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【比較】連写番長を買うなら『Nikon D500』か『Canon EOS 7D Mark II』のどっちにするか?スペックやレンズラインナップで考える

新時代のモンスターか現行のモンスターか

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2016.4.14:ニュース追加(目次参照):XQDカードの性能比較について

ニコンから中々連写番長機が出なかったので、当時は喉から手が出るほど欲しくなるスペックで登場したキヤノン『EOS 7D MarkII』へ鞍替えしたと言う方も多いのではないだろうか。やってきましたニコンのモンスター級のDX一眼カメラ。オートフォーカスはD5譲りで、非圧縮RAWも連写で詰まること無く200枚撮りまくる性能。FX機で無いことを除けばこの上無い性能となっている。

キヤノンに鞍替えした方。ニコンやキヤノンのエントリー・ミドルスペックのカメラだけど本腰しれて動体撮影をしたいと言う方。ミラーレス一眼カメラを買ったけどやっぱり動体は一眼レフでと言う方。思惑は人それぞれなものの、悩ましい問題がひとつ。

今買うなら最強クラスのニコン D500か?はたまた、かなりお手頃価格になってきたキヤノン EOS 7D MarkIIなのか?

今回はスペック比較を交えつつ、周辺環境についてもツッツキながら見ていこう。

スペック比較

*注 先に断っておくと、EOS 7D MarkIIはD500と比べると一世代前のモデルとなる。当然D500よりも劣っている部分はある訳だが、貶めたい訳ではない。劣っている部分を踏まえて、価格差や諸性能にご自身で価値を見い出せばそれは『買い』だと言う事。コチラから『EOS 7D MarkII』の諸レビューを纏めたページに行くことが出来るので、合わせて確認して欲しい。

Nikon D500 Canon 7D Mark II
有効画素 2088万画素 2020万画素
センサー 23.5*15.7mm 22.4*15.0mm
画素ピッチ指数 0.176 0.166
処理エンジン EXPEED 5 デュアルDIGIC 6
記録メディア XQD+SDXC CF+SDXC
RAW形式 12・14bit
ロスレス・非圧縮・圧縮
RAW
形式不明
ISO感度 100-51200
拡張 50?1,640,000
100-16000
拡張 ?51200
AF 153点
(クロス99点 F8 15点)
65点
(クロス65点 F8 1点)
ライブビュー コントラストAF デュアルピクセルCMOS AF
検出輝度 -4~20
全て-3以上
-3~18
中央-3 他不明
連写 秒間10コマ
RAW200枚
秒間10コマ
RAW31枚
シャッタースピード 30-1/8000秒
同調 1/250秒
30-1/8000秒
同調 1/250秒
測光 18万ピクセルRGB 15万画素RGB+IR測光センサー
モニタ 3.2型 236万ドット
チルト液晶
タッチパネル
3.0型 104万ドット
固定式
ファインダー 視野率100%
換算 0.66倍
視野率100%
換算 0.66倍
WiFi 対応 非搭載
(Eye-Fi対応)
Bluetooth 対応 非対応
GPS 非搭載
(BT・オプションで対応)
対応
連続撮影枚数 1240 670枚
サイズ 147*115*81mm 148.6*112.4*78.2mm
重量 860g
カーボン+マグネシウム合金
910g
マグネシウム合金

撮像関連

センサーはドッコイ

センサーは有効画素数が似たりよったりの2000万画素。有効画素はD500が若干多いが、センサーサイズで画素ピッチはD500の方が少し広いと思われる。

画像処理エンジンに差があり

処理エンジンはD500で新採用のEXPEED5を採用。EXPEED5は恐らくソシオネクストの最新の第8世代Milbeuatを採用したモデルで、4K動画や高度なノイズ処理に対応している。センサーと処理エンジンと記録メディアの相乗効果で連写枚数が化け物スペック(RAW200枚)になっている。

一方で7D Mark IIは現行で最新のDIGIC6を2基搭載して処理能力の向上を図っている。それでもEXPEED5と比較してしまうと差は歴然としている。そのボトルネックがCFカードにあるのか、センサーにあるのか、処理エンジンにあるのかは定かではないが…。しかし、RAW30枚の連写は可能でありそれで事足りるのであれば十分な性能。D500のRAW200枚も連写したら後処理や記録メディアがえらい事になる。

現状でXQDカードのメーカーが少ない点も注意点の一つだろう。CFast並の値段なのでランニングコストもソコソコ掛かる。

処理エンジン2基搭載のデメリットか?

