外観比較
正面
ポイントとしてはシャッターボタン周りのデザイン。D5600とK-70は電源ボタンがシャッターボタンを囲む形でレバーとなっているので撮影スタイルからすぐに電源を入れる事が出来ます。一方で9000Dはキヤノンでお馴染み背面左上に配置されているのでやや面倒くさい。
フロントにコマンドダイヤルを配置しているのは9000DとK-70。
背面
操作性が充実しているのは9000D。親指AFからホイールダイヤル、Qボタンにタッチパネルと一通り完備。
D5600は凝った設定をしなければ必要十分の操作デザインで、シンプルな印象。
K-70の操作性は9000DとD5600の中間。タッチパネルに対応していないのでバリアングル展開時にAFポイントを移動する操作が煩雑に感じる。自虐的に見るとそこまでAFポイントが無いのでそこまで不便しないかも。
上面
一目瞭然で9000Dのサブ液晶モニタの存在感が大きい。必要かどうかは別として「本格一眼っぽい」印象。撮る気にさせてくれる外観で、モチベーションの向上に一役買っている。
スペック比較
画像処理
センサー
9000D | D5600 | K-70 | |
有効画素数 | 約2420万画素 | 2416万画素 | 約2424万画素 |
ローパスフィルター | あり | なし | なし (モアレ低減機能あり) |
センサーシフト式手ぶれ補正 | 搭載 4.5段分 |
K-70は手ぶれ補正内蔵
手ぶれ補正の搭載されていないレンズをスローシャッターで使いやすくなる恩恵は非常に大きい。シャッタースピードを遅く出来る分、低感度で撮影する事が出来るためより高画質で撮影する事が可能。(もちろん被写体ブレは抑えられない)
特にシグマのArtシリーズや大口径の単焦点レンズなどで意識させられるポイント。ただし、キヤノンもニコンもズームレンズには手ぶれ補正が搭載されているので、ズームレンズに限って言えばあまり差を感じないかもしれません。
処理エンジン・記録形式・方法
9000D | D5600 | K-70 | |
画像処理エンジン | DIGIC 7 | EXPEED 4 | PRIME M II アクセラレータユニット |
RAW形式 | 14bit | 14bit 12bit |
14bit DNG対応 |
メディアスロット | SD/SDHC/SDXC UHS-Iカード対応 |
SD/SDHC/SDXC UHS-Iカード対応 |
SD/SDHC/SDXC UHS-Iカード対応 |
レンズ補正 | 周辺光量補正 色収差補正 歪曲収差補正 回折補正 |
周辺光量補正 歪曲補正 |
周辺光量補正 倍率色収差補正 歪曲補正 回折補正 フリンジ補正(現像時) |
処理エンジンは9000Dが最も新しい
新しい処理エンジンのメリットは高感度ノイズ処理や連写時の画像処理速度、画像編集性能など。新しければ新しい方が良い。
とは言え、その性能は各社でバラバラな上に内部的なチューニングが施されいるかもしれないので一概に括る事ができない。
- DIGIC 7…キヤノンの最新処理エンジン
- EXPEED 4…ニコンの最新モデルEXPEED 5の1世代前のモデル。とは言え高感度性能には定評がある。
- PRIME MII+アクセラレータ…処理エンジンは従来通りのエントリークラス。それにアクセラレータユニットというものを組み合わせており高感度性能が大きく向上。
RAW形式DNGに対応
K-70はメーカー独自のRAW形式の他にユニバーサルなDNG形式を選択できるようになっている。
これの何が便利かと言うと、メーカー謹製のソフトウェア以外において独自RAW形式を対応していない現像ソフトにもRAWデータを読み込ませる事が可能。ただし、ファイルサイズがちょっと大きくなる。
露出制御
9000D | D5600 | K-70 | |
測光方式 | 7560画素RGB IR測光センサー 63分割TTL開放測光 |
2016分割 RGBセンサー |
77分割測光 |
測光範囲 | EV 1?20 | EV 1?20 | EV0?22 |
ISO感度 | 100 ? 25600 | 100 ? 25600 | 100?102400 |
露出補正 | +/- 5 | +/- 5 | +/- 5 |
備考 | フリッカー低減 バルブタイマー インターバルタイマー |
ポイント連動測光 インターバルタイマー |
ポイント連動測光 TAVモード Svモード P(MTF) バルブタイマー |
フリッカー低減
人工灯による露出の不安定さを緩和する「フリッカー対策」が講じられているのは9000Dのみ。特に屋内スポーツなどで連写を必要としている方には重要なポイント。
バルブタイマー
星やNDフィルターを使った長時間露光時に露光時間を設定できるバルブタイマーを備えているのは9000DとK-70。使う人にはとっても便利なモード。使わない人はカメラが壊れるまで縁が無いモード。
