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タムロン28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXDを実際に使って感じる「良いところ・悪いところ」

このページでは「28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD」の実使用における撮影体験を紹介しています。

このレンズのポイント

  • 高倍率ズームとしては小型軽量で低価格
  • 高倍率ズームながら良好な光学性能
  • 光学手ぶれ補正非搭載とAF-Sの動作不安定に注意
    (更新:ファームウェアアップデートが予告されています)
  • 「F2.8-5.6」と開放F値の変動が大きい

いくつか注意点があるもののコストパフォーマンスの高いタムロン製高倍率ズームレンズ。広角側と望遠側でお作法が大きく異なる点には気を付けたい。

撮影体験

収納性/携帯性

全長「117mm」最大径「Φ74mm」重量「575g」。
フルサイズ用の高倍率ズームとしては小型軽量で携帯性の高いレンズ。どれほど軽いのか?と言うと以下の通り。

サイズ 重量
TAMRON
28-200mm F2.8-5.6
Φ74mm×117mm 575g
SONY
24-240mm F3.5-6.3
Φ80.5 x 118.5mm 780g
Canon
24-240mm F4-6.3
φ80.4×122.5mm 750g
Nikon
24-200mm F4-6.3
φ76.5×114.0mm 570g

現在、フルサイズミラーレスの高倍率ズームは他社を含めて4本存在。
タムロンはその4本のレンズで最も軽く、最もコンパクトなレンズ。ニコンとの差は僅かですが、絞り開放F値を考慮するとタムロンは健闘しているように見えます。

カメラバッグのサイズを小さくできるほどサイズ差はありませんが、200gの重量差は長時間の撮影でじわりじわりと効いてくるものです。徒歩での移動がメインとなる旅行や、1gでも重量を軽くしたい登山などに適した選択肢となるはず。

プラスチック外装ながら過度な安っぽさは感じず、可動部・接合部に防塵防滴処理が施された頑丈なレンズです。
ただしコンパクトサイズの代償として28-200mmとズームレンジが狭く、光学手ぶれ補正を搭載していません。光学性能に妥協しているとは感じませんが、機能面に制限があると覚えておきましょう。(後述)

初値
TAMRON
28-200mm F2.8-5.6
¥77,211
SONY
24-240mm F3.5-6.3
¥132,623
Canon
24-240mm F4-6.3
¥116,638
Nikon
24-200mm F4-6.3
¥112,860

いくらか妥協点があるものの、小型軽量なレンズサイズに加え、競合レンズと比べて非常に手頃な価格設定です。純正レンズと比べて2/3ほどの価格に抑えられているのはタムロンの強みと言えるでしょう。

操作性

ズームリング・フォーカスリング

手前にフォーカスリング・奥にズームリングを配置したタムロンDi IIIシリーズらしいデザイン。ズームリングは広角端から望遠端まで90度ほどの回転量で操作できるため、素早く画角を調整することが可能。回転方向はソニーと同じ。

鏡筒には可動部・接合部に防滴用シーリングが施されており、ズームリングの内筒接合部も防滴仕様です。このため、ズームリングの操作はやや重め。ただし滑らかに動作するので大きな問題とは感じません。
28mmでズームリングをロック可能ですが、抵抗が強いので特に必要性は感じません。

フォーカスリングは回転速度に応じたピント移動量となり、回転量に応じたリニアな操作は不可。素早く操作するとピント全域を約90度で移動可能。ゆっくり回転させると360度以上の回転量が必要となります。

その他

ソニー製レンズでは一般的な「AF/MF切替スイッチ」「フォーカスホールドボタン」「手ぶれ補正オンオフスイッチ」など、気の利いたスイッチ・ボタン類は全くなし。全てボディ側で操作する必要があります。低価格に抑えられたタムロンレンズの代償と言えるかもしれませんね。
私は普段からボディ側で操作することが多いので、レンズに操作部材が無かったとしても特に大きな問題と感じません。

機能性

AF

レンズ駆動方式にはステッピングモーターを使用。「70-180mm F/2.8 Di III VXD」のような電光石火のAF-Cは期待できませんが、まずまず快適に動作します。
(他のタムロンレンズと同じく)やはりAF-Sでは合焦速度がワンテンポ低下し、コントラストAFのようなウォブリングが目立つようになります。ここ最近のソニー製ボディはAF-Cの精度が高いので静止体でもAF-Cを常用したほうが使いやすいかもしれません。

また、2020年7月現在でAF-Sが不安定な動作となっており、明らかにデフォーカス状態でカメラ側が「合焦」と認識してしまう場合があります。この場合、再度AFを動作させる必要があるので撮影テンポに影響があります。タムロンは同じような症状が発生する「20mm・24mm・35mm F2.8」のファームウェアアップデートを公開しています。ひょっとしたらこのレンズのAF-Sにける挙動もファームウェアアップデートで改善できるかもしれません。(更新:ファームウェアアップデートでの対応が予告されました)

