パナソニック「LUMIX DC-L10」のレビュー第四回 諸収差編を公開しました。
簡易的なまとめ
色収差は適度に補正され、コマ収差も許容範囲内。球面収差は微妙に残存しているものの、大きな問題はありません。F1.7-2.8の大口径ズームを絞り開放から使いやすく、積極的に絞り開けた撮影が可能。
近距離での像面湾曲、未補正での歪曲収差は確かに目立ちますが、目立つ条件が限定的であったり、カメラや現像ソフトで収差を補正可能。特に心配する必要はありません。
Chromatic aberration is adequately corrected, and coma aberration is within acceptable limits. Although some spherical aberration remains, it isn’t a major issue. This large-aperture F1.7–2.8 zoom lens is easy to use even at wide-open aperture, allowing you to shoot with the aperture wide open.
Field curvature at close range and uncorrected distortion are certainly noticeable, but the conditions under which they are noticeable are limited, and these aberrations can be corrected using the camera or image-processing software. There is no need for particular concern.
*当ブログのレビューは冒頭に断りが無い限り、自費購入となっています。
LUMIX L10のレビュー一覧
- LUMIX L10 レビューVol.4 諸収差編
- LUMIX L10 レビューVol.3 解像チャート編
- LUMIX L10 レビューVol.2 遠景解像編
- LUMIX L10 レビューVol.1 外観・操作・フォーカス編
Index
像面湾曲
像面湾曲とは?
像面湾曲とは、本来は平らなはずのピント面が、レンズの特性によって曲面になってしまう収差。
理想的なレンズでは、平らな被写体を撮影した際に画面全体へ同じようにピントが合う。しかし、像面湾曲があると、中央にピントを合わせたときに周辺がぼやけたり、逆に周辺へピントを合わせると中央がぼやけたり。
例えば、壁や新聞、建物の正面など平面的な被写体を撮影すると、中央はシャープなのに四隅だけ甘く見えることがあります。この場合、レンズの解像性能が低いのではなく、ピント面が湾曲していることが原因の可能性あり。また、像面湾曲には内側へ曲がるものと外側へ曲がるものがあり、レンズによって傾向が異なる。
像面湾曲は画面の隅に向かうほど影響が大きくなるため、風景や建築写真では重要な性能項目の一つ。一方、ポートレートや近接撮影では必ずしも欠点とは限らず、被写体の立体感や独特の描写に寄与することも。
なお、像面湾曲はピント位置の問題であり、色収差や歪曲収差とは異なります。また、レンズを絞ると被写界深度が深くなるため影響が目立ちにくくなる。レンズレビューで「像面湾曲が少ない」と評価される場合、画面中央から周辺まで均一なピント面を維持しやすく、風景や建築物をシャープに撮影しやすいことを意味する。

ピント面が分かりやすいように加工しています。
実写で確認
24mm
チャートテストのような近距離で強めの像面湾曲が発生しますが、遠景で極端な影響はありません。フレーム隅に向かって画質が低下するものの、これは像面湾曲以外が影響していると思われます。
50mm
フレーム隅が若干ソフトですが、像面湾曲の影響は目立ちません。
75mm
全体的に問題はありません。
倍率色収差
倍率色収差とは?
倍率色収差とは、レンズが光の色によって異なる倍率で像を結んでしまう現象。その結果、画像の色ごとの大きさがわずかに異なり、被写体の輪郭部分に色のずれが発生。
軸上色収差がピント位置の前後で起こるのに対し、倍率色収差は主に画面周辺で目立つ。例えば、建物の輪郭や電線、木の枝などの境界部分に、赤や紫、青、緑などの色の縁取りなど。画面中央ではほとんど見えないものの、周辺へ行くほど目立ちやすくなるのが特徴。
倍率色収差は絞りを変えてもほとんど改善しないため、レンズ設計による補正が重要。一方で、軸上色収差と異なり、デジタル補正との相性が良く、多くのミラーレスカメラや現像ソフトでは自動補正容易。そのため実際の撮影では大きな問題になりにくい場合も多い。
ただし、高解像モデルで風景や建築物を撮影する際には解像感の低下につながる可能性あり。レンズレビューで「倍率色収差が良好に補正されている」と評価される場合、画面周辺でも色の縁取りが少なく、被写体の輪郭をより正確かつシャープに描写できることを意味しています。
- 良好な補正
- 倍率色収差あり
実写で確認
広角からズーム中間域にかけて僅かに残存。ただし、実写では無視できる程度の軽微な問題。望遠側は拡大してもほとんど目立ちません。極端な輝度差がない限り目立たず、全体的に良好な補正状態です。
24mm
35mm
75mm
軸上色収差
軸上色収差とは?
軸上色収差とは、レンズが光の色ごとに異なる位置へピントを結んでしまう現象。光には赤や緑、青などさまざまな色が含まれており、レンズを通ると色によって曲がり方がわずかに異なる。そのため、ある色にピントが合っていても別の色は前後にずれ、画像に色のにじみが発生。
軸上色収差は主にピント面の前後に現れ、ピントより手前では紫色やマゼンタ色、奥側では緑色のにじみとして見えることが多い。特に開放F値の明るいレンズや望遠レンズで目立ちやすく、金属の反射部分や白い文字、逆光の被写体など高コントラストな場面で確認しやすい。
また、画面中央でも周辺でも発生するため、絞りを開けた状態では画面全体の解像感やコントラストを低下させる原因となる。一般的にはレンズを1~2段ほど絞ると大幅に改善。近年の高性能レンズでは特殊低分散ガラスなどを使用して補正されているものの、完全にゼロにすることは難しい。レンズレビューで「軸上色収差が少ない」と評価される場合は、ピント面前後の色にじみが少なく、よりシャープな描写が期待できるという意味。