測距ポイント連動測光
中央スポット測光と違ってAFポイントにスポット測光が連動するモード。特に小さい被写体を追いかけるようなシーンでは便利。
Sv(ISO優先AE)・P MTFモード(レンズ性能優先モード)
ペンタックス独自のAE・Pモード。ISO優先AEは読んで字のごとく、ISOを操作して絞り値とシャッタースピードを自動制御するというちょっとアブノーマルなモードでTAvと真逆な操作性。絞り値とシャッタースピードはプログラムラインに設定したモードに従って変動。なお、未使用のコマンドダイヤルを使って一時的に絞り値やシャッタースピードを固定できるプログラムシフト機能も備わっている充実っぷり。もちろんグリーンボタンで回帰できる。
プログラムラインのMTFモードとはレンズ性能を遺憾なく発揮するため、レンズに見合った絞り値を優先するモード。経験上、F4?F5.6にへばり付く事が多いもののシャッタースピードを維持できない時は少し絞り値を開けてくれる親切設計。ただし、レンズ性能が低下する絞り開放までは絶対に絞りを開けない頑な一面も覗かせる。
連写・AF
オートフォーカス
9000D | D5600 | K-70 | |
方式 | 位相差検出方式 | 位相差検出方式 | 位相差検出方式 |
測距点 | 45点 | 39点 | 11点 |
クロス測距点 | 45点 | 9点 | 9点 |
F8対応点 | 最大27点 | 無 | 無 |
測距輝度範囲 | EV?3?18 | -1?+19EV | EV-3?18 |
備考 | ラージゾーンAF | 3Dトラッキング タッチFn |
AF性能は9000Dが圧倒的
上位モデルと同等のAFセンサーを採用。全点クロス測距による精度の高いAFが可能であり、クロス測距のカバーエリアが3モデル中で最も広い。
加えてF8対応測距を27点も持っているため望遠レンズにテレコンバージョンレンズを装着して超望遠レンズのAFを使いやすい点は非常に便利。例えばニコンの場合、D7200(DXのミドルクラス一眼レフ)で中央1点、D500(DXのハイエンド一眼レフ)で15点という点を考慮すると実に素晴らしい。
ただし、注意点としてF8測距27点に対応しているレンズの数が少ないので要確認。(公式ウェブサイト参照)
一方でK-70のAF性能はお世辞にもお目られたものでは無く、やや見劣りしてしまうのは確か。クロス測距のカバーエリアは思いのほか広いので激しく動かない被写体であれば十分と言えば十分な性能。
フォーカスエリア比較
D5600はタッチFnでフォーカスエリアの移動が可能
ファインダーを覗いたままタッチパネルを操作することでフォーカスエリアの移動が可能です。
操作ボタンの少ない小型カメラで特に有用な機能であり、ミラーレス一眼カメラでは一般的になりつつある機能。一眼レフではまだ導入されているカメラが少なく、D5500とD5600くらいのもの。
キヤノンでもEOS M5で初導入されましたが、どうも9000Dには採用しなかったようです。
シャッター・ドライブ
9000D | D5600 | K-70 | |
シャッター速度 | 1/4000?30秒 | 1/4000?30秒 | 1/6000秒?30秒 |
フラッシュ同調速度 | 1/200秒 | 1/200秒 | 1/180秒 |
高速連続撮影 速度 | 最高6コマ/秒 | 最高約5コマ/秒 | 最高約6.0コマ/秒 |
連続撮影可能枚数 | JPEG:190枚 RAW:27枚 RAW+JPEG:23枚 |
JPEG:40枚 RAW:10枚 RAW+JPEG:8枚 |
連写するなら9000D
コマ速を稼げる上にバッファ容量も大きく、上位モデル並みの連続撮影枚数を持っています。特にコマ数を稼ぎたいスポーツや野生動物における撮影で最も相性が良いのは9000Dと言う事ができるでしょう。
操作性
ファインダー
9000D | D5600 | K-70 | |
方式 | ペンタダハミラー | ペンタダハミラー | ペンタプリズム |
視野率 | 約95% | 約95% | 約100% |
アイポイント | 約19mm | 約17mm | 約22.3mm |
倍率 | 約0.82倍 | 約0.82倍 | 約0.95倍 |
フォーカシングスクリーン | 固定式 | 固定式 | 交換式 |
K-70がペンタプリズム採用で大きくリード
上位クラスで採用されるペンタプリズムを贅沢に使っているため、倍率が高く見やすいファインダーですね。視野率もおよそ100%と余計な被写体が写り込む心配も低減されています。
また、9000DとD5600がファインダー上に液晶を挟んでいるのに対して、K-70は余計なものを挟んでいません。その分ファインダー情報が少ない点は否めませんが、よりクリアなファインダー像を楽しむ事が可能です。