AF-Sの挙動以外で特に大きな問題は無し。広角~標準域ではAF-Cでとても快適な追従AFを利用できます。基本的に駆動音は静かで動画撮影に適していると感じます。
望遠域は大デフォーカスからの復帰がやや遅く、激しい動きのアクションスポーツを撮影する際は力不足と感じるかもしれません。

接写性能

28mmで最大撮影倍率「1:3.1」に達し、中間域で撮影倍率が少し低下、そして望遠側で僅かに良くなり200mmで「1:3.8」となります。全体的にまずまず良好な接写性能を発揮し、広角側でも望遠側でも似たような使い勝手となるのは便利。

接写時は中央領域以外の画質が低下傾向となるので、被写体は出来れば中央フレームに入れておきたいところ。

手ぶれ補正

光学手ぶれ補正を搭載していないため、ボディ側の補正能力に依存します。
そしてα7 IIIと組み合わせる限り、安定した結果を得られる補正効果は1~2段分まで。3~4段分の補正効果を得られる光学手ぶれ補正と比べると少し苦しい。
特にチルト・ヨーの補正軸が重要となる望遠域での補正効果に明らかな差があると感じます。滝や川の水をスローシャッターで撮影する場合、手持ち撮影だと広角域でギリギリ使い物にになるか、ならない水準。

ズームレンジ

広角28mmから望遠200mmまでをカバーする光学7.14倍のズームレンズ。ソニーのように24mmから240mmをカバーする光学10倍ズームと比べるとズームレンジはやや狭め。
望遠側の余分な40mmはあまり気になりませんが(必要に応じてクロップする)、広角24mmと28mmの違いは大きいと感じます。

特に被写体との距離を調整し辛い風景や建築物などの撮影で24mmと28mmの差が大きいと。近距離の大きな被写体を撮影する場合は28mmだとやや苦しいと感じるのです。(まぁ24mmでも苦しい場合はあるのですけども…)

開放F値の明るさ

焦点距離ごとに変動する絞り開放F値は以下の通り。

  • F2.8-F16:28~31mm
  • F3.2-F18:32~43mm
  • F3.5-F20:44~54mm
  • F4.0-F22:55~79mm
  • F4.5-F25:80~116mm
  • F5.0-F29:117~150mm
  • F5.6-F32:151~200mm

24-105mm F4に近い開放F値をカバーしつつ、広角側で1段小さいF値を実現した高倍率ズームレンズ。135~200mmをおまけとして使い、「28~105mm F2.8-4.5」のレンズと意識して使うのもアリ。この場合、一般的な高倍率ズームより低照度に強く、夜景や屋内での撮影シーンにおける活躍が期待できます。28~105mmの領域は比較的光学性能が高いのでおススメの使い方。

「28mm F2.8」はボケ量と言うよりも低照度での撮影で真価を発揮します。F4始まりのレンズと比べて1段明るく、ソニー24-240mmのF3.5と比べても2/3段明るいレンズとなるのです。
さらに標準域の開放F値もまずまず明るく(F3.2~F4)、高倍率ズームながら水族館のようなシチュエーションでも使いやすいのはGood。
F4のレンズでISO感度4000のところをF2,8でISO2000に抑えることができます。ノイズやダイナミックレンジの点で大きなアドバンテージを得ることが可能と言えます。ISO感度画質は画質に直結するのでレンズの明るさは特に重要。

ただし、広角側が特に明るいズームレンズと言うことで、望遠側での光量低下が顕著と感じます。「28mm F2.8」から「200mm F5.6」へズームするとISO感度やシャッタースピードが2段分ずれる点には注意。F値変動ズームの中では比較的変動率が高いのです。

例えば、28mm F2.8でISO 800となるシーンで、200mm F5.6は同じシャッタースピードでISO 3200まで上昇。望遠200mmの手ぶれを抑えるシャッタースピードを考慮するとさらに1~2段はISO感度が上がる可能性あり。
高倍率ズームとしてはとても健闘している開放F値ですが広角側と望遠側でお作法が大きく異なる点に注意したいところ。

描写性能

解像性能

フレーム周辺部は非点収差やコマ収差、そして倍率色収差が目に付く場合があるものの、基本的に解像性能は良好。特にズームレンジ全域でF8前後まで絞れば風景撮影でも快適に利用できると思います。

望遠端でも球面収差は綺麗に補正され、中央領域でコントラストやシャープネスの顕著な低下は見られません(周辺画質はやや低下します)。フルサイズ用高倍率ズームとしては立派な性能と言えるでしょう。