デュアルDIGIC6がモロに影響を出している(消費電力的な)かは定かではないが、バッテリーの持ちに大幅な差が出ている。

常用感度に大幅な差

最新の画像処理エンジンの恩恵か、D500の常用感度がISO51,200になっている。どこまでが使い物になるかは個人差があると思うが、現行機よりも向上しているのは間違い無さそうだ。動体撮影においてシャッタースピードを稼ぐのであれば高感度耐性は重要なファクターの一つ。但し、ここにこだわり追求していくとD5や1DXに行き着くのでほどほどに…。

露出・AF

D500

D500

7dmark2-af-area

EOS 7D Mark II

測距点はD500が圧倒的に多いが

こうやって測距点の範囲で見ると、そう大きな開きは無い。横のカバー率はD500の方が高い。D500は99点のクロス測距で7D MarkIIは65点のオールクロスで、クロスセンサーのカバーエリアもまあまあ似たような感じ。

暗所・F8対応はD500の強み

検出輝度に大きな差がありD500は全エリアにおいてEV-3をカバー。中央でEV-4をカバーとかなり暗所に強い。さらにF8対応のエリアも15点と横にワイドでリアコンバージョンレンズを装着した際のAFの効き具合も良好。

高級レンズ中心なら全エリアF5.6対応の7D Mark IIでも

反面、EOS 7D Mark IIは中央でEV-3でその他エリアは不明であり、暗所においてのAF性能はD500に劣る。またF8対応は中央の1点のみだ。しかし、全エリアにおいてF5.6対応のクロス測距を配置されているのでコンバージョンレンズを介さない高級なハチゴローやロクヨンは問題無く使えると言う事。野鳥等を撮る際にテレコン装着するなら要検討でD500に分がある。

7D Mark IIはIR測光センサーを搭載している

通常のRGBセンサーに加えて、赤外線を感知するセンサーを搭載している。これにより、分解能を高めるだけでなく、AFでの追従性の向上にも一役買っている。

ライブビューAFは位相差AFが使える7D Mark II

EOS 70Dと同じく位相差AFが使用出来る7D Mark IIの方が快適なライブビューのAFが使用出来るだろう。とは言え、タッチパネルやモニタ固定式が仇となってそう活用頻度は高くは無さそうだが。後述する静音撮影時や三脚固定時などでは便利そうだ。F8対応の測距点が少ない分、「いっそライブビューで!」って手も無くは無い。が、タッチパネルが無いのでやはり使い勝手は悪い。

ドライブ・連写

瞬間連写コマ数はドッコイ

どちらも秒間10コマの連写が可能。これ以上を求めるのであれば、D5や1DXなどのハイエンド機になる。

連続撮影能力は大幅に差があり

前述したが、D500はロスレスRAW200枚連写とトンデモナイ事になっている。ここぞ!と言うシーンでは気兼ねなくシャッターを切りまくる信頼感のある大容量バッファだ。但し、これを最大限使うのであればXQDカードの購入が必須。

一方で7D Mark IIはRAW31枚(最高のメディア環境を整えて)。引っ切り無しにシャッターチャンスが訪れるシーンでは物足りなさを感じるかもしれないが、一瞬のチャンスを狙うには十分なバッファ容量。

静音撮影について

D500はドライブをミラーアップ時にのみ撮影可能。D810と同様とするとシャッターボタンを2回押す必要がある。7DMark IIはLV静音撮影モードが実装されており、ライブビューからの電子先幕シャッターが使用可能。使いやすいの後者だと思う。

とは言え、動体を撮るには静音シャッターは活用しにくく手振れを抑えるには2000万画素で必要性が薄いという…。とは言え、ローライトなシーンやテレマクロ撮影するなら極力ブレは抑え込みたいもの。

ファインダー・モニタ

どちらもクラス最高レベルのファインダー

35mm判換算で0.66倍程度となる高倍率のファインダーを搭載している。まあ、他のAPS-C機に比べると見やすい。特に7D MarkIIはキヤノンAPS-C機では貴重な視野率100%。

モニタはD500が圧倒的に使いやすい

そりゃあ、チルト液晶にタッチパネルが搭載されているのですから当然ですよ。また、236万ドット(7D MarkIIは104万ドット)と高精細で3.2型とちょっと大きい。タッチパネルなら尚更大きい方が操作し易い。

だからこそ、ライブビューがコントラストAFのみである事が悔やまれる訳だが…。高速AFが必要ないマクロ撮影や三脚に固定した撮影時はかなり快適に撮影が出来ると思う。タッチパネル機が少ないニコン機では触った事が無い方も多いと思う。かなり使いやすい、撮影方法がかなり広がるので超おすすめ。

加えて撮影後に画像を確認する際に大型で高精細な液晶の方が見やすい。帰ってパソコンで確認したら「なんじゃこりゃあ!」と失敗する回数も減ることだろう。

耐久性は?