?ライブビュー・モニタ
9000D | D5600 | K-70 | |
オートフォーカス方式 | デュアルピクセルCMOS AF | コントラストAF | 像面位相差検出 コントラスト検出 |
測距輝度範囲 | EV ?2?18 | ||
モニター形式 | TFT式カラー液晶? | TFT液晶モニター | TFTカラーLCD |
モニターサイズ | ワイド3.0型 約104万ドット |
3.2型 約104万ドット |
3.0型 約92.1万ドット |
モニター可動ギミック | 2軸バリアングル | 2軸バリアングル | 2軸バリアングル |
タッチパネル | 対応 | 対応 | 非対応 |
備考 | タッチFn | アウトドアモニタ 赤色表示 |
ライブビューAFは三者三様
像面位相差による高速AFに対応してるのは9000D、次いで像面位相差とコントラストを併用するK-70、そしてコントラストAFのみのD5600。
レンズも考慮するとステッピングモーターやナノUSMを使ったAF駆動の多い9000Dは圧倒的。K-70は像面位相差AFを導入していますが、高速AFを活かすためのレンズがまだ少ないという点は否めません(最近、ようやくステッピングモーターが導入されました)。ニコンもAF-Pというステッピングモーターのレンズが登場し始めたところで、キヤノンほどバリエーションはありません。
動画
9000D | D5600 | K-70 | |
映像記録方式 | MPEG-4 AVC/H.264 | H.264/MPEG-4 AVC | MPEG-4 AVC/H.264 |
記録形式 | MP4 | MOV | MOV |
記録サイズ・フレームレート | FHD 60p HD 60p |
FHD 60p HD 60p |
FHD 60i HD 60p |
フォーカスモード | デュアルピクセルCMOS AF | 像面位相差検出 コントラスト検出 |
その他機能
作画機能
9000D | D5600 | K-70 | |
HDR撮影 | 対応 | 対応 | 対応 |
多重露光 | 対応 | 非対応 | 対応 |
ボディ内RAW現像 | 非対応 | 対応 | 対応 |
備考 | ホワイト優先AWB ディテール重視 |
CTE(WB) 雅 ほのか 銀残し RRS撮影 肌色補正 明瞭コントロール 構図微調整 アストロトレーサー バッファRAW保存 |
作画異能はK-70が圧倒的
とにかくK-70は出来る事が多い。1画素毎の色情報を補完した「超解像撮影(リアルレゾリューション)」を始めとして人肌を滑らかに血色の良い発色を与える「肌色補正」、Lightroomの”かすみの除去”のような性質を持つ「明瞭コントロール」、センサーシフトを使った天体追尾「アストロトレーサー」や雲台を動かさずにカメラ内で構図を3軸調整できる「構図微調整」。
撮影時の設定をほぼ全て網羅しているボディ内RAW現像やテストショット(デジタルプレビュー)からのバッファRAW保存など、細かい部分に行き届いた機能を保有。作画機能だけで言うと上位・下位機種の隔たりが無い、出し惜しみしないペンタックスらしい性能
EOS 9000Dはピクチャースタイルを追加できる
9000Dは風景やポートレートなどの基本的なピクチャースタイル(ニコンではピクチャーコントロール・ペンタックスではカスタムイメージ)に加えてウェブサイト上で配布されているデータをダウンロードすれば新しい設定値の項目を追加することが出来ます。
「紅葉」「トワイライト」など多数公開されているので、まずはウェブサイトで確認してみると良いでしょう
参考:キヤノン ピクチャースタイル紹介・ニコン ピクチャーコントロール紹介・ペンタックス カスタムイメージ紹介(ちょっと古いです)
9000Dは簡単にマニュアルダウンロードが可能
インターフェース・搭載機能
9000D | D5600 | K-70 | |
映像/音声出力・デジタル端子 | USB 2.0 | USB 2.0 | USB2.0 |
HDMI | タイプC | タイプC | タイプD |
外部マイク入力端子 | Φ3.5mm | Φ3.5mm | Φ3.5mm |
リモコン端子 | RS-60E3 | MC-DC2 | CS-310 |
ワイヤレスリモコン | RC-6 | WR-1、WR-R10 | O-RC1 |
内蔵フラッシュ | GN 12 | GN 12 | |
Bluetooth | 対応 | 対応 | 非対応 |
WiFi | 対応 | 対応 | 対応 |
NFC | 対応 | 対応 | 非対応 |
GPS | 非対応 | GP-1、GP-1A | O-GPS1 |
電子水準器 | 1軸 | 非搭載 | 2軸 自動水平補正機能 |
防塵防滴 | 非対応 | 非対応 | 対応 |