実写で確認
広角側のF1.7-2.3付近で軸上色収差の残存を目視できます。ズーム後半、F2.8以降で大きな問題はありません。実写での影響は広角端 F1.7でも軽微。特に心配する必要はありません。
24mm
35mm
75mm
歪曲収差
歪曲収差とは?
歪曲収差とは、被写体の形そのものが変形して写る現象。レンズの解像力やピントとは別の問題で、直線であるはずのものが曲がって記録されるのが特徴。
- 糸巻き型歪曲
- 適切な補正
- 樽型歪曲
代表的なものは「樽型歪曲」と「糸巻き型歪曲」。樽型歪曲では画面中央から外側へ向かって線が膨らみ、建物の壁や地平線が外側へふくらんで見える。一方、糸巻き型歪曲では線が内側へ引っ張られたように曲がる。また、ズームレンズでは広角側で樽型、望遠側で糸巻き型になることも多い。
歪曲収差は特に建築物や室内、風景写真など、直線が多い被写体で目立ちやすい。人物撮影では気付きにくい場合もありますが、画面周辺に人物を配置すると体形や顔の形がわずかに変形して見える可能性あり。
他の収差と異なり、歪曲収差は画面のシャープネスや色にじみにはほとんど影響しません。そのため、近年のミラーレスカメラや現像ソフトではデジタル補正が広く利用されており、多くのレンズで自動的に補正されています。
レンズレビューで「歪曲収差が少ない」と評価される場合は、建物や水平線などの直線を自然な形で再現できることを意味しています。一方、歪曲収差をソフトウェア補正する前提で設計されたレンズも多く、実写では大きな問題にならない場合も少なくない。
実写で確認
24mm
未補正の場合は強い樽型歪曲が残っています。レンズプロファイルを利用できる環境であれば、(僅かに残りますが)綺麗に自動補正が可能。