可動液晶になった事でハードなロケーションでの耐久性度を心配される方も居るだろう。これに対して言及出来る事はないが、可動ギミックが増えた分、故障する可能性はゼロではないだろう。防塵防滴に関しては他所様のチルト液晶搭載の防塵防滴機で「壊れた!」という声はそう見ないのが物語っていると思う。

連携機能

D500はWiFi・BTが使える!

D500はハイエンド一眼レフ機では珍しく、WiFiが搭載されている。さらに珍しい事にBluetooth対応だ。これによりスマホとの常時連携が可能となり、GPSこそカメラに内蔵していないもののスマホから位置情報をEXIF情報に書き足す事が出来るようになっている。

また、操作不要で撮影した画像を自動転送してくれる機能も搭載。バッテリーがガンガン減りそうな機能ではあるものの、不慮の事故で画像データが消失した場合の保険になってくれるだろう。

7D Mark IIはGPS内蔵

一方で7D Mark IIはプロユースを捉えてか、GPSのみ優先して内蔵。付加機材無くして、位置情報を記録できる点を重宝する際には便利だ。例えば、山岳での野鳥撮影でのスポット記録や行程の記録など。

WiFiやBTは必要ないが、GPSは欲しい!って事なら一考を。ちなみにWiFiはEye-Fiで画像転送には対応している。

サイズ・重量

どちらも同様なサイズだが、機能性を考慮するとD500はかなり軽いと言える。炭素繊維とマグネシウム合金を使った複合素材のモノコック構造が功を奏したみたいだ。

ちなみにどちらの追加バッテリーグリップも防塵防滴構造のマグネシウム合金だ。単三電池は使用できる。7D MarkII用は330gで、D500用は重量の表記が無いものの同様の重量となるだろう。

価格

悩みどころがD500の価格。APS-Cの中では7D Mark II以上に突き抜けた値段となっている。発売当時の価格をすり合わせるとD500は23万円・7D Mark IIは20万円程度と僅差なものの、現在の実売価格では9万円の開きがある。(2016.1.27日現在のAmazonでの価格)

ニコンではオンリーワンとなる連写番長なモデルだけに欲しい人は迷わず買えば良いと思う。7D Mark IIはは2014年に発売されたモデルではあるが、当時から話題を掻っ攫っていた人気モデル。未だにその人気は色褪せてはいない。それを考えると、7D Mark IIを上回るD500はここ数年間を席巻出来るスペックは当然持ち合わせていると思って問題無いだろう。

一方で7D Mark IIは現在13万円ちょっとと、かなり買いやすい金額になっている。今までは同スペックの競合モデルが無かったので価格が高めだったものの、競り合うカメラの登場で若干価格の値下がりが見える。D500を買う価格で望遠Lレンズ一本とセットで買えてしまう(F値抑えめの方)。

オプションパーツもD500は高価で、バッテリーグリップ一つとっても7D Mark IIは2万円ちょいでD500は5万円ちょいと3万円の開きがある。さらに中に装着するバッテリーは一つ1万円する大型バッテリーだ。追加投資をホイホイする必要も出てくる点を考慮して欲しい。下記にD500とEOS 7D Mark IIのアクセサリー簡易早見表が掲載されているページを貼っておいたので確認して欲しい。

APS-Cに特化したレンズ

実は今回の記事で特筆したかったのはココ。APS-C機を使う以上、最適化されたレンズを使った方が機動性も良く無駄に重くて高いレンズを使わずに済む。純正に拘らなければサードパーティ製で似たり寄ったりのレンズがあるものの、純正にこだわるのであれば結構差がでるポイントだ。

尚、レンズごとに作例や評価を取り扱った特設ページがあるレンズもあるのでリンクが貼ってある気になるレンズがあれば確認して欲しい。

ニコン DX

キヤノン EF-S

バリエーションが豊富なニコンFマウント

両方共、各キットズームと標準大口径においては同様のラインナップだ。ワンランク上の標準ズームのラインナップに関してはニコンにF2.8-4の明るめのズームレンズがある点が大きい。