PENTAXは防塵防滴のレンズも豊富
エントリークラスとしては珍しい(PENTAXではあまり珍しくない)防塵防滴仕様のK-70。当然組み合わせるレンズも防塵防滴でなければ意味を成しませんが、PENTAX Kマウントには豊富な簡易防滴・防塵防滴レンズが揃っています。
さらに比較的安価でレンズが揃っているので大きなボケに拘らなければシステムとしての費用も安上がりなモデル。欠点は全体的に設計の古いレンズが多いことだろうか。
ボディ・電源
9000D | D5600 | K-70 | |
バッテリー | LP-E17 | EN-EL14a | D-LI109 |
撮影可能枚数の目安 ファインダー | 約550枚 | 約970コマ | 約480枚 |
撮影可能枚数の目安 ライブビュー | 約230枚 | ||
大きさ | 131.0 × 99.9 × 76.2mm |
124 ×97 ×70mm |
125.5 ×93.0 ×74.0 |
質量 (CIPAガイドライン) | 約540g | 約465g | 約688g |
質量 ボディのみ | 約493g | 約415g | 約628 |
買うならどれだ?
EOS 9000D:望遠レンズで連写するならこれ
上位機機種のAF性能をそのまま踏襲してコンパクトなボディに詰め込んだキヤノンの意欲作。特にテレコンバージョンレンズを使った超望遠クラスのレンズを使う場合に競合モデルと使い買ってに差が出てくる。フルサイズ一眼レフを視野に入れたレンズ資産の構築を考えているならベストなチョイス。
最近の機種としては測距点が少ないという従来モデル(8000D)の問題は地球の裏側まで吹き飛んでいき、エントリークラスの一眼レフとしてトップの座に躍り出た。その代わりに高価な値札を付けて「ちょっと高い」という問題が舞い戻ってきた。
このカメラで比較して悩むとしたら、それは同じキヤノン製のEOS 80Dかもしれない。
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EOS 9000D ボディ | 新品・中古情報 |
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EOS 9000D 18-135 USM レンズキット | 新品・中古情報 |
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EOS 9000D ダブルズームキット | 新品・中古情報 |
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NIKON D5600:フットワークの軽い高画質
競合モデルの中では最軽量かつ、センサー性能と処理エンジンの恩恵もあってか画質が非常に良好。
ネックはやはりその操作性。基本オートで撮影するなら問題ないものの、一度凝った設定で撮影しようと思い始めると使い勝手が悪い。また、バリアングル液晶を使ったライブビュー撮影時のAF性能は3機種中では最もモッサリした挙動。
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D5600 ボディ | 新品・中古情報 |
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D5600 18-55 VRレンズキット | 新品・中古情報 |
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D5600 18-140 VRレンズキット | 新品・中古情報 |
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D5600 ダブルズームキット | 新品・中古情報 |
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PENTAX K-70:一撃必殺の画質と機能
高感度性能・高解像撮影・豊富な作画機能と描写に関しては文句なし。画質や機能、レンズラインナップを考慮すると3機種中では最も優秀で尚且つ低価格。非常におススメできるコストパフォーマンス抜群のカメラ。エクセレントだペンタックス!
ウィークポイントは前時代的な11点のAF性能で、キヤノン・ニコンのカメラと比べると2世代は古く感じてしまう。その辺は割り切って像面位相差を使ったライブビュー撮影を積極的に組み込んで対処していきたい所。
また、防塵防滴やセンサーシフト式の手ぶれ補正を組み込んでいることからボディがやや重い点がマイナス。とは言ってもレンズを付けてしまえばそこまで大きな違いを感じる重量さでは無い。
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