DPReviewが「α7 V ILCE-7M5」のファーストインプレッションを公開。高解像度、最新AF、高速連写、滑らかな動画性能を備えた非常に優秀なオールラウンダーと評価。ソニーユーザーにとって魅力的としつつ、競合他社を圧倒するものではなく、市場全体での優位性は限定的と言及。
DPReview:Sony α7 V review: E-mount users get their own do-it-all powerhouse
新しいセンサー
- 前モデル同様に3300万画素センサー。
- しかし、読み出し速度向上のための追加回路を備えた部分積層型。
- 連写性能が10コマ/秒から30コマ/秒へ大幅に向上。
- 高速連写時でも非可逆RAWを使わず14bit RAWを利用可能。
- 電子シャッターは1/16000秒まで高速化し、ダイナミックレンジ低下も起きないと説明されている。
- ボディ内手振れ補正は5.5EVから7.5EVに強化された。
新プロセッサーと新AFシステム
- 新プロセッサー「Bionz ZR2」を搭載。
- 最新世代のAFシステムを導入。
- 被写体認識は6種類に対応し、オート識別モードも備える。
- 人物認識は大幅に強化され、隠れた顔でも再検出と追跡の継続が向上。
- フォーカスエリアも追加され、AF計算は毎秒60回。
- 従来の画像処理プロセッサーとAIコプロセッサーを統合、効率化を図った。
新RAWフォーマット
- 新たに「軽量」RAWが追加された。詳細は未公開で、サードパーティで未対応。
- 従来の損失の大きい圧縮RAWと同等のサイズながら欠点を抑えた形式となることが期待される。
- (補足:画質優先の圧縮RAWのようです)
AI搭載機能
- オートフレーミング機能を搭載。被写体を追跡しながら自動でパンして切り取る動画撮影を行える。
- クロップ量は3段階で、被写体登場前に広角表示するオプションもある。
- フレーミングスタビライザーを用いて、デジタル補正とクロップ移動により被写体位置を一定に保つことができ、動画は指定解像度へアップスケールされる。
プリ連続撮影
- α7 Vはα9 IIIで導入されたプリ連続撮影を搭載。
- AF開始からシャッター全押しまで最大1秒間の画像を記録できる。
- 記録時間は0.03〜1秒で細かく設定できる。
動画性能の向上
- 高速センサーにより、多くの動画モードで前世代比約2倍のフレームレートを実現。
- 自動フレーミングとフレーミングスタビライザーも追加された。
- LUTを読み込みプレビューや埋め込みが可能だが、FXのようなLUTを動画に適用するオプションには非対応。
市場における位置付け
- α7Vはプロ機とエントリー機の中間に位置、EOS R6 III、S1II、Z6IIIなど強力な競合と対峙する。多くの性能差がα7 Vで解消された。
- ソニーはサードパーティ製レンズの連写AFを15fpsに制限、α7 Vでは影響が出る可能性がある。
- 他社はオープンゲート、DCI 4K、内部RAWなど動画機能が豊富だが、ソニーはAI技術で差別化。
ボディ・操作性
- α7 IVのボディを改良し、2つのコマンドダイヤル、ロック式露出補正ダイヤル、背面の小型ダイヤルを備える。主要設定に素早くアクセスできる構成。
- グリップは握りやすく再設計されたが、プロ機の前傾シャッターボタンは採用されていない。
- 大きさは十分だが、硬い素材のため指に食い込む感覚があり、クッション性の欠如が問題を悪化させている。
メニュー
- 新メニューシステムを採用し、最上部にホーム/ステータス画面が追加された。しかし操作を妨げやすく、実際のメニューへのアクセスも阻害するため有用性は低い。
- 最小化機能も効果的でなく、複雑なメニュー構造と奇妙な略称が高度なカスタマイズ性の代償となっている。
EVF / 背面スクリーン
- EVFは従来と同じ369万ドット・0.78倍。
- 背面モニターは大型化し、チルト対応のバリアングル式。可動範囲が広がりケーブル干渉も減少した。
- 新しい背面パネルは210万ドット。画面反転で自動的にアイセンサーが無効化されるが、収納後にファインダーが作動しない不具合が時折発生。
USBポート
- USB-Cポートを2基搭載し、一方は最大10Gbpsの高速転送、もう一方はUSB PD充電専用。
(訳注:どちらもUSB PD[出力18W(9V/2A)以上]による充電に対応しています)- かつてのUSBマイクロB(マルチターミナル)互換を維持するため、下側のUSB-Cは実質的にUSB 2.0相当の置き換えとなっている。
バッテリー
- NP-FZ100バッテリーを継続採用し、16.4Whの大容量を提供。
- 撮影可能枚数は背面モニター使用で750枚、EVF使用で630枚と高い。このクラスのカメラとしてはどちらも見事な数値。
動画
- α7 Vは7Kオーバーサンプリングによる全幅 UHD 4Kを最大60pで記録し、APS-Cクロップで4K 120pにも対応。
- AIオートフレーミングは人物を自動追尾し、フレーミングや追従速度も調整可能。
- デジタル補正の最上位としてフレーミングスタビライザーも搭載し、構図の維持を図る。
- 全幅 4K60pは「画角優先モード」への切り替えが必要で、ノイズリダクションが無効化される点に注意が必要。
- S-Log3とS-Cinetoneも搭載し、用途に応じて映像特性を選択できる。
録画モード
- 録画モードは競合より少なく、16:9圧縮動画のみ対応。
- コーデックや圧縮方式は複数選択できるが、名称が分かりにくい点が弱点。
