コート
OS 3.5段分
電磁絞り
簡易防塵・防滴
撥水・防汚コート
MC-11対応
USB Dcok対応

1?超えの重戦車のような標準ズームレンズ。広角端の四隅で倍率色収差が目立つ点以外では特に欠点が無い。さらにキヤノン純正に無い手ぶれ補正を搭載しているため、撮影シーンの幅をより広げる事が出来る点はグッド。ちなみに鏡筒がやたら長いものの、インナーズーム式ではなくしっかり伸びるので注意。

20万円・1?超というハードルをクリア出来るのであればこちらを。重量を看過できない、コスパも重視するならシグマArtがおススメ(タムロンは機能性でやや劣るため)

FE 24-70mm F2.8 GM

FE 24-70mm F2.8 GMの特設ページはコチラ

24-70 GM 24-70 Art
レンズ構成 13群18枚 14群19枚
絞り羽根枚数 9枚 (円形絞り) 9枚 (円形絞り)
最小絞り F22 F22
最短撮影距離 0.38m 37cm
最大撮影倍率 0.24倍 1:4.8
フィルター径 φ82? φ82?
最大径×長さ 87.6 x 136mm φ88? × 107.6?
質量 886g
備考 OS 3.5段分
電磁絞り
簡易防塵・防滴
撥水・防汚コート
MC-11対応
USB Dcok対応

高性能で魅力的な選択肢ですが、何しろ価格が高い(他社と比べるとニコンE型くらい)。他の選択肢もないのでα7ユーザーで頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか?

シグマArtはMC-11に対応しているので、そんな悩めるα7ユーザーの貴重な選択肢。ただし、基本的にAF-Cに対応していない(使う事は出来るが理想的なスピードが出ない)ので動き物は不得手。そういうニーズには素直にGMをチョイスした方が後悔しないかと思います。

SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD

SP 24-70mm F/2.8 Di VC USDの特設ページはコチラ

SP 24-70 24-70 Art
レンズ構成 12群17枚 14群19枚
絞り羽根枚数 9枚(円形絞り) 9枚 (円形絞り)
最小絞り F/22 F22
最短撮影距離 0.38m 37cm
最大撮影倍率 1:5 1:4.8
フィルター径 82mm φ82?
最大径×長さ Φ88.2×108.5mm φ88? × 107.6?
質量 825g
備考 簡易防滴
防汚コート無
手ぶれ補正
OS 3.5段分
電磁絞り
簡易防塵・防滴
撥水・防汚コート
MC-11対応
USB Dcok対応

キヤノンやニコンの純正レンズの価格を考慮すると非常にリーズナブルな大口径ズームレンズ。

厳しい目で見ると四隅の画質やAF精度、堅牢性で純正に分があるものの、その差は大きいものでは無い。ズームレンズには程よい投資で済ませ、単焦点レンズや他の機材に余力を注ぎ込むには良い選択肢。

注意点は、防汚コートが無かったりやTAP in Consoleに対応していないなど、最新タムロンレンズと比べてやや機能性に劣る点。特にサードパーティ製の宿命であるAF精度の不安定さをカバーするTAP in Consoleに対応していない点は痛い。

そういう点を考慮するとシグマArtが多少高くても無難な選択肢。

更新履歴

  • 2017.9.9:The Digital Pictureを参考サイトに追加しました。
  • 2017.9.3:Dustin Abbottをレビューに追加しました。
  • 2017.8.21:デジカメwatch レビューを参考サイトに追加しました。
  • 2017.8.8:Dustin Abbottを作例に追加しました。
  • 2017.7.18:CAMERA LABSを参考サイトに追加しました。
  • 2017.7.18:Focus Numeriqueを参考サイトに追加しました。
  • 2017.7.13:GANREFを作例に追加
  • 2017.7.11:DPREVIEWを作例に追加しました。
  • 2017.7.9:Flickr・PHOTOHITO・フォトヨドバシの作例を追加しました。
  • 2017.7.6:KASYAPAを作例に追加しました。
  • 2017.7.5:Lenstipを作例に追加しました。
  • 2017.7.4:PhotographyBlogの作例を追加しました。リンク先でオリジナルデータを確認できます。中々良さそうですねえ
  • 2017.6.30:八百富写真機の作例を追加しました。
  • 2017.6.23:国内で予約販売が開始されました。キタムラではすでに出品されています。
  • 2017.6.22:明日から予約開始、7月7日発売とのこと。15万円前後になりそうですねえ。
  • 2017.6.20:国内の情報サイト曰く23日に予約開始(かもしれない)との事。
  • 2017.6.14:The Digital Pictureが「6月22日 午後1時(日本時間)」に予約開始と発信しています。いよいよですねえ。海外のB&Hという専門サイトがソースですが、日本国内で同時刻に予約開始されるかはまだ未定です。
  • 2017.6.11:発表より時間が経過しましたが、もう間もなく発売日が決定するかもしれません
  • 2017.2.23:参考サイトにDPREVIEW Hands onを追加
  • 2017.2.21:公式発表、公式サイトへのリンク、レンズデータに仕様を追加
  • 2017.2.18:ページを作成。2017 CP+にて発表後にレンズ情報を追加していきます。

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