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XF23mmF2.8 R WR レンズレビューVol.4 諸収差編

「XF23mmF2.8 R WR」のレビュー第四弾 諸収差編を公開。

簡易的なまとめ

絞り開放で問題となる場合が多い収差が良好に補正されています。特に長所として挙げた3点はF2.8からなんの問題もなく、快適に利用可能。本レンズが高解像である理由を物語っています。

軽微な問題ですが、絞り開放のフレーム隅で点像の変形が見られます。コンパクトなパンケーキタイプの23mmでこれを問題視する人は多くないと思いますが、重視する場合は23mmF1.4 R WRなどの選択肢を要検討。
未補正RAWに歪曲収差が残存していますが、レンズプロファイルにより綺麗に補正可能。未補正RAW至上主義でもない限り、過度に心配する必要はありません。ただし、レンズプロファイルを利用できない現像環境では注意が必要です。(過去の古い社外製現像ソフト等)

Aberrations, which often become problematic at wide apertures, are well corrected. The three points highlighted as particular strengths are perfectly usable and comfortable from f/2.8 onward. This speaks to why this lens delivers such high resolution.

A minor issue is noticeable distortion of point sources in the frame corners at wide apertures. While few users will likely find this a significant issue on a compact pancake-style 23mm lens, those prioritizing this aspect should consider alternatives like the 23mm F1.4 R WR.
Uncorrected RAW files retain some distortion aberration, but this can be neatly corrected using the lens profile. Unless you're an uncorrected RAW purist, there's no need for excessive concern. However, caution is advised in processing environments where the lens profile cannot be utilized (e.g., older third-party processing software).

XF23mmF2.8 R WR
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XF23mmF2.8 R WRのレビュー一覧

像面湾曲

像面湾曲とは?

ピント面が分かりやすいように加工しています。

中央から四隅かけて、ピントが合う撮影距離が異なることを指しています。例えば、1mの撮影距離において、中央にピントが合っていたとしてもフレームの端では1mの前後に移動している場合に像面湾曲の可能性あり。

最近のレンズで目立つ像面湾曲を残したレンズは少ないものの、近距離では収差が増大して目立つ場合があります。と言っても、近距離でフラット平面の被写体を撮影する機会は少ないと思われ、像面湾曲が残っていたとしても心配する必要はありません。

ただし、無限遠でも影響がある場合は注意が必要。風景など、パンフォーカスを狙いたい場合に、意図せずピンボケが発生してしまう可能性あり。この収差は改善する方法が無いため、F値を大きくして被写界深度を広げるしか問題の回避手段がありません。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

ピント位置に関わらず、優れた結果が得られているように見えます、

倍率色収差

倍率色収差とは?

主にフレームの周辺部から隅に現れる色ずれ。軸上色収差と異なり、絞りによる改善効果が小さいので、光学設計の段階で補正する必要があります。ただし、カメラ本体に内蔵された画像処理エンジンを使用して、色収差をデジタル補正することが可能。これにより、光学的な補正だけでは難しい色収差の補正が可能で、最近では色収差補正の優先度を下げ、他の収差を重点的に補正するレンズも登場しています。特にミラーレスシステムでは後処理に依存する傾向あり。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

絞り値全域で良好に補正されています。

軸上色収差

軸上色収差とは?

軸上色収差とはピント面の前後に発生する色ずれ。ピントの手前側は主にパープルフリンジとして、ピントの奥側でボケにグリーンの不自然な色付きがあれば、その主な原因が軸上色収差と考えられます。F1.4やF1.8のような大口径レンズで発生しやすく、そのような場合は絞りを閉じて改善する必要があります。現像ソフトによる補正は可能ですが、倍率色収差と比べると処理が難しく、できれば光学的に収差を抑えておきたいところ。ただし、大口径レンズで軸上色収差を抑える場合は製品価格が高くなる傾向があります。軸上色収差を完璧に補正しているレンズは絞り開放からピント面のコントラストが高く、パンチのある解像感を期待できます。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

絞り開放から顕著な色収差は発生していません。

歪曲収差

歪曲収差とは?

歪曲収差とは、平面上で直線的に写るはずが直線とならずに歪んでしまうこと。特に直線が多い人工物や水平線が見えるような場合に目立ちやすく、魚眼効果のような「樽型歪曲」と中央がしぼんで見えてしまう「糸巻き型歪曲」に分かれています。

参考:ニコン 収差とは

比較的補正が簡単な収差ですが、「陣笠状」など特殊な歪みかたをする歪曲は手動での補正が難しい。この場合はレンズに合わせた補正用プロファイルが必要となります。

実写で確認

やや目立つ樽型歪曲が発生しています。手動でも補正可能ですが、レンズプロファイルで簡単に補正することも可能。

コマ収差

コマ収差・非点収差とは?

コマ収差・非点収差とは主にフレーム四隅で点像が点像として写らないこと。例えば、夜景の人工灯や星、イルミネーションなど。日中でも木漏れ日など、明るい点光源で影響を受ける場合あり。この問題は後処理が出来ないため、光学的に補正する必要あり。

参考:ニコン 収差とは

絞ることで改善するものの、夜景や天体撮影など、シャッタースピードが重要となる状況では絞ることが出来ず、光学的な補正が重要となる場合もあります。

実写で確認

絞り開放付近のフレーム隅で点像の変形が明らか。これを抑えるためには2段ほど絞る必要があります。

球面収差

前後のボケ質に明らかな差はありません。軸上色収差の補正状態からもわかるように、フォーカスシフトの影響もありません。

まとめ

良かったところ

ポイント

  • 像面湾曲の補正状態が良好
  • 色収差の補正状態が良好
  • 球面収差の補正状態が良好

絞り開放で問題となる場合が多い収差が良好に補正されています。特に長所として挙げた3点はF2.8からなんの問題もなく、快適に利用可能。本レンズが高解像である理由を物語っています。23mmF2にあった開放のソフトさが見られず、F2.8からピークのパフォーマンスを発揮します。

悪かったところ

ポイント

  • 未補正RAWで歪曲収差が目立つ
  • 絞り開放付近でコマ収差の影響が僅かに残存

軽微な問題ですが、絞り開放のフレーム隅で点像の変形が見られます。コンパクトなパンケーキタイプの23mmでこれを問題視する人は多くないと思いますが、重視する場合は高性能な23mmF1.4 R WRなどの選択肢を要検討。

未補正RAWに歪曲収差が残存していますが、レンズプロファイルにより綺麗に補正可能。未補正RAW至上主義でもない限り、過度に心配する必要はありません。ただし、レンズプロファイルを利用できない現像環境では注意が必要です。(過去の古い社外製現像ソフト等)

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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