- ファイル形式選択後に解像度、圧縮方式、フレームレート、ビットレート、色深度、クロマサブサンプリングを別メニューで設定する構造。
ローリングシャッター
- 部分積層型センサーによりローリングシャッター性能は優秀。
- 4K/24pと4K/60pで読み出しは14.5ms、4K/120p(APS-C)では6.9msと高速。
温度制限
- ファン非搭載だが、内蔵されたグラファイト製ヒートシンクにより放熱性能が高い。
- メーカーは室温で4K/60pを約90分、41℃環境でも60分記録できると述べている。これらは過熱警告が緩和された条件での数値と推測。
ファーストインプレッション
- 高解像度、最新AF、高速連写、滑らかな動画性能を備えた非常に優秀なオールラウンダー。
- α7 IVが抱えていた動画性能の弱点やローリングシャッターの問題を改善し、シリーズとして確かな前進。
- 4年間でキヤノンとニコンがAF性能や動画性能を大きく伸ばした結果、ソニーの優位性は縮まっているが、α7 Vはな部分積層型CMOSセンサーと新しい被写体認識により静止画性能を大幅に強化。撮影シーンへの対応力が広がった。
- 動画性能も高速化とAIトリミングの追加で強化され、バッテリー持続時間や発熱性能も優秀である。ただし、オープンゲート撮影や内部RAWなど、競合が備える機能を欠いている点は明確な弱点。α7 IVの二の舞のように感じられる。
- 総じて、α7 Vは極めて多才で完成度も高いが、競合を圧倒する決定的な強みは乏しい。ソニーユーザーには有力な選択肢となる一方、市場全体での優位性は限定的。
2025年12月に登場したα7 スタンダードシリーズの最新モデル。
従来と同じ3300万画素の解像性能ながら、部分積層型CMOSセンサーと新型プロセッサによる高速処理に対応。AFの強化をはじめ、ブラックアウトフリーの連続撮影や4K 120p、被写体認識などを実現しています。
さらに、プロセッサの統合による低消費電力化でバッテリーライフの改善。モニターの可動方式強化やフルマグネシウムボディ化、デュアルUSB-Cポートなど、外側も様々な改良が施されています。販売価格は高くなってしまいましたが、競合他社の部分積層型CMOSモデルと同程度。
DPReviewのファーストインプレッションによると、前モデルの欠点だった部分を改善し、確かな進化を遂げているようです。特に30fpsの連続撮影やプリ連写、被写体検出AF、コンポジットRAWなど静止画向けの撮影機能が強化されている模様。
動画撮影も進化していますが、競合他社ほど多機能ではないとのこと。撮影機能としてはシンプルですが、AFやAI機能、バッテリーライフなどで差をつけることができるのか気になるところ。
- 発売日:
・ボディ:12月19日
・レンズキット:2026年春以降 - 予約開始日:2025年12月9日(火)10時
- 希望小売価格:
- 市場推定価格:
・ボディ:約42万円前後
・レンズキット:不明 - B&H:2,899ドル
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主な仕様
| イメージセンサー | タイプ:Exmor RS CMOS 有効画素:約3300万画素 |
| センサー除塵 | アンチダスト機能 |
| プロセッサ | BIONZ XR2 |
| 手振れ補正 | 中央7.5段 周辺6.5段 |
| RAW | 14bit 30fps対応 ロスレス圧縮 圧縮 画質優先 圧縮 |
| ISO | 100 - 51200 拡張 50 / 204800 |
| ストレージ | Slot1:CFe A / SD UHS-II Slot2:SD UHS-II |
| AF | 検出方式: 測距点:759点 測距輝度範囲:-4EV F2.0 |
| 被写体検出 | オート 人物 動物 鳥 昆虫 車 列車 飛行機 |
| シャッター | メカニカル:1/8000-30 秒 電子先幕:1/8000-30 秒 電子:1/16000-30 秒 |
| フラッシュ同調速度 | 1/250 秒 (フルサイズ) 1/320 秒 (APS-Cサイズ) |
| 連続撮影速度 | 電子:最高約30コマ/秒 メカ:最高約10コマ/秒 |
| 連続撮影枚数 | RAW: 95枚 |
| ファインダー | サイズ:0.5型 解像度:369万ドット 倍率:約0.78倍 |
| モニター | サイズ:3.2型 解像度:210万ドット 可動方式:4軸チルト |
| 動画フレームレート | 4K 120p Super35 4K 60p Fullframe |
| 動画出力 | XAVC HS 4K, XAVC S 4K XAVC S HD XAVC S-I HD |
| USB | 1:USB-C USB3.2 10Gbps 2:USB-C USB2.0 |
| マイク/ヘッドホン | マイク:3.5mm ヘッドホン:3.5 mm |
| HDMI | Type-A |
| Wi-Fi | IEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax |
| Bluetooth | Ver. 5.3 |
| その他ポート類 | - |
| バッテリー | タイプ:NP-FZ100 撮影可能枚数: ・ファインダー:630枚 ・モニター:750 枚 |
| サイズ | 約130.3 x 96.4 x 82.4 mm |
| 重量 | バッテリー含む:約695 g 本体のみ:約610 g |
| 製造国 | タイ |
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