【評価･作例】安価に楽しめる超望遠『AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR』

35mm判換算で450mmまでの望遠をカバーするズームレンズ。EDレンズを2枚採用、さらに一部高屈折レンズ（HRI）を導入している。色収差や球面収差・像面湾曲を効果的に補正してサイズをコンパクトにしている。

FXフォーマットと違い、450mmをカバーしつつもレンズのサイズをコンパクトに出来る点がメリットで重量は530gと抑えられている。DX沈胴式の200mmズーム（300g）と比べるとひと回り大きくなっているかもしれないが、それでも十分サイズは抑えられている。金属マウントを採用している点も安価なキットレンズと差が出ているポイントだろう。

3段分の効き目がある手ぶれ補正（VR）を搭載している。望遠端ではやや効き目が薄く感じるかもしれないが、450mmの超望遠を考えるとVRに加えて自身でしっかりとカメラをキープする必要がある。

ピントリングがレンズ前部に配置されているが、上位レンズと比べてやや幅が狭い。やや操作し辛いものの、最大撮影倍率が0.4倍（35mm換算）ほどあるので花などの植物をマクロっぽく撮る際には重宝する。但し、フォーカシングでフィルター枠が回転するタイプなのでPLフィルターの使用には適していない。

オートフォーカスは動体を追うにはやや物足りない部分があり、特に激しく動く被写体には限界を感じる。とは言え、風景や激しく動かない動体ならばそこまで不満という程でも無いので本格的に使わなければどうと言う問題でも無い。

気になる点としてはズームリング・ピントリング共に動作が軽く、シビアな調整には不向き。クイックな操作には使い勝手が良いと思うものの、フードやフィルターを付けていると自重でズームが伸びてしまうことがある。