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LUMIX DC-S1M2 動画撮影機能においてはミラーレス史上最高レベル

PetaPixelが「LUMIX DC-S1M2」の初期レビューを公開。静止画連写でCFexpressのバッファクリアが遅い、AFはトップクラスに及ばないとしつつも、動画機能に関してはミラーレス市場最高水準と評価。動画撮影であれば価格に見合う価値があるとのこと。

PetaPixel:Panasonic Lumix S1 II Review: Pricey, Powerful, and Video-Centric

  • 外観:前面と背面にタリーランプを備えており、動画撮影時に録画状態が一目で確認できるのが便利。
  • 質感:ノルウェーの過酷な天候下で実証されたS1R IIと同様、S1 IIも高い堅牢性を持つと評価。さらに、レンズ交換時にセンサーを保護するカーボンファイバー製のシャッター機構も備えており、信頼性が高い。
  • バッテリー:CIPA基準で約370枚の撮影が可能であり、多くの撮影状況において十分実用的。
  • インターフェース:フルサイズHDMI、マイク・ヘッドホンジャック、USB-Cを搭載。CFexpress Type BとUHS-II SDカードのデュアルカードスロットを備えるが、CFexpressスロットの有用性は限定的。(後述)
  • 携帯性:従来のS1ボディより大幅に小型軽量化されている。
  • グリップ:記載なし。
  • 操作性:S1R IIと同一の筐体を採用しており、既存ユーザーには馴染みやすい操作感。人間工学に基づく設計に加え、豊富なカスタマイズ。写真・動画の操作を分けるセレクタースイッチや、設定ロック機能も搭載されており、操作性は極めて高い。
  • 手ぶれ補正:最大8段分の補正効果を持ち、低速シャッターでの撮影やビデオ撮影時にも三脚に近い安定性を提供する。
  • ファインダー:S1R IIと同様に576万ドットのEVFを搭載しており、高精細。
  • モニター:3型184万ドットのタッチ式モニター。フリーアングル式で静止画・動画どちらの撮影スタイルにも適している。
  • メニュー:記載なし。
  • フォーカス:パナソニックのフルサイズ機として最も「スポーティ」な設計だが、同社自身がプレミアムスポーツや野生動物撮影向けではないと明言。これはAF性能が主要メーカーに競合できないとためだと思われる。瞳AFはポートレートで良好に機能し、新搭載の「アーバンスポーツ」モードもまずまずの効果を示すが、動きのピークを捉えるのが難しい場面もある。一方で、トラッキングが一度ロックされれば高い追従性能を発揮する。
  • 連写性能:メカシャッターでAF追従10コマ/秒、電子シャッターで最大70コマ/秒の連写が可能。10コマ/秒時はバッファは事実上無制限であり、アクション撮影には十分な性能を持つ。ただし70コマ/秒では約3秒でバッファが満杯となり、CFexpressカードで33秒、SDカードで49秒のクリア時間が必要となる。高速連写時にはカメラ側にボトルネックがある。
  • ドライブ:センサーの高速読み出しによりローリングシャッターが大きく軽減され、動体撮影の適性は高い。ただし、パナソニックが述べる通り、要求の厳しいプロ向けアクション撮影には不向き。
  • 解像性能:96メガピクセルの高解像度モードを搭載し、パソコンを使用せずカメラ内での画像合成が可能。静物撮影などにおいて非常に有効な機能である。
  • 高感度ISO:高ISO時やシャドウ部の持ち上げ処理ではノイズがやや目立つ傾向がある。
  • ダイナミックレンジ:画質は他の2400万画素モデルと同等であり、センサー構造上ダイナミックレンジはやや狭いが、通常の使用では問題にならない。
  • ホワイトバランス:新たにAIベースの自動ホワイトバランスが搭載され、撮影後の画像に対してもカメラ内でWB調整が可能である。標準のAWBも特に問題は見られない。
  • JPEG:パナソニックのカラーサイエンスは従来より好評であり、特にライカモノクロプロファイルは実用性が高い。
  • 動画
    ・部分積層型センサーの採用により、動画性能が飛躍的に向上。6Kおよびすべての4Kモードで最大60pまでクロップなしで撮影可能。
    ・4K120pも軽微なクロップで利用できる(ただしディテールは低下)。
    ・6Kオープンゲート(全画素読み出し)撮影は30pまで対応し、5.1K/60pモードがその代替となる。
    ・ビニングやラインスキップの懸念はあったが、オーバーサンプリング処理により高画質が確保されている。
    ・録画モードの選択肢は多岐にわたり、ユーザーの好みに合わせた絞り込みが可能。
    ・アナモフィック撮影や波形、ベクトルスコープなどの高度なツールも完備しており、将来的にはARRI LogCにも対応予定。
    ・有償アップデートを視野に入れれば、動画重視のユーザーには価格に見合う内容である。
  • DRブースト:通常の読み出し速度は6K/3:2で約12ミリ秒、16:9では約10ミリ秒と高速で、ローリングシャッターの影響は小さい。ただし、DRブーストモードでは読み出し速度が大きく低下し(最大28ミリ秒)、動きの激しい場面では歪みが目立つため注意が必要。高コントラスト環境では有効だが、用途は限定される。
  • 動画AF:像面位相差AFの効果で、旧来のコントラストAFに見られた「揺れ」は解消され、単一被写体では高精度かつ安定している。デフォルト設定ではターゲットの再検出が積極的すぎるため、感度設定の調整が推奨される。全体としては信頼性の高いAFだが、突発的な誤作動のリスクは残る。
  • 動画IS:手ブレ補正はクラス最高レベルで、IBIS(ボディ内手ブレ補正)に加え、静止画向けの「ブーストIS」モードも搭載される。カメラの移動中でも安定した映像が得られ、3段階の補正調整が可能。ジンバルには及ばないが、手持ち撮影には十分な性能である。
  • 過熱:冷却ファンを搭載し、通常使用では熱による制限は少ない。ただし5.8K/60pや5.1K/60pなどの高負荷モードでは30~40分でシャットダウンする。外部SSD記録を活用することで熱問題を回避可能であり、メディア間の自由な移動やフルサイズHDMI経由のRAW出力にも対応。記録の柔軟性が非常に高い点が特徴である。
  • 音声:ワイヤレスタイムコード同期機能を内蔵し、複数カメラ間の音声・映像の同期が容易になっている。Atomos UltraSyncとの連携により、シンプルかつ信頼性の高い収録体制を構築可能。
  • 総評:Lumix S1 IIは高性能かつ信頼性の高いハイブリッド機であり、特に動画撮影機能においてはミラーレス史上最高レベルと評価できる。静止画中心であれば高画素のS1R IIを選ぶべきで、高速連写や動体撮影を重視するなら他の選択肢が価格面でも適している。S1 IIの3,200ドルという価格は、動画機能を最優先とする場合に正当化される。静止画重視のデザインではあるが、パナソニックは依然として動画志向のブランドであり、本機はその延長線上にあるカメラである。