接写ではフレーム周辺部の画質が低下するものの、顕著な非点収差や像面湾曲の影響はありません。解像性能を追求しなければ絞り開放でもj

ボケ

F3.2

玉ボケは非球面レンズの影響で同心円状のムラが発生します。よほどコントラストの高い玉ボケでなければムラは目立たないので過度に心配する必要はありません。軸上色収差の影響は僅かで極端な色付きや縁取りは見られません。

前後のボケは基本的にニュートラルで高倍率ズームとしては綺麗な描写に見えます。極上とは言えませんが、どちらも悪目立ちせず使いやすい。

色・コントラスト

高倍率ズームながら絞り開放から良好なコントラストです。広角~標準域では絞りによる改善はほとんどありません。望遠側は1段絞ると僅かに改善するものの、開放から全く問題の無い画質。
発色は正確でニュートラル。特に暖色・寒色傾向とはならない印象。

諸収差

最も問題と感じるのは倍率色収差。それでも撮影結果に悪影響を及ぼす水準とは言えませんが、四隅を拡大すると明らかに色収差が残存していると分かります。ボディ側の補正では修正しきれないため、完璧な結果を目指すのであれば後処理が必要。特に高コントラストな領域で目立ち、残存するコマ収差と組み合わさった時に悪さをします。

非点収差はコマ収差は完璧な補正状態とは言えないものの、特に大きな問題とは感じません。夜景で使う際は1段ほど絞れるならなお良し。

歪曲収差は「ミラーレス用のズームレンズとしては」良く抑えています。広角側で中程度の樽型、望遠側で中程度の糸巻き型歪曲。ボディ内補正が適用できるので、JPEG出力であればレンズ補正の常時オンがおススメ。

総評

良いところ・悪いところ

Good

  • 小型軽量な高倍率ズームレンズ
  • 競合レンズと比べて低価格
  • 簡易防塵防滴・フッ素コーティング
  • まずまず快適なAF-C
  • 静かなフォーカス駆動
  • ズームレンジ全域で高い接写性能
  • 開放F値「28-105mm F2.8-F4・120-200mm F5-5.6」
  • 四隅までシャープな解像性能
  • 良好なコントラスト・発色
  • 滑らかな前後のボケ
  • 高倍率ズームとしてはまずまず補正された歪曲収差

Bad

  • 広角28mm始まり・望遠200mm止まり
  • 光学手ぶれ補正なし
  • 操作部材が少ない
  • 不安定な動作のAF-S
    (ファームウェアアップデートで改善予定)
  • 接写時の周辺画質が少し悪い
  • 倍率色収差がやや目立つ
  • 完璧では無いコマ収差・非点収差補正
  • 同心円状のムラが発生する玉ボケ
  • 開放F値の変動が大きい
管理人

満足度は85点。
低価格ながらビルドクオリティや光学性能に妥協は見られず、スペックシートから判断できる欠点を理解していれば満足度の高いレンズ。

諸手を挙げておススメするか?と言うと悩ましいところですが、「光学手ぶれ補正非搭載」「28mm始まり・200mm止まり」を理解して購入することでコストパフォーマンスの高いレンズになると思います。開放F値の変動が大きく、28mm F2.8から200mm F5.6まで素早くズームすると光量が2段低下する点には気を付けたいところ。「28-105mm F2.8-4.5」で120-200mmはおまけと見るか、「28-200mm F2.8-5.6」で28mm F2.8をおまけと見るのかによってレンズの価値が変わると思います。

さらに、2020年7月現在でAF-Sの動作不良と思われる傾向は念頭に入れておくべき。割と頻繁にデフォーカス状態で合焦するため、AF-Sの信頼性が低いのはとても残念。今のところAF-C常用がおススメ、AF-Sでの撮影後はピントチェック必須。

28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD
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購入を悩んでいる人へ

FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS

ソニーEマウントで競合するレンズは「FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS」のみ。広角24mmや望遠240mm、そして光学手ぶれ補正がどうしても必要と感じなければタムロンがおススメ。比較して一貫性の高い中央画質と安定した周辺画質を得ることが出来ます。
フッ素コーティングに対応しているのでプロテクトフィルターなしでも汚れに強いのはタムロンの強み。

FE 24-105mm F4 G OSS

併せて検討すべきレンズがあるとすれば「FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS」ではなくより低倍率な「FE 24-105mm F4 G OSS」。設計が古く、光学性能が見劣りするFE24-240mmと比べておススメなのは間違いなく、効き目が高いOSS(手ぶれ補正)と純正らしいAF性能は要チェック。動き物重視であればソニーを、旅行や風景がメインであればタムロンがおススメ。

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