最適化された魚眼レンズがあったり、マクロレンズも2種類あったりするので、全体的にニコンの方がレンズの種類は多い。85mmF3.5のマクロレンズに手ぶれ補正が搭載しているので使いやすい。

機能性が魅力のキヤノンEF-Sマウント

一方で動画やライブビューAFで有利なステッピングモーターを搭載したレンズが多いのはキヤノンだ。

広角ズームレンズにIS手ぶれ補正が搭載されたモデルが存在する。

レンズ総括

どちらも本気望遠レンズはフルサイズ対応を

大口径の望遠レンズはどれもこれもフルサイズ対応なので、そこは腹を括ろう。重くて高いが、防塵防滴性(ニコンはしっかりと謳ってはいない)や描写性能はどれも折り紙つき。

敢えて言えば、ニコンには200-500mmのバーゲンセールの様なレンズが存在するのでお買い求めやすい。

本気の望遠レンズに遊び心のレンズを加えるのならニコン

魚眼や手ぶれ補正搭載のマクロレンズがあるので使いやすい。また、明るい標準ズーム(D500のキットレンズ)は常用レンズとして完結出来る。さり気なく存在する35mmF1.8も使い易くてお求めやすい良いレンズだったりする。

今回は特記しないが、各種焦点距離のFX対応なF1.8G単焦点レンズ群がお手頃価格で評価が高いレンズが多い。DX機でも使いやすいので、FX機が無くても購入しておきたいレンズ。

本気の望遠レンズに動画機能を活用するならキヤノン

ニコンほど買ってみたいな、と思わせるレンズは少ないものの使い勝手の良いレンズは多い。特にステッピングモーター搭載レンズが多いのでライブビューが快適。さらに静音で高速なAFなので動画にも使いやすい。EF-Sレンズの中でもおすすめな60mmマクロレンズがあるのだが、液晶パネルが固定式なのでマクロ撮影を楽しむ上での相性は良くは無い。

特徴的と言えるレンズが少ないので純正に拘りがなければシグマやトキナーと言ったレンズもありだろう。APS-C専用の野心的な超広角ズームがあるシグマや明るい広角レンズがあるトキナーは純正には無い魅力があるのも確かだ。

購入早見表

Nikon D500

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軍資金に余裕があれば間違いなくD500

ボディ+レンズ代+オプションパーツ代がまかなえるのであれば現行のハイエンド機をチョイスした方が後々まで戦える。性能や機能面で大幅に差が在るので間違いないだろう。

DXフォーマットのレンズ群は手頃で面白いレンズが多く、FX単焦点もDXで面白い画角のレンズが多い。

可動液晶・タッチパネルによる撮影アングルの多彩さ。暗所やテレコン超望遠でも強力なオートフォーカス性能。WiFi等の各種連携機能。最新の周辺機器に対応しているプロユースでの使い勝手の良さ。

などなど、初めはボディ単品で購入しても後から色々と継ぎ足せるのが魅力的。

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Canon EOS 7D Mark II

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連写するだけならEOS 7D Mark IIでも頑張れる

D500で挙げた多機能性こそ無いものの、連写用カメラとして活用する分には十分なスペックを持ち合わせている。D500のスペックを活用しきれるか?と疑問に思うのであればこの選択肢だってあながち間違いじゃない。十分現役で通用するカメラだ。

手頃な価格で購入出来るので、70DやKissからのステップアップにも購入し易い。まあ、その際はフルサイズ機という手もあるのだけどね。

注意点は極限状態で活用する場合。例えば望遠にテレコンを使ったF8超望遠の使い勝手や、ローライトなシーンでの激しいフォーカシングはD500が抜きん出る。二度とはないシャッターチャンスにRAW連写31枚と200枚の差はかなり大きい。そういった心配の種があるのなら、D500や7D MarkIIの後継機・1DX Mark IIを狙った方が良いだろう。

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ニュース

2016.4.14

NikonRumorにおいて「D5で使うXQDカードはどれが良いか?」という検証を行っている。

結果は歴然としているのだが、ソニーのGシリーズやレキサーの2933xが段違い。「そこまで枚数稼げなくてもいいや…」という話なら、どれだけ枚数が減るのかを確かめて購入すると自分に合ったカードが選べると思う。

XQDカード購入早見表

2016.3.27:D500で使いたいレンズ

ITmediaで山形 豪氏が執筆する『D500と組み合わせるのにぴったりなレンズ』特集が組まれている。そこで記事中で紹介されている該当レンズの作例や評価を集めた特集ページを下記に列挙しておこう。リンクが貼られていない部分は現在作成中、しばしお待ちを

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