35mm
引き続き、強い樽型歪曲が発生しています。


50mm
広角側と比べると穏やか。補正なしでも無視できる程度まで抑えられています。


75mm
他のズーム域とは異なり、糸巻き型の歪曲収差が発生します。軽微な問題であり、実写で目立つシーンは限られています。


コマ収差
コマ収差・非点収差とは?
コマ収差とは、画面周辺の点光源が彗星(Comet)のように尾を引いた形に変形して写る現象。名称の「コマ」は英語の Coma(彗星)に由来。
本来、星や街灯のような点光源は丸い点として写るべきところ、コマ収差が大きいレンズでは画面周辺で三角形や鳥が羽を広げたような形に崩れる。特に画面の隅に近づくほど目立ちやすい。
コマ収差は星景写真や夜景撮影で重要な性能項目。例えば、画面中央の星はきれいな点に写っていても、四隅の星が流れたような形に。昼間の撮影では気付きにくいものの、夜間の点光源では容易に確認可能。
一般的にはレンズを少し絞ることで改善。レンズレビューで「コマ収差が良好に補正されている」と評価される場合、画面周辺の星や街灯も点に近い形で再現できることを意味しています。
- 良好な補正状態
- 悪い補正状態
実写で確認
24mm
F1.7の絞り開放から収差は良く補正されています。
35mm
色収差とコマ収差の影響が僅かに残っていますが、拡大しないと気が付かない程度。
50mm
絞り開放で点像に僅かな変形が見られます。F4.0まで絞るとほぼ解消。
75mm
50mmと同じ傾向。F4.0-5.6でほぼ解消します。
球面収差
球面収差とは
球面収差とは、レンズの中心を通る光と周辺を通る光が異なる位置でピントを結んでしまう収差。その結果、ピントが合っているはずの部分でも像がわずかににじみ、シャープさやコントラストが低下。
理想的なレンズでは、すべての光が同じ位置に収束。しかし実際のレンズは、中心付近を通る光と周辺部を通る光の集まり方が異なるため、一点に完全には集まりません。
球面収差が大きいレンズでは、開放F値で撮影した際に全体が少し柔らかく見えたり、光がにじんだような描写。特にポートレート用レンズでは、この特性を活かして肌をなめらかに見せる場合もあります。一方、風景や建築写真では解像感の低下につながるため、できるだけ少ないことが望ましい。
球面収差は前ボケと後ボケの見え方にも大きく影響。球面収差の補正状態によってボケの柔らかさや輪郭の強さが変化するため、レンズごとの描写の個性を生む要素の一つ。
一般的にはレンズを絞ることで周辺光線が制限され、球面収差は大幅に改善。レンズレビューで「球面収差がよく補正されている」と評価される場合は、開放F値から高い解像感とコントラストを得やすいことを意味します。一方で、あえて球面収差を少し残すことで、柔らかく自然なボケ描写を実現しているレンズも存在。
実写で確認
24mm
理想的とは言えないものの、ニュートラル寄りの補正状態です。
35mm
24mmよりも良好な補正状態です。
75mm
ブレ方が24mmとは対照的で、ボケの質感も変動していると思われます。ただし、基本はニュートラル寄り。
まとめ
色収差は適度に補正され、コマ収差も許容範囲内。球面収差は微妙に残存しているものの、大きな問題はありません。F1.7-2.8の大口径ズームを絞り開放から使いやすく、積極的に絞り開けた撮影が可能。
近距離での像面湾曲、未補正での歪曲収差は確かに目立ちますが、目立つ条件が限定的であったり、カメラや現像ソフトで収差を補正可能。特に心配する必要はありません。
意識するとしたら、フレーム隅に向かって解像性能低下の原因となる非点収差。ズーム全域で影響が強く、絞りによる改善速度が遅め。F5.6-8まで絞ると許容範囲内に収まります。
購入早見表
このような記事を書くのは時間がかかるし、お金もかかります。もしこの記事が役に立ち、レンズの購入を決めたのであれば、アフィリエイトリンクの使用をご検討ください。これは今後のコンテンツ制作の助けになります。
| LUMIX L10 DC-L10-S シルバー | |
| 楽天市場 | Amazon |
| カメラのキタムラ | |
| 楽天市場中古 | |
| カメラのキタムラ中古 | |
| LUMIX L10 DC-L10-K ブラック | |
| 楽天市場 | Amazon |
| カメラのキタムラ | |
| 楽天市場中古 | |
| カメラのキタムラ中古 | |
アクセサリ
| 自動開閉レンズキャップ DMW-LFAC1-S シルバー | |
| 楽天市場 | Amazon |
| カメラのキタムラ | |
| 自動開閉レンズキャップ DMW-LFAC1-K ブラック | |
| 楽天市場 | Amazon |
| カメラのキタムラ | |
| バッテリーパック DMW-BLK22 | |
| 楽天市場 | Amazon |
| カメラのキタムラ | |
| トライポッドグリップ DMW-SHGR2 | |
| 楽天市場 | Amazon |
| カメラのキタムラ | |
| XLRマイクロホンアダプター DMW-XLR2 | |
| 楽天市場 | Amazon |
| カメラのキタムラ | |
| バッテリーチャージャー DMW-BTC15 | |
| 楽天市場 | Amazon |
| カメラのキタムラ | |
- SmallRig:LUMIX L10 用 L 型マウントプレートハンドル
- SmallRig:LUMIX L10 用 L 型マウントプレートハンドル(チタンゴールド)
- SmallRig:UMIX L10 用サムグリップ
- SmallRig:LUMIX L10 用レザーハーフケースキット
作例
関連記事
- LUMIX L10 レビューVol.4 諸収差編
- LUMIX L10 レビューVol.3 解像チャート編
- LUMIX L10 レビューVol.2 遠景解像編
- LUMIX L10 レビューVol.1 外観・操作・フォーカス編
広告
*手動広告を試験的に導入しています。
![]()
期間限定セール
- Amazon プライムデー 7/10-7/13 / まとめ記事
- OM SYSTEM スーパーサマーセール / まとめ記事
- カメラのキタムラ サマーセール
- Insta360 超お得セール
- SmallRig 最大40%オフ 特別セール
- Ulanzi Amazon PD連動キャンペーン
アウトレットなど
キャッシュバック
カメラメーカー直販・店舗リンク(楽天市場)



























































































