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非常識なサイズだがあらゆる点で究極のレンズ|NIKKOR Z 35mm F1.2 S

Dustin Abbottが「NIKKOR Z 35mm F1.2 S」のレビューを公開。非常に大きく重くて高価ながら、解像性能もボケも優れた究極のレンズと評価。並外れたレンズだが、ジムに通うことをおススメするとのこと。

Dustin Abbott:Nikkor Z 35mm F1.2 S Review

  • 外観:レンズ自体は大きく重いが、美しい仕上がりでZ8のような頑丈なボディと調和。
  • フード:レンズフードは花形で、右側に小さなロック。プラスチック製で質感は普通だが、ゴムの覆いがない点でViltroxと異なる。このクラスのプレミアムレンズには、より上質なフードがふさわしいと感じる。
  • 構造:金属合金とエンジニアリングプラスチックを使用した堅牢な外装を持ち、防塵防滴設計。前後レンズには保護コーティング、リングやスイッチ類には約11か所のシーリングがあり、悪天候下でも安心して使用できる。
  • 携帯性:全長15cm、重量は約1060gで、サイズ・重量ともにタムロンの35-150mm F2-2.8とほぼ同等。携帯性は良好とは言えず、非常に大きく重いが、そのぶん性能に妥協がない。ニコンがこのようなレンズに名称を付けないのは惜しい。
  • 操作性:カスタマイズ可能なコントロールリング、AF/MFスイッチ、2つのFnボタンが備わるが、いずれも機能的にはやや制限される。Fnボタンは片手で操作できるように配置されているが、Z8では操作位置が密集しすぎており、左手の親指で扱うにはやや煩雑。クリックレスのコントロールリングはISOや露出補正にも対応するが、クリックの有無は選べない。OLED表示もなく、操作の直感性に欠ける。全体的に、この価格帯のレンズとしては、操作系の満足度がやや低い。
  • AF:デュアルSTMモーターを採用しており、フォーカス速度は高速で静かだが、Plenaほどではない。引き込み時のフォーカス動作はやや遅く、わずかに動作音もある。屋外では反応がやや向上し、動体にもある程度対応するが、空中のミツバチのような高速被写体には限界が見られた。
  • MF:マニュアルフォーカスリングは滑らかで重すぎず、リブ付きで操作性に優れる。非常に精密なピント調整が可能で、AF-C時でもマニュアルオーバーライドが可能なのは好印象。
  • 手ぶれ補正:レンズ内手ぶれ補正は搭載されていない。ボディ側の手ぶれ補正に依存する。
  • 解像性能:F1.2から中心と中間域は非常に高い解像性能を持ち、F2.8まで絞れば四隅まで均一にシャープになる。絞りによって周辺の改善も顕著で、風景撮影にも十分耐える。近接撮影でもディテールとコントラストは良好である。
  • 像面湾曲:記載なし。
  • ボケ:ハイライトのボケは美しく、光沢のあるシーンでも円形を保ち、ウェディングなどのスタイリッシュな撮影に適している。
  • 軸上色収差:色収差は最小限で、わずかな緑のフリンジが数か所に見られる程度である。
  • 倍率色収差:フレーム端部のコントラスト変化部分で確認できるが、遷移はなめらかで目立たない。
  • 球面収差:記載なし。
  • 歪曲収差:ごくわずかな樽型歪曲があるが、実写では気にならず、補正も容易。
  • 周辺減光:F1.2では強めの周辺減光がある。修正には補正値+77が必要だが、現実的には編集ソフトで問題なく補正可能である。
  • コマ収差:中心部の星像は良好で鮮明だが、周辺部では軽度のコマ収差により鳥のような変形が見られる。
  • 逆光耐性:優れたコーティング(メソアモルファス、ナノクリスタル、SIC)により、太陽をフレームに入れてもフレアが抑制され、美しい光描写を保つ。絞り値に関わらず高い逆光性能。
  • 光条:記載なし。
  • 作例集:リサイズのみ。
  • 総評:非常に大きく重く高価であるため、一般用途には向かないが、性能は抜群で、特にプロのウェディングやポートレートフォトグラファーにとっては理想的な機材。実用性を求めるなら35mm F1.8 SやF1.4が良いが、Zマウントで最高性能の35mmを求めるならこのレンズが最適である。ただし、使用には腕力も必要である。
  • 競合について
  • 備考:価格が2800ドルと高額なため、要求水準も高くなり、細かい部分に対する批判も生まれる。しかし、それに見合う性能は確かに備えている。

NIKKOR Z シリーズ3本目となるF1.2 S-Lineレンズ。レンズ構成は50mm F1.2と同様に複雑な光学設計を採用しており、必然的にレンズサイズは大きく、重くなっています。販売価格は他のNIKKOR Z 35mm レンズと比べて3倍以上と非常に高価。競合製品がほとんど存在しない35mm F1.2 AFレンズですが、それなりの対価を支払う必要がありそうです。

Dustin Abbottのレビューによると、大きくて重いレンズながら優れた解像性能や色収差補正を実現している模様。絞り開放から中央は非常にシャープで、近距離でも絞れば隅まで優れた結果が得られるようです。

作例を見る限りではボケ質も良好で、玉ボケは綺麗。低価格の35mmでよくあるフレーム隅の見苦しいボケは全くありません。このあたりを重視する35mmを探しているのであれば価格に見合う価値があるかもしれません。あとは筋肉が全てを解決してくれるようです。

ニコン NIKKOR Z 35mm F1.2 S 最新情報まとめ

  • 発売日:2025年2月28日
  • 予約開始日:2月12日10時
  • 希望小売価格:オープン
  • ニコンダイレクト:437,800円(税込)
  • B&H:2796.95ドル

レンズの仕様

レンズマウント ニコン Z マウント
対応センサー フルサイズ
焦点距離 35mm
レンズ構成 15群17枚
開放絞り F1.2
最小絞り F16
絞り羽根 11枚(円形絞り)
最短撮影距離 0.3m
最大撮影倍率 0.2倍
フィルター径 82mm
手振れ補正 -
テレコン -
コーティング メソアモルファス
ナノクリスタル
アルネオ
サイズ 約90mm×150mm
重量 約1060g
防塵防滴 対応
AF マルチフォーカス方式
STM
絞りリング -
その他のコントロール コントロールリング
L-Fn
付属品  レンズキャップ LC-82B(フロントキャップ)
裏ぶた LF-N1
レンズフード HB-110
レンズケース CL-C2

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