「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」のレビュー第三弾 遠景解像編を公開。
簡易的なまとめ
基本的には絞り開放から広い範囲で良好な結果を得ることが出来ます。Z 50mm F1.8 S ほどの信頼感はないものの、概ね S-Lineらしい結果が得られる35mm F1.8と言えるでしょう。
注意すべきシーンがあるとしたら、夜景や星景のようにF1.8の絞り開放を多用する状況。普段は許容範囲内と感じる程度の像面湾曲ですが、点像の再現性が重要となるシーンでは少し気になる問題と感じるかもしれません。
Basically, you can get good results across a wide range from wide open. While it doesn't offer the same level of reliability as the Z 50mm F1.8 S, it can be considered a 35mm F1.8 lens that generally delivers results typical of the S-Line.
The only scenes to be cautious about are those where you frequently use the F1.8 aperture, such as nightscapes or starry skies. While the image curvature is within acceptable limits under normal conditions, it may be a slight concern in scenes where point reproduction is critical.
NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sのレビュー一覧
遠景解像力
テスト環境
- 撮影日:2025.6.30 晴れ 無風
- カメラ:Nikon Z8
- 三脚:Leofoto LS-365C
- 雲台:ArcaSwiss Z1+
- 露出:ISO 100 絞り優先AE
- RAW:Adobe Lightroom Classic
・シャープネスオフ
・ノイズ補正オフ
中央
F1.8の絞り開放は軸上色収差の影響かコントラストが若干低め。このあたりはZ 50mm F1.8 Sと比べて少し見劣りするポイントですが、他社の35mm F1.8と比べると十分良好な結果。F2.8まで絞るとコントラストが改善してピークの性能に到達。それ以降に大きな変化はありません。
周辺
中央と比べると僅かにソフトな描写ですが、全体的に見ると違いはほとんど分かりません。解像チャートテストと同じく、F2.8まで絞ると 改善し、以降に大きな変化は無し。
四隅
中央や周辺と比べるとソフトな画質で、絞ることで徐々に改善します。後述する像面湾曲の影響があり、隅にピントを合わせて撮影することで改善します。(ただし、中央付近がソフトな画質になる)これを改善するためには絞って被写界深度を深くする必要があります。
像面湾曲
像面湾曲とは?

ピント面が分かりやすいように加工しています。
中央から四隅かけて、ピントが合う撮影距離が異なることを指しています。例えば、1mの撮影距離において、中央にピントが合っていたとしてもフレームの端では1mの前後に移動している場合に像面湾曲の可能性あり。
最近のレンズで目立つ像面湾曲を残したレンズは少ないものの、近距離では収差が増大して目立つ場合があります。と言っても、近距離でフラット平面の被写体を撮影する機会は少ないと思われ、像面湾曲が残っていたとしても心配する必要はありません。
ただし、無限遠でも影響がある場合は注意が必要。風景など、パンフォーカスを狙いたい場合に、意図せずピンボケが発生してしまう可能性あり。この収差は改善する方法が無いため、F値を大きくして被写界深度を広げるしか問題の回避手段がありません。
実写で確認
中央にピントを合わせた結果と、隅にピントを合わせた結果が少し異なります。像面湾曲の影響が残存しており、絞り開放で隅までパンフォーカスを得るのは難しい。中央でピント合わせの結果は許容範囲内に見えますが、隅にピントを合わせると不自然さを感じるかもしれません。
フレーム中間付近でピント合わせを実施することで、全体的に平均的な結果を得ることが可能。
- 中央合わせ
- 隅合わせ
- 中央合わせ
- 隅合わせ
- 中央合わせ
- 隅合わせ
まとめ
基本的には絞り開放から広い範囲で良好な結果を得ることが出来ます。Z 50mm F1.8 S ほどの信頼感はないものの、概ね S-Lineらしい結果が得られる35mm F1.8と言えるでしょう。
注意すべきシーンがあるとしたら、夜景や星景のようにF1.8の絞り開放を多用する状況。普段は許容範囲内と感じる程度の像面湾曲ですが、点像の再現性が重要となるシーンでは少し気になる問題と感じるかもしれません。
NIKKOR Z 35mm f/1.4と比べると、絞り開放の安定感はf/1.8 S-Lineのほうが良好。ただし、f1.4はF4付近まで絞ると隅までシャープな結果を得ることが出来ます。
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作例
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