2025年5月に登場したLUMIX S1の後継モデル。外装はLUMIX S1RIIを継承しつつ、「2400万画素 部分積層型CMOSセンサー」を搭載。高速性を重視したカメラで、70fpsのAFC連続撮影や4K 120pの動画撮影、1/16000秒の高速シャッターなどに対応しています。

販売価格はやや高めですが、ライカLマウント勢としては貴重な(部分)積層型イメージセンサー搭載モデル。高速連写やローリングシャッターを抑えた動画撮影をしたい人にとって検討する価値のある選択肢。

PetaPixelのレビューでは、競合機種よりも高価ながら、専門性の高い動画撮影向けカメラと評価。DRブースト使用時にローリングシャッター速度が遅くなるのが悩ましいものの、オンオフを使い分ければ状況に応じて最適な画質を実現できそうです。

70fpsの静止画連写をこの価格で利用できるのは魅力的ですが、PetaPixelの環境ではCFexpressの使用時のバッファクリアが遅かったとのこと。使用カードは明言していませんが、高速連写を重視する場合は気を付けたほうが良いかもしれません。特に70fpsでの高速連写後に待ち時間が長い点は要注意。

逆に高速性が必要なければ「DC-S1M2E」「DC-S1RM2」も要検討のようです。

パナソニック LUMIX DC-S1M2 最新情報まとめ

DC-S1M2
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主な仕様

イメージセンサー タイプ:35mmCMOS
有効画素:2410万画素
部分積層型
ラティチュード 15 stops V-Log DRブースト
14+stops V-Log
センサー除塵 センサーシフト式
ARコーティング
手振れ補正 5軸 中央8 / 周辺7
Dual.I.S 2
ISO Normal 100-51200
V-Log 640-51200
DRブースト on / off
デュアルネイティブISO Auto/L/H
ストレージ 1:CFexpress Type B
2:SD UHS-II
AF 検出方式:像面位相差 / コントラスト
測距点:779点 / 315点
測距輝度範囲:-6-18EV
被写体検出 人物
動物
自動車
バイク
電車
航空機
シャッター メカニカル:60-1/8000秒
電子先幕:60-1/2000秒
電子:60-1/16000秒
フラッシュ同調速度 1/250秒
連続撮影速度 メカニカル
H+ 10コマ秒 AFC
電子
SH 60-70コマ秒 AFC
H+ 10コマ秒 AFC
連続撮影枚数 RAW 200枚以上
SH RAW 180枚
ファインダー パネル:OLED
解像度:576万ドット
フレームレート:60/120fps
モニター サイズ:3.0型
解像度:184万ドット
可動方式:フリーアングル
動画フレームレート 6K 59.94p LGOP
4K 119.88p LGOP
4K 59.94p ALL-I
5.8K 29.97p ProRes
4K 59.94p ProRes
動画出力 MOV
(H.264 / H.265 / ProRes / ProRes RAW)
MP4
(H.264 / H.265)
Log V-Log
ARRI LogC3(DMW-SFU3A)
音声 LPCM
24bit
32bit float(XLR2)
USB USB-C 10GB
USBストリーミング 4K 29.97p
マイク/ヘッドホン マイク:3.5mm
ヘッドホン:3.5mm
HDMI Type A
Wi-Fi 5 / 2.4GHz
ストリーミング FHD 59.94p
Bluetooth 5.0
その他ポート類 2.5mmリモート
バッテリー タイプ:7.2V 2200mAh
撮影可能枚数LVF:348枚(CFe)/ 359枚(SD)
サイズ 134.3×102.3×91.8mm
重量 本体のみ:718g
バッテリー含:800g
防塵防滴 対応
バッテリーグリップ DMW-BG2(別